真・恋姫†BASARA 革命 孫呉の血脈と真田が魂02
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ここから注意事項です。次回の前書きにも書きますが、ここで前もってお伝えします。わたくしが書く作品は、駄文です。キャラをちゃんと活かしきれていない。これらが許せない、または原作至上主義な方々にとっては、とても不快に思われる可能性があります。

 

 

 

どうかご了承くださいますよう宜しくお願い致します。

 

 

 

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第一章 外史に来たれり

 

 

 

 

 

 

???「.....」

 

 

夜、ある城にて1人の女が城壁に立って夜空を眺めて居た。その女は肌が褐色、額に紋章が刻まれ、抜群なスタイルを有しており、一発で男の欲望を滾らせる程の身体をしている。彼女の名は孫堅、字は文台。建業を収める孫家の当主である。

 

 

孫堅「......」

 

 

しかし彼女の表情は寂しそうであった。そんな彼女の背後から声が掛けられる。

 

 

???2「炎蓮様、かような所にいらっしゃいましたか」

 

孫堅「....雷火」

 

 

自身の真名を呼んだのは、口調が大人っぽいが見てくれが、炎蓮と呼ばれた女性よりも年下な少女。彼女は張昭、字は子布。実は彼女見てくれは少女だが、歳が孫堅と並ぶ年増なのだ。

 

 

張昭「探しましたぞ。評定を勝手に抜け出されては困りまする」

 

 

そう口にする張昭に、孫堅がフッと笑って答える。

 

 

孫堅「フッ...評定などつまらん。婆さえおれば、どうとでもなるであろう?」

 

張昭「炎蓮様」

 

孫堅「......」

 

 

孫堅に対して諌めるように張昭は口にするが、そんな張昭に対して孫堅は悪びれる気はないようだ。そして彼女は今のを無かったかのように再び夜空を眺める。

そんな孫堅に張昭は気になり、問いかける。

 

 

張昭「先ほどから、何を見ておいでか?」

 

孫堅「空よ」

 

 

孫堅がそう答えながら夜空を見上げ、張昭もそれに釣られるように空を見る。

 

 

孫堅「ああ」

 

張昭「はて....星の動きに、何か怪しい物でも」

 

 

すると夜空を見上げている彼女らの視界に一筋の光が走る。

 

 

孫堅「ほう...」

 

張昭「あれは、流れ星ですかな....」

 

 

しかし彼女らが見つけたその流れ星は通常の流れ星とは違い、奇妙な軌跡を見せながら南の方角に落下する。

それを見届けた張昭は唖然とするが、孫堅は不敵にも笑っていた。

 

 

張昭「い、今のは....」

 

孫堅「だから流れ星だろ?」

 

張昭「それにしては動きが奇妙でしたぞ。南の方角に落ちたようだが.....」

 

 

彼女が落ちた方角を見ながら喋っていると、孫堅が在る事を口にした。

 

 

 

孫堅「.....黒天を切り裂いて、天より飛来する一筋の流星。その流星と共に赤き獅子の如く強き天の御使いが現れ、乱世を鎮静す」

 

張昭「管路の言葉ですな」

 

孫堅「ククククククッ」

 

 

張昭の問いに再び不敵に笑う孫堅。孫堅が口にした言葉...それはこの大陸中で触れ回っている占い師が発した予言である。

 

 

張昭「もしや炎蓮様。今の流れ星が、まこと天の御使いを運んできたと...?」

 

孫堅「応さ」

 

 

張昭の問いに孫堅は即答で口にした。そんな屈託のない返事をする己の主に張昭は呆れながらにまた問いを投げ掛ける。

 

 

張昭「何故でしょう?管路の占いをお信じになったとしても....流れ星など珍しくも在りますまい?」

 

孫堅「そうだな。しかし、このオレの眼と鼻の先に落ちたのだ」

 

 

そう口にした孫堅の眼はまるで獲物を見つけたかのように嬉しそうにしていた。

 

 

孫堅「これは天啓.....否!天がオレに縋っておるのだ!」

 

張昭「っ!?」

 

孫堅「謁見の間へ参る!雪蓮と祭を呼んでおけ!」

 

張昭「ハッ!!」

 

 

そして孫堅の命の下、流れ星が落ちた地点に捜索が始まるのだった。

 

 

 

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有無を言わさず孫堅は張昭に命じ、早急に流れ星が落ちた場所へ捜索を向かわせる。そしてそれに向かわされる事となったのは、孫堅の娘であり孫家の長女、名は孫策、字は伯布。母に負けず中々の美貌と女体をしている。

もう一人の女性は孫家の古参、黄蓋、字は公覆。

 

 

孫策「いきなり、流れ星が落ちた場所に行けって...母様も突然すぎるのよねぇ。

祭、悪いわね?母様の思いつきに、貴方まで付き合わせちゃって...」

 

黄蓋「はっはっ、これしきの事慣れておるわい。じゃが...それにしても肌寒いのぉ」

 

孫策「そうね。もう春なのに気候が狂ってるわ。世の中の動きと同じね」

 

黄蓋「飢饉にあえいだ民が山賊や江族に身をやつし、互いに殺し合い、奪い合っておる。

.....まぁ、この呉はまだ落ち着いているが」

 

孫策「これだけ世が、人心が乱れているのに、天下に総べている為政者たちが、己の蓄財にしか眼を向けないような世界にするんだもの。漢王朝は終わりよ。そして何れは...」

 

黄蓋「大乱は避けられんか...」

 

孫策「そうなったら、今の漢王朝にそれを収める力は無いわね」

 

黄蓋「炎蓮様には望むところだろうが」

 

孫策「そうね。乱に乗じれば、母様の大望もきっと叶う。

........けど、今の孫呉ににも、まだその力がないわ」

 

 

そう口にし孫策、そんな彼女に黄蓋は今回の天の御使い捜索に対して不思議がっていた。

 

 

 

黄蓋「ふ〜む....それにしても、炎蓮様が占いなどをお信じになるとはなぁ」

 

孫策「あら、母様らしくていいじゃない」

 

黄蓋「ん?」

 

 

しかしそんな黄蓋とは違い、孫策は母の思う所を理解したかのように呟く。

 

 

孫策「使えるものは何でも使うのが母様よ。孫家が飛躍するきっかけになるのなら占いでも流れ星でも、((妖|あやかし))でも何でもいいのよ」

 

黄蓋「....」

 

 

その孫策の話しに黄蓋はおもむろに笑みを溢し答える。

 

 

黄蓋「ははっ、確かに。長年お仕えしている儂より、策殿の方がよっぽど炎蓮様を分かっている様だ」

 

孫策「娘だからねぇ....不幸にも」

 

黄蓋「はっはっはっ」

 

 

っと笑みで返す孫策の態度に黄蓋は面白可笑しく笑ってしまう。そんなやり取りをする中で彼女らは自身らが乗る馬を駆り、張昭から説明を受けた方角へと向かって進んでいく。

 

 

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流れ星が落ちた場所に向かって城から三里ほど馬で走ってきた孫策と黄蓋は...。

 

 

黄蓋「ハッ!.....ちょうど三里ほど来たか」

 

孫策「雷火の話しだと、この辺りの筈よね?」

 

黄蓋「ふむ、では手分けして探してみるか」

 

孫策「じゃあ、一刻程したら、ここでまた落ち合いましょう」

 

黄蓋「承知した。だが策殿、この辺りは((劉耀|りゅうよう))殿の勢力圏じゃ。くれぐれも油断されぬようにの?」

 

孫策「ええ、分かってるわ」

 

黄蓋「それでは一刻後に。ハァッ!!」

 

 

黄蓋は馬を走らせ、別方向へ向かっていった。

 

 

孫策「さて....天の御使い、か...。そんなもの信じられないけど....星が落ちているのなら、ちょっと見ていたいわね」

 

 

そう口にしながら彼女は手綱を強く振って馬を走らせ、黄蓋とは別方向へと進んでいく。そして走らせてから少し時間が経過した頃、彼女の眼に信じられない光景が広がる。

 

 

孫策「....え.....?何?...」

 

 

彼女の視界に映るのは赤く大きな光、その今まで見た事も無いモノに孫策は呆気に取られる。

 

 

孫策「星....?」

 

 

その赤い光は今も尚眩く光っている。

 

 

孫策「なんなの、アレ?初めて見る...。赤く光っているわ。丸くて大きくて....あれが地面に落ちた星なのかしら...?」

 

 

呆気に取られていた彼女だが、それが徐々に好奇心に変わっていきもっと近くに行き、この赤き光の正体を見たいと思ってしまっている。

 

 

孫策「もっと近くへ.....」

 

 

その時だった。別の方角から馬の嘶きと共に何者かがやって来たのだ。

 

 

???「ハーッ!!」

 

 

孫策「(騎馬武者...)何者か!?」

 

 

孫策は咄嗟に剣を抜いていた。そして現れたのは孫策に負けず劣らずの美人、そして孫策と同じ褐色肌で露出度があり豊満且つ良い体をしている女将であった。

その騎馬武者の彼女は赤い光を見て第一声を口にした。

 

 

騎馬武者「おー、あったあった!間違いなくアレだよね!」

 

孫策「え...?ちょっと待ちなさいよ!」

 

騎馬武者「ん?」

 

 

孫策が制止する声に騎馬武者の女将は、此処で孫策の存在に気付く。

 

 

騎馬武者「えっとー、あんた、誰?」

 

孫策「それはこっちの台詞よ。何者か、名乗りなさい!」

 

 

孫策は女将に名乗るよう促すが、これに女将は笑みを溢すのだった。

 

 

騎馬武者「フフン、人に名を問うならまず自分から名乗るのが礼儀じゃない?」

 

孫策「....」

 

騎馬武者「それにいきなり剣を抜いて、そんな風に脅されてもねー?」

 

孫策「まぁいいわ。貴方、それが何なのか分かっているの?」

 

騎馬武者「ん?赤く光ってるの?流れ星が落ちた奴でしょ?」

 

孫策「そう。で?それをどうするつもり?」

 

騎馬武者「持って帰ろうかなって」

 

 

どうやら騎馬武者の女将も、この赤い光が目的のようだ。しかしそれは孫策も同じである。いきなり現れたこの謎の赤い光を他者に奪われる訳にはいくまいと、孫策は毅然として反論する。

 

 

孫策「それは出来ない相談ね。私はその光を持ち帰るよう命を受けているのよ」

 

騎馬武者「それだったら私だって同じだよぉー」

 

孫策「....何者?」

 

騎馬武者「だからぁ!そっちから名乗りなさいよぉー!」

 

孫策「......」

 

騎馬武者「......」

 

 

 

二人の間に夜風が通り過ぎ、騎馬武者が何処か仕方なしと言ったような表情を浮かべこう口にした。

 

 

 

騎馬武者「ねぇねぇ、どうする?私はそれを絶対に持って帰るつもりなんだけどー....あんたも簡単には譲るつもりはないみたいね?」

 

孫策「だったら....どうするの?」

 

騎馬武者「まっ、ひとつしか道はないんじゃない?」

 

 

「「.....」」

 

 

両者の眼つきが鋭く、そして互いに得物を握る力が自然と強まる。そして....。

 

 

 

孫策「ハァァァァァァ――――っ!!!」

 

 

その刹那、静寂を先に破ったのは孫策であった。彼女は携えていた剣を抜いて騎馬武者に襲いかかる。これに騎馬武者は咄嗟に反応して持っていた三又槍で見事に防御し、鍔迫り合いとなる。

 

 

騎馬武者「おお!いきなり!?」

 

孫策「不意打ちだなんて言わないわよね?」

 

騎馬武者「もっちろぉん♪常在戦場が信条だものっ....!」

 

 

鍔迫り合いとなって直ぐに刃をぶつけ火花を散らし、また刃を重ね力を競う二人。だが孫策の表情が苦悶に変わる。

 

 

孫策「くっ!」

 

騎馬武者「フフッ、でも本当に私とやり合う気?私、強いよー」

 

 

そこから新たに三又槍を振り翳して孫策を追い込む。

 

 

孫策「っ!」

 

 

眼の前の女将が繰り出す攻撃を耐えながら、孫策は内心相手の力量に脅威を抱く。

 

 

孫策「(コイツ、強いっ!!)」

 

 

騎馬武者「いやぁっ!!」

 

 

孫策「くぅ!!」

 

 

更に騎馬武者の連撃が続く。

 

 

騎馬武者「せやぁあ!!せいっ!!えやぁああああっ!!!」

 

 

孫策「っ!くぅうう!!」

 

 

寸分違わずの連撃、これに孫策は完全に圧倒されてしまう。

 

 

孫策「(早い.....しかも、なんて重たい攻撃なの!やっぱり、只者ではないわ...!」

 

 

騎馬武者「へぇ〜、思ってたよりやるじゃん。アンタ、何者?」

 

 

孫策「そっちこそ、いい加減に名乗ったらどう?」

 

 

騎馬武者「へへ〜ん、やーだよぉ〜♪」

 

 

孫策「ふっ....どうしても名乗らないつもりなら...!」

 

 

 

余裕綽々とする女将に孫策は己の剣に更に力を込めて押し返す。

 

 

 

騎馬武者「おおっとぉ!?」

 

 

 

一瞬隙をつかれてしまう騎馬武者、そこへ孫策の反撃が飛ぶ。

 

 

 

孫策「つぁあああ!!せやっ!!えぇああああっ!!!!」

 

 

騎馬武者「わたっ!?くっ...」

 

 

孫策からの見事な反撃に騎馬武者は真面に追い切れず、後手に回ってしまう。しかし孫策は手を緩めない。

 

 

孫策「ハァ!!しゃああああああああっ!!!」

 

 

騎馬武者「早っ!?待って!!」

 

 

孫策「誰が待つかぁ!!」

 

 

騎馬武者「うわわっ!?」

 

 

もう完全に孫策の優位となる、そして......。

 

 

孫策「貰ったっ!ハァアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

 

孫策が放った一撃が.......。

 

 

騎馬武者「きゃっ!.....なーんてねっ♪」

 

 

っと先ほどまで優位を取られた騎馬武者の女将は不敵に笑い、三又槍ですかさずそれを跳ね除けて返しの一撃を食らわす。

さしもの孫策は堪らず防御するなくなった。

 

 

孫策「くっ!」

 

 

騎馬武者「いまので勝ったと思ったぁ?」

 

 

孫策「やるじゃない!!だったら....ハアアアアアアアアアアアアアっ!!」

 

 

騎馬武者「んおっ!?いいねぇ....エヤアアアアアアアアアアッ!!」

 

 

 

何度も、何度も、一手、二手、三手、四手と互いの刃をぶつけ合せる二人の戦乙女。互いの全てをぶつけ合っている内に何時しか2人して楽しそうにしながら刃を合わせる。

そしてそれが暫く続き、両者は息を荒くしながら互いを見据えあっていた。

 

 

 

孫策「はぁ...はぁ...」

 

 

騎馬武者「はぁ...はぁ...フフフッ、どうしたの?もう降参?」

 

 

孫策「そんな訳ないでしょ?何が何でもアンタを叩き伏せて、名乗らせてやるわ!」

 

 

騎馬武者「そ?奇遇だねぇ....私も同じ気分だよ!」

 

 

 

そして息を整えて二人は咆哮を挙げながら得物を振り翳した。

 

 

 

孫策「行くわよっ!!ハアアアアアアアアアアっ!!」

 

 

騎馬武者「オオオオオオオオオオオオオっ!!!」

 

 

 

しかしその時....。

 

 

 

???「待てぇぇぇーーーいっ!!!!」

 

 

騎馬武者「え....?」

 

 

孫策「祭!?」

 

 

 

 

その二人の決闘に黄蓋が割って入った事で打ち止めとなった。

 

 

 

黄蓋「まてぇい!!待たんかぁ!!」

 

 

黄蓋は馬に乗りながらいつでも弓矢を放つ態勢を整っていた。そしてその弓矢の矛先を孫策と対峙していた騎馬武者の女将に向けられる。

 

 

黄蓋「貴様は何者か!!」

 

 

騎馬武者「もー、これからだったのにー」

 

 

彼女は馬を巧みに操り孫策から距離を開ける。そんな彼女を逃すまいと黄蓋は弓を握る力を更に込めた。

 

 

黄蓋「逃げるかッ!!」

 

 

騎馬武者「二対一じゃ分が悪いし、しょうがないから星は諦めるぅ」

 

 

孫策「それでいいの?」

 

 

騎馬武者「うん。今回は譲ってあげる。楽しませてくれたお礼にね♪」

 

 

彼女のウインクをして孫策にそう告げると、彼女らは面白くなったのかつい笑ってしまう。

 

 

孫策「フフッ」

 

 

騎馬武者「あははっ」

 

 

そんな中黄蓋が孫策に相手の素性を問いかけてきた。

 

 

黄蓋「策殿、こやつは...」

 

 

孫策「さぁ、だれかしらね」

 

 

すると....。

 

 

騎馬武者「太史慈よ」

 

 

孫策「え?」

 

 

騎馬武者→太史慈「太史慈、字は子義。揚州刺史、劉耀様が配下の者よ」

 

 

孫策「劉耀の.....そう。私は呉群太守孫堅が嫡子、孫策伯符よ」

 

 

騎馬武者...太史慈が名乗った事で孫策もまた己の素性を明かしたのだった。これに黄蓋は諌める声を出す。

 

 

黄蓋「策殿...!」

 

 

そして孫策の名を聞いた太史慈はと言うと、自分が相手をした人物がとんでもないと分かると驚愕してしまう。

 

 

太史慈「えー!?アンタがあの孫堅.....江南の狂虎の娘なんだ。道理で強いと思った....」

 

孫策「江南の狂虎ねぇ、母様の渾名にしてはちょっと品が良すぎるわね♪」

 

黄蓋「策殿...」

 

孫策「それじゃあ遠慮なく、星は譲ってもらうわよ?」

 

太史慈「勝負はお預けだけどね。でも楽しかったよ、孫策。またいつか続きが出来るといいね」

 

孫策「ええ....」

 

 

太史慈の問いに孫策は笑みで返すと、太史慈は手綱を用いて馬を先ほど自分が来た道へ方を向けて走り去っていった。

その後ろ姿に孫策は何処か嬉しそうにしていた。

 

 

孫策「フフッ」

 

黄蓋「して?策殿。星は?」

 

孫策「あー!!そうだった!!」

 

 

黄蓋に言われ、自分が此処に来た目的を思い出す。

 

 

孫策「ねぇ見てよ祭。あんなもの、祭は見た事ある?」

 

 

孫策が指差す方角には赤い光が在る。

 

 

黄蓋「なんじゃあれは?何やら光っておるな....」

 

孫策「きっと、落ちた星よね?」

 

黄蓋「ふむ.....ん?」

 

孫策「え!?」

 

 

 

その時、赤い光に突如異変が生じる眩い位に光っていたのが徐々に弱まり、中から人が見えたきた。

 

 

孫策「人...?光の中に人が....」

 

黄蓋「策殿、迂闊に近づいてはいかんっ!」

 

孫策「でも....」

 

 

その時、弱まっていた赤い光が突如凄まじい程の輝きを放つ。

 

 

孫策「きゃっ!!」

 

黄蓋「策殿!!」

 

 

そしてその激しい輝きが消えると、現れたのは....。

 

 

孫策「祭....人だわ。男が倒れてる....」

 

黄蓋「ふむ....」

 

 

彼女らの目の前に倒れているのは....前回の話しで鏡の光によってその姿が消えてしまった真田信之、その人である。

 

 

信之「....」

 

 

倒れ目覚めぬ信之を頭から爪先まで凝視する2人。

 

 

孫策「どう思う?」

 

黄蓋「さっぱり分からん。この男が光っておったのか、それとも先の光が星で...それにこの男が包まれていたのか....」

 

孫策「考えても絶対に、分かりそうにないわよね」

 

黄蓋「うむ。じゃがこれは普通ではないの。管路の予言通り、星がこの男を天から運んで来たのか」

 

孫策「この男が天の御使い?」

 

黄蓋「それは分からん....じゃが」

 

 

黄蓋が何を言いたいのか孫策は直ぐに気付いた。そう彼女らは信之の姿を見た瞬間、とてもつもない程の武人としての感に襲われていたのだ。

 

“この男は、強い”っと.....。

 

 

孫策「何処かの武将、かしら?」

 

黄蓋「恐らくは....しかし、この男の格好、見た事も無い装束じゃの?じゃが戦の為の物だと言うのが何となく分かる。それと傍に在るこの長物....まるで梯子にも見えるが、足場みたいなのが鋭い刃となっておるの...」

 

孫策「それに髪が真っ白、そして後ろ髪長いわね?二房に纏めてるの?なんだか可愛いわね、フフッ」

 

黄蓋「それに鍛え抜かれた体。並々ならぬ鍛錬をし続けてきたに違いない...じゃが」

 

孫策「ん?」

 

黄蓋「そもそもこやつ、生きておるのか?」

 

 

そう口にしながら黄蓋は仰向けに倒れている信之の胸板に己の耳を当てて、心音を確かめる。

 

 

孫策「どう?」

 

黄蓋「うむ、心の臓は動いておる。どうやら気を失っているだけのようじゃ」

 

孫策「なら好都合じゃない?城に連れて帰りましょうよ」

 

黄蓋「ふむ、じゃがこの図体の大きさ、果たして二人で運べるどうか....」

 

 

黄蓋はそう信之の体を見る。見てくれ身長が190位あろうとも窺える信之に孫策は困ったように笑みを溢す。

 

 

孫策「なら、2人で馬に乗せましょ。私の馬に乗せて。祭は彼の武器を...」

 

黄蓋「心得た」

 

 

そうして二人は、信之を連れて城へと帰還するのだった。

 

 

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そしてその翌朝....。

 

 

信之「う....うう.....」

 

 

眩い朝日の光が寝台に横になっている信之を照らし、その重い瞼をゆっくりと開かせる。

 

 

信之「ああ.....朝、か?」

 

 

信之はその大きな体をゆっくりと上半身だけ起こした。

 

 

信之「俺はどうして今まで.....何があった?」

 

 

そう口にしながら信之は何とか思い出そうとしていた。

 

 

信之「俺は確か....鍛錬が終わった後、蔵から怪しい気配を感じて....そこで妙な鏡を見つけて....それで....それよりも此処は何処だ?」

 

 

するとそんな信之に.....。

 

 

黄蓋「おっ?お主、目覚めたか?」

 

 

信之「ん?」

 

 

黄蓋「気分はどうじゃ?怪我はしとらんか?」

 

 

突然、黄蓋が扉を開けて入って来た。これに信之は何とか状況を知るべく黄蓋に話しかける。

 

 

信之「あ、貴方は....?」

 

 

黄蓋「ん?それよりも立てるか?」

 

 

信之「え...嗚呼」

 

 

黄蓋に言われ、信之はおもむろに寝台から起き上がる。立ち上がった信之を黄蓋は自分よりも身長が高い彼を見上げる。

 

 

黄蓋「ふむ、立てる様じゃな?」

 

 

信之「は、はぁ....?(この御仁が助けてくださったのか?)」

 

 

黄蓋「まだハッキリとしておらんようじゃが、名乗らせてもらおう。儂の名は黄蓋、字は公覆。以後見知りおけ」

 

 

信之「.................何?」

 

 

今信之の思考は完全に真っ白になった。無理もない、何せ目が覚めれば全くの知らない場所でしかも自分を助けてくれたかもしれない女性が、いきなり三国志の有名な武人の名を口にしたのだから。

それで信之は恐る恐る自分が居る場所を問うのだった。

 

 

信之「して.....某が今居るこの場所は......」

 

 

黄蓋「((揚州|ようしゅう))((丹陽群|たんようぐん))の((建業|けんぎょう))。我が主、孫堅様の館じゃ」

 

 

信之「......」

 

 

黄蓋「揚州と聞いて分からんのか?...もしや、これはまことに....。お主、何処の出身だ?」

 

 

信之「生まれは信州の上田という場所でござる」

 

 

黄蓋「しんしゅう?うえだ?聞いた事も無い。それは何処の州に在るのじゃ?」

 

 

信之「.......」

 

 

またも頭の中が真っ白になった信之。しかしそれを表に出す事は無く只々冷静になろうと黙る。そんな信之に黄蓋は問いかける。

 

 

黄蓋「では次にお主から名乗ってもらえるかの?」

 

 

信之「....これはとんだご無礼を。某は真田信之と申す」

 

 

黄蓋「ふむ、性が真、名が田、字が信之か....」

 

 

信之「....いや、性が真田、名が信之。字は在り申さん」

 

 

こう信之が返すと、黄蓋は信じられないような顔をする。

 

 

黄蓋「字が...無いじゃと?」

 

 

信之「嗚呼」

 

 

黄蓋「それで、そのしんしゅうと言うのは何処に在るのじゃ?」

 

 

信之「.....日ノ本でござる」

 

 

黄蓋「ひのもと?ますます分からんのう....」

 

 

信之「......蓬莱というのは?」

 

 

黄蓋「ん?それならば知っておる。確か東方の島国がそういう名前じゃったな?」

 

 

信之「.....黄蓋殿」

 

 

黄蓋「ん?何じゃ?」

 

 

信之「某は何故此処に?」

 

 

黄蓋「ふむ。昨晩、流れ星が落ちたのう。儂は見ておらぬが、ここ建業のすぐそばに落ちたのじゃ。儂は主の命を受け、落ちた星を調べに行った。すると、赤い光に包まれた、お主が倒れておったのじゃ」

 

 

信之「.....」

 

 

黄蓋から語られた話に信之は信じられなかった。だが自分が見つけたあの鏡の所為で、自分が此処に居るのではと思い始める。

 

 

黄蓋「何も分からんのか?」

 

 

信之「....いや、某は朝いつも通りに起床し、いつも通りに朝の鍛錬に励んで負った。しかし某が所有する蔵から怪しい気配がしたため調べに行ったら奇妙な鏡を見つけ、それを手にした瞬間、某の意識はそこで閉じてしまい申した」

 

 

黄蓋「ふむぅ......それがまことなら、人の力を超えた何かが働いたか。やはり、お主は天から降って参ったのか?」

 

 

信之「断言はしとうないですが....」

 

 

信之自身、夢と疑ったが頭は冴えている。そんな彼に黄蓋は在る事を問いかける。

 

 

黄蓋「お主は何故、この地に降り立った?天の御使いとして、此処で何を為すつもりじゃ?」

 

 

信之「天の...御使い?」

 

 

黄蓋「儂の言葉は通じておろう?ならば答えよ」

 

 

信之「申し訳ないが、某自身も未だ理解できておらんのだ。何ゆえ此処に居るのかすら....」

 

 

黄蓋「ふ〜む....」

 

 

 

すると部屋の扉が開き、孫策と彼女と黄蓋と同じ褐色肌の眼鏡を付けた美しい黒髪の女性が現れる。

 

 

孫策「あっ、起きてる起きてる」

 

 

黄蓋「おお、策殿」

 

 

黒髪の眼鏡の女性「ほう?この男が?」

 

 

孫策「おはよう、気分はどう?」

 

 

信之「....特には。ただ己の状況が皆目がつかめぬ次第で...」

 

 

孫策「そう...フフッ」

 

 

信之「!」

 

 

気さくに話しかける孫策は信之からの返答に優しく微笑む。しかし信之の武人として部分がそれを見逃さなかった。

気さくな笑顔とは裏腹に、その瞳は心の底まで鋭く射貫こうとしていたからだ。

 

 

孫策「紹介が遅れたわね。私は孫策、字は伯符よ」

 

 

またも三国志を代表とする武将が現れた、それもまた女である。

 

 

 

信之「....某は真田信之と、申す」

 

 

黄蓋「こやつに字はないようじゃ」

 

 

孫策「字が無いなんて珍しいわね」

 

 

黒髪の眼鏡の女性「ふむ......私も名乗らせていただこう。私は周瑜、字は公瑾だ」

 

 

もしやこの眼鏡の女性もまた三国志に名を連ねる将ではと感じたが、信之の予感は的中した。まさか目の前にかの有名な将が三人が、しかも女性で居るなど信之にとっては衝撃である。

そんな信之の心中など知らず、孫策は信之に告げた。

 

 

孫策「真田...信之。素敵な名前ね?それより、貴方に会って貰いたい人が居るの。付いてきて」

 

 

信之「(まさか...なのか?)誰でござろうか?」

 

 

孫策「私たちの主........孫堅よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信之「.....」

 

 

孫策たちの誘いで信之は今、謁見の間に居る。そしてその信之を玉座から見据える女性....孫堅が彼に問いかける。

 

 

孫堅「ほほう、貴様が天の御使いか...」

 

 

信之「.....」

 

 

信之は只彼女を見つめるのみであるが、彼女が孫堅と言われても不思議と疑いはせずそれを信じた。何故なら彼女から漂わせる風格と威厳がそれを物語っているいるからだ。

しかしそんな信之に対して、孫堅は....。

 

 

孫堅「(こいつ....相当出来るな?とんでもない覇気を纏って居やがる....これからが楽しみだ)」

 

 

一体これから先、信之はどうなるか....続く。

-6ページ-

 

 

 

後書き

 

 

今回は此処までとします。変な終わり方ですが、どうかご容赦ください。

 

 

 

 

 

 

説明
今回から革命の孫呉が始まります。
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コメント
もう少しお待ちくださいね?(武者ジバニャン)
良いですね。続きはいつ投稿しますか?(レン)
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真・恋姫†無双革命 戦国BASARA真田幸村伝 真田信之 

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