◆72 軋轢の果てに…ですわ
説明
「メイ、逃げるんだ!」
小西「この野郎」
俺の首を締めあげる

メイ「その手を放しなさい 彼を自由にして!」
室内に一喝が響く
逃げるどころか その場に立って
あのカードを掲げていた

メイ「目的の物はこれですわ 彼にこれ以上手を出したら
この場で折って差し上げますわよ」
弥生「ちょっと待ちなさい
あんた、放してやって」

小西「わかった、まずはそれをこっちによこせ
メイ「いえ、彼の開放が先ですわ
指図するのはこちらのほう」

メイがいつも違う、怒気を込めた口調で話す
大人二人も圧倒されているのがわかった

小西「けっ」
ナイフを抜いて俺を突き飛ばす それに合わせて
メイはカードを弥生のほうに放り投げた
そしてそのまま俺を抱きかかえる
「どうして、逃げなかったんだよ それに、カード…」
メイ「あなたを置いて、逃げるなんて絶対無理ですもの
あんなカード、とっととくれてやればよかったのですわ」
俺の傷口に目をやる 手は震えていた 
大事なものを奪われる辛さ 悔しさが伝わってくる
「あまりぎゅっとすると 大事な服に血がついちゃうよ」
そう言うと 彼女の包み込む腕がより強くなった気がした

奴らはよほど嬉しかったのだろう カードを拾い上げると
子供のようにはしゃいでいる

小西「偽物だったらパァだからな まだここにいてもらう」
そう言って持ち場に戻る

弥生「ひとつ、問題を出してあげる うちらは
六崎の別邸もぜーんぶ調べたの でもね
兄さん名義の土地の権利書類
有価証券、現金 何より義姉さんに贈った貴金属
これらが見つからなかった
さぁ どこにあると思う?
答えはねぇ」
嬉しそうにカードを差し込むと 金庫のランプが緑になって
扉が開いた

茶色の封筒が見える 小西が見守る中
弥生は丁寧にそれを手に取った
(続く)

+++++++++++++++
作中が11月半ばのイメージなんで、もうリアルのほうが先に行ってしまいました…
今年中に終われたらいいですね


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コメント
>thuleさま いままで内部の音とかそういうのの聞き分けかと思ってました>聴診器 中身がお金…と思っていた人はあまりいなかったようですw(みらくる☆)
金庫に聴診器を当てるというは如何にも鍵を開けるというイメージをTVが作ったヤラセで実際は手の微妙な感覚で開けるだそうです。                                                                                何がでるかな〜。何が出るかな〜。What's coming out? It's ??(thule)
>たこやきさま シーッ なのですw(みらくる☆)
>mokiti1976-2010さま 向こうはもう勝手に勝利ムードなんですよね お金持ちの考えることなんてわからないですから メイちゃん、ここ一番の根性が光るタイプだったりします(みらくる☆)
>ふかやんさま すごくお気持ちわかります、こうなったら何があっても奴らの利益になるものはあげたくない! 鬼平、なかなか粋ですね(みらくる☆)
中身はメイの思い出の品々があと手紙かな?(たこやき)
その封筒の中身は五円玉一枚と『ご縁がありますように』という紙切れ一枚だったりとか…さすがにそれは無いかな?でも、それをメイが見たら全てが判明して、メイにしか分からないような物が入っていたら面白いですね。(mokiti1976-2010)
そしてその直後に何者かが現れこう言い放った。『血を分けた肉親の死に水すら取らず、金の事しか考えないで娘に危害を加えようとする奴らには…お気の毒様と書いた紙だけ渡せば十分だとさ!』(ふかやん)
だが、その封筒の中にある手紙を開いた弥生と小西は目を疑った。その手紙に書かれていたのは…『お気の毒さま』、それだけだったのである。(鬼平犯科帳より)(ふかやん)
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