Octo Story 第17話「忍」
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 ジャンプポイントで上昇した私は、ホルモン回廊に辿り着いた。

 この中は狭くて息苦しい……でも、地上まであと少しだ。

「イイダ! エネルギーコアって何?」

 それは私も聞きたかった。

「地上へのエレベーターを起動する動力源です!」

 なるほど……これさえあれば、地上に脱出する事ができるのか。

 しかし、インクレーザーの罠がある……。

 私はまず、インクを塗ってセンプクし、インクレーザーをかわす。

 次のインクレーザーは、ジャンプしてかわす。

 その次のインクレーザーは、センプクしながらジャンプしてかわす。

 やれやれ、さっきからかわしてばかりだな。

 

 動くレーザーをかわしながら進んでいくと、端末からデンワの声が聞こえてきた。

「ガッ……ガガッ……オ……ノ……!」

「ん? なんじゃなんじゃ?」

「ジジィ、どうした? セピア、起きた?」

「いや、セピアはまだ起きんが……」

 ……嫌な予感がする。当たらなければいいのだが。

 

 最初のチェックポイントに辿り着く。

 金網の下から潜るが、ここにはトラップがない。

 ……いや、シャッターの前には多数のレーザーだ。

 奥から来る。私は、上手く隙間を潜ってかわした。

 黄色いスイッチを作動させてシャッターを開けるとまた奥から「田」の形のレーザーが出てきた。

 私はタイミングよくジャンプでかわし、中央のスイッチを作動させシャッターを開ける。

 今度は横に隙間なくレーザーがあり、ジャンプでもセンプクでもかわせない。

 どうすればいいのかと考えていると、いきなりレーザーが迫ってきた。

 私は大急ぎでレーザーをかわし、とっさの判断で壁にインクを塗ってそこにセンプクし、

 レーザーをかわして先に進んだ。

 とにかく、あらゆるものを利用すればいいんだな。

 これぞ戦場の鉄則だ。

 

「なんじゃこりゃー!」

「厳重な警備ですね……」

 先に進んだ私は、非常に厳重な警備に遭遇した。

 ジャンプやセンプクするだけでは突破できない、あらゆるものを利用しなければ。

 私は壁にインクを塗り、そこを伝ってレーザーの裏側に回り込み、スイッチを踏む。

 すると、床が開いて先に進めるようになった。

 

「……ガガッ! お、オノ……」

 デンワの様子がおかしい、何かあったか?

 ――すると、デンワがはっきりと喋り出した。

「おのれッ! 海産物ドモ! 許さんゾーッ!!」

 とうとう、デンワが目覚めてしまった。

 完全に私達を敵対視しているようだ。

「な! デンワ!! セピアに何を……」

「No.10008の他ニ、余計なヤツまでついて来やがッテ!」

「ヌワーーーーーーッ!!!」

 デンワ、セピアに何かしたのか!?

 すぐに現場に行きたいのだが、今はこのホルモン回廊を攻略中の身。

 セピア……どうか、無事でいてくれ。

 

 私は敵のトラップを潜り抜け、エネルギーコアを目指すのであった。

 

 ――ずきん。

 再び私を頭痛が襲う。

 私の中に、映像が入ってくる。

 

『残……は……魚……み……』

 「彼」が、ぽつりぽつりと、荒廃した世界で呟いている。

 ここにはもう、何も残っていないようだ。

『新……な……を……者……どう……こ……界……望……えて……』

 建物は崩壊し、各地に水が飛び散っている。

 既に、海面上昇で文明が滅んだ後だろう。

『人間……轍……踏……る……は……い。博士……め……も……ら……て……か……け……ば……』

 博士、人間、という言葉を呟く「彼」。

 「彼」は人間が存在した時代からいるのだろうか。

 だとすると、「彼」が言っている「博士」は……。

 

 遥か昔、12000年前にいた、あの……?

説明
Octo Story、ラストステージ回その3です。
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