Octo Story 第19話「護」
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 エネルギーコアを追った私は、ゼンドウ流通路に辿り着いた。

 

「……で?」

「エネルギーコアを撃てばリフトごと動きそうです。

 なので、敵に壊されないよう最深部まで運んでください」

 つまり、ジョシリョ区駅みたいな試練なのか。

 この試練を突破してきた私に、不可能などない!

 エネルギーコアを攻撃してくる装置を破壊しながら私はどんどん先に進む。

 装置だけでなく、タコミサイルもエネルギーコアを狙ってくる。

 私はそいつらを撃退した後、先に進んだ。

 側面から攻撃を受けてしまったが、エネルギーコアを守るのを優先する。

 すぐにタコトルーパーを倒し、私はインクを回復しながら進む。

 

 そしてチェックポイントに辿り着くと、エネルギーコアは全回復した。

 ……また、邪魔な障害物が来たか。

「タコウォッシャーは倒せません! 避けて行きましょう」

「サングラスのヤツはボムなら届きそうだゾ!」

 じっと目を凝らしていると、ゲートの側面にタコスナイパーを発見。

 私はそいつにスプラッシュボムを投げる。

 こいつを見逃したら、エネルギーコアが壊れるからな。

 その後、私はタコウォッシャーを避け、タコスナイパーをスプラッシュボムで倒し、

 ボムタコプターをオクタシューターで倒した。

 タコ編隊の隙間を慎重に進み、2つ目のチェックポイントに辿り着く。

 しかし、レーザーが進路を塞いでいて進めない。

 私はレーザーの近くにスイッチを発見し、スイッチを撃ってレーザーを止めた。

 転がる蛸をやり過ごしながら、レーザーを止めてエネルギーコアを撃つ。

 私とエネルギーコアを乗せた箱は、どんどん上に向かって進んでいく。

 エネルギーコアを守り抜いた私は、最深部に到着し、コンセントを刺す。

 箱の動きが止まり、装置が作動していく。

 装置から供給されるエネルギーが、たくさんの管を通ってどこかに繋がる。

「お! おおっ!?」

「エネルギーコア、セット……完了です!」

 ついに、地上行きのエレベーターが稼働した。

 エネルギーは蜘蛛の巣のように張り巡らされた管を通り、中央エレベーターを稼働させる。

 私はチェックポイントに乗り、セキツイ中央孔へ進むのであった。

 

 ――ずきん。

 セキツイ中央孔に進もうとすると、一際強い頭痛が私を襲った。

 私は今、全てを思い出しつつあるのだ。

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 地下施設の映像が、鮮明に蘇る。

 

『ねえ、No.10008。私達は暗い地下の中にいるけれど、いつか、明るい光を見てみたくない?』

 私はNo.10007というオクタリアンと会話している。

 二人とも、地上に憧れているようだ。

『でも、この中に入ってるのって、何?』

 No.10007は、チューブに入っているドロドロの液体が気になっていた。

 私も気になって、「彼」に質問をした。

 すると、「彼」はゆっくりと口を開いた。

『10006体のオクタリアンを練った液体だ』

『……え……』

 私とNo.10007は吐き気がした。

 こいつは、オクタリアンだったのか……!?

 恐怖心を覚える私とは正反対に、No.10007は心の中で怒っていた。

 こんなチューブの中に、同族が入っているのか。

 No.10007は鋭い目で「彼」を睨みつけた。

『ちょっと待って! なんでそんな事をしたの?』

『全て、失敗作だったからナ。新世界を託すには至らなかったという事ダ。

 故に、ワタシが練り直したというわけだヨ』

『失敗作!?』

 No.10007は驚き、私は震える。

『新世界を託すというのは間違っている。本当はあなたの思い通りにしたかっただけ。

 だって、そう思わなかったら、こんな事はしなかったはずだよ!』

 怯まずに「彼」に自分の意見を言うNo.10007。

 その勇気に、私もぐっと拳を握った。

 だが、「彼」はどこか不穏な表情になった。

 そして、厳かな口調でNo.10007に言った。

『No.10007……ワタシは貴様を練り直す事くらい、簡単にできるゾ。それを教えてやル!』

 まずい、このままではNo.10007はミンチになる。

 止めなければと思ったが、足が竦んで動けない。

 No.10007はブキを持っていないにも関わらず、「彼」に勇敢に立ち向かっていく。

 すると、「彼」はミキサーを目の前に出した。

 一瞬、No.10007の顔の激しい怒りは消え、No.10007はミキサーの中に吸い込まれた。

 そして、No.10007は衝動的な行動を後悔し、音を立てて練り潰された……。

 

 私は泣いた。

 私を支えてくれたオクタリアンが。

 私の目の前で、ミンチになった。

 

『こいつも失敗作だったようダ。次は貴様ダ』

 

 「彼」は私を睨みつけた。

 追いつかれれば、私もNo.10007と同じようにミンチにされてしまう。

 私は大急ぎで、「彼」の下から逃げ出した。

 

『待て、No.10008! 逃げるナ! 貴様は、必ず後悔する事になるゾ……』

 

 「彼」の声がだんだん小さくなっていった。

 そして――私は、地下鉄内で倒れた。

 

 ――全てを思い出した。

 私は、デンワの観察のために生まれた、10008番目の実験体だったのだ。

 練り潰されたオクタリアンを弔うためにも、何としてでも、地上に出なければ。

 そして、「彼」の野望を阻止しなければならない。

 

 私の長い戦いは、もうすぐ終わろうとしていた。

説明
Octo Story、ラストステージ回その5です。今日は猫の日ですね。
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タグ
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