英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
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行動を開始したデュバリィ達はまさに電光石火のような速さで拠点内を進み、時折人形兵器と遭遇すると先に進みながら一瞬で人形兵器を切り捨てて去っていた。

 

〜黒の工房・アイゼンガルド拠点・2F〜

 

「さて、これでこの拠点の責任者の部屋までもう一息と言った所か。」

「そうですね……レン皇女殿下から提供されたこの拠点の地図では2Fの最奥が責任者の部屋との事ですから、後少しですね。」

2Fに到着して呟いたアイネスの言葉にオリエは頷き

「それにしても警備用の人形兵器とは遭遇しても”本拠地”の時と違って猟兵を含めた”人”とは遭遇しなかったけど………もしかして”人”の戦力は全て主力部隊にまんまと惹きつけられたのかしら?だとしたらあまりにもお粗末な猟兵達よね。”囮”に戦力の大部分を惹きつけさせて別働隊が襲撃するなんて、”定石”なのに。」

「連合”本陣”からの情報によりますと現状確認されているエレボニアや黒の工房に雇われているもしくは協力している猟兵団は”赤い星座”、”西風の旅団”、”ニーズヘッグ”、そして結社の”強化猟兵”で、肝心の最高戦力である二大猟兵団の内”西風の旅団”に関しては既に猟兵団自体が解散していて実質協力しているのは”猟兵王”と”破壊獣(ベヒモス)”のみの上”赤い星座”もクロスベルでの件で相当戦力を減らされた上”赤い星座”の中でも古株かつ”赤い星座”の中でもトップクラスの使い手は今では”紅の戦鬼”のみですからね……あの虎娘は戦闘能力は確かに私達とも渡り合える程秀でていますが、”赤の戦鬼(オーガロッソ)”達のように猟兵達の”頭”としての能力が長けているという訳ではありませんでしたわ。赤の戦鬼(オーガロッソ)達や多くの仲間達の戦死で”赤い星座”が衰退した事に見切りをつけて”赤い星座”から去る猟兵達を説得するような器用な真似をあの虎娘ができる訳がありませんわ。」

呆れた表情で呟いたエンネアの推測に答えたデュバリィはジト目になってシャーリィを思い浮かべた。

 

「ふふっ、言われてみれば確かにそうだな。」

「まあ、その点に関しては”結社”も他人(ひと)の事は言えないわよね。”蛇の使徒”達はともかく、”執行者”達も”人を率いる立場”としての能力はそれ程秀でている訳ではないもの。」

デュバリィの指摘を聞いたアイネスとエンネアはそれぞれ苦笑しながら同意した。するとその時通信の音が鳴り、音に気づいたデュバリィは通信を開始した。

「はい、”鉄機隊筆頭”デュバリィですわ。」

「―――こちらリシテア隊隊長リシテアです。今正面出入口で迎撃態勢を取っていた敵戦力の殲滅が完了しましたので、これより主力部隊も手分けして拠点内部の制圧を開始します。」

「わかりましたわ。私達は現在2Fに到着し、今からこの拠点の責任者の部屋を襲撃する所ですわ。私達は2Fを完全制圧しますので、そちらは先に他の階層の完全制圧をしてください。」

「了解しました。」

「―――主力部隊も正面の戦力を撃破してこの拠点内に突入したとの事ですわ。」

リシテアとの通信を終えたデュバリィはエンネア達を見回して通信内容を伝えた。

 

「ほう、もう正面を破ったのか。」

「ならば私達も先に拠点に潜入した部隊としての役目を果たす為にも、最低限の目的は果たさなければなりませんね。」

「ええ、それじゃあさっさと責任者の部屋に突入しましょう。」

デュバリィの話を聞いたアイネスは感心した表情を浮かべ、静かな表情で呟いたオリエの提案に頷いたエンネアは自分達の場所からも見える一番奥の部屋に視線を向けた。

 

その後行動を再開したデュバリィ達は一番奥の部屋に突入した。突入した部屋は機甲兵も動き回れる程の広い空間で、更にその奥に部屋へと続く扉があった。

 

〜最奥地点〜

 

「この部屋は………」

「奥にある扉が恐らく責任者の部屋だろうけど……こんな”いかにも”な部屋の規模からしてどう考えても、素通りはできないでしょうね。」

「ええ。――――――来ます。」

部屋に突入したデュバリィは周囲を見回し、苦笑しているエンネアの言葉にオリエが頷いたその時かつてクロスベル独立国が保有していた結社の高速型の”神機”が異空間から現れた!

 

「……顕れたか。だが、これは………」

”神機”が現れる様子を見てデュバリィ達と共に武器を構えたアイネスは警戒の表情を浮かべて”神機”を見つめ

「な、なんですのこれはぁっ!?」

「高速型の”神機”――――――”β”の色違い……いえ、でも生体素材でできている……!?」

デュバリィは驚きの声を上げ、エンネアは困惑の表情を浮かべた。

「”本拠地”を失ったとはいえ、ここはかつては女神に”至宝”を任せられた一族にして、”黄昏”の為に遥か昔から暗躍していた一族の拠点……何らかの不可思議な防衛装置ようなものなのでしょうね。」

「フフッ、追い詰められた鼠を狩るだけの作戦になると思っていたけど、”神機”と戦えるなんて面白くなってきたじゃない。」

「ああ……!我ら鉄機隊の誇りに賭けても!」

「速攻でスクラップにして、さっさとこのフロアの制圧を終えますわよ!!」

オリエの推測を聞いたエンネアは不敵な笑みを浮かべ、アイネスとデュバリィもそれぞれ戦意を高めて戦闘を開始した!

 

 

〜黒の工房・オーロックス拠点・2F〜

 

「2Fに到着しましたわね。」

「ええ、目的地まで後少しですね。」

2Fに到着して呟いたアルフィンの言葉に頷いたクルトは一番奥の部屋に視線を向けた。

「いや〜、さすが優秀な後輩達だぜ。あいつらが敵を惹きつけまくっているお陰で、俺達は楽にここまで来れたからな。」

「ここまで警備用の人形兵器と偶に遭遇する程度で、”本拠地”の時と違って猟兵の方達は姿すら見ませんでしたものね。」

気楽な様子で答えたフォルデの言葉にメサイアは苦笑しながら答えた。

「……………」

「?セレーネは何か気になる事があるのかしら?」

一方複雑そうな表情で考え込んでいるセレーネが気になったアイドスは不思議そうな表情で訊ねた。

 

「その……今更こんなことを言う事は不謹慎だと理解しているのですが……もしジョルジュ先輩と戦う事になった時、私はジョルジュ先輩に”止め”を刺せる”覚悟”ができていないのです……ダメですね、私は……お兄様は”敵になるならば仲間の身内の関係者でも討つ覚悟”はできていて、実際ルーファスさんを討ち取っているというのに……お兄様がお傍にいないと、既に決めたはずの”覚悟”を揺らがせてしまうのですから……」

「セレーネさん……」

辛そうな表情で語るセレーネの様子をアルフィンは心配そうな表情で見つめ

「―――”それは軍人である私達の役割”ですから、セレーネさんがそこまで思い悩む必要はありませんからご安心ください。」

「……だな。幸いにもセレーネ嬢ちゃん達は俺達と同じ”軍人”のリィンと違って”義勇兵”だ。そういった辛い役目は俺達”軍人”に押し付けても誰も文句は言わねぇよ。」

「お二人とも………」

それぞれ自分達がセレーネ達の代わりに手を汚す事を口にしたステラとフォルデをクルトは驚きの表情を浮かべて見つめた。

「ステラさん……フォルデさん……ありがとうございます…………!」

「ふふっ、元気が戻ったようで何よりです。それでは行動を再開しましょう。」

感謝の言葉を述べるセレーネの様子を見て微笑んだステラは先に進むように促した。その後行動を再開したステラ達は一番奥の部屋に突入した。

 

〜最奥地点〜

 

「この部屋は一体……?」

「建物の規模の割には随分と広い空間の部屋ですね……一体何の為の部屋なんだ……?」

部屋に突入したアルフィンとクルトは不思議そうな表情で今まで突入した部屋とは比べ物にならない広さの部屋を見回して戸惑い

「やれやれ……どう考えても”お約束の展開”になるとしか思えねぇぜ……」

「お、”お約束の展開”ってまさか――――――」

「―――来るわ!みんな、構えて!」

疲れた表情で溜息を吐いたフォルデの言葉を聞いたメサイアが表情を引き攣らせたその時、何かの気配を感じ取ったアイドスが神剣を構えて警告した。すると異空間から重厚な装甲で覆われている”神機”―――タイプ”γ”が現れた!

 

「あ、あの機体は一体……”機甲兵”や”騎神”には見えませんが……」

「恐らくは黒の工房が防衛用に残していた人形兵器の類と思われますが……」

「ま、何にしても一般兵達に相手させる代物じゃねぇな、ステラ。」

「ええ。それに幾らこの部屋が広いとはいっても、機甲兵達を無数に集めて戦えば動きが制限されますから、せいぜい2〜3体が限度と言った所ですね。――――――目の前の敵対象は私達が対処しますので、貴方達は手分けして2Fの他の部屋の制圧並びにこの部屋の出入口の守りについて背後からの奇襲を阻止してください!それと先程突入した主力部隊にもこの件についての連絡を!」

「イエス・マム!!」

驚きの表情で神機を見つめるアルフィンの疑問にセレーネは戸惑いの表情で答え、真剣な表情で神機を見つめて呟いたフォルデに視線を向けられて頷いたステラは部下の軍人達に指示をし、指示をされた軍人達は即座に部屋から退出した。

「クルトさんはすぐに”シュピーゲルU”を呼び寄せて乗り込んでください!私は”ケストレルβ”で対抗します!セレーネさんとアルフィンさんはアーツや魔術による後方からの攻撃を行いながら”準起動者”としての支援をお願いします!フォルデ先輩、メサイア皇女殿下、アイドス様は隙を見つけて支援攻撃をお願いします!」

「了解しました!」

「「はい!」」

「おう!」

「わかりましたわ!」

「ええ!」

ステラの更なる指示にそれぞれ頷くとクルトとステラはENIGMAを操作してそれぞれが乗り込む機甲兵達を霊力を消費した転位機能を使ってその場に呼び寄せた後機甲兵達に乗り込み、フォルデ達はそれぞれアーツや魔術を放つ為にオーブメントの駆動や魔術の詠唱を開始し、機甲兵に乗り込んだステラとクルトは戦闘を開始した!

 

 

〜ノルド拠点・2F〜

 

「――――こちらシュバルツァー。」

「クロードだ。お疲れさん、リィン。今正面出入口を陣取っていた猟兵や人形兵器の連中の掃討を終えて俺達主力部隊も拠点制圧の為に拠点内に突入した所だ。そっちは今どんな状況だ?」

「俺達は今2Fに到着して、これから拠点の責任者の部屋の制圧に向かう所だ。」

「了解。俺達は手分けして他の階層の制圧をやっておくから、お前達は2Fの制圧を頼んだぜ。」

「了解した。」

リィン達が2階に到着すると通信の音が鳴り、通信の音に気づいたリィンは通信相手――――――クロードとの通信をした後ENIGMAを元の位置に戻した。

 

「…………我が主、先程から感じていたこの身と同族の気配がより近くなってきました。―――それも”外”とこの”拠点内”の両方です。」

「え……拠点内だけでなく、外の天使の方もですか?」

「という事は外にいた天使もこの拠点内に潜入しているようですね。」

リィンが通信を終えるとユリーシャがリィンに報告し、ユリーシャの報告を聞いたエリスは目を丸くし、アルティナは真剣な表情で考え込んだ。

「ちなみに外と拠点内の天使、両方とも自らが移動している事で気配が俺達と近くなってきているのか?」

「いえ、外にいた同族は確かに自ら移動している事でこの身達との距離は近くなっていますが、拠点内に感じられる同族の気配は一切動いておりません。」

「という事は少なくても拠点内にいると思われる天使族の方は”自らが動けない状態”になっている可能性が考えられますね。」

「”自らが動けない状態”――――――幽閉、もしくは意識を失っているのどちらかですか……兄様、一応念の為に主力部隊の方々にもユリーシャさんが感じている”二人の天使”の事について報告しておいた方がよいのではないでしょうか?」

リィンの質問に答えたユリーシャの答えを聞いてミュゼと共に推測したエリゼはリィンにある提案した。

 

「そうだな……今クロード達にその件について伝えておくよ。」

エリゼの提案に頷いたリィンは通信を開始した。

「それにしても”二人の天使”ね〜?ひょっとしたら、貴女にとって強力な恋敵(ライバル)の登場かもしれないわね、ユリーシャ♪」

「そ、それはつまり今この拠点内にいるこの身の同族達まで我が主と”守護天使”契約を交わす事ですか……!?確かに同族達が我が主の”器”を知れば、”守護天使”契約を申し出る可能性も考えられますが………い、いえ、例えそうなったとしてもそれはこ、この身にとって誇るべき事実です……!この身だけでなく、複数の同族達に慕われ、”守護天使”契約を結んでいる”英雄”は史上初の事実と思われる上、我が主の”英雄としての格”が更に上がりますし……!」

「ふふっ、言っている事と浮かべている表情が違いますわよ♪」

「そもそもその天使達が”女性”と決まった訳ではないのですが…………」

「ですがその天使の方々が”女性”だった場合、ベルフェゴールさんの仰った事が現実化するかもしれませんね。」

「ええ……ただでさえ”Z組”と決別してからの兄様の”悪い癖”は酷くなっている上、その”酷くなっている悪い癖”の”被害者”もアルフィンさんを除けば異種族の方達ばかりだものね。」

からかいの表情を浮かべたベルフェゴールの指摘に冷や汗をかいて焦りの表情を浮かべて表情とは真逆の言葉を口にしているユリーシャをミュゼは小悪魔な笑みを浮かべて指摘し、アルティナが呆れた表情でベルフェゴールに指摘している中エリスとエリゼはジト目になって通信をしているリィンに視線を向けた。

 

「えっと…………さっきから俺をずっと見ていたようだが、二人とも俺に何か聞きたい事でもあるのか?」

その時通信を終えたリィンがエリゼ達に近づいて来て質問をしたが

「「何でもありません!!」」

「とりあえず……リィンさんの不埒な部分が一番の原因かと。」

二人はそれぞれジト目でリィンを睨み、二人に睨まれたリィンが冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中アルティナがジト目で指摘し

「い、意味がわからない……まあいい。とにかく目的地まで後少しだ、油断せず迅速に先を進むぞ!」

「イエス・コマンダー!!」

アルティナの指摘に再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせたリィンは疲れた表情で溜息を吐いた後すぐに気を取り直して号令をかけてエリゼ達と共に行動を再開した。

 

〜最奥地点〜

 

「ここは……」

「広さの規模からして、恐らくは騎神や機甲兵等の研究施設のようなものではないでしょうか……?」

部屋に突入したエリスは不思議そうな表情で周囲を見回し、アルティナは推測を答えた。

「ふふっ、まさに”いかにも”な部屋ですわね。」

「ああ、わかっている。総員、周囲を最大限に警戒しながら――――――いや、それ以上進むな!」

「来ます――――――!」

周囲を見回して苦笑しながら答えたミュゼの言葉に頷いたリィンは部下達に指示をしかけたがすぐにある気配に気づくと撤回して警告を口にし、エリゼが真剣な表情で声を上げると異空間からヴァイスリッターと同系統の”神機”―――タイプ”α”が現れた!

 

「あ、あの機体は確か姉様の……!」

「”神機”………」

「それもガレリア要塞を消滅させた”空間を操る能力”を持っていたという”白い神機”ですわね。」

「”空間を操る能力”はキーアさん――――――”零の至宝”による加護無しでは扱う事はできないはずですが……」

「間違いなく黒の工房が関係している機体だ……少なくても、何らかの特殊能力は持っている事を警戒した方がいい……!」

神機の登場にエリスは驚き、アルティナは呆け、真剣な表情で呟いたミュゼの言葉にエリゼが答えている中、警戒の表情でリィンがエリゼ達に警告をしたその時

「ほう……!何だあの人形は……!?今まで見た事がない存在だな……!まさかあれが先代史文明の兵器なのか……!?」

外にいたはずの小柄な天使が部屋に入ってきて興味津々な様子で神機を見つめた。

 

「ええっ!?て、”天使”!?という事はあちらの天使族の女性がユリーシャさんの話にあった……」

「ええ……この拠点の潜入時に”外”から感じられた同族です。ですが……」

「……?翼が若干黒くなっているようですが……」

「なるほどね〜……あの娘、”堕ちかけているわね。”」

小型な天使の登場に驚いたエリスはユリーシャに視線を向け、エリスの言葉に頷いたユリーシャは真剣な表情で小柄な天使の翼に視線を向け、黒くくすんでいる事で白き輝きを失っている翼に気づいたアルティナは不思議そうな表情を浮かべ、ベルフェゴールは興味ありげな表情を浮かべて推測した。

 

「そちらの天使族の方!ここは危険ですので、目の前の人形を破壊するまでこの部屋から出て自分達が戦闘を終えるまで待機していてください!」

「何を言う。あたしは今目の前の存在に興味を抱いている。そして今決めた。是非ともあの人形を調べさせてもらう。という訳でそちらの人形、喋る必要はないから大人しくあたしに解体させてくれ。ああ、抵抗するのならば一向に構わないよ。君の力を知る事もできるのだからね。」

リィンの警告に反論した小柄な天使は興味津々な様子で神機を見つめた後自身の得物である聖杖を取り出して構え、その様子を見ていたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「ず、随分と変わった性格をされた天使族の方ですね……」

「うふふ、天使の性格が変わっているなんて”今更”じゃない♪」

「何故そこでこの身を見るのですか、貴女は!?この身の性格は天使族として模範的な性格ですよ!?」

エリゼは苦笑しながら呟き、からかいの表情を浮かべたベルフェゴールに視線を向けられたユリーシャは反論した。

 

「に、兄様、どうしましょう……?」

「―――仕方ない。そちらの天使族の方!自分達にとっても目の前の大型の人形兵器は撃破する必要がある敵ですので、自分達と”共闘”してもらえませんか!?勿論撃破した後の人形兵器はそちらの好きにしてもらって構いませんし、天使殿が望むのでしたら天使殿が知りたい事を自分達で答えられる範囲でしたら答えさせて頂きます!」

困惑しているエリスの言葉を聞いたリィンはすぐにある判断を下すと小柄な天使に共闘を申し出た。

「フム……あたしとしても戦いみたいな非生産的な事はさっさと終わらせたい上あたしも”今のあたし自身の状況”について知りたいから、君の申し出はあたしにとっても渡りに船だが……君達と共にいるそちらの天使と魔族はともかく、人間風情があのような存在とまともに渡り合えるのかい?」

リィンの申し出を聞いた小柄な天使は答えた後意味ありげな笑みを浮かべてリィンを試すような視線で見つめた。

 

「その点に関しては心配無用です!――――――目の前の敵対象は俺、エリゼ、エリス、ミュゼ、アルティナ、ユリーシャ、ベルフェゴール そして”保護対象”である天使殿と協力して撃破する。他の者達は手分けして2Fの他の部屋の制圧、そして背後からの奇襲を防ぐために何人かはこの部屋の出入口の守りについてくれ!」

「イエス・コマンダー!!」

天使の問いかけに答えた後リィンは軍人達に指示をし、指示をされた軍人達は返事をした後部屋から出ていった。

「エリゼ、エリス!」

「「はい、兄様!!」」

そしてリィンに呼びかけられた双子の姉妹はリィンと共に頼もしき相棒の名を呼んだ。

「来い―――――”灰の騎神”ヴァリマール!!」

「来て―――――”白の神機”ヴァイスリッター!!」

「応えて――――”金の騎神”エル・プラド−!!」

「「「応!!」」」

リィン達がそれぞれの相棒の名を呼ぶと、ヴァリマール達は精霊の道によって現れた後リィン達をそれぞれの操縦席へと導いた。

 

「へえ……あの人形の後は約束通り君達についても色々と教えてもらうよ。それとまだ名乗っていなかったから、あたしの名前を教えてあげよう。あたしの名はレジーニア、これでも階級第七位の権天使。あまり戦いは得意な方ではないが、目的を達成する為に振るう力くらいは持っているよ。」

ヴァリマール達の登場に目を丸くした天使――――――レジーニアは興味津々な表情を浮かべた後自己紹介をした。

「わかりました!でしたらレジーニアさんは後方からの支援攻撃をお願いします!ミュゼとアルティナは遠距離攻撃を行いつつ、準起動者としての援護を!ベルフェゴールとユリーシャは支援攻撃を頼む!」

「「はいっ!!」」

「任せて♪」

「仰せのままに!」

リィンの指示にミュゼ達はそれぞれ答え

「リィン隊、これより目の前の機体の撃破を開始する――――――行くぞっ!!」

「おおっ!!」

リィンは力強い号令をかけて戦闘を開始した――――――!

 

 

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という訳で予告していたコンキスタからの参戦キャラの一人目は皆さんの予想通り(?)レジーニアです!なお、次回の戦闘BGMは閃4の”Unlikely Combination”だと思ってください♪

説明
第96話
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