恋姫・十二の外史 第九話 冷たい手、目覚める覇王
説明
前の一件で行動を共にすることにした俺達と霞は六つ目の外史にやってきた。


「一刀、お前にこれを渡しておく」
イレギから渡されたのは銀色の少し太めのペンの様なものだった。
「これは?」
「もしもの時はそれを使ってお前の助けた者の記憶を消せ。お前が死んでいる世界でお前の生存は少し影響が出るかもしれないからな。幸い、お前が生きている世界でしか起きていないが」
イレギは霞の顔を見た。
「わかった」
「なぁ一刀、ここはどんな外史なん?」
「ここは・・・・・俺が董卓・・月の元に降りた外史だよ」
「「・・・・・・」」
イレギと飛鳥の顔が少し俯いた
「何で二人ともそんな顔しとるん?」
「外史にはいろんな俺がいるのは知ってるだろ?」
「華琳とこに・・前は劉備のとこやったけ?」
「ああ、そして俺はその外史についたときある条件でその世界の俺の記憶を受け継ぐことができるんだ」
「前にうちが一刀の事を思い出したみたいにか?でもその条件って?」
「・・・・そこの世界の俺が死んでいる場合だよ」
「・・・・・・そんな・・・じゃあ月は・・・・・」
「・・・・他のみんなも・・・・同じ気持ちだと思うよ。多分、ここの霞も」
「今、月達は?」
「まあ、董卓連合はこの世界の俺の手回しで無くなって劉備軍と同盟を結んで蜀・魏・呉・十(董卓)による四国平和が成し遂げられた。だから元気でやってるよ・・・でも」
「どうしたん?」
「この世界の俺はあの子たちに・・・月と詠に言わないといけない事があるんだ」





ここは十の国
「月、まだ起きていたの?」
「詠ちゃん、うん。なんだか眠れなくて」
「またあいつの事を考えていたの?」
「・・・うん・・・だって私は・・・・一刀さんを・・・」
「言ったでしょ。アレは私達みんなの責任なのよ、月が一人で抱え込まないの」


この世界の一刀は武の心得があり、前線で戦えるほどだった。そして四つの国が平和を誓うきっかけを与えた人物でもあった。
蜀・呉・十と魏の戦いで彼は呉の黄蓋と共に魏へ。しかし戦火の中、突然現れた五湖の介入によって戦場は混乱。
その時、彼は敵であるはずの曹操を助けるのであった。しかし、曹操を救いだした矢先に彼は五湖の流れ矢に当った。
皆が涙を流した。蜀の劉備・呉の孫策と孫権、敵であるはずの曹操も、そんな中でも彼は笑顔で月にこう言った。
・・・・君に・・・君たちに・・・伝えたい・・・事が
「そ・・・そんな・・・嘘、嘘ですよね・・・」劉備
「どうして・・・どうしてよ」孫策
「・・何で私なんかのために・・・私のせいなのに」曹操
「「「!!!!!」」」三・王
最後に聞き取ることの出来なかった彼の言葉、温もりの消えたその手を必死ににじりしめて彼女は言葉を発した。それは普段の彼女からは決して考えられないものだった。
「許さない・・・・貴方達を・・・私は・・絶対に・・許さない!!」
彼女から出てくる強大な氣、それはその場に居る者全てが圧倒される氣・・・覇気だった。
その後、五湖との戦いに勝利した彼女達は平和同盟を結んだ。


「あの時の月は本当に怖かったわよ」
「へぇう」
「まあ、私も・・同じ・・・きも」
「詠ちゃん?・・・・・!?」
彼女の視線の先、そこはかつて彼が使っていた部屋だった
ギイイイ
扉が開いていた。鍵をかけて誰も入れない様にしたのに
「誰か居るの?」
「え、詠ちゃん」
「月、僕のそばから離れないで」
真っ暗な部屋の中、人の気配はある
「・・・・・一刀さん?」
「なんたなの?」
「・・・・・・・・・」
返事はない
「・・・・一刀さん・・・なんですか」
「・・・・返事くらいしなさいよ」
「・・・・・・・・」
暗闇を窓から差し込む月の光が部屋を照らした。
「・・・・・・・・」
彼は何も言わずに彼女たちを抱きしめた
「ななななな・・・なに・・・」詠
「!!!!!!!!?」月
「君達に出会えて・・本当に幸せだったよ。ありがよう」
「一刀さん」
「一刀」



しばらくして強い風が窓から流れた
「「!!!?」」
そこには誰も居ない
モゾモゾ
バサ
「・・・・何やってるのよ恋」
彼の部屋の布団を勢いよくめくると天下の武将・呂布こと恋が眠っていた。
「・・・・寝てた」




「ええんか一刀」
「ああでもしないと恋付いてきちゃうだろ」
実は月達が部屋に来る前に部屋に向かった一刀は自分の部屋で寝ていた恋に見つかってしまい、イレギから渡された記憶消去の道具を使ったのだ。
「幸い、消すことのできるのは今の俺との記憶だけだからね」
「・・・・・あんた」



ついに外史も半分を回りました。一刀、死んでばっかりですね
もっと絵の腕を磨いてがんばります。
誤字を見つけたらお願いします。
コメントも待っています^^
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コメント
便利な道具ゲットですね。(ブックマン)
訂正ありがとうございます^^四はそれであっています(物語のイレギュラー)
↓「なんたなの?」「ありがよう」は「あんたなの」「ありがとう」ですねぇ(トウガ・S・ローゼン)
「なんたなの?」「ありがよう」・・・・・・・なんた?・・・蟻が四?(スターダスト)
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恋姫無双  外史 

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