スマブラ Stern des Lichts 56 〜バラバラの仲間達〜
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「……っ。ここ、は……」

 シャドウが意識を取り戻すと、見慣れない場所に立っていた。

 周りには、カービィもベルもいなかった。

 さらに、大半のスマブラメンバーもいない。

 マリオ達も、何が起こったのか分からず、困惑していた。

「思い出したぞ。あの時、キーラを倒したが、謎の敵が現れて僕達は闇に飲み込まれた……」

 シャドウはこれまでの出来事を思い出す。

 光の化身キーラを倒したはいいものの、空間が裂けて不気味な一つ目と触手を持つ敵が現れてファイター達は闇の中に落ちていった。

 カービィとベルがいないため、みんな別々の場所に着いたようだ。

「ネス君はいるけどみんなとはぐれちゃったし……」

「俺を助けてくれたルカリオも、いない」

「りょうさん……ううぅぅ、寂しいです……」

 シャドウチームの内訳は、マリオ、ドンキー、リンク、ヨッシー、ネス、ファルコ、ピチュー、マルス、リュカ、デデデ、リトルマック、

 ダックハント、リュウ、しずえ、ランス、ストーム、そしてリーダーのシャドウの17人である。

 今は彼らだけで、ここを探索しなければならない。

 

「まずは、ここを出るぞ。ついてこい」

 シャドウは他の16人を率いて、道を歩いていく。

 上に行くための橋は崩れ落ちて進めないため、一行は只管に前に進んでいく。

 まず、彼らが最初に出会ったスピリッツは、シャドウと同じ世界にいるカオスだった。

 ベルがいないため、詳細な説明は分からなかった。

「こいつは初めて見るな」

 シャドウはカオス異変の事を知らない。

 だが、カオスは鋭い目でシャドウを見ている。

「よし、サクッと行きますか!」

「ああ……初めての敵だが、究極の力を見せてやろう!」

 リンクとシャドウはカオスのスピリッツに挑んだ。

 

「なるほど……確かに手ごたえはあったな」

 カオスのスピリッツは、インフィニットと同じホープ級だった。

 シャドウはその手ごたえをしっかりと感じる。

 しばらくすると黒い霧が晴れ、先が見えてくる。

 シャドウ一行が先に進むと、ルカリオのボディに宿る((元|ゲン))のスピリッツを発見した。

 彼をリュウが解放すると、目の前に不気味に動く左手の姿が見えた。

「あれは、クレイジーハンドか」

 クレイジーハンドに遭遇しながらも、シャドウは至って冷静だった。

「恐らく、こいつもあの目玉に操られているだろう。ならば、僕の向かうべき道は一つ。こいつを倒して先に進むだけだ」

 シャドウはクレイジーハンドを倒すべく身構える。

 マリオ、ファルコ、マルス、デデデ、ダックハントも彼と共に戦闘態勢を取った。

 

「アアァァァァァァァァァ!」

「うわっ!」

「これで怖気づくワシじゃないゾイ!」

 クレイジーハンドは爆弾を落としてマルスとデデデを攻撃する。

 デデデはハンマーを振り下ろし、マルスはファルシオンで斬りかかる。

「ばうばう!?」

「おっと!」

 クレイジーハンドは身体をドリル状にしてダックハントとファルコを貫く。

 ファルコはギリギリで攻撃をかわし、リフレクターシュートで反撃する。

「ばう!」

「はっ!」

 ダックハントは見えないガンマンを呼び出してクレイジーハンドを連続で攻撃する。

 シャドウはホーミングアタックを繰り出した後、回し蹴りからの銃撃を放つ。

「食らうゾイ!」

「マーベラスコンビネーション!」

 デデデはゴルドーを投げ、マルスは流れるような剣撃でクレイジーハンドを切り裂く。

 とどめの一発がクレイジーハンドに当たると、クレイジーハンドは気絶した。

「ウィングエッジ!」

「カオスバースト!」

「メガトンハンマー!」

「ばうばうばう!」

「シールドブレイカー!」

 その隙にファルコはウィングエッジ、シャドウはカオスバーストなど、それぞれの強力な攻撃でクレイジーハンドに大ダメージを与える。

「とどめだ! ファイア掌底!!」

「グギャアアアアアアアアア!!」

 そして、マリオがとどめにファイア掌底を繰り出しクレイジーハンドを撃破するのだった。

 

「ただ叫ぶだけのクレイジーハンドは、僕の相手ではなかったな」

 敗れたクレイジーハンドは、爆発して消えた。

 大した手ごたえが感じられない事から、このクレイジーハンドは偽物だと推定した。

「こいつを生み出した敵が誰なのか知りたかったが、ベルがいない以上無理だな」

「あぉーん……」

 この世界の事を知っているベルは、謎の敵の襲撃でどこかに散っていった。

 彼女と合流するのは、もう少し先の事になる。

 シャドウ達は脱出の方法を探すため、まずはスピリッツの解放に向かうのだった。

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 北西の木の道を通った先にいたのは、タコガール&タコボーイのスピリッツ。

 西側にはライコウ&エンテイ&スイクンのスピリッツがいた。

 どちらもエース級だったが、マリオ、リュカ、ネス、ストームが頑張って解放した。

 そのおかげで雲が晴れ、たくさんのスピリッツがいる火山と枯れた木がたくさんある場所が見えた。

 一体どんなスピリッツがいるのか……シャドウ一行は歩みを止めなかった。

「ん? こいつは……」

「こわいでちゅ……」

 リザードンのボディに宿るサザンドラを見て、ピチューは身震いした。

 それもそのはず、このポケモンはイッシュ地方における「600族」と呼ばれるポケモンだからだ。

「わ、わたしもちょっと怖いです。シャドウさん、何とかしてくれませんか?」

「まったく、世話の焼ける奴だ」

 そう言って、シャドウは拳銃を構えてサザンドラに戦いを挑んだ。

 

「どうだ」

 シャドウは無事にサザンドラの解放に成功した。

「ありがとでちゅ!」

「ありがとうございます」

「……」

 ピチューとしずえはシャドウにお礼を言った。

 それに対しシャドウは相変わらず、無表情だった。

 そして一行が歩いていくと、マルスが目の前のスピリッツに気づく。

「き、君は……!」

 銀の鎧と赤い服を纏った青い髪の少女のスピリッツが宙に浮いていた。

 その少女は、マルスには見覚えがある人物だった。

「シーダ! シーダじゃないか!」

「マルス様! 無事だったのね!」

「ああ、僕はこの通り無事さ」

 彼女はタリス王国の王女で、マルスの婚約者であるシーダだった。

 闇の世界で再会した二人は、じっとお互いの目を見つめている。

 周りの様子が目に入らなくなるくらいほど、二人の愛は強く、そして一途だ。

「おい、マルス。一体どうしたんだ?」

「あ、ごめんね。気が付かなかった。彼女は僕の婚約者でタリスの王女、シーダだよ」

 ようやく気付いたマルスは、シーダについてマリオに簡単に説明する。

「まさか、こんなところで再会するとはね。でも、君と出会えてよかったよ」

「マルス様……それは、私も同じ気持ちよ」

「もう大丈夫だよ、シーダ。僕と一緒にこの世界に帰ろ……え?」

 マルスがシーダの手を握ろうとすると、彼女の身体はすり抜けてしまう。

 そしてシーダのスピリッツは近くにあったルキナのボディに入り込み、実体を得てマルスの前に改めて姿を現した。

「シーダ……?」

「いやぁぁぁぁぁっ!」

 すると、ルキナのボディに宿ったシーダがいきなりマルスに斬りかかった。

 マルスはあり得ないといった表情で自分に斬りかかったシーダを見ている。

「シーダ、どうして僕を攻撃したんだ!」

「ち、違うの、マルス様、私の意思じゃないわ」

 ルキナのボディに宿っているシーダが苦しそうな表情で呟く。

 シーダの表情と行動から察するに、彼女の言葉が嘘ではないと見抜くマルス。

「つまり、シーダは操られてるって事?」

「私、操られているんだ……。……マルス様を傷つける事は望んでない。マルス様……どうか、私を助けて!」

 シーダはペガサスを呼び出して騎乗した。

 彼女の身体とペガサスには、不気味な闇の鎖が巻き付いていた。

 マルスはファルシオンを抜き、切っ先を闇の鎖に突きつける。

 彼はシーダではなく、彼女を操る鎖を断ち切るために剣を取ったのだ。

「悪い夢は、僕が覚ましてあげるよ。だから……安心して、シーダ」

「はい、マルス様!」

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「もう大丈夫だよ、シーダ」

 シーダのスピリッツを解放したマルスは、ルキナの身体から抜け出た彼女に触れようとする。

 だが、実体を持たなくなったため、マルスの手はすり抜けてしまった。

「……シャドウ」

「なんだ?」

「カービィとベルと合流するまで、シーダを僕の身体に宿してほしい」

「何、正気か?」

 スピリッツをボディに宿すと、体格と精神がスピリッツのそれに変わる。

 それではマルスではなくなってしまうとシャドウは反対するが、マルスは真剣な表情を変えなかった。

「ようやくシーダと再会できたんだ。だから、もう、二度と離れたくない。……頼むよ、シャドウ」

『マルス様もそうおっしゃっているわ。そして、私からも頼むわ。お願いよ、私もマルス様と一緒に行きたい』

「仕方ないな……」

 シーダのスピリッツも姿を現し、二人は必死でシャドウに頼み込む。

 流石に二人がかりで頼まれてはシャドウも放っておけず、渋々了承するのだった。

 そして、シーダのスピリッツはマルスの身体の中に入り込んだ。

 

「さて、気を取り直して……」

 シャドウ一行はシーダのスピリッツを解放した後、南に向かって真っ直ぐに歩く。

 すると、闇の鎖で縛られた赤と黒の猫ポケモンが沼地の台座の上に立っていた。

 第五期からスマブラメンバーになったヒールポケモン、ガオガエンだ。

 台座からはガオガエンのボディが次々に生成され、ガオガエンは苦しそうな様子だ。

「あああっ! 今、助けますから!」

 しずえはそう言って、ピコハンでガオガエンを縛る闇の鎖を打ち砕く。

 すると、ガオガエンは赤い瞳をぎらつかせてしずえに襲い掛かってきた。

「コロシテヤル!」

「させないゾイ!」

 デデデは襲い掛かるガオガエンに対しハンマーで応戦した。

 ガオガエンはすぐに飛び退くが、一行への殺意は変わらなかった。

「グルルルルルルル……」

「相手が誰であろうと僕は手加減しない。究極の力、見るがいい!」

「頑張ります!」

「かかってくるんだゾイ!」

「邪魔をするなら、この嵐の弓で吹き飛ばす」

 この世界にも、操られたファイターはいた。

 シャドウ、しずえ、デデデ、ストームは、操られたガオガエンを正気に戻すべく、戦いを挑んだ。

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 カオス

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:不明

 青い液体の身体を持つ、チャオの突然変異体。

 高度な知能とずば抜けた能力を持ち、外敵から同族を守護していたが、ナックルズの祖先と一悶着あって激怒、暴走の挙句ティカルに封印される。

 

 ((元|ゲン))

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 齢70を越える、暗殺拳を駆使する老人。

 冷静沈着な性格で、古風で落ち着いた物言いで話す。

 数多くの中国拳法を発展・統合させ、独自の流派「喪流」「忌流」を作り出した。

 

 タコガール&タコボーイ

 出身世界:未来の地球

 性別:ガール、ボーイ

 オクタリアン族のガールとボーイ。

 記憶を失い、地下鉄の中で倒れていた。

 約束の地に向かうため、様々な試練を受ける。

 

 ライコウ

 出身世界:ゲフリアース

 性別:不明

 ジョウトの伝説のポケモンで、いかずちポケモン。

 でんきタイプで、特性はプレッシャー、隠れ特性はかつてはちくでんだったが、今はせいしんりょく。

 雷と共に落ちてきたといい、雨雲を背負っているのでどんな時でも雷を出せる。

 

 エンテイ

 出身世界:ゲフリアース

 性別:不明

 ジョウトの伝説のポケモンで、かざんポケモン。

 ほのおタイプで、特性はプレッシャー、隠れ特性はかつてはもらいびだったが、今はせいしんりょく。

 大地を駆け巡り、新しい火山ができるたびに生まれてくると伝えられる。

 

 スイクン

 出身世界:ゲフリアース

 性別:不明

 ジョウトの伝説のポケモンで、オーロラポケモン。

 みずタイプで、特性はプレッシャー、隠れ特性はかつてはちょすいだったが、今はせいしんりょく。

 北風と共に世界中を駆け巡り、汚れた水を清めている。

 

 サザンドラ

 出身世界:ゲフリアース

 性別:♂♀両方存在する

 ジヘッドが進化した、きょうぼうポケモン。

 あく・ドラゴンタイプで、特性はふゆう。

 両腕の頭には脳が無く、3つの頭で全てを食べ尽くし破壊してしまう。

 

 シーダ

 出身世界:戦記の世界

 性別:女性

 辺境の島国、タリス王国の王女。

 マルスの婚約者であり、自身もペガサスナイトとして彼と共に戦う。

 性格はマルスと同じく、温厚で穏やか。

説明
一度こういう形で闇の世界を攻略したかったので、こうなりました。
まずはAパート、シャドウチームからです。
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