スマブラ Stern des Lichts 68 〜突入! ドラキュラ城〜
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 未来を知る王女・ルキナを仲間にしたベル一行は、歯車を歩きながら出口を探していた。

 冷静なサムスと、勘が鋭いベルがいるため、一行は大して迷わずに歯車を抜け出した。

 パックンフラワーがクイックマンを解放した後、一行が出会ったのはサイボーグ忍者。

「俺に生きる実感をくれ……!」

「心の怪盗、見参。その闇の鎖、いただくぞ」

 サイボーグ忍者には、ジョーカーが単独で挑んだ。

 怪盗と忍者の一騎打ちが始まる。

 

「うっ!」

「そうだ、それでいい」

「いい夢を見ろよ」

 サイボーグ忍者は高周波ブレードでジョーカーを切り裂く。

 ジョーカーは反撃でサイボーグ忍者に針を撃ち込み怯んだところに渾身の一撃をぶつける。

 サイボーグ忍者とジョーカーは互いの攻撃を敏捷な動きでかわしながら隙を伺う。

「な、なんなのだ、あの動きは?」

 クッパは二人の動きについていけなかった。

 サイボーグ忍者のブレードとジョーカーのナイフがぶつかり合い、鋭い音が戦場に鳴り響く。

「戦いの基本は、格闘だ」

「しまった! ぐあぁ!」

 だが、サイボーグ忍者はジョーカーが自身を観察している隙に彼の腹部をブレードで斬りつけ、重傷を負わせる。

「とどめだ」

「ジョーカー!」

「心配はいらない。奪えっ、アルセーヌ!」

 重傷を負ったジョーカーは、アルセーヌの特殊能力「逆境の覚悟」を発動。

 自身の能力を一時的に大きく上げ、とどめを刺そうとしたサイボーグ忍者の攻撃をかわす。

「何っ!?」

「エイハ!」

「うああああああああああ!!」

 そして、漆黒の矢をサイボーグ忍者にぶつけ、サイボーグ忍者を倒した。

 

「何とか片付いたな……」

 ジョーカーはナイフと銃を鞘に収め、自身のペルソナのアルセーヌもしまった。

「癒しの力よ!」

 瑠璃は治癒術を唱えて、ジョーカーの傷を癒した。

 その後、サイボーグ忍者のスピリッツは、スピリッツボールの中に吸い込まれた。

 

「さて、と。これからどうしようかしらね」

「う〜ん……」

 ベル達はダーズの襲撃で、皆とはぐれてしまった。

 どうすれば、元の場所に戻れるのだろうか。

 その答えは、まだ誰も知らなかった。

「おい、見ろ、みんな!」

 フォックスは、紫色の渦巻いている穴を見つけた。

 ベルが覗くと、どこかの空間に繋がっていた。

「あ! もしかして、ダンジョンかしら?」

 ここがどこに繋がっているのかは、分からない。

 子供のプリン、ディディー、りょうは不安になるが、ベルとシュルクは三人を励ますように言う。

「怖くないよ。僕達がついているから」

「そうよ! だから怖気づかないでね!」

「ありがとございましゅ……」

「ありがとう……」

「サンキュー……」

 プリン、ディディー、りょうを励ました後、ベル一行は穴の中に飛び込んだ。

 すると、歯車があった場所とは異なる、中世ヨーロッパを彷彿とされる地に着いた。

 道には、頭のない像や後ろを向いた彫像があり、灯火が暗い場所を仄かに照らしている。

「見て! 城よ、城! 確か、名前はド、ド……」

「ド、ドラキュラ城だぜ」

 ファルコンは何とか知恵を絞って、この城の名前を思い出す。

 ここはシモンとリヒターの故郷の世界にある、吸血鬼・ドラキュラが住まう城なのだ。

「いかにも何か出そうだな」

「怖いなぁ……」

「こわいでしゅ……」

 ベル達は、ゆっくりと道を歩いていく。

 りょうは怖がっていて、プリンも震えている。

 すると、この城に相応しいアンデッドモンスター、リーデット(のスピリッツ)と遭遇した。

「うっ……」

 ルキナは屍兵を思い出し、不快になって思わず吐きそうになる。

 りょうも気分が悪くなるが、プリンは精神を集中していた。

「プリン?」

「へいきでしゅ……プリンはへいきでしゅ……」

 自身を鼓舞しているのだろうか。

 シュルクは、プリンがリーデットに何かの技を使おうとした事を察した。

「マジカルシャイン!!」

「オオォォォォォォォォォォォ」

 プリンがリーデットに強力な光を放つと、リーデットは叫び声を上げて崩れ去った。

 アンデッドには聖なる攻撃が効果的なのだ。

 

「凄いな、プリン」

「プリンはもうよわむしじゃないでしゅ」

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 リーデットを倒した後、一行は城の中に入る。

 すぐ近くには、触れると周りの様子を元に戻す大きな砂時計がある。

 階段の上には大砲、大砲の下には砲弾があり、螺旋階段には不気味な亡霊がいた。

「まずは、大砲に必要な砲弾を探さなきゃ」

 ベルは階段の下を歩き、銀の砲弾を手に入れた。

「もしかしたら、この砲弾で幽霊を倒せるかもしれませんね」

「そうね」

 ベル達が階段を上がり、大砲に銀の砲弾を入れようとすると、ヘルガーのスピリッツが待ち構えていた。

「私が勝てるかどうかは分からないな……」

「じゃ、任せて」

 ヘルガーのスピリッツには、ルカリオの代わりにマールが挑戦した。

 ブキで無事に解放した後、ベルは銀の砲弾を大砲に入れ、幽霊目掛けて発射し、撃退した。

「この幽霊も、ドラキュラの手先かしら?」

「えっと、ドラキュラって?」

「ドラキュラとは、吸血鬼の中でも古い時代から生きる“伯爵”です。特に若い女性の血を好み、血を吸った者を自らのしもべに変える事ができます。

 勘違いしがちですが、ドラキュラは吸血鬼の中の一人に過ぎませんよ」

「ひぃぃ!」

 ドリィの説明を聞いたディディーは震え上がった。

 しかも、ドラキュラと何度も戦ってきたシモンは、今は別の場所に飛ばされている。

 不安を隠せないベル一行であったが、瑠璃は真顔で静かにこう言った。

「((我|わたし))の血は、魔の者に簡単に汚されはしないぞ?」

「それ、死亡フラグよ」

 瑠璃は自信たっぷりに言うが、ベルは不安になる。

 何故なら、それは「死亡フラグ」だからだ……。

 

 幽霊を撃退した後、ベル達は螺旋階段を上って二階に上がった。

「ガブ! ガブガブガブ!」

「あ、パックンフラワー、何か見つけたの?」

「ガブガブガーブ!」

 パックンフラワーはぴょんぴょんと跳ねている。

 彼(?)がいるところに向かうと、そこには梯子があった。

 ルカリオは梯子を登り、先にあったレバーを倒すと縦になっていた壁が横になった。

 その後にナイトマンのスピリッツをファルコンが解放し、メディウサのスピリッツをりょうが解放した。

 次に、木の階段を上がって銀の砲弾を拾い、階段を下りて左側の螺旋階段を上ると、デイジー姫が闇の鎖に縛られていた。

「まあ、大変! デイジーが捕まってるわ!」

 しかし、デイジーがいる場所には幽霊がいる。

 幽霊は銀の砲弾を使わなければ倒せない。

 仕方なく、三階に上がって大砲を使おうとするが、ほねクッパのスピリッツが待ち構えていた。

「な……こいつ、高位のアンデッド!?」

 ベルは、ほねクッパを見て驚く。

 それもそのはず、ほねクッパはジェフやシーダ、ポリーンなどと同様にレジェンド級だからだ。

 気を抜いたらやられる。

「……絶対に勝つのよ。絶対によ!」

 ベル、フォックス、クッパ、シュルク、マール、ジョーカーは真剣な表情で身構えた。

「ぐあっ!」

 ほねクッパはフォックスに引っ掻きを繰り出す。

 マールはわかばシューターでほねクッパを牽制。

「それっ! ……かわされた!?」

 シュルクの攻撃は、ほねクッパにはギリギリで当たらなかった。

「我輩の攻撃も、当たらないのだ!」

 クッパの渾身の一撃も決まらなかった。

「だったらそれを」

「カバーする!」

 シュルクとクッパのミスを、フォックスとジョーカーが上手くカバーした。

「全然運がないな」

「よし、私が運気を上げるわ!」

 ベルが鎌を突き刺すと、周囲に魔力が広がる。

 これにより、ベル達の運気が高まった。

「おらぁっ!」

 フォックスはほねクッパに跳び前蹴りを放った。

 ほねクッパは攻撃をかわすが、かわした場所に一発命中した。

 おかげで、シュルクに攻撃しようとしたほねクッパを妨害する事に成功。

「きゃあ!」

「うわっ」

 しかしマールに渾身の攻撃が届いてしまい、シュルクの攻撃もほねクッパには当たらなかった。

「運がいいのか分からないのか、微妙だな」

「でも、良くはなっているわ。さあ、これでとどめよ! ナイトメア!」

 ベルが大鎌をほねクッパに投げつけると、ほねクッパの身体は真っ二つになる。

 そして、崩れたクッパのボディから、ほねクッパのスピリッツが飛び出した。

 ベルはすぐにそれにスピリッツボールを向け、スピリッツを回収するのだった。

 

「もう大丈夫じゃ、マール」

「ありがとう、瑠璃」

 瑠璃は傷ついたマールに治癒術を使う。

 ベルは今度こそ三階に上がり、大砲を使って幽霊を撃退した。

 そして、ベルは闇の鎖に縛られたデイジーを、大鎌を使って解放する。

「デイジー! 私が来た!」

「……」

 ベルがデイジーに対しそう叫ぶが、闇に飲まれたデイジーは反応しない。

 仕方ないわね、とベルが溜息をついた後、大鎌を振ってデイジーを斬りつけた。

 すると、彼女の身体に巻き付いた闇の鎖が真っ二つになった。

 同時に、デイジーがベルに襲い掛かってくる。

「みんな! 準備はいいかしら!?」

「ああ!」

「ええ!」

「ガブガーブ!」

 ベル、ファルコン、プリン、ピーチ、りょう、パックンフラワーは、ダーズに操られたデイジーと戦った。

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「……」

 デイジーは闇の力を操り、自身の攻撃力を高めて五体の分身を作り出す。

 りょうはデイジーの動きを観察していた。

「まずい! サンダーを拾って使うみたい!」

「そうはさせないわ!」

「とめましゅ!」

 サンダーが当たると、小さくなって動けなくなる。

 それを阻止するべく、ピーチとプリンはデイジーに突っ込むが分身が邪魔する。

 その隙にデイジーはサンダーを拾い、六人を一気に小さくした。

「きゃっ!」

 小さくなった六人は、攻撃力と防御力、そしてリーチが下がってしまった。

 六人はデイジーと分身の一方的な攻撃を受ける。

 何とかサンダーの効果が切れて攻撃を凌いだ後、ファルコンはデイジーの分身をファルコンキックで攻撃する。

「ダークマジック」

 ベルは闇の魔法陣を設置し、踏んだデイジーを縛った後に鎌で一閃した。

「ガブガブ!」

 パックンフラワーはデイジーの分身に鉄球を放ち、デイジーの分身を吹っ飛ばした。

 しかし二体の分身から包囲攻撃を受け、すぐに戦闘不能になってしまった。

「ああ、パックン!」

「……」

 デイジーは驚くピーチに揺らめく炎を放つ。

 その後、分身をりょう、プリン、ファルコンにけしかける。

「ファルコンパンチ!」

「えいっ、えいっ、えいっ!」

「そーれっ!」

 三人は何とか攻撃をかわし、分身を攻撃して消し去った。

 ベルは大鎌で分身を消し、残る分身は一体だけになった。

「……」

 だが、プリンにデイジーが放った炎が迫る。

「危ない! うわああああああああ!!」

 りょうはプリンを庇い、代わりに攻撃を受けた。

 炎の中に包まれたりょうは様々なものが燃える。

 その炎が消えた後、りょうは意識を失った。

 

「よくも、りょうとパックンフラワーを!」

「もう許さないぞ! ファルコン……パンチ!!」

 ファルコンは炎の鳥を纏ったパンチをデイジーの分身に繰り出し、消し去る。

 ベルは大鎌を振るい、闇を飛ばしてデイジーの身体にまとわりつかせる。

「ウ、ウゴケン……!」

「でいじーしゃん、もとにもどるでしゅ!」

「グアアアアアアアアアアア!!」

 プリンはデイジーにマジカルシャインを放つ。

 強烈な光を浴びたデイジーは、闇の力を受けているため大ダメージを受けた。

「……デイジー姫」

 炎を振り払ったピーチは、フライパンを構える。

 それに対し、ファルコン、プリン、ベルは静かに彼女を見守った。

 同じ姫として、最後は彼女が倒すのだから。

「私は……あなたを信じるわ!!」

「ウグアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 ピーチのフライパンがデイジーの脳天に命中すると彼女は凄まじい叫び声をあげた。

 そして、くるくると回転した後、ばたり、とその場に倒れるのだった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 ピーチは倒れたデイジーを見て激しく息を切らす。

 危うくフライパンを落としそうだったが、彼女は気合でフライパンをしっかりと持った。

「私達の……勝ちよ!!」

(美味しいところは持っていくのね……)

 そして、ピーチはここに勝利宣言をするのだった。

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 クイックマン

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性型

 「自らが光速に近づく」というテーマのもと、Dr.ワイリーが生み出したロボット。

 早寝、早起きだが、落ち着きが無い。

 武装は光速で飛ぶブーメランを発射する「クイックブーメラン」。

 

 サイボーグ忍者

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性

 シャドーモセス島でスネークが出会った、全身を強化外骨格で覆っているサイボーグ。

 あらゆる物を切断する高周波ブレードを装備し、素早い身のこなしで相手を翻弄する。

 

 リーデット

 出身世界:ハイラル

 性別:不明

 ゾンビを彷彿とさせる不気味なモンスター。

 移動速度は非常に遅いが、金縛りの能力を持ち、動けなくなった隙に抱きついて攻撃する。

 

 ヘルガー

 出身世界:ゲフリアース

 性別:♂♀両方存在する

 デルビルが進化した、ダークポケモン。

 あく・ほのおタイプで、特性はもらいび、はやおき、隠れ特性はきんちょうかん。

 不気味な遠吠えが特徴で、昔の人は地獄からの使いと考え恐れていた。

 

 ナイトマン

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:男性型

 中世ヨーロッパの騎士をモチーフにしたロボット。

 騎士道精神を持つが、融通が利かない。

 名誉を好み、汚い戦法を嫌う。まさに騎士。

 武装は鉄球「ナイトクラッシャー」。

 

 メディウサ

 出身世界:こことは異なる世界

 性別:女性

 髪が蛇になった女性の魔物で、相手を石にする能力を持っている。

 とある神界の三姉妹の末娘を原型とする。

 

 ほねクッパ

 出身世界:キノコワールド

 性別:♂

 マグマに落ち、骨だけになってしまったクッパ。

 骨なので、ファイアボールが効かない。

説明
闇の世界における二つ目(この小説)のダンジョンに突入。
ここは聖地に勝るとも劣らない謎解きがありましたね。
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