スマブラ Stern des Lichts 85 〜光と闇を倒せ〜
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 マスターハンド、クレイジーハンド、アイシャ、ドリィ、リドリー、ダークサムスが光と闇を打ち払いに行っている間、

 スマッシュブラザーズはキーラとダーズの下へ向かっていった。

 雲に覆われた地平線の向こうに太陽が見える。

 あの空の向こうに、全ての元凶であるキーラとダーズが待ち構えているのだ。

 

 一部のスマブラメンバーは、ちらちらと後ろを振り返っていた。

 後ろでは、マスターハンド達が光と闇のファイターに立ち向かっていた。

「大丈夫かなぁ……? マスター、クレイジー……」

「りょうさん、大丈夫です。あの方達なら、光と闇を倒せます。わたし達でできる事をやりましょう」

「……ありがとう、しずえ」

 不安になるりょうを、しずえは励ました。

 

「うわっ!?」

「りょうさん、危ない!」

 突然、りょうに向かってボコブリンが飛びかかってくる。

 しずえはりょうを庇い、シールドを張った。

 目の前にはオクタロックやチュチュなど、たくさんの魔物が立ち塞がっている。

「しずえ、ありがとう!」

「りょうさんは先に行ってください。ここは、わたし達が食い止めます」

「……うん」

 リトルマック、ファルコ、ウルフ、しずえ、トゥーンリンク、キングクルールが魔物に立ち向かった。

 りょう達は彼らが食い止めている間に、大急ぎで奥に向かっていった。

 

「そらよ!」

「ウルフフラッシュ!」

 ファルコは空中に飛び上がり、炎を纏った体当たりで魔物を一掃する。

 ウルフは体当たりして魔物をまとめて倒した。

「まさかこの俺様がお前と手を組むとはな」

「リドリーとマスターハンドが手を組んだんだ、今は敵味方の区別なんていらないぜ」

「……ああ、そうだな!」

 ファルコとウルフは互いに手を取り合う。

 ライバル同士が結託した瞬間である。

 

「おいおい、俺様を忘れたら困るぜ!」

「それ! えい! そおれっ!」

 キングクルールはファルコとウルフが取りこぼした魔物を倒していった。

 しずえはピコハンや傘を使って、一生懸命に魔物と渡り合っている。

「我らの邪魔はさせん!」

「散れ!」

「そうはいかねぇ!」

 道中、キーラとダーズの妨害が入るが、キングクルールがそれを阻止する。

「とりゃーっ!」

「たあーっ!」

 リトルマックの拳とトゥーンリンクの剣――どちらも「けん」と読む攻撃が、魔物を次々に吹っ飛ばしていく。

 それでも魔物は数の暴力で攻めてくるが、六人は攻撃の手を休めない。

「きゃ!」

「危ない!」

 しずえにボコブリンの棍棒が振り下ろされる直前、リトルマックが庇い、反撃する。

「マックさん、ありがとうございます」

「困った時はお互い様だろ?」

「……そうですね。わたしも、守られているだけじゃありません。りょうさんのためにも、必ず勝ちます!」

「ああ、その意気だ!」

 マックに応援されたしずえは、全力で魔物に立ち向かっていった。

 彼女としては、本当はウルフに応援してもらいたかったのが本音なのだが……。

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「キーラとダーズめ……」

「やっつけるでちゅ!」

 スマブラメンバーは魔物と戦っている他のメンバーを信じて、走り出す。

 次の瞬間、冥府軍と自然軍の魔物が一斉に襲ってきた。

「くそっ、敵か!」

「ここは俺達に任せろ! お前達は先に行け!」

「うん!」

 メタナイト、ブラックピット、リュウ、ケン、ピチュー、ゲッコウガ、ストームが身構え、他のスマブラメンバーを走らせる。

 ブラックピットとストームが後方から矢を放つ。

 ゲッコウガは隙を突いて背後を取り、音も立てずに冥府軍の敵を仕留めた。

「流石だな、ゲッコウガ」

「静かにしろ」

「……あ、ああ」

 リュウはゲッコウガに言われた通り、音を出さずに相手の出方を図る。

 すると、不気味な音と共にオーンが姿を現した。

「オーンだ! あいつに触ったら即死する!」

「どうすればいい?」

「浄化の力があれば倒せるが……」

 ブラックピットは神弓シルバーリップを引き、光の矢をオーンに放ち、消滅させた。

 しかし、オーンの数は減るどころか増えている。

「どうすればいいんだ」

「僕に任せろ。トルネイド・バリアー!」

 ストームはトルネイドのARTSを使い、七人全員に竜巻のバリアを張った。

「このバリアさえあれば、オーンの影響を受けずに戦う事ができる。ただし、このバリアの制限時間は5分だ。それまでに決着をつけろ!」

「ああ!」

 メタナイト達はオーンの群れに突っ込んでいった。

「ぴちゅぅぅ!」

 ピチューはかみなりで広範囲のオーンを一掃する。

「波動拳!」

「昇竜拳!」

「うりゃりゃりゃりゃ!!」

 リュウとケンの格闘技でオーンは消滅する。

 メタナイトは彼らが取りこぼしたオーンをギャラクシアで滅多切りにした。

「いくぜっ!」

「……」

 ブラックピットは神弓シルバーリップを双剣に変えオーンの群れを次々と切り刻む。

 ゲッコウガは静かに、確実にオーンを仕留める。

 

「お前らは早く先に行け!」

「ああ!」

 そんな仲間の勇気を見て、スマブラメンバーは先に進むのだった。

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 スマブラメンバーはキーラとダーズを追い、空間を只管上へ上へ昇っていった。

 しかし、魔物は彼らの前に立ち塞がっていく。

 

「オレ達が相手だ!」

「まっけないぞ〜!」

 魔物に立ち向かうは、ドンキー、ディディー、スネーク、ゼルダ、シーク、アイスクライマー。

 ディディーはピーナッツ・ポップガンを抜いてクリボーやノコノコを倒していく。

「いくぞ!」

「はぁっ!」

 シークが前に出てカキボーにダメージを与え、ゼルダが魔法でとどめを刺す。

 元は一つだったゼルダとシークの息はぴったりだ。

「「トルネードハンマー!」」

 息ぴったりなのはゼルダとシークだけではない。

 氷山を登るアイスクライマーも、だ。

 ポポとナナは二人同時にハンマーを振り回し、周囲にいたカロンが砕け散る。

「そこかっ」

 スネークは後方から冷静に魔物を狙撃する。

 魔物は叫ぶ暇もなく、ばたりと倒れた。

「このまま一気にいくよ!」

「ええ!」

 アイスクライマーは高く飛び上がり、二人同時にハンマーを振り下ろす。

 衝撃波が周囲に広がり、クリボー、ノコノコ、カロン、カキボーは一掃された。

「よし、やったぞ!」

「まだ敵は来ます!」

 ゼルダがそう言うと、ハンマーブロスとファイアブロスの群れが襲い掛かってきた。

 彼らは高くジャンプしながら、ハンマーやファイアボールを投げてくる。

「知恵の女神ネールよ、災厄から我らを守りたまえ」

「えい!」

「ふっ」

 ゼルダはネールの力を借りてバリアを張り、ハンマーとファイアボールを跳ね返す。

 ディディーとシークは遠くから飛び道具で攻撃。

 ドンキーとスネークは体術でハンマーブロスを吹っ飛ばし、アイスクライマーは氷の力でファイアブロスが投げたファイアボールを凍らせる。

 さらにアイスクライマーはトルネードハンマーでブロス達をまとめて吹っ飛ばした。

「危ないから下がっていろ」

 スネークは踏むと作動する地雷をブロス達がいる場所に設置する。

 すると、スネークの予測通り、ブロス達は地雷を踏んで場外に吹っ飛んだ。

「これで、終わりだ! ジャイアントパンチ!!」

 そして、ドンキーは渾身の力を込めたパンチをメガブロスにぶちかまし、吹っ飛ばした。

 次の瞬間、周囲から魔物の姿が消えた。

 これが最後の一匹だった事をスネークは改めて確認した。

 

「これで、魔物は全滅した。だが、オレ達はここから先には行けない」

「後は、キミ達が頑張るんだよ……!」

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「ドンキーやディディーが頑張ってくれた。その思いを無駄にはしない!」

 キーラとダーズを追いかけるスマブラメンバー。

 妨害はなおも激しくなってくるが、歩みを止めるわけにはいかない。

 二柱の攻撃をかわしながら進むスマブラメンバーの前に、多数の目玉がついた触手が生えた、小型ダーズを思わせる一つ目の魔物が現れた。

 りょう、デイジー、ダックハント、ロゼッタ、ガオガエン、ドクターが魔物の前に立ち塞がり、構える。

「君達は先に行って!」

「ああ!」

 りょう達が食い止めてくれるため、スマブラメンバーは先に行った。

 

「こいつの名は……」

「デイジー君、いけない、それは禁句だよ! あえて言うなら、『土下座君』だよ……うわ! Zzzzzzz……」

 土下座君は催眠光線を放ち、ドクター達を一斉に眠らせた。

 その隙にもう一体の土下座君がりょうに破壊光線、ドクターに石化光線を放つ。

「ぐっ、足が動かない……」

 ドクターは足が石になってしまい、動けない。

「ばう!」

「おりゃああああ!」

 ダックハントは土下座君の攻撃をかわすが、直後に催眠光線で眠ってしまい、さらにデイジーが無防備になり土下座君の触手攻撃を食らってしまう。

 ガオガエンはラリアットを仕掛けるが、躓いてしまい、土下座君には当たらなかった。

「せぇい、やぁ!」

 デイジーは野菜引っこ抜きでボム兵を抜き、土下座君の群れに投げつける。

 ボム兵の爆発で土下座君はまとめて吹っ飛んだ。

「せいやぁぁぁっ!」

 りょうは岩をも砕くような勢いでパチンコを連射する。

 土下座君の防御も崩して、ダメージを与える。

「当たるか」

「ばうばう!」

 一方、土下座君の攻撃は激しくなるが、ロゼッタとダックハントはかわして反撃する。

「応援ガンバやで!」

「うおーっ!!」

 デイジーは戦っているメンバーに激励を飛ばした。

 彼女の激励により、メンバーの士気は上昇した。

「DDラリアット!」

「えいっ!」

 ガオガエンは両腕を勢いよくぶん回し、土下座君を場外に吹っ飛ばす。

 りょうもガオガエンに続き、傘で土下座君を攻撃。

「何をしている、ドクター!」

「ぴぴぃぴぃ!」

 チコがドクターの周りをくるくる回り、石になっていたドクターの足を元に戻した。

「ああ、ありがとう、ロゼッタ」

「りょう、怪我はないか? ギャラクシーヒール!」

「ばうばーう!」

 ロゼッタはりょうの自然治癒力を活性化させる。

 ダックハントはワイルドガンマンを召喚し、土下座君を狙撃して安全にダメージを与えた。

「石化する……っ!」

「危ない!」

 土下座君がロゼッタ達に狙いを定め、石化光線を放とうとすると、ドクターはカプセルを投げて阻止した。

 威力は高くなかったが、土下座君を怯ませた。

「うわっ!」

「何するねん!」

 土下座君は触手から破壊光線を放ち、デイジーとダックハントに大ダメージを与える。

 しかし、スマブラメンバーの猛攻は止まらず、次第に土下座君は追い詰められていく。

「それ!」

 ドクターの心臓マッサージが、土下座君にとって致命的な攻撃となる。

「とどめだ! ハイパーダーククラッシャー!!」

 そして、ガオガエンが腕を振り回し続け、黒い衝撃波が辺りに広がった。

 衝撃波に巻き込まれた土下座君の触手はちぎれ、全て地面に落ち、本体も黒い霧になって消滅した。

 

「僕達が行けるのは、ここまでだ」

「後は、頼んだよ……!」

説明
最終決戦パートです。
光も闇も、こちらの光と闇で倒してしまいましょう。
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