真・恋姫†無双〜黒の御使いと鬼子の少女〜 98
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 深夜、扉を慌ただしく叩く音と自身の名を呼ぶ声で愛紗は目を覚ました。

 

「愛紗さんっ! 愛紗さんっ!」

「雛里?」

 

 扉を開けると雛里が涙でぐしゃぐしゃにした顔で飛び込んできた。

 

「ど、どうしたっ!? 何があった!?」

「雪華ちゃんが、雪華ちゃんがっ!」

「っ! すぐに行くっ!」

 

 寝間着姿のまま、雛里と共に雪華の元へと駆ける。すると、次第に泣き叫ぶ声が聞こえてきた。近づくにつれ、それが雪華の声だと分かる。

 

(雪華っ……!)

 

 そして、部屋の扉を開けた先をみた愛紗は、衝撃を受けた。

 

「やだぁあああ! やだぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!! 暗いっ! 暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗い暗いぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!! ぁあああああああああああああああああああああ!!!」

 

 部屋はあらゆるものが散乱し、壊され、その中心には目の焦点が定まっていない雪華が泣き叫び、のたうち回っていた。

 

「これ、は……」

 

 と、そこで朱里がいたことに気が付いた愛紗は声をかける。

 

「朱里、いったいこれは、何が……」

「わ、分かりません。雪華ちゃん、目を覚ましたら、ずっと……」

 

 朱里もどうしたらいいか分からないのだろう。明らかに動揺している。

 

「とりあえず、ご主人様と桃香にも報告を。ここは私が。あと、雛里はとにかく明かりを! なんでもいいっ」

「“は、はいっ!”」

 

 指示を受けた二人はそれぞれ別方向へ走り出す。そして、愛紗は雪華の元へ。

 

「雪華」

「ゲンキっ! ゲンキっゲンキっ! 怖いっ! 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

「雪華っ!」

「ぁあああああああああああああああ!!!」

(駄目だ。声が届いていない……!)

 

 ならばと、愛紗は暴れる雪華の体を抱きしめる。

 

「雪華っ! しっかりしろっ!」

「あぁあああああああああああああああああああああ!!! やだぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 だが、それすら恐怖なのか、より一層激しく暴れだす。愛紗の全身をひたすら叩き、蹴飛ばす。時には頭突きすら繰り出す。

 

「うっ、ぐっ!」

 

 だが、愛紗は絶対にその体を離さない。何故なら、その怯え苦しむ心が何となくわかるからだ。

 

(……あの時の、私だ)

 

 村を焼かれ、家族を失ったあの時の自分。今の雪華はそれに重なった。

 

(離すものかっ! 今、離してなるものかっ!)

「…………大丈夫だ。私がいる。大丈夫だ」

 

 いくら叩かれようと、蹴られようと、頭突きをされようと離さず、頭を撫で続ける。すると、その想いが伝わったのか、雪華の声が落ち着きを取り戻し始める。

 

「あ、はぁ、あ、ああ……」

 

 その機を逃さず、愛紗は話しかける。

 

「雪華、聞こえるか? 雪華?」

「あい、しゃ、お姉ちゃん?」

「……ああ、私だ」

「…………う、うあぁあああああああああああああああ!!!」

 

 再び泣き叫ぶ雪華。だが、それは先ほどまでの錯乱したものではなく、年相応の少女の物だった。

 

「……ああ、大丈夫。怖かったな」

 

 それに安心しつつ頭を撫でる愛紗。そこへ呼ばれた桃香、北郷、そして明かりを持ってきた雛里とそれを手伝っている恋が入ってきた。

 

 部屋に明かりがともされると、全員が愛紗を見て目を見開いた。

 

「愛紗ちゃん!? その顔っ!?」

「……大丈夫です。この程度」

 

 とは言うが、心配するのは無理だと言えるほど愛紗の顔や体には多くの青痣が浮かんでいた。

 

「ひ、冷やすものを持って決ましゅ!」

 

 朱里は急いで部屋を出る。

 

「い、一体何があったの……?」

 

 部屋の惨状を見まわしながら出た北郷からの質問に愛紗が答える。

 

「雪華が目を覚ましたのですが、暗闇に怯えたようです」

「だからって、これは……」

 

 確かに、北郷がそう思うのも無理はない。彼は知らないからだ。心の傷の痛みというのを。その苦しみを。

 

「……ここは私が一緒にいます。夜中にお呼び立てすることになってしまって申し訳ありませんでした」

「でも」

 

 だが、知らないだけで心配する心は本物だ。北郷は怪我を負った仲間をそのままにするなどという事ができるような人間ではない。

 

 そんな北郷の肩に桃香が手をのせる。

 

「……ご主人様、ここは愛紗ちゃんにまかせよう」

「桃香……」

「愛紗ちゃん、本当に大丈夫なんだよね?」

「はい」

「……じゃあ、お願い」

 

 桃香は愛紗に任せると北郷と一緒に外に出て行ってしまう。

 

「……愛紗」

「恋、お前もすまないな」

 

 愛紗の言葉に恋は首を横に振って逆に謝る。

 

「恋が、油断した」

「……いや、恋で防げなかったのであれば私が行っても同じ結果になっていただろう」

 

 だが、そうは言っても恋にも負い目はある。

 

「……私も、いっしょに、いる」

「……ならば、交代にしよう。明日は頼めるか?」

「……(コクッ)」

 

 恋が頷いたところで、水を汲んできた朱里が入ってくる。

 

「愛紗さん」

「んっ」

 

 冷たい水が青痣になっているところに当てられる。

 

「どうですか?」

「ああ、冷たくて心地よい。助かる」

 

 そこで、朱里は愛紗に礼を言う。

 

「……ありがとうございました。来てくれて」

「礼を言われることじゃない」

「でも、私じゃ……」

 

 瞳から一筋の涙が流れ落ちる。

 

「雪華ちゃんが、あんなに苦しんでいたのに、何も、何もできなかった……」

「朱里……」

「…………………」

 

 だが、それ以上の涙を彼女は唇をかむことで耐える。何故なら、自分よりも雪華の方が遥かに苦しんでいると思っているからだ。

 

 そんな親友を見て雛里が口を開く。

 

「……愛紗さん、お願いがあります」

「雛里?」

「私と朱里ちゃんも、雪華ちゃんの心が癒えるまで一緒にいてもいいですか……?」

「雛里ちゃん……」

 

 そんな友の心意気に気が付かぬ朱里ではない。

 

「私からも、お願いします」

「だが、二人は……」

「何とか、します……!」

 

 その眼に宿る意志の強さを感じた愛紗は何も言わずに頷いた。

 

「では、私たちで」

「“はいっ!”」

「……(コクッ)」

 

 こうして、4人は交代で雪華と共に過ごすことになる。だが、それは遥かに辛く、苦しいものになった。

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 まず、雪華は暗闇を極端に怖がるようになってしまった。日が出ていても、影を見るだけで怯える程だ。その為、外に出るのは雲一つない快晴の時のみ。部屋の中では影を作らないよう昼でも明かりが灯され、夜が近づくと全身を震わせるほどに怯えがひどくなり、夜になれば誰かが傍にいないと叫びだす。しかも、それは明かりがある状態で、だ。火の明かりが無くなれば、たとえ月の良く出ている夜だろうと錯乱して叫び、暴れだす。

 

 次に、眠らなくなってしまった。眠るのは2,3日起き続け、眠気が限界を迎えた時ぐらいだ。だが、それで眠っても3時間程度で目を覚ましてしまう。一緒にいる誰かが先に寝てしまうと、誰もいない状態と同じになり、叫びだす。慌てて目を覚まして宥めても、しばらくは落ち着かない。

 

 こんな状況でまともに生活できるわけもない。それは、一緒にいる面々も同じだ。

 

「………………」

「愛紗」

「………………」

「愛紗っ!」

「っ!? す、すまんっ!」

 

 星の一喝で目を覚ました愛紗は周囲の状況を確認する。

 

(確か、今日は非番で、星に誘われて、食事に、そうか)

「食事、してたか」

「…………」

「それで、何を話してたか……」

「他愛もない話だ。気にしなくてもいいが……」

 

 見るからに最近の愛紗は疲労していた。顔に覇気もなく、美しかった黒髪も最近は乱れている。だが、これは愛紗だけの話ではない。他の3人も同様に疲れが見えている。

 

(まずい、とは思うが……)

 

 対処しようがないのだ。前に一度、星が代わりに入ったことがあった。だが、ダメだった。誰もいないのと同じ状況になってしまったのだ。

 

 他にも何人かやってみたものの、結果として最初の4人だけしか抑えることができなかったのだ。

 

(近々、本格的に動くのに、愛紗、朱里、雛里、恋がこれでは……)

 

 実は、来週の頭に中心を目指して侵攻をすることが決まったのだ。ここへたどり着いてからすでに1週間。さすがに動かねば不味いという事になったのだが……

 

(…………主と話さねば)

 

 心で決めた星は料理を平らげるために箸をすすめるのだが、ふと愛紗を見ると頭が舟を漕いでいる。

 

「愛紗」

「っ!」

「食べねば冷めるぞ」

「……すまない」

 

 眠気に耐えながら食べきった愛紗を城まで送り、星は執務室で仕事をしている北郷の元へ足を運んだ。

 

「主よ。今よろしいか?」

「星? いいよ」

 

 許可をもらい、部屋に入ると北郷がいつもの3倍以上の書簡に埋もれていた。ちなみに、桃香は新規で作られた簡易寝台で仮眠をしている。

 

(まぁ、これも致し方なし、か)

 

 何せ、朱里と雛里が前の10分の1程度にしか動けないのだ。その出来なくなった分は北郷や桃香が埋めるしかない。一応、ねね、詠、月たちも協力してはくれているが、それでも手は回っていない。

 

「ごめん、話このまま聞くけどいい?」

「構いませぬよ。それで、愛紗なのですが……」

「……やっぱり、動けなさそう?」

「はい。とても動ける状態ではありませぬ。今の愛紗であれば主でも勝てましょう」

「それほどに……」

「何せ、飯が口に入っていても眠りかける程です。馬に乗ろうものなら即座に落馬するでしょうな」

 

 一度筆を止めて、天井を見上げる。

 

「……今度の侵攻、4人は加えられないか」

「そうなりますな」

「……詠に打診しよう。今回の侵攻で軍師として加わってもらえないか」

「…………それしかありませぬ、か」

 

 正直な話、月と詠を政治や、戦に巻き込みたくはないのだ。彼女たちは策略によって苦しめられた。そんな彼女たちに穏やかな生活をさせたい、皆がそう思っている。

 

(……やはり、ここは私が心を決めねばならぬか)

 

 案として出すかどうかずっと迷っていたが、星は覚悟を決めて口にした。

 

「主よ、一つ提案があります」

「何?」

「……雪華を、一度遠くの場所で休ませてはいかがか?」

「……………それは」

 

 北郷はその意見に眉根を寄せる。彼もそれを考えなかったわけではない。だが、遠くと言ってもまだ来たばかりのこの町でそれができる場所がどこにあるのか? しかし、星とて考えなしに意見は述べない。

 

「実は、城の端の方に小さな小屋を見つけまして」

「小屋? そんなのあったの?」

「はい。小屋と言っても隠し小屋と言いますか、人目に付かぬように隠されておりました」

 

 何に使われていたか、は大体予想が付くがそんなところへ雪華を入れるというのは……

 

「無論、そのままなどとは言いませぬ。改築をしてもらい、雪華が安心できるようなものにしてもらえば……」

「……星、悪いけど俺はそれに賛成できないよ」

 

 星の意見を遮って、北郷は答える。

 

「あの子は今怯えている。そんな子を城の隅っこに住まわせるのって“厄介払いをされたって”傷つけることだと思うんだ。いくら雪華の為に改築されたとしても、さ」

「ですが、だからと言って」

「うん、だからと言って今の状況はどうにかしないといけないのも事実だ」

 

 そこで北郷は筆を止めて星に向かい合った。

 

「で、今、間諜の人に玄輝を探してもらってる」

「なんと、それは真ですか?」

「ああ」

 

 実は、最初に雪華が錯乱した次の日にすでに放っていたのだ。

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「桃香」

 

 雪華の休んでいた部屋を出て声が部屋には届かないところで北郷は話しかけた。

 

「本当に任せていいの?」

「……ううん、多分愛紗ちゃんじゃないとダメなんだと思う」

「……どいうこと?」

「……昔ね、愛紗ちゃんから聞いたことがあるの。愛紗ちゃん、心がダメになった時があったって」

「っ!?」

 

 衝撃だった。何せ、北郷の知っている愛紗は常に凛としていて、強い心を持っている女性だったからだ。

 

「だから、愛紗ちゃんじゃないとダメなの。心の痛みが分かる人じゃないと」

「でも、それを言ったら桃香だって」

「……私の痛みと、雪華ちゃんの痛みは、多分違う。私のは時間とか、みんなが一緒にいれば治るけど、雪華ちゃんのは“腕を失くした”とかもう戻らない、受け入れて生きていくしかない痛みって言えばいいかな?」

 

 “ごめん、私もはっきり言えないや”と桃香は悲し気な笑顔でそう話を締めた。

 

「………………」

 

 それを聞いた北郷は自分の想いを恥じた。その上で口を開いた。

 

「……玄輝を探そう」

「ご主人様?」

「間諜を放って、玄輝を探してもらって連れてきてもらおう」

「でも……」

 

 前にいた徐州にいた時ですら足取りは掴めていない。そんな状況で間諜を放っても変わらないのではと、心配になる桃香だが、北郷にはある推測があった。

 

「……実は、玄輝はこっちに向かっているんじゃないかって思っているんだ」

「え?」

「涼州は今いる益州の方が近い。もしも、玄輝が生きてて徐州に戻ろうとしていたとしても、俺たちの状況、それに俺たちがどうやって考えるかって考えていたならこっちへ向かうんじゃないかって思っているんだ」

 

 確かに、玄輝であればそう考えるのも不自然ではない。なら、間諜がどのあたりを探せばいいかはだいぶ絞られる。

 

「どうだろう、桃香」

「……うん、そうだね。じゃあ、明日雛里ちゃんと朱里ちゃんに相談してみよう」

「だな」

 

 そして、次の日。長老たちのと顔合わせも終わり、執務室で話そうとしたのだが……

 

「交代で雪華を?」

「はい。できる限り一緒にいようと、恋さん愛紗さんと雛里ちゃんと私でしようと思っているんです」

 

 朱里からの報告に考える姿勢を取った北郷に彼女は首をかしげながら問う。

 

「ご主人様、どうなさいましたか?」

「ん、ああ、いや。分かったよ。でも、無理はしないでね」

「はい」

 

 他にもいくつか確認をし、朱里は執務室を後にした。部屋を出たのを確認した後で桃香が口を開いた。

 

「ご主人様、昨日のこと言わなくてよかったの?」

「…………桃香、このことは二人で何とかしよう」

「でも、私たちもこれをどうにかしないと……」

 

 と、言って指さしたのは山積みの書簡。

 

「……親衛隊の人にも、手伝いをお願いしようか」

 

 こうして、北郷と桃香は親衛隊の協力の元、玄輝の捜索を始めたのだった。

 

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「で、玄輝殿の足取りは?」

「今日は明日には届くと踏んでるんだけど……」

 

 と、タイミングよく扉が開いた。

 

「北郷様」

「ああ、あの件?」

「は、はい」

 

 と、星をちらりと見やるが北郷に促され報告をする。

 

「御剣様の足跡ですが、未だ見つけられていないとのことです」

「そっか……」

「ただ、気になる報告が1点」

「気になる報告?」

「ええ。なんでも、行商人や山で生活をしている民から騎馬の大群が人目を憚るように山を駆けていたと」

「騎馬の大群……」

「ただ、木々に遮られて、どこの人間かまでは判別できていないようです。中にはこの世のものではないのでは、という噂まであるようです」

「それってどこの山なの?」

「そこまでは……。聞いた兵もそこまでは確認していなかったようで」

 

 報告を聞いた北郷は思考の海に潜る。

 

(騎馬の大群なんて、普通はあり得ない話だ。でも、もしそれが西涼の人間なら……)

 

 十分にあり得る話だ。

 

(曹操にやられて、居場所を失くした兵たちが追手を避けながら移動している、と考えるのが妥当かな。もしそうなら……)

 

 玄輝がどうなったかを知っている可能性が非常に高い。

 

「……その騎馬の大群について調べてもらえる?」

「はっ! ご命令とあらばっ!」

「じゃあお願い。細かいことでもいいから報告してくれる?」

「御意っ!」

 

 返事と礼を返し、兵は外に出る。

 

「主、今の話を玄輝殿と関連があるとお考えで?」

「ああ。少なくとも何かしらの情報を持っている可能性が高いと思う」

「……騎馬の強い国はいくつかあれども、ここ最近で倒されたのは西涼しかないから、と

言ったところですかな?」

「さすが。その通り」

「ですが、間に合いませぬぞ」

 

 そう、今回の進軍には確実に間に合わない。となるとやはり……

 

「愛紗たちは、ここに残ってもらう。愛紗たちの隊は星、代わりに君が率いてくれ。恋の所はねねと華雄、あと交渉次第だけど参加してもらえるなら詠にも加わってもらおう」

「よろしいのですか? いくら軍師二人が付くとは言え、華雄を制御できるかどうかは……」

「いや。そもそも前には出ないようにお願いするつもり。だから実質、星と鈴々が主軸になる」

「責任重大、という訳ですな」

「頼むよ。この件について俺から4人に……」

「北郷様ぁあああああああああああああああああああっ!!!」

 

 兵の大声と共に扉が勢いよく開けられ、そして桃香が跳ね起きた。

 

「わわっ!? 地震っ!? 火事っ!?」

「いや、どっちでもないから。とりあえず落ち着いて」

 

 状況が理解できていない桃香を落ち着けてから、兵に話しかける。

 

「何事?」

「し、白装束ですっ! 白装束の男が城内部に侵入しましたっ!」

「何だって!? 衛兵は何をしていたんだっ!」

「そ、それが突如として内部に現れたとのことですっ!」

「っ! 今どうなってるっ!?」

「華雄さまが戦われているとの事っ!」

 

 それを聞いてすぐに指示を飛ばす。

 

「星っ! すぐに援護に行ってっ! 俺は鈴々を呼んでくるっ!」

「御意っ!」

「桃香は念のため雪華の所へっ!」

「わ、分かったっ!」

 

 3人は部屋を飛び出してそれぞれの場所へ向かう。

 

 鈴々の元へ向かうことになった北郷は白装束の目的を考える。

 

(なんでだ? なんでこんなタイミングで仕掛けてきた?)

 

 あまりにも嫌すぎるタイミングだ。まるで監視でもされていたのかと疑いたくなるほどに。

 

(……いや、実際されているのかも)

 

 何せ、人を化け物に出来る連中だ。こちらが気が付かない方法で監視していてもおかしくはない。

 

(じゃあ、何で監視をしていた?)

 

 ……いや、考えられるのは一つだ。

 

「……雪華か」

 

 多分、雪華で何かをしたかったのだろう。だが、あの子は今、人に戻っている。多分、それが……

 

(奴らにとっては都合が悪い、ってことなのかな?)

 

 だとしたらなおのこと急がないといけない。

 

(何をしてくるか予想が付かない)

 

 焦る気持ちを抑え、北郷は鈴々の元へと駆けて行った。

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はいどうもおはこんばんにゃにゃにゃちわ。作者の風猫です。

 

暗闇に怯えるようになってしまった雪華ですが、皆さんは子供のころ寝るとき電気を消して寝れましたか?

 

実は作者、蛍電球つけてないと安心できませんでしたw

 

いやぁ、どうしても怖い想像が巡るんですよね。暗闇だと。

 

まぁ、年を取るにつれて大丈夫にはなったんですがね。昔懐かしの思い出です。

 

さて、話は変わりますがもう少しで梅雨が明けるという事で、夏の暑さが牙をむき始めてきました。

 

マスク着用の夏が2年続きますが、今年も熱中症、脱水症状に気を付けてお過ごしください。

 

では、今回はここいらで。

 

誤字脱字がございましたらコメントにお願いします。

 

また次回っ!

説明
オリジナルキャラクターが蜀√に関わる話です。

大筋の話は本編とほぼ同じですが、そういったのがお嫌いな方はブラウザのバックボタンをお願いします。
































ちゃんとオリジナルの話もありますよ?(´・ω・)
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