★12 氷上の花 掬って。
説明
午後-自宅前

百瀬「おかえり」
病院から帰ってきた俺を出迎えたのは
玄関掃除をしていたメイド姿のクラスメート
「た、ただいま」
彼女は俺の包帯のまかれた手に注がれている
「大丈夫 心配ないって言ってた
破片も残ってないし 時間がたてば元に戻るって」
相変わらずの鉄仮面だけど、心なしか安堵の表情が見えた気がする
あまり寝てないのに、元気そうだった 
今の彼女に必要なのは、心と体の安らぎなのに

家に入ると母が電話を片手に玄関前でうろうろしている
「ただいま 怪我は大丈夫だって」
医者からの説明を伝えるとホッとしたようだった
母親「よかったわ それでね
歓迎会なんだけど 美沙ちゃんお寿司大丈夫かしら
生ものよりピザとかの方がいいかしらねぇ」

「それより、なんで庭掃除なんかさせてんだよ」
まるで家政婦扱いじゃないか

母親「あの子からお願いされたのよ」
「え?」
母親「母さんも必要ないって言ったの でも
置いてもらう以上何かしら仕事させてくださいって
いつの間にかトイレも綺麗に掃除されてて
でもね お手伝いのお礼としてお小遣いも渡せるでしょう?
だったら少しだけお願いしてもいいかもって」

親父と奈々姉はまだ寝ているようだ 
昨日からほとんど寝ていないから、仕方ない

俺は家族に歓迎の意思を伝えていた
結局誰一人彼女を拒む声はなかった
GW明けには、今までの向かいの家-この家から
新しい学校生活がスタートする
奈々姉と同じ部屋なのは、この際我慢してもらおう

しかし、気遣いを嫌う彼女が家に気を遣うのは
なかなか滑稽で、ミステリアスだった

母さんが本人に食べ物の好みを聞くのに躊躇していたのもわかる

母親「で、どうかしら、歓迎のお食事
レストラン行くにしても予約とかしてないし…」
「多分、ケーキやフルーツ大盛りの方が喜ぶよ」
母親「え?」

歓迎会はなぜかスイーツだらけの
まるでメインがデザートのような様相を呈したのである
(続く)

++++++++++++++++
みんな受け入れてくれてありがとう
相部屋も多くて、思いやりが伝わったゾ!

コメント、タグ付けありがとうございます
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コメント
>ふかやんさま できることならずっと暮らしていたい…そう思える仲になってほしい!(みらくる☆)
そんなに気にしなくていいんだよ。これから同じ屋根の下で暮らすのなら、俺達は家族として一緒に暮らすんだから。(ふかやん)
>mokiti1976-2010さま こっそり生活してても、いつかはいろいろバレそうな気はしますね 学校からは割と遠地なんですが、その時はどうなるか…これもご選択に委ねたいですね(みらくる☆)
まあ、百瀬さんにしてみれば、ただ同居するだけよりは何か仕事をしている方が…って感じでしょうね。でも、今度は他のクラスメートの反応も気になります。さすがに、メイド服姿の百瀬さんが主人公君の家の掃除とかしているのは遠からず広まるでしょうし…。(mokiti1976-2010)
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