エノク書4 第二話「天国への先駆け」
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エノクは先に天国へと引き上げられた。

すべて神によっての事である。

引き上げるのも神、天国に固着させるのも神、迎(むか)えるのも神。

神は男の姿で現れられたが、全く、女性らしさを秘めていた。

アダムの話を聞いた人は、神によって、アダムとイヴが造られた事に納得するであろう。男性的でも女性的でもある御姿であった。

天使が中性的であるとは、聴くものの、神は男性の性質と女性の性質を使い分けていたのである。

天使を神に紹介される。

「一番の使い手、ミカエルなのだ。

私の言葉、ガブリエルなのだ。

知恵の炎の使い手、アズラエルなのだ。

生ける知識の先駆者、サマエルなのだ。

彼らはそれぞれ、職にありつけており、いつでも私の手足として侍(はべ)っている。エノクよ。挨拶(あいさつ)するが良い。」

エノクは神に受け答えをして、天使に挨拶しようとする。

神が既に「エノク」と言ってしまった後でも、彼は神に忠実に、自己紹介をする。

「エノクという者です。どうか今後共によろしく。」

ミカエルが代表で、

「ご丁寧(ていねい)にどうも。話には聞いておりましたが、エノクよ、あなたに祝福があります様に。」

と言った。

ミカエルは神からチラッとエノクについて聞いていたのだ。

エノクはそれに返して、

「神から聞いておりました。ミカエルさん。私はある選択をしました。天使になる選択です。」

と言った。

実は、心の中でひそかにエノクは決心を固めていたのだった。それは神に伝わっている事だった。

ミカエルはこう返す。

「それはそれは。私達の同胞(はらから)になるのでしたら、歓迎(かんげい)致しましょう。」

こうして、エノクは四大天使と親密な仲になるのであった。

話をして兄弟として抱き合って、そして、うちとけた。

説明
エノクと天使との対談。
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