ルパン三世 対 ガールズ&パンツァー(1)
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「おい次元、この新聞読んでみろよ」

 

 対面のソファに転がっていたルパン三世が、唐突に新聞を投げてよこした。受け取る次元大介は表情一つ変えない。この大泥棒の唐突さは今に始まった事ではないし、ちょうど暇でもあったのだ。

 

「んん? なんだこりゃ。日本の新聞……しかも茨城の地方紙と来たか。なんでこんなもんを」

「ンフフフ。まあまずは読んでみろってそのデカあーい一面記事をさァ」

 

 この大泥棒の孫がこうした笑い方をする理由は、概ね三通りしかない。

 面白い獲物を見つけた時と、カワイコちゃんを見つけた時と、峰不二子の事を考えている時だ。そして部屋の中にルパンと次元しか居ない現状、後ろ二つの可能性は低い。ならば少なくとも目を通す価値はあるだろう。

 

「へーへー分かりましたよ。えーとなになに?」

 

 大洗連合チームが学園艦の存亡を賭けた戦車道戦で大学選抜チームを破る。

 要約するとそのような内容が大々的に書かれていた。

 

「ほーう、中々いい話だな。で、これが何なんだ? まさか天下のルパン三世が祝いの花束でも贈りたくなったか?」

「ま、それも悪かねーんだけんどもよォ。俺が注目したのはそこじゃあ無いんだなァ」

「どういうこった?」

「よーく見てみろよ。大洗のお嬢さん達が使った戦車の種類をよ」

「戦車ぁ?」

 

 次元は改めて新聞の写真を注視する。一面の大写真。揃いのパンツァージャケット姿で満面の笑みを浮かべる女学生達。その背後で誇らしげに砲身を掲げる鋼鉄の車両群。すなわち戦車の姿。

 

 IV号戦車。III号突撃砲。38t。八九式中戦車甲型。M3中戦車リー。B1bis。他にもあるようだが、ルパンの言わんとする事は分かった。戦車の生産国がバラバラなのだ。普通の戦車道であれば、戦術の整合性や整備の一貫性を合わせるために統一するのが普通であるはず。

 

「ふーん? 確かに言われてみりゃあ妙だな。だが、これが何だってんだ? 無名の弱小校だったんだから残り物を寄せ集めたらこうなった、って線もあるぜ」

「まァー確かにそうなんだけんどもよ。少なくとも昔の大洗に多方面から買い付ける複雑なカネとモノの流れがあったってコトは確かさ」

 

 ルパンが体を起こす。その目にぎらついた光が見え隠れしている。怪盗の目。新たな宝とスリルを見つけ出したまなざし。

 次元はタバコを取り出し、火を付ける。ニヤつきそうになる口元を強いて抑える。

 

「それで?」

「ああ、こッからがキモなんだがよ。大学選抜チームをけしかけた文科省は、大洗の学園艦を目の敵にしてッたろ?」

「そうみたいだな。俺は戦車道に関しちゃとんと詳しくないが、相当な戦力差だったようだな」

「相当なんてモンじゃねえさ。だが、だったらなんでそこまで大洗を潰したかったのか」

「そりゃあ、文科省の威信、とかがあるからじゃあないか?」

 

 ンフフフ、とルパンは笑う。それから断言する。

 

「それもあるけど、ちこーっと違うんだなァー。文科省が廃校を急いだ最大の理由。それは大洗の学園艦の中に、ナチスの財宝が隠されてるからなのさ」

「なに!? ナチスの財宝!?」

「そう。さっき言っただろ? バラバラの種類の戦車が使われてるってよ。その戦車が納車された当時、その複雑な物流に紛れる形で艦の中に隠されたのさァ」

 

 思わず次元は帽子を押さえた。なんとも突飛な話だが、そうなれば色々と辻褄が合う。

 

「なるほど。となると文科省がヤケに食い下がったのは」

「大洗の学園艦を解体して財宝を手っ取り早く取り出したい。そんな裏組織の圧力がそれとなァーくあった、とまあこういうワケさ」

「なるほどな、文科省を強請る程の力を持った組織の狙う財宝か。確かに面白そうな得物だ。だがルパン、まさかお前まで艦の解体を狙ってるワケじゃないだろうな」

「まーさかまさか、この天下のルパン三世様がそーんなしみったれたマネするわけないでしょうが」

 

 白い歯を見せつけるように、ニカリとルパンは笑った。

 

「こいつァ要するに、海の上に浮かんでるでっかい金庫さ。破り甲斐がありそうじゃないの」

説明
ルパン側はpartWの前、ガルパン側は劇場版の後くらいの時系列を意識しています。
またガルパン最終章第一話までの情報に少し触れるかもしれません。
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