呂北伝〜真紅の旗に集う者〜 第050話
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呂北伝〜真紅の旗に集う者〜 第050話「転換期」

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 月明りが差し込む暗闇の部屋の中、綺麗に焼いた小麦色の肌に赤髪の少女が、フリルの目立つ侍女服に身を包んだ少女に服の着替えを手伝われている。

侍女は((歩闇暗|ふぁんあん))であり、赤髪の少女の肌には全身に稲妻が流れたかのような刺青。年齢より少し大人びた体躯で腰も引き締まり、常人以上の力を発揮出来るとも思えない細身であっても、しっかり内筋がついた肉体。裸体姿で座る少女の身体を、歩闇暗はそっと拭いていく。刺青に触れられる度に少女は何処か痛々しい表情を浮かべ目を瞑り、そんな少女を刺激しない様に歩闇暗は慎重に慎重を重ねてそっと肌に触れていく。

部屋にノック音が鳴ると、歩闇暗の片手は太腿に仕込んだ暗器に手を添え、扉を叩いた者の反応を聞くと手を離し、訪問者は入ることを告げてから、大きな木箱片手にそのまま侵入してくる。

「おっと済まない。洗体中だったか」

「お兄ちゃん」

入ってきた入室者は一刀であり、そんな彼に抱き付いていく赤髪の少女の影は、扉の隙間から差し込んだ光で ((恋|れん))だとわかる。

一刀は恋が裸体であることに仰天し、慌てて扉を閉め、抱き付く恋をそのまま抱きしめ返す。

「歩闇暗、油を点けてくれ」

「畏まりました」

そう言うと歩闇暗は一言答え、部屋に油で火を灯して明かりをつける。一刀はそのまま恋を連れると、先程歩闇暗がしていた続きをするかのように、彼女の身体を洗体していく。

美しい体躯に育った恋であったが、妹に欲情を催すほど一刀の性欲は堕ちていない。それどころか、普段女性と褥を共にする時より、それ以上に恋の身体をそっと拭いてやり、歩闇暗とは違って恋は心地良さげにその行為を受け入れていた。

まるで傷ついた跡を治療するかのように、彼女の肌をそっと撫で続けていた。

歩闇暗が温水に取り替えたりして、一刀は恋の全身の隅から隅を拭いてやり、用意された純白の下着と上肌着の胸当てを付けさせてやる。

「どうだ?恋、痛みはあるか?」

「ん、大丈夫。もっと触って」

そう言って一刀が刺青を撫でると、恋は恍惚とは違った真に安心した表情で一刀を抱きしめ続ける。決して何処にもいかないよう逃がさないかの様に......。

「そうだ恋。お前に土産があるんだった。ちょっと着てみてくれないか」

一刀が木箱を持って来て開けると、白いワンピースと麦わら帽子が入っていた。

「お前ももう年頃だしな。たまには綺麗な女の子らしい恰好してみてm――「いや......」恋?」

彼が空けた木箱を見るや否や、恋はそれを払いのけるかのようにして、木箱をひっくり返し、髪を掻きむしり狂乱する。

「嫌嫌嫌嫌!!私はお母さんじゃない!!お母さんはそんな恰好なんかしない!!お母さんはそんな事なんかさせない!!お母さんは!!お母さんは!!」

「落ち着け!!恋!!落ち着いてくれ!!」

暴れ出す恋を一刀が抱きしめて押さえつける。百戦錬磨の将兵や、幾千もの雑兵を払いのける力を持つ彼女を押さえつけることは容易なことではないが、それでも一刀は懸命に彼女の身体を抱き留める。

「ごめん。ごめんな恋。お兄ちゃんが悪かった。お兄ちゃんはただ可愛い恋を見たかっただけなんだ。それだけなんだ。ごめんな。ごめんな」

恋が落ち着くまで何度も謝罪を繰り返す一刀の声が届いたのか、徐々に恋の一刀の身体を叩く力が弱まり力を無くして彼の胸に埋まって泣き出す。

「ごめんな。お兄ちゃんがわるかった......」

消え薄まる声で何度も謝罪を繰り返す一刀。呂北陣営にて、恋の素肌である柔肌を触れることが出来る人間は心許せる人物のみ。一刀・((愛華|めいふぁ))・歩闇暗・音々音の四人で、最近は郷里も着替えを手伝うなどして挑戦中だ。

それだけ恋に出来た心の闇の溝は深い証拠なのだろうか。一刀は恋が泣き疲れて眠りにつくまで背中を撫で続けた。そんな彼女の姿を見る度に一刀が思うことはただ一つ。恋が泣かない様にする為に出来ることだ。

しかし心の闇の溝があるのは、決して恋に限ったことではなかった......。

 

 その日、王宮内の庭にある絢爛な建物にて、西園八校尉初の会合が行なわれた。円卓のテーブルを囲むようにて一番奥に丁原。左右に袁紹と趙忠。出口に近い席には呂北がいるという構図であり、この並びはまるで西園八校尉の上下関係を表しているようであった。

その円卓のテーブルの奥の上座に何進が鎮座していた。

あとは、曹操と昨晩到着した皇甫嵩がおり、董君我の姿はなかった。

「さて、本日は集まって頂き、誠にありがとうございます。畏れ多くも西園八校尉筆頭を携わりました丁原です。以後良しなに」

物腰やわらかな初老間際な丁原が立ち上がり、丁寧に細い頬をした頭を一つ下げて席に着いた。

「会議を始める前に私から紹介させていただきます。((成簾|せいれん))」

彼が呼ぶと、細身の甲冑を鳴らし、ブロンズヘアーを靡かせて後ろに控えていた成簾が丁原の隣に立つ。

「袁紹殿と相談致しまして、このまま八校尉の席を一つ空けたままは如何な物かということで、袁紹殿から頂いた推薦状により、我が愚息・呂北と共に、八校尉の末席にてこの成簾を加えさせていただきたく紹介させていただきます。成簾は私の部下ではありますが、その能力、王朝への忠誠は保証させていただきます」

深々と頭を下げる丁原に対し、趙忠が低く挙手して質問をする。

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「丁原様にご質問です。王朝への忠誠が高く、優秀な貴方が薦めるのでしたら、恐らく間違いはないのでしょう。しかし一点気がかりがあります。彼女は漢民族ではありません。私自身陛下への忠誠を果たせる者であれば、((匈奴|きょうど))であろうと((鮮卑|せんび))・((羯|えつ))と拘りはありません。しかし民衆は違います。((五胡|よそもの))の一人として((蔑|さげす))み、王朝への不信感を招きかねませんのでは?」

その言い分は勿論である。人間とは他とは違う物が交じり合うことを極端に嫌う生物。

しかしそれは人間に限ったことではない。動物間においても、区別・迫害・差別といったものが存在するのだ。人間という種に関しても、当然そういった問題が浮上してき、それが人種差別・文化的差別へと繋がるのだ。

「確かに趙忠殿の仰られることは尤もなことですが、しかしこれはこの漢が変われる機会でもあります」

「機会?」

彼女がそう聞き返すと、丁原は立ち上がり円卓を周り歩く。

「無論、最初は成簾の事を蔑む者達は当然の様に現れるでしょう。なれば成簾が能力を見せればどうなるか?漢民族だけではない。真に能力がある者が集まって来る。『あの者でもあの地位に昇れたのだ。なれば我々も』と。((欺瞞|ぎまん))と賄賂と差別が横行したこの時代に、真に優秀な人材が育つ世の中を作り、国を発展させていく。そして、そんな横行した時代を、陛下を中心にして我々が管理をし、真に平和な時代を作り上げる。それこそがこれからの時代の在り方とするのです」

両腕を拡げて語る丁原を、この場にいる面々が目線で追いかけていく。

「安心して下さい。もし何か問題が起きれば、私とこの愚息が責任を取りますれば――」

丁原が呂北の両肩に両手を置いて皆を見渡し、呂北は黙して頭を一つ下げる。

そんな彼らに納得したのか、他の発言者はいなかった。

「納得いただけた様で何よりです。では会議を進めましょう。成簾――」

丁原が呂北の隣の空席を指し己の部下を呼び、彼女はそれに従い空席にて着席をする。

「本日の議題に関しては、今後の皆様の役割についての確認についてです。聡明な皆様のことではありますので、自らの官位とその役割を熟知しているであろうことは認識しています。しかし我らがこうして会合を開ける場面は、この日この時しかありません。数刻後には己の立ち位置に戻る事でしょう。お願い致します。では呂北、任せましたよ」

一人の将として呂北を名指しする丁原。呂北は立ち上がって喋り出す。黄巾での功績もあり、もはや今いる面々の中において、『呂北=参謀』いう考えは常識的な物と成り得ており、末席の呂北が語り出すことに誰も意を唱えることは無かった。

「まずは袁紹殿の率いる((虎賁|こほん))に関しましては、より一層の強化をお願いしたい。近年、何進大将軍率いる軍が弱体化の傾向にあります。このままでは禁軍にまで影響を及ばしかねませんので、虎賁軍を最終防衛線と思って軍務に臨んでいただきたい」

「任されましたわ。名門袁家の兵法術を染み込ませてあげますわ」

袁紹はそう言って高笑いしながら了承する。ちなみに裏話であるが、事前に袁紹は田豊にこの場に関しては呂北が司会進行を全て行なってくれるから、彼の提案に対して全て了承すればよいと言われてきたのだ。

そうでなければ袁家の尊厳の塊である袁紹が、これ程この場を静観出来るはずも無いと、彼女をよく知っている曹操も心の中で首を傾げていた筈だ。

無論袁紹自身も、呂北には宴席に招いてもらった恩があるにしても、自身に指図される由縁は無い筈だが、自身の一番信頼する筆頭軍師が絶対の自信を持って授けた案に、彼女も乗ったのだ。

「ひいては丁原様にも、何進大将軍に対して釘を刺していただきたい。あの方は尊厳が強いお方。自らより格上ないし同等の者しかその言を用いない傾向が出てきております故」

「わかりました。大将軍へは私から軍の統制下について指摘しましょう」

「次に曹操殿。洛陽における汚職摘発を本格的に進めて欲しいです」

「それは構わないけれども、一斉に摘発すれば白を切られたり、財だけ抱えて地方に飛ばれかねないかしら」

「あからさまに怪しい証拠を見つければ、多少強引でも構いません。武力行使も辞さないのであれば、皇甫嵩殿と共に蹴散らすことも考慮に入れていただき、地方逃亡を謀れば、成簾の軍で追尾させて下さい」

「わかったわ。お二方、お願いするわね」

曹操は皇甫嵩と成簾それぞれに視線を配ると、二人は返事で返す。

「趙忠殿に関しては、張譲殿の動きをよく観察していただき、臨機応変に動いて頂きたい」

「......あー、確かに何進さんが官位をあげる度に、いつも苦々しい表情をしているわね。陛下の身にもしもがあっても怖いし、わかりました。十常侍と張譲殿の動きには目を光らせましょう」

「お願いします。次に各地に未だ蔓延っている黄巾軍の残党が、張角の盗伐以降はただの暴徒と化しています。此方に関して董君我殿の手をお借りしたいと思っていたのですが......皇甫嵩殿、以降董君我殿の体調は如何でしょうか?」

呂北の言葉に唇を少し震わせる皇甫嵩は、わからない程度の少ない間を置き、少し眼鏡の弦を触ってから話し出す。

「正直、あまり思わしくありません。今は彼の者配下が優秀であるから天水の地は収まっているものの、後継者である董卓殿は未だ若く経験不足です。無理に彼の者を上洛させ、寿命を縮める行為を行なえば、天水だけでなく、その周辺国も乱れかねない。今はそっとさせるしかありませんね」

「そうですか。天水の騎馬軍は機動力に優れますので、各方面に周ってもらいたかったのですが。仕方ありませんが、ここは私が動きましょう。皇甫嵩殿は、天水から軍を出してもらえる様に催促してもらえませんか。長安と天水の軍が合わされば、残党の殲滅も不可能でもないでしょう」

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「わかりました。最低限、軍だけは動かしてもらう様催促します」

「丁原様、大まかな流れはこちらで如何でしょうか?」

呂北が丁原に案の有無を尋ねると、彼は満足そうに頷く。

「それでは皆様......抜かりなく」

そう締めくくり、その日は解散となった。

 解散を告げられ、皆が続々と部屋から出ていくと、丁原が呂北に声をかける。

「一刀、少し待ちなさい」

彼は呂北だけを残し、成簾には目配せをして部屋には二人きりとなる。

「義親父、どうした?恋なら今俺の屋敷にいるが、今は遠征で疲れたからか精神が落ち着いていないぞ」

「そうなのか?......いや、玲姫のことではない。君にちょっと頼みたいことがありましてね」

一刀は警戒しつつ、丁原の話を聞く為に、また先程座っていた席に座る。

「一刀、『司馬八達』っという者達を知っていますか?」

「しば...はったつ...か......」

一刀は顎に指を当て考えて答える。

「確か司馬防、字は建公。彼の子供達で、彼自身も女性の権威が強い漢の体制においても、類まれな手腕を発揮した稀代の政治家だな。洛陽県令・京兆尹を歴任し、老年になると騎都尉も務めた方で、俺がこの地に来る前には既に隠居していた。今は音沙汰が無くなった筈だが?」

「他には?」

「他?......たしか疫病の蔓延で子供達を亡くした...っと」

その言葉を聞いて、丁原は頷き言葉を発す。

「実はですね、一人だけ生き残りが居たのですよ」

「それは初耳だな。それで?」

一刀は大まかな家の事情に関しての情報は掴んでいる。特に名門と謳われた豪族・貴族の情報などは、どの様なタネが芽生えるかと思い、情報網は張り巡らせていたはずだが、戻り次第改めて情報の網を張り直そうと思った。

「姓は司馬、名は懿、字を仲達というもの。司馬八達は揃いも揃って優秀な者が揃っていたと聞く。是非彼に力になってもらいたいのだが......」

「だったら召喚命令を出して出仕してもらえばいいじゃないか?」

隠居したとはいえ、かつて王朝に仕えた者。召喚命令を出せば当然の様に出てこなければならないと考え、一刀はそう発言するが、丁原はため息を漏らす。

「無論、彼に召喚命令を出したのだが......ダメなのです」

「ダメ?」

「彼が言うところによると、疫病蔓延を防ぐ為に村を焼き払った際に、肺をやられたらしくて、その影響で肺炎になり召喚が叶わないとのことだ。自らが召喚に応じて皇帝陛下にもしもの事があれば死んでも死にきれないとのことで、応じられないと返書が返ってきた」

「なるほど......それならば放っておけばいいのじゃないか?」

「そうはいかない。これからの王朝を立ち直らせるに辺り、優秀な人材は一人でも欲しいのだ。王宮に離れた別邸を与えてでも、彼の力が必要なのですよ。”王朝の為に”...ね」

丁原は腕を組んで、人差し指で鼻先と顔の溝を遊ばせ、人差し指と親指の間で顔を掴む様にしながら顎を触り、顔に影を落として微笑む。

「わかった。出向いてみよう。俺が出向いたところで変わるかは分からないがな」

よろしく頼むと丁原が言うと、一刀は立ち上がりそのまま出て行こうとする。

「そうそう。((愛華|メイファ))ちゃんだがな、本当に”色々と”世話になっているよ」

既に振り向いた一刀は、丁原の表情を読み取ることが出来なかったが、彼はいつもの親しい者に送る感じで手を靡かせて部屋を出て行く。

しかしながら、王宮に勤める者達は呂北の表情を見て青ざめる。

彼が両握り拳から鮮血を湿らせ、下唇からも吐血し、目も充血させた鬼の形相の呂北を......。

 

 洛陽の街から離れた森林地帯。

比較的人が過ごしやすい気温の中で、庵というより日本の和風庭園の様な広い建物が建造されており、一刀はその家の前にいる。

「......人の気配もなく閑散としているが、本当にここなのか。草からの報告なら、今の時間帯は司馬懿殿が在宅と......考えていてもしかたがない。たのもー!!」

声を張り上げて彼だが、人の気配が無いような静けさにてもう一度声を張り上げるが、帰って来るのは静寂のみ。

「......留守か。仕方ない、出直すしk――」

そう言って帰ろうとしたところで、奥から静かに物音が聞こえてきて、顔を隠す様な青い頭巾を被った葵着物の女性がやってくる。

「お待ちしておりました呂北殿。わざわざの御足労痛み入ります。何もお構いは出来ませんが、ご用件がありますれば中でお聞き致します」

そういい澄んだ声の女性は自宅に招き入れる様に手を促す。彼女のその言葉に甘えて、一刀は一歩外門の縁の下を潜り抜ける。だがそれ以上に一刀の心はざわめき始めていた。案内する目の前の女性の声に、何処か安心感や焦燥感、帰郷の念が押し寄せる感覚がある。

【......何なんだ?俺はこの女に会った事すらない筈だが、一体何なんだ?】

一刀は奥の客間に案内される間に、様々な思念が駆け巡った。

まず玄関にて靴を脱ぐ行為は、一刀の自宅である呂北邸以外で見たことがなかった。それに案内されるまでの部屋の数々、案内された部屋の雰囲気も、どう考えても日本の和室であった。

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過ぎ去った幼き日の記憶以来、20年ぶりに蘇る記憶。何故これ程帰郷の念に駆り絶たれるのか。胡坐をかいて彼女を待ち続けると、彼女は湯を沸かした不思議な鍋を持ってやって来る。

掘られた溝に細かな黒い砂、所謂『囲炉裏』であった。天井から吊り下げられている棒に鍋を吊り下げ、彼女は正座で座ると、持って来た急須に湯を注いで、少し大きめの湯呑み茶碗に緑色の粉末状の粉を投入し、急須の湯を注いで、松ぼっくりの様な先端が均等に割れた木の棒で茶碗の湯をかき混ぜる。

それからの動作をよくわからずに見ていたが、何かの作法であろうか。やがて彼女が湯呑みを一刀の前に置くと、彼は困惑して茶碗を見つめる。

「......あ、あの?」

「大丈夫です。毒は入っていません......毒見いたしましょうか?」

「え、いや、その...無作法者で申し訳ありませんが、こういう作法には疎くて」

「気にすることはありません。これは持て成しの茶でありますれば、心のままにお飲みください」

では...っと一刀は片手で湯呑みの茶を一気に飲み干した。

「......ふーん。茶道のお茶って不味いイメージだけど、不思議とお姉ちゃんの茶だから美味しいや」

一刀は目を瞑り黙って味を舌で感じ、顔まで隠れた頭巾の女性の茶を味わうが、自身でも気付かないうちに今発した言葉を理解できずにいた。

【............!!!!!?お、俺は今何を言ったのだ?何故疑いもせずにこの者の茶を飲んだ?一体この者は!!?】

「しばらく見ない間に、随分カッコよくなったわね。一刀」

突如真名を呼ばれるが、彼の頭の中では見知らぬ者に真名を呼ばれたことによる怒りより、目の前の得体の知れない女性に対しての恐怖が勝っていた。

「お、お、お前......おま、貴女は一体!!?」

一刀の心臓は高鳴り、動悸が早くなり、過呼吸まで起こり始めていた。やがて女性が隠していた自らの頭巾をまくり上げると、一刀は持っていた茶碗を落とす様にして投げ出し、茶碗に残った茶が床に染み込んでいく。

「久しぶりね。呂北戯郷殿......いや、北郷一刀」

女性は慈愛に満ちた表情で一刀を見据えるが、対する一刀は恐怖により破顔していた。

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「な、なぜ

 

 

 

 

何故貴女が生きているのですか!!玲姫さん!!」

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               物語はまた新たな外史を生み出し

               一刀の進む道をより苛酷にしていく

               彼の者の進む道は栄光への道か

               はたまた破滅へと導く序章なのか

               王朝を取り巻く環境

               群雄割拠の時代

               一刀は時代の荒波に同調できるのであろうか

               神をも予測がつかない((外史|ものがたり))が

               また一つ紡がれていく

 

説明
どうも皆さまこんにち"は"。
宣言通り、投稿です。

前作に王冠が付いておりました。
誠にありがとうございます。
さて今回からずっと宣言していた新キャラ導入です。
baseson作品の『恋姫†無双 ?ドキッ☆乙女だらけの三国志演義?』の"前作"をプレイしていただくか、HP見ていただき、「あ〜、ザイガス(IFZ)が好きなキャラはこれか?」っと思ったキャラが、きっと新キャラです。
このキャラは、一刀の在り方の根幹を揺るがすほどのキャラに成り得ますので、大事に描いていきたいと思います。

それではどうぞ。
次回の更新は11/14 00:05です。

P.S.
先日人生初鉄板もんじゃ焼きを食べました。
美味しかったです(*'ω'*)
友達には焼きそばとお好み焼きを振る舞いました。
またもんじゃ食べたいね(>_<)

以上、近況報告でした。
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コメント
mokiti1976-2010さん&gt;なかなか鋭い所付きますねぇ。(IFZ)
公私共に一刀さんに受難が…うまく乗り切れると良いですが。(mokiti1976-2010)
弥生流さん&gt;傾より性格が良い娘は沢山居ますし、一刀の閨事情に関して彼は困っていませんからねぇ。原作ファン傾ファンには申し訳ありませんが、現状においては桃香より扱いが不遇なキャラになってしまいましたね。 役満姉妹の様に分かれてしまう展開もあるかもですし、今後どうなることになるでしょうか? 乞うご期待です。(IFZ)
司馬懿の家に訪れたと思ったら、以前名前が出た呂玲姫の登場、キャプションにも書かれてありましたが、一刀は果たしてどうなるのでしょうか……。前話で傾についてコメントがありましたが、体は良いから個人的に枕友達か閨限定の一番下っ端の侍女になってもいいんじゃないかな、なんて思ったりもしています。どのような展開になるにしても、続きを楽しみにしてます、投稿、お疲れ様です。(弥生流)
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