深い闇 07
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「暫く考えてみたんだが……聞いてくれるか二人とも」

 

「「わかったわ(でござる)」」

 

俺の言葉を待つ二人。

隊長が帰ったあの後かなり俺なりに悩んでみた。

これ以上悩んだ事なんてあの時位しかない、

それくらい悩んだ、はっきり言ってうだうだ悩むなんて俺らしくない。

だが、答えは出た。

 

「俺は………」

 

 

 

 

 

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俺は……

 

「ここまで悩むキャラじゃないだろ!?シ○ジ君か俺は!?

つーか真っ先に逃げたりこっそりと応援したりするのが俺のスタンスだろ!?

と言う事で決めた!助けるぞ美神さんを!遠くからこっそりと!!」

 

立ち上がりながらぐわーっと叫ぶ俺を見てすっころぶシロタマ、器用だな。

そのこけ方はマスターするといい漫才が出来そうだぞ?

 

「褒めていいのか、呆れていいのか判断に迷うわね…」

 

マンガみたいな汗を流しながら言うな。

 

「まぁ、そこが先生でござるから」

 

其処。呆れないでちゃんと聞きたまえ。

 

「美神さんは助ける、だけど直接的じゃない。

遠くからこっそりと言ったように、俺達は無関係、無干渉を装って助けるんだ」

 

「色々無茶を言うわね…ていうかそれこそ美智恵の思う壺だと思うわよ?」

 

「しかたねーだろ、美神さんの命が掛かってるんだ。

流石にそれは無視できねぇよ、美人が死ぬのはもう嫌だからな」

 

嫌いたくないから離れる、だけどそのせいで護れないのは嫌だ。

男なら見捨てるかもしれんが。美女、それもとびきりのいい女を見捨てるなんて

俺らしくないしな。

 

「でも。それだと先生がまた離れられなくなるのではござらんか?

そもそも、美智恵殿が言っている事が本当かどうかも、まだわからないでござるよ」

 

心底心配そうな表情で俺を見つめるシロとタマモ。

 

「かもな、多分タマモやシロの言うとおり隊長が俺を美神さんに釘付けに

させようって手かもしれないな。でもよ、だからって見捨てるわけにはいかんだろ男として」

 

「だーかーらーね!言ってるでしょ!

小竜姫とかに頼んでるんだからそっちに任せておくべきよ!

横島が100人居るより小竜姫の方が強いんだから

それ以上の戦力なんて要らないでしょ!」

 

いや、其処まで言うか?確かに俺が100人いても小竜姫様には勝てんけどよ。

 

「小竜姫様に任せておけば大丈夫だってのはわかってるさ。

だけどそれとこれとは話は別だろ?お前は、そうだな…例えばシロが危険になったとき

頼りになる人を護衛に向わせたからって、それだけでじっとしてられるか?」

 

俺がそういうとタマモは困った表情になって押し黙る。

シロはタマモがまさか自分の事で悩むなんて思ってもいなかったのか

かなり驚いていたりする。

 

「……それは確かにそうだけど…

でも美神なのよ?あんたがまた傷つくかもしれないのよ?」

 

「そんときゃそん時だ。シロもタマモも、

その時は多分小竜姫様も入るんだ。俺がなんかしようとしたら、

殴ってでも止めてくれるだろ?信頼してるからな」

 

「……ずるいでござる先生、その言い方は」

 

「…あんた、どうしてそれでナンパして失敗するのよ…人間っておかしいんじゃない?」

 

「褒められてるのか?けなされてるのか俺は?」

 

「とりあえず褒めてないでござるぅ」

 

にこやかに笑いながら俺に抱きついてくるシロ。

暖かいな…って、違う!!

 

「行き成り何抱きついてくるか!慎みをもたんか馬鹿犬!」

 

「狼でござる!!慎みなど先生に抱きつく為ならその辺のゴミ箱に捨てるでござる!」

 

「捨てんなぁあああ!!」

 

ぎゃーぎゃー騒ぎ出す俺達。

さっきまでの下手すりゃ葬式みたいな雰囲気は、

いつの間にかどっかに消え失せていた。

この方がやっぱり俺達らしいな。

 

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「で、実際問題。

どうやってばれないようにこっそりと助けるかなんだが…

どうしたらいいか欠片も思いつかん!!」

 

「アホかー!!」

 

小気味いい音と共に俺は地面にめり込む。

どこから取り出したそのハリセン!?ナイス突込みだタマモ!!

 

「行き当たりばったりなのはいつもの事じゃー!!」

 

「先生。拙者情け無いでござるよ…」

 

「俺は基本、囮とか前衛とかなんだよ。

考えたり指揮したりすんのは性に合わんし、ぶっちゃけ無理だ。

俺程度の考えで隊長クラスを出し抜けるわけ無いだろ?

雪之丞とかピートとか、そんなくらいなら俺でも出し抜いたり

罠に嵌めたりとか、作戦考える事はできるけどよ。

美神さんや隊長とかをどうにかするような作戦なんて俺には流石に考え付かん。」

 

「確かに一理あるけど、自分で言ってて情けなくない?」

 

「良いんだよ。それはほれ、タマモというナイスなブレインがいるし

馬鹿みたいに突っ込むのは俺とシロの役目だって」

 

パピリオも入れば俺と同じく特攻だな。

 

「ま、まぁ。よ、横島もだいぶ判ってきたようね…そ。其処まで言うなら

私が何とかしてあげるわよ!」

 

何で其処でどもるんだタマモ…

信用していいんだよな?

 

「ツンデレでござるなタマモ…くっ!高等技術を!!」

 

「何!?あれが今流行り(?)のツンデレなのか!?

惜しい!タマモ惜しいぞ!後5歳ほど成長していればGOオン!だったものを!」

 

「…焼き殺すわ」

 

「あんぎゃあああ!?」

 

全力に近い威力の狐火で良い感じにあぶられる俺。

ツンデレというかヤンデレではございませんか!?

 

「せっ、せんせー!?」

 

「し、しろ…俺が死んだら。

線香の代わりにつぶつぶポッ○ー苺味を立てておいてくれ…がくっ」

 

「し、死んだらだめでござるよ〜〜!?というか何で○ッキーなんでござるか〜!?」

 

「食べたいから…SA…げふっ」

 

「いいから起きなさい。フルパワーがいいかしら二人とも?」

 

「「sir!! Yes sir!!」」

 

高速で立ち上がり敬礼をかます俺とシロ。

俺達は今、軍隊より軍隊らしい敬礼をしているに違いない。

タマモの眼は本気と書いてマジだった。

 

「はぁ、やれやれね…ま、これだからこそ横島なんだけど…」

 

「なんか言ったか?」

 

「な、なんでもないわよ!」

 

「おのれ…タマモの癖に点数稼ぎでござるか…」

 

「さ、さて!とりあえずどうするか、ね。

相手に見付からないように美神を助けるにしても、情報もなんにもないわ。

小竜姫辺りに連絡をとってもいいけど、見た感じ腹芸は得意じゃなさそうよね」

 

まぁ、小竜姫様は武神だからなぁ。

それでも最近はその辺もしっかり覚えているらしいが。

 

「他には…そうね。多分美智恵の事だし、他に応援の要請を出すはずよね」

 

「そうだな、多分神父やエミさんは呼ばれると思う。

カオスは呼ばれるだろうな確実に。アイツにはマリアがいるし、単純な物理攻撃なら

マリアの攻撃力はぴか一だし、防御力も高いからな…

もしかして、誰かをスパイに使うとかか?無理だろ多分、直ぐばれそうだ」

 

そういうの見つけるのは得意だしな美神さん。

同じ理由で隊長もあっさり看破してしまうだろう。

 

「それに、神父はともかくエミさんは協力してくれないと思うぞ?

ばれたら嫌がらせ来ると思うし、神父はそういうのは苦手っぽいしな」

 

カオスには無理だ、絶対無理だ。

多分言ったそばから忘れるに違いない。カオスだし。

 

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「そんなあからさまなのは使わないわ。今回のキーはドクター・カオスよ」

 

「いやいや、まてまてまて。一番使えないと思うぞ?」

 

「そんなの知ってるわよ。あれがスパイなんてできるならシロだってできるわ」

 

「ほぅ、ちょっと表に出ろ駄狐。霊波刀の錆にしてくれるでござる」

 

はいはい、ストップだシロ。話が進まん。

鬼のようなオーラを放つシロを後ろからとっ捕まえて撫でまくる。

こいつはこれで止まるからやりやすいもんだ、流石狼。違うか?

 

「ふにゃ〜…せんせ〜」

 

「お前何時から猫に転職した?」

 

「はいはい、続けるわよ。ドクター・カオスの連れてる、マリアを今回利用するわ。」

 

「マリアに頼んでスパイするのか?確かにマリアならできそうだな」

 

「違うわよ。それじゃ後手に回るでしょ?

これは、横島とドクター・カオスとマリアがいて初めてできることなんだから」

 

俺?

 

「そ、アンタもメインよ。とりあえず今何個文珠だせるの?

これには最低でも2つの文珠がいるんだけど」

 

「ん、あぁ。最近は全然使ってなかったからな。10個は残ってるぞ?」

 

「OK。それだけあれば十分よ、今回の作戦。

それはマリアに文珠を飲んでもらってその霊力をドクター・カオスの技術で封じ込めるの。

後は横島が持っている文珠を使う。ここまで言えば大体わかるかしら?」

 

「さっぱりわからんでござる」

 

「大丈夫。アンタには期待して無いから」

 

「うぅ…タマモなんて。タマモなんてぇ」

 

「!もしかして…あれか!」

 

そいつは考え付かなかった!

たしかにそれなら、俺が上手い事やれば直ぐに行動に移せるはずだ!

 

「『逆探』『盗/聞』なんでもいいわ。上手くできればマリアがその場にいるだけで

その情報がいつでも入るんだから、行動に移せるでしょ?」

 

「確かになー。だけどそう簡単に上手く行くのかが問題だよな」

 

「だからドクター・カオスに頼んで霊力の隠蔽を行うんでしょ。

天才なんだしその程度できるはずよ…多分」

 

多分ってのがあれだよなー…

 

「ま、これもカオス達が美知恵に誘われて、

こっちの説得が通じれば。なんていう穴だらけな作戦なんだけどね…

更に言えば成功率は高いかもしれないけど、横島に負担が掛かるわね…

文珠も結構使わせちゃうし」

 

「いや、多分大丈夫だろ。文珠なんて作ればいいんだし。

カオスなら多分手伝ってくれるだろ。こういうのは俺には考え付かん事だし助かるって」

 

ぐしぐしタマモの頭を撫で付ける。

ぶつぶつ文句なんていってるが、跳ね除けないんだから多分嬉しいんだろう。

 

「善は急げでござるな。拙者早速カオス殿を呼びに行って来るでござる」

 

「お、頼んだぞシロ」

 

言うや否やあっという間に出て行くシロ。

頼りになるんだが…

 

「ドア壊していくなよ…頼むから」

 

「まぁ、シロだし…」

 

微妙に心が寒かった…

 

 

 

 

説明
深い闇7話です。
お話を考えるのは難しいですね…その分楽しいのですが。
とりあえず、今回書いててわかったことは
私に難しい作戦を考えるなんて無理という絶望的な事でした。

うぅ…知力と構想力がほしいです…

こんなお話ですが
良ければ読んで貰えると嬉しいです。
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コメント
コメント有難う御座います。いつも励みになります。拙い文ですが、これからも良ければ見てあげてくれるとうれしいです。(白亜)
いいチームですね(BASARA)
2Pの一番初めの横島の台詞にわろた。1Pからの引きでよけいにw(竜我 雷)
相変わらずの優しい横島かっこいいですね〜、次も期待しています、がんばってください。(Dande)
横島・タマモ・シロがいいチームになってますね〜、横島は無理に自分で考えずタマモに頼っているところもいい!あとやっぱりタマモのツンデレは最高です!!!(dai)
タグ
GS美神 横島 シロ タマモ 

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