銀河系戦隊ガルガン　無職戦士　トン

パイロット　トン・ブタサン元オジン軍厨慰

一登「あー」

晴一「なんですかこれ？」

一登「1980年代にガンプラブームがあっただろ？　それに便乗したパチモンプラモさ」

晴一「あー。昔は色々とフリーダムな時代だったらしいですからねえ。でも店長はまだ26歳でしたよね、なんで1980年代の商品があるんですか？」

一登「俺こんなの仕入れた覚えはないんだけどなあ。どっかで紛れ込んだのかもな」

晴一「で、当時こんなの売れたんですか？」

一登「ガンプラが売れて売れてどこの店でも品切れだろ？　だからしょうがなしに子供がこんなのを買って行くんだよ」

晴一「なんか悲しいですね」

一登「あとは、ガンプラの事をよく知らないじいちゃんばあちゃんが、孫の喜ぶ顔見たさに買って行くんだ」

晴一「でもこんなの貰ったところで孫は」

一登「ああ。『コレジャナイ！』とパチモンプラモを投げ出す孫、『なんですかそれは、おじいちゃんとおばあちゃんに謝りなさい！』とブチキレる親、孫ギャン泣き、じいちゃんばあちゃんオロオロという家庭内修羅場しかない」

晴一「…。でも、孫が大人の態度で『じいちゃんばあちゃんありがとう、これ欲しかったんだ！（ニコッ）』と言ったところで、友達には受け入れられますかねこのプラモ？」

一登「まあ無理だろうな。『やーいやーいパチモンプラモーｗｗｗ』ってバカにされるのが関の山だ」

晴一「でしょうね。それにしても箱絵のモビルスーツぽいの、まるでタイムボカンの悪役メカですね」

一登「だな。パチモンならパチモンでもう少し安彦タッチでカッコよく描けばいいのに」

晴一「それにこの手前に描かれてる髭面の豚のパイロット、中尉じゃなくて厨慰？」

一登「パチモンだから適当に活字組んだんだろ」

晴一「そして人相悪っ！」

一登「まるで反社会的勢力だな。それにあまりにも太りすぎて、ノーマルスーツが今にも破れそうだ」

晴一「LLLLL…LLサイズのノーマルスーツでも入らなかったりしてｗ」

一登「ありうるなｗ」

晴一「俺、中身見たくなってきました。開けてもいいですか？」

一登「いいよ」

パカッ。

晴一「中は割と普通のプラモですね」

一登「だな」

晴一「ん？　なんかちっさい本みたいなのが入ってますね。なんだこれ？」

銀河系戦隊ガルガン

おはなし　無職戦士　トンの巻

晴一、一登「……」

晴一「パチモンのくせに変なとこ無駄に凝ってますね…」

一登「だな…」

トン・ブタサン注意は、勤務態度が悪くオジン軍をクビになった後も、働きもせず毎日遊び三昧、外食三昧。

今日も自慢のDIYモビルフォースでイベントにおでかけです。

晴一「今度は“注意”…」

一登「要注意豚物という意味かもな」

晴一「そしてオジン軍をクビになったから無職戦士なのか。合ってるちゃ合ってますね」

一登「だな」

ところが、イベント会場と間違えて隣の食肉加工場に入ってしまったため、「やめなさい！」されて、スーパーの店頭に並んでしまいましたとさ。おしまい。