DESTINY OR FATE-運命の輪-第十五話第十六話
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双子の捜索に難航するハインは、日々憤りを募らせていた。一刻も早く、ヒエンを奪還しなければ.....そう思うほどに、成果のない報が届くたびに権力基盤を盤石に固めること、それを第一の信条に据えてきた彼だったが、全てが空虚感に覆いつくされていくばかりであった。

 

「とにかく、何が何でもヒエンを取り戻せ!! 何より........ヒエンがいなければ何の意味もない。」

 

一方満天の星がまたたくその下に、木々の葉を揺らす涼しい夜風にヒエンは一人吹かれていた。泣きはらしたその瞳からあふれる涙を、夜風は優しくぬぐってくれた。

 

「ヒエン大丈夫か? ずいぶん.......悲しい思いをしたね...........。」

 

どこからともなく死神の声が響き渡った。

 

第十六話

 

清涼な夜風の吹き渡る澄み渡った夜、ヒエンの前に黒いモヤが現れて、その中から死神が姿を現した。実は彼も陰ながら、双子の兄妹を見守っているのだ。

 

「.........死神さん、私とお兄ちゃんは決して結ばれないし天国にも行けない...........。周囲はそれを許してはくれない、ましてお兄ちゃんも動いてくれない..........。だって私が昔、その対価を受け入れて、死神さんにお兄ちゃんを助けてもらったもんね。だから仕方ない、仕方ないのだけれでも...........だけど辛くて、悲しくて仕方ないの......。」

 

ヒエンは死神に胸の内を力なく打ち明けた。彼は彼女に永遠の時間の中で孤独に、それも理由も知らず死者の魂を狩るだけの、虚無な自分自身の深い闇を見た。

 

「お願い死神さん、無理かもしれない、でも願わずにはいられないの! もしかつてのように....また対価が必要ならそれを受け入れる...........。もし叶うのなら私を、この世のすべての苦しみから解き放って、お兄ちゃんが私を愛してくれないのなら、共にいられないならせめて...、苦しみも悲しみも、辛いことを一切思い出さず、お兄ちゃんのことだけを愛することができる、そんな世界へ連れて行って。」

 

昔瀕死の兄を助けるために受け入れた対価、そのために決して愛する兄と結ばれないことを、どうしてもそれに抗えないことを、ヒエンは改めて思い知らされた。そんな絶望の淵からの、せめてもの願いを死神に嘆願したのだった。

 

説明
ブログにてDESTINY OR FATE-運命の輪 最終回をアップしました。

フルムーンと申します。 オリジナルの小説(漫画小説)をブログにて公開してます。 小説と、挿し絵 (漫画)を投稿いたします。今後はラブストーリーや様々なジャンルを創作していきますので、ぜひ、見にきてくださいね(*^^*)
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現在公開中の漫画小説ーDESTINY OR FATE-運命の輪 こちらの関連画像を投稿していきます。 漫画小説ーDESTINY OR FATE-運命の輪 あらすじ↓↓↓ 双子の兄妹ヒエンとヒスイは生まれながらにして、人並外れた特殊な能力を有していたため、故郷の人々から忌み嫌われ命の危険にさらされていた。 ある日妹のヒエンを守るため、故郷の人々から放たれた憎しみの矢がヒスイの胸に突き刺さり生死の境をさまようことになる。 そんなとき死神が現れて、兄を必死に助けたいと願うヒエンに、死神が彼女につきつけた条件とは? 双子の兄であるがゆえにどんなに愛しても、愛するほどに拒まれて、求めるほどに遠くなっていく。それでもヒエンは双子の兄ヒスイを、何が何でも愛することも、抱きしめ続けることも決してあきらめない。 数奇な双子の切ないラブストーリー。運命の輪の終着駅は何処に!?
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,ファンタジー , ラブストーリー,死神,小説,恋愛,男の子,オリジナル,双子 

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