そういえば、TVで訪日外国人がおにぎりをよく食べている。2月6日は海苔の日と云われて気がついた。 海苔の日の成り立ちは 一見 由緒正しいようにみえるが、わりと単純な理由のようだ。東京大田区にある大森 海苔のふるさと館でも説明を聞いたが、大宝元年(701年)に制定された日本最古と云われている法典の「大宝律令」に租税が29種類あるうち、海藻8種類の中に海苔が含まれているそうなのだ。それで大宝律令 が施行された大宝2年1月1日を西暦にすると702年2月6日となるので、全海苔漁連が2月6日を「海苔の日」に決めたらしい。 だが待てよ、海苔だけを特別扱いせずに、他の海藻も含めて2月6日を海藻の日にした方が良かったのではないか? そう思い調べてみると、海藻にはそれぞれの記念日があることが分かった。 ワカメの日は、5月5日で こどもの日と同じだ。 昆布の日は11月15日の七五三の日だ。どちらも初物が流通する時期に制定していて、子供たちの成長に役立つ食品だからその日に決めたらしい。 ひじきの日は9月15日で老人の健康に役立つというので、旧敬老の日に合わせたようだ。 北九州市にある めかり神社が旧暦の元日の1月23日に神事を行うことにあやかって、この日をめかぶの日にしている。 沖縄名産のもずくは単にPRするために4月の第3日曜日をモズクの日としているし、同じく沖縄の海ぶどうの日は12月23日にしているが、「12月の海ぶどうは品質の良いふさ(23)だから」という単なる語呂合わせだった。 ところてんの原料である天草(てんぐさ)は、漁の解禁後に初物が味わえる時期なので、語呂合わせで「ところ(6)てん(10)」で、6月10日がてんぐさの日になった。 寒天の日は、カンテンが「ためしてガッテン!」で放映された日が2月16日なので駄洒落で決まったという。 あらめは大宝律令に記載されている重要な海藻なのに、記念日を各地方でバラバラに決めており、統一性がなかった。ふのりも大宝律令にある海藻だが記念日が無い。青のりとあおさの日は探したが無かった。 いずれにしても記念日に関しては何の逸話も、ましてや深い意味も無かった。しかし、海藻は古来より各種ミネラルを補給できる最高の食べ物だ。ただ昆布などは食べ過ぎるとヨードの摂りすぎで害が出てしまうのだが、食べるのを止めると体は元に戻るという。 ところで 海藻は日本人にしか消化できないという誇張されたデマがあるが、これは生の海苔に限った話だという。海苔は加熱すれば細胞壁がこわれて誰でも簡単に消化できるらしい。現に海外では焼き海苔を巻いた寿司が人気で、海藻はヘルシーでダイエットにも最適な食べ物だとされている。 だいたい海藻の消費が一番多い国は中国なんだし、韓国などのアジア沿岸諸国以外にも、イギリス諸島やフランス、イタリア、ハワイなども海藻を古くから食べているそうだ。カナダや北欧でよく食べられているダルスという海藻は、スーパー海藻と言われて人気らしい。【2022年?海藻類の採集量・生産量の順位(単位はトン)1 中国 22,698,257 2 インドネシア 9,310,093 3 韓国 4 フィリピン5 北朝鮮 6 チリ 7 日本 8 マレーシア 9 ノルウェー 10 タンザニア・ザンジバル 11 フランス 12 インド13 ペルー 14 タンザニア15 ロシア 16 アイルランド 17 アイスランド 18 マダガスカル 19 カナダ 20 モロッコ 】 日本人ばかりが海藻を食べる訳ではないのだ。 |