DEATH GAME 【STAGE 1】
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 少年は、ふと目を覚ました。

 そこは暗いくらい所の中……。少年は現れた黒い物を見た、驚いている。驚いているのに話せない、声が出ない。

 黒い何かは、こちらを見てクスっと笑った。そして、黒い何かは高く、奇妙な声で言った。

「今宵は、ようこそ我が館へ。私はこの館の主、そして、皆さんで言う「死神」です。今年も始めます、【DEATH GAME】、毎年二十八名の人間でプレイするこのゲーム、敗者にあるのはただ一つ、【死】です。【死】といってもいろいろあります、数えたらきりがありませんが。【殺されたり】、【仲間に裏切られたり】、そして…、これは言わないでおきましょう。

 私の造った世界でプレイしてもらいますが、その世界に、あなたたちの世界の常識はほとんど通用しません。そして、その世界で生きるために、プレイヤーには武器を持ってもらいます。その武器の名は「TES(テス)」。治療専門や、攻撃専門等色々あります。ランダムですがね。ルールは後ほど、それでは皆さん。」

 そのあと、記憶がシャットダウンした…。

これから始まるのは、そう…あなたの知らない物語。

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 布団が音を立て遠くへ跳んで行った。足が、布団を蹴っていたのだ。今度こそ正しい目覚めをした少年は、体中に沸いてくる何かに気づいた。

「何なんだ?今日はやけに体が熱い…」

 熱でもあるのだろうか、さっきの夢が原因なんだろうか?それにしても、さっきの夢は何なのだろう。と、沸々と湧き上がってくる数々に疑問を抱きながらごはんを食べている。少年は起きた後からずっと同じ事を考えていた。

(今日は…四月八日か…。)

 朝食のパンを食べながら、カレンダーをじっと見ていた。少年が長時間カレンダーを見ていたため少年の母が、

「雷夢、早くしないと唯ちゃんが来るよ。」

と言った。

 少年の名は「曇天雷夢(どんてんらいむ)」。意味不明な名前だが気にしないで欲しい。先刻出てきた「唯ちゃん」と言う少女の名前だが、名前は「尾河 唯(おがわ ゆい)」と言う女の子である。

 彼女は、栗色の髪で澄んだ青い目を持ち、身長は167センチ。雷夢とは、小学生からの友達である。二人が友達になったきっかけは、なんて事はない、普通の本屋にある一冊の本だった。

「雷夢くん! 早くしないと遅刻しちゃうよ!」

 外にはいつの間にか尾河唯が玄関前に立っていた。今にも甘い匂いがしてきそうな髪が風に靡いていた。

「はいはい。」

 雷夢は弁当入りのかばんを持ち、外に出た。

「じゃあ行くぞ!」

「待ってよ! 『待たせてゴメン』位の台詞が欲しいな。」

「待たせてゴメン」

「わざとらしいよ、心を込めていって!」

「よく分からねぇよ。」

と、言うような会話を進めて、二人は学校の近くで落ちている物を見つけた。不吉な気配を漂わせていたカードだった。

「何かな?」

「さぁ…。」

 カードには、【DEATH GAME PLAYER CARD】と、書いてあった。

「……なんて読むんだ?」

「【デスゲームゲームプレイヤーカード】は読めるんだけど」

「後で神崎に聞く?」

「神崎先生に?!」

「どうした? イヤなのか?」

「あの先生嫌いなんだよ、藤原先生に聞こう。」

「俺、あの先生は苦手なんだよな。」

「どうして?」

「さあ」

 神崎と言うのは英語の先生らしい、顔が良く、女子にも人気の先生なのに。唯はその先生を嫌っていた。藤原先生と言う同じ英語の先生、優しい性格で唯はこっちの先生の方が好きらしい。

 

―プレイヤーカード、それは私からの招待状です。日程は四月八日、そう、今日です―

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 職員室、雷夢と唯の二人は、職員室にいた。二人は、朝のことを話し、先生の話を聞いて見る事にした。

「【DEATH GAME】か…、一年前にも同じ事を聞いた事はあるわ。ちょっと面白そうだからあなた達に聞いて見るね。あなた、どちらの経路で参加が決まったの? 二つ言うからおもいだして、一つ目は【死神の館の夢を見る】。」

雷夢の夢のことだ、雷夢は、ビックリした顔で先生を見る、先生は「フフフ」という目で雷夢を、見ていた。

「もう一つはこのカード、【DEATH GAME PLAYER CARD】を拾った者に。」

「はわわわわ…。」

 最初に拾ったのは唯だ、そうでなくても既に雷夢は参加が決まっている。唯は驚いて、良く分からない言葉を出している。

「……!」

「まぁ、」と藤原先生が話を始めた。

「そう怖がる事はないわ。学校の階段みたいな物だろうし、いなくなる事はない…かもしれない。」

 先生は、くすっと笑って言った。唯は怖がって、身体を震わしていた。

「さぁ、もうすぐHRよ、教室に戻っ…」

 先生の話が終わりを迎えようとした其の時、黒い光が二人を包み始めた。混乱している二人に、何処かから声がした。

「な…なに?」

―ようこそ【DEATH GAME】へ、あなたたちはこのゲームの参加者になりました。よって、あなたを私の館へご招待。―

 夢の時と同じ声だった。黒く、高く、奇妙な声。何も変わってはいなかった。心と体が、「コイツは危ない」と雷夢に言っている。

―それでは、行きましょう―

 そう言い終えると、黒い光が消えると共に二人も消えていった。

 職員室の中にいた教師全員が驚愕した。ただ一名を除いて…。

「あぁ、また行かなければならないのね。もう誰も失いたくないんだけど…」

 藤原先生だった。先生はそう言いうと、先生はバッグを持って更衣室に行った。しかし、藤原先生は帰ってこなかった、行方不明になったのだ。

 

 学校内 行方不明者 3名

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 目の前は黒一色だった、時折顔を見せる白色は白色とは思えない、内に秘めた黒いものが在った。

―ここは闇ですよ、白色は存在しません。まだ、【TES】の入手はしていませんからね。―

「TES?」

―何れ分かりますよ―

 どれだけ進もうと黒い世界からは抜け出すことが出来なかった、「闇、それは絶望の色だ」(T・クリンシュトン 談)・・・誰?

 暗いトンネルの中、二人は死神の歩く方向を確認しながら進んでいた。トンネルを進むたびに向こうから何かの波動がビシビシ伝わってくる、

「何だ!この波動は!」

―いずれ・・・―

トンネルを抜けてからその波動はさらに力を増した。

「すごい。」

「正体はこれか、夢で見たのと一緒だ。」

ドン、と建っていたのは、夢で見た館だった。

「ギイイイイイイイイイ!」

なんとも気持ちの悪い音を出しながら、館の中へ二人は入った。中には25人の人間の中、ほとんどがが絶望と恐怖の顔で壁に背をくっつけたり、座って念仏を唱えたりする人だった。しかし、楽しそうな顔をしている者もいた。

―様こそ皆さん、我が館へ。あなた達はいろいろな経路があると思うが【DEATH GAME】に参加しなくてはならなくなった。現在は27人。あと一人、最後の一人は前回の【DEATH GAME】で、一人で生き残った人がやってきます。名前は・・・―

「Hy,I’m sunny (訳、私はサニーです)」

きれいな声でやってきたのは黒いヘルメットをかぶった、謎の人間だった。

―・・・、やっと来ましたサニーさん。それではルールを説明します

 一、 ステージによっては条件は違うが、基本的に、スタート地点からゴール地点まで進む

 二、 場所によってはモンスターに直面する、対処は任せるが基本的には倒せ。

 三、 世界の常識がここで通用すると思うな

 

 です、他のルールは後で渡す黄色い紙に書いてあります。

 次です、ここのモンスターはあなたたちの考えていないのが現れます、まず今のままでは勝てません。なので、あなた達には【TESUSER】になってもらいます―

「【TESUSER】?」

―あなた達には【TES】の能力者になってもらいます、それがモンスターに勝てる唯一の武器です。一人ひとり能力が違い、回復専門、攻撃専門の【TES】があります、どれになるかは運しだいです―

「・・・やるしかないってことか。」

死神がしゃべり終わった後、部屋が突然光りだした。

「キャッ!」

「唯、目を閉じろ!」

「・・・なんだったの?」

「さっきの光、ただの脅かしか?否とは言い切れない。」

―吃驚させちゃったかな?ゴメンゴメン!でも、これで君達は【TESUSER】だ!能力はポケットにある黄色い紙に書いてある、それではスタートの時間を決めます。今から30分後です、それまでに自分の能力を確認しておいてね。―

声が消えた後、空中に「30:00:00」と言うのが浮かび上がった。

「始まったのね・・・。」

ボソッとサニーがつぶやいた。

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雷夢のTES 属性「炎」

 

現在の能力

Lv1

・Fire(小さな火の玉を出す)

・Explosion(小さな爆発。)

・Bomb (メイキング能力※まだ使えない、後に説明)

・Flame(Fireとは違い、範囲内で炎を出す。火の玉は一箇所だが、この能力は範囲内の敵全員に攻撃することが出来る。)

 

能力の出し方

・Fireは手を握り、力をこめる、「握力・握る時間・手を広げる時の速度」で攻撃力が決まる。

・Explosionは指を鳴らす。音の強さで攻撃範囲が決まる、音の届く範囲まで光が出てそこから爆発する。コレは遠くの敵などに攻撃する為の方法、敵に囲まれたときは両手に力を籠めて両手を下にして手を広げる。

・Bombはメイキング能力の為今はまだ使えないが爆弾を作り出す能力とだけ言っておく。

・Flameは手を筒にしてそこから息を吹きかける。

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唯のTES 属性「水」

Lv1 メイキング能力

・Bow(弓矢で攻撃する、属性は水。)

・Sword(まだ使えない)

・Spear(同じく)

・Shield(盾で身を守る、属性は水)

・ShieldDome(ドーム状の盾でグループを守る、属性は水)

 

出し方

・Bowはまず弓を同じ持ち方をする、姿が現れるので弓道のと同じやり方で攻撃をする

・Swordは利き手を握り、その上に利き手じゃない手を握った利き手に乗せる、そのまま、利き手じゃない方の向きに利き手じゃない方の腕を動かす。もしくはその逆。

・Spearは両手を握り、側面をくっつけ、握ったまま両腕を広げる。

・Shieldは身を守りたい、と思った時に出る。

・ShieldDomeは両手を握り、その後握った手を開き両方の腕を横に広げる。

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サニーのTES 属性「音」

・Explosion(少し大きな音の爆発。)

・Impact(衝撃)

・Jump(跳躍)

 

能力の出し方

・ExplosionとImpactは良く似ている、両方衝撃なのだ。まずはImpact、利き手(サニーで言うなら右手)の逆の手をデコピンの手にする。デコピン手の親指を利き手の方の親指に変えて構える。

・攻撃力と範囲はデコピンのときに出た音の大きさによる。

コレは基本的な攻撃方法、他には掌底(しょうてい)など通常攻撃の時にも一緒に使うことが出来る。

 次にExplosion、地面に向かって掌底を打つ。雷夢のExplosionとは違い、手を下にやるのではなく掌を地面につけて掌底を打つ

・Jumpは一度跳んで着陸と同時にもう一回跳ぶ 跳ぶ高さは着陸の時の衝撃で決まる

 

他にもあるらしいが判明していない(後々判明)

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「と言う感じかな、」

 雷夢は自分の能力の確認をして唯の方を見た。唯は【メイキング】について考えていた。

「ライム君、【メイキング能力】って何だろう?」

「…さぁ。」

「……」

「……」

 と、少しの間沈黙が二人の間に起きた。

「メイキングの のうりょくは ですね!」

「!?」

 いきなりやってきたのは、前回のゲームで唯一人生き残った、

「My name is sunny nice to meet you(※訳 私の名前はサニーですよろしくお願いします)」

「…なんていってるだ唯、訳してくれ!」

(プチン!)

「わたしの なまえは サニー です」

「サニーさん日本語喋れるんだ!」

「へんに なっちゃうかも しれま せんが よろしく おねがい します。」

「うああああっ!」

 なぜか興奮している唯だがサニーは説明を始めた。(サニーの台詞は『』で行きます)

『【メイキング能力】 はそのなのとおり、ものを つくりあげる のうりょくです。』

「【MAKE】じゃないの?」

「…ライム君、英語の成績どうなの?」

「2だよ」

『……補習がいるわね。』

「サニーさん今なんて?」

『い…いえ、なにも!』

「フーン。」

 気を取り直して、サニーが話を続けた。

『【メイキング能力】は、げんざい あなたが つかえます』

指を指したのは唯だった。

「へ? 私?」

『そう、あなたは げんざい きいろい かみにかいて あるうち のどれか ふたつが つかえる はずです。』

「…どれかふたつ。」

 …書いてあった、今使えるのは、

「【ボウ】と…なんて読むの?」

『…ハァ。』

サニーは溜息をついていた。

『【シールド】 です …あら もうひとつ 【シールドドーム】が つかえます!』

「えっ!?……あっ!本当だ!」

 嬉しそうに、弓矢を出そうとした時、「ビーッ!」と、アラームが鳴った。鼓膜を破るほどの音をだしていた。同時に空中に浮かんでいた数字が00:00:00になっていた。

「はじまります!【DEATH GAME】が!」

 サニーの台詞と同時に、全員がどこかに消えた。

 

―First Game を始めます―

 

 

STAGE 1 ―END―

説明
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作品中のtesuserは「tes」と「user」を合わせた造語です
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