リトル ラブ ギフト 番外編【ぱられる・えいるあん・わ~るど?】
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これはナツミとセイジューロー達がセーラームーン達と別れて

エイルとアンが待つ故郷の星に帰るまでのほんの少しの間のお話……。

 

 

※ナツ=ナツミ、セイ=セイジューロー、ベビ=魔界樹ベビー、ケサ=ウトンベケサ

 

 

地球を離れたナツミ達は、魔界樹ベビーの亜光速ワープで

光に匹敵する速さで宇宙空間を突き進んでいた。

エナジーのバリアフィールド内部で、

おつかいを終えて安心した彼らは楽しく談笑をしていた。

 

 

ナツ「大変な事もあったけど、楽しかったわね!」

 

セイ「うん。きっとまた地球に行こうね、お姉ちゃん」

 

ベビ「そうでしな、次行く時はエイルとアンも一緒がいいでしねぇ~」

 

ナツ「お兄ちゃん達、きっと私達の帰りを首を長くして待ってるよね」

 

セイ「早く会いたいなぁ……」

 

ケサ「ふふっ…… ん?」

 

ふと、バリアフィールドの外に目をやったウトンベケサが

何かに気づいて首を傾げた。

 

セイ「どうしたの? ウトンベケサ」

 

ケサ「あれ……なんだ?」

 

ナツ&セイ「「えっ?」」

 

ウトンベケサが指さした方へナツミ達が目を向けると、

光速移動によって次々過ぎ去っていく星の光の海の中で

ナツミ達と並走しているかのような、一際大きな光があった。

不思議に思って眺めていると、その光の中心に穴が現れて大きく広がり

そこにまるでモニターのように突然映像が映しだされた。

 

ナツ「な、なにあれ……? どうなってんの?」

 

ベビ「ジュジュ……アテシにも原理はよくわからんでしが、

   アテシ達が今光の速さで移動してるために、猛スピードによる衝撃で

   宇宙空間に次元の隙間が開いて、それが見えてしまってるみたいでし」

 

セイ「次元の、隙間……??」

 

ベビ「あそこに見えてるのはきっと

   アテシ達のいるこちらとは違う、別の世界の光景でしぞ」

 

ナツ「別の世界? そんなものがあるの?」

 

唖然としながら光の中の映像を眺めていた一同だったが……

 

セイ「あっ!? み、見てお姉ちゃん!

   エイルお兄ちゃんとアンお姉ちゃんだよ!」

 

ナツ「ホントだ!?」

 

映像の中にふいにエイルとアンの姿が現れ、二人は驚きの声をあげた。

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               【コードネームはセーラーアン】

 

            前編→『 https://www.tinami.com/view/222849 』

 

            後編→『 https://www.tinami.com/view/222853 』

 

 

 

セイ「ア、アンお姉ちゃん達が地球の人達からエナジーを奪ってる……」

 

ベビ「ふ~む、あれこそ30年前、愛を忘れて奪うことしか

   考えられなかった頃の、エイルとアンの姿でしね……」

 

ナツ「だけど、アンお姉ちゃんのあの恰好はなに?

   セーラー戦士のモノマネしてるのかな?」

 

セイ「セーラーⅤになりすまして地球人を油断させてるんだってさ」

 

ナツ「セーラーⅤ? そんなセーラー戦士いたっけ?

   ……あぁ、セーラーヴィーナスの事だったのね!」

 

ケサ「あのカーディアン……強いな。メイ・ジンか」

 

ナツ「ていうかアイツ、普通に喋ってるわよ? ホントにカーディアンなの?」

 

ケサ「よくわからない……そもそもアタシ、あんな奴知らない」

 

ナツ「あぁ~あぁ~、アンお姉ちゃんボッコボコにやっつけられちゃった!」

 

セイ「悪い事したからとはいっても……お姉ちゃんかわいそう……」

 

映像を見つめながらアレコレ喋っていると、映像を映す光の中心の穴が

突然縮小して見えなくなり、やがて大きな光自体も縮小してやがて消えた。

 

ナツ「あ……消えちゃった」

 

セイ「なんだったんだろう今の……」

 

呆然としていた一同であったが、再び目の前に大きな光が出現し

中心に大きな穴が開くと、そこに先ほどとは違う映像が映し出された。

 

ナツ「また出た!?」

 

セイ「またお兄ちゃん達が映ってる!」

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            【美少女?戦士 セーラーエネミー】

 

          『 https://www.tinami.com/view/551962 』

 

 

ベビ「これは……暴走したマスターをセーラームーンが浄化して

   エイル達と和解した直後のようでしな?」

 

セイ「さっき映った世界と同じなのかな? それともまた違う世界?」

 

ナツ「あれ? こっちのお兄ちゃん達はそのまま地球に住むことにしたみたいよ?」

 

セイ「えぇ? じ、じゃああの世界のぼく達はどうなるの??」

 

ベビ「まぁまぁ、こちらとは違う世界なんでし。気に病む必要はないでしよ」

 

ナツ「それにしてもこのアンお姉ちゃん、なーんか感じわる~い……

   本当にうさぎさん達と心から仲直りしたのかしら?」

 

セイ「うん……エイルお兄ちゃんの方は本当に反省してるみたいだけど……

   えっ!? お、お姉ちゃん、ベビー、あれ見て!」

 

ナツ「ああっ!? べ、ベビーだ! ベビーがいる!?」

 

ベビ「ジュジュジュ!? な、なんでしとぉ~!?」

 

ナツ「なんで? なんであの世界には私達は生まれなくてベビーは存在するの?」

 

ベビ「……いや! あれはアテシでないでし、あれはあの世界でのマスターでし!」

 

ナツ「えぇ~!?」

 

セイ「確かに、口調もベビーとは違うみたいだよ」

 

ナツ「しかもアンお姉ちゃんが、今度は変装じゃなくて

   本物のセーラー戦士になっちゃった!?」

 

ベビ「ジュ~……アテシそっくりのあっちのマスター、一体なにやってるでしか……」

 

セイ「でもせっかくセーラー戦士になれたのに

   セーラームーン達と協力しようとしてないみたい……」

 

ナツ「あ~! まことさんにあんなひどい暴言を!

   私、あのアンお姉ちゃん、キライ!!」

 

セイ「戦いで十番町がメチャクチャだ……町の人達からも恨まれて……

   うわぁ~ん! やっぱりぼく達の知ってるアンお姉ちゃんじゃないッ」

 

ベビ「こ、これはひどいでし……こんな破壊の化身を生み出してしまうとは

   あの世界のマスターはきちんと責任を取るべきでし!」

 

ケサ「みんな、落ち着け。気持ちわかるが、あの世界、お前達と関係ない」

 

セイ「ウトンベケサ……う、うん。そうだよね」

 

ナツ「そうね。私達の知ってるアンお姉ちゃんは、上品で優しいレディだもんね」

 

ベビ「アテシを生み出したマスターも聡明な素晴らしい存在でしからな。ジュジュ!」

 

ナツ「だけど……セーラー戦士になれるなら、私もなりたいなぁ~♪

   帰ったら魔界樹にお願いしてみようかな。無理ならベビーでもいっか」

 

ベビ「無理無理! いくらマスターや分身のアテシでもそんな恐れ多い力はないでし。

   そもそもあっちのマスターとこっちのマスターは別物なんでしから」

 

やがて穴が収縮し大きい光も再び消えた。

……が、すぐにまた同じものが出現するのであった。

 

セイ「まただ……」

 

ナツ「今度は何が見えるのかしら?」

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              【伝説の超サイヤ人 対 宇宙のさすらい貴族?】

 

              『 https://www.tinami.com/view/835833 』

 

 

セイ「……ど、どこココ? なにこの風景?」

 

ナツ「今まで見た世界とまた違うみたい。少なくとも十番町ではないわね……」

 

ベビ「そもそも地球とは違う惑星みたいでしぞ。

   ただアテシにも、これが一体どこの星の光景なのかはさっぱりでし……。

   なにやら独特な外観の建物や、大きな岩盤なんかがあるみたいでしねぇ」

 

ナツ「あっ! だけどやっぱりエイルお兄ちゃん達がいた!

   ……誰かと話をしてるわ」

 

セイ「ぜ、全然知らない見たことない人達だ……。

   あ、あの男の人、すごく背が高いなぁ。というか身体自体大きくない?」

 

ナツ「もう一人は……その人の親なんだって。な~んかうさんくさい雰囲気だわね」

 

ケサ「……!」

 

セイ「あれ、どうしたのウトンベケサ。

   体が震えてるよ?」

 

ケサ「あの男……、ブロリーって名の大男。

   あいつ、やばい。恐ろしい奴!」

 

ナツ「恐ろしい?」

 

ケサ「アタシわかる。あいつ……トレディアなんて、比じゃない。

   次元違う、とんでもない存在、だ……!」

 

セイ「えっ! そ、それってあの人がものすごく邪悪で、強いってこと……!?」

 

ベビ「ジュジュ……た、確かにあのブロリーとかいう男。

   その親というパラガスって男はともかく、ブロリーは全身から

   強大で邪なエナジーを発しているのが映像越しになんとなくわかるでし」

 

ナツ「な、なんでそんな奴らとお兄ちゃん達が話をしてるわけ!?」

 

セイ「……なんかアンお姉ちゃんが、世界を交換しましょう。とか言ってるけど」

 

ナツ「へ?? なに? どういう意味?」

 

ベビ「なにやらそっちはメジャーだの、自分たちはマイナーだの、

   何のことだか分らん事をわめいてるでし……。

   この世界はさっき見た世界よりもさらに混沌としてるでしな」

 

ナツ「うぅ~……アンお姉ちゃんの喋ってる事が全然わかんないよぉ。

   エイルお兄ちゃんも完全に振り回されてるみたいな雰囲気だし……」

 

セイ「あぁ! お姉ちゃんがブロリーって人に戦いを挑むみたいだよ!?」

 

ケサ「カーディアン達、召喚した……本気、なのか?」

 

ナツ「やめてお姉ちゃんっ! お姉ちゃんがさっきから

   何言ってるのかチンプンカンプンだけど、そいつは

   とんでもなく悪くて強い奴なのよ!? かないっこないよぉ!」

 

セイ「うわぁあ、やっぱりやられてる! お姉ちゃんが危ない!!」

 

ナツ「……あ、あれ? お姉ちゃんブロリーに抱っこされた?」

 

セイ「た、助かったの? ……よ、よかったぁ」

 

ナツ「だけどお姉ちゃんの表情なんか変よ? ドン引きしてるような……」

 

ナツミがそうつぶやいた瞬間、映像は途切れ

モニターになっていた光も三度消滅した。

 

セイ「あ、終わっちゃった! ねぇ、あの後一体どうなるの?」

 

ベビ「ジュ……なんというか、この先は知らない方がいい、と

   暗に言われてるような気がするタイミングでしねぇ……」

 

ナツ「……ねぇ私、碌な事にならない、嫌な予感しかしないんだけどっ」

 

ケサ「同感だ。あのブロリー、力以外、

   別の意味でもおぞましい、邪な感じした……それ、何かよくわからんが」

 

セイ「今まで見えた中で一番訳のわからない映像だったなぁ……」

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その後……違う世界を映し出す不思議な光、次元の隙間はもう現れることはなかった。

 

ナツ「一体なんだったのかしら今の……」

 

セイ「不思議な体験だったね、お姉ちゃん……」

 

ケサ「世の中、アタシ達に理解できない事、起こりうるんだな……」

 

ベビ「ま、まぁともかくでし!

   みんな、もうすぐ亜光速ワープが終わるでし。

   いよいよ故郷の星に到着でしよ~!」

 

ナツ&セイ「「わぁ、やったぁ!!」」

 

嬉しそうに声をあげた後、セイジューローはそっとナツミに耳打ちした。

 

セイ「ねぇ、お姉ちゃん。さっきまでぼく達が見たもの、

   エイルお兄ちゃんやアンお姉ちゃん達には……」

 

ナツ「うん、話さない方がいいかもね。私達の心の奥に閉まっておきましょ」

 

ナツミ達を包むバリアフィールドは近づく目的地へ向けて

一直線に宇宙空間を進んでいくのだった……。

 

 

                  【おしまい】

説明
番外編という名の自分の過去作(エイルとアン関係)を紹介、
もとい軽く振り返る内容です。宣伝ともいう。
※リトルラブギフト本編を読んでからの方がいいかも。
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タグ
美少女戦士セーラームーン エイルとアン 魔界樹編 二次創作 

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