1980(昭和55)年3月15日にアニメ映画ドラえもんシリーズの第1作『ドラえもん のび太の恐竜』が公開された。この映画はオーストリアの作家ジョイ・アダムソンの小説『野生のエルザ』を基に作られているそうで、のび太が孵化させた恐竜(フタバスズキリュウ)の赤ちゃんピー助との感動させられる冒険談だ。 フタバスズキリュウは1968年に福島県いわき市で化石が見つかった首長竜の一種で、発掘場所の地層の双葉層群と、発見者である当時高校2年の鈴木さんの名が付けられている。全長は推定6~9メートルほどで、白亜紀後期の約8500万年前の地層から発見された。全身がほぼ完全な形で見つかるという世界的にも貴重な化石だったことから発掘ブームが巻き起こり、ドラえもん映画にもなったのだ。2006年に新種として認められてフタバサウルス・スズキイという学名も付けられている。 野生のエルザは、アフリカの狩猟監視官アダムソン夫妻が、母親を殺された赤ちゃんライオンをエルザと名付け、我が子同然に可愛がったが、大きく成長したエルザをペットとして育てていくことに限界を感じ、自然のサバンナに戻すという話だ。野生のエルザは映画化されている。アダムソン夫妻がドラえもん一行に変わり、サバンナのライオンが8500万年前の恐竜になって、僕らに感動を与えてくれたのだ。ご主人ジョージの『追憶のエルザ』という自伝もでており、ジョージの人生もまた興味深い。 |