捕獲地 第三惑星
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説明
今年の春分の日は3月20日だ。国民の祝日になっている趣旨は『自然をたたえ、生物を慈しむこと』だという。また、同じ3月20日は東京都台東区上野に日本初の東京恩賜上野動物園が1882年(明治15年)に開園している。僕は動物達を檻に閉じ込めて、本来生きるはずの環境とは違う場所へ 無理やり連れ込み生物の自由を奪うということは、「生物を慈しむこと」になるのだろうかと常々疑問に思っているが、あるベテラン飼育員の方はこのようなことをおっしゃっている。『全国各地で野生動物の保護収容を実施している動物園や水族館は数多くあるが、それは決して喜ばしいことではない。一度動物園や水族館で収容した動物が、再び自然に戻ることは稀であり、たいへん困難である。目の前で衰弱している動物を見つけると、「かわいそう」と思い動物園や水族館で保護すれば良いのにと考える人は多い。優しい人は命を救うことが「動物愛護」だと思うのだろう。だが自然の環境下では、動物の生き死には当たり前なのだ。自然下では生き物の生死が繰り返され、また次の命が生まれて命の連鎖が日々起こる。それこそが 自然なのだ。一度人の手から食べ物を与えられた動物は自分自身で餌を探して食べることをしなくなり、人に餌を与えられると、腸内細菌も変化してしまう。腸内細菌が変わると消化不良を起こし、衰弱して死亡してゆく。だから、動物園や水族館では「保護収容することは終生飼育すること」という覚悟を持って保護している。大型の哺乳類ならその寿命は30年くらいはあるから、その間は命の責任を持たねばならないということだ。野生動物が暮らす自然環境下では、動物の死体はゴミではなく、他の生き物にとっては大切な栄養源になっている。大きな動物の死体は、その肉体が栄養源になり、たくさんの生き物の餌に変わっていく。動物園や水族館へ保護収容されてしまうことは、自然にとって本当に良いことなのだろうか?』と コラムにあった。では動物愛護とは何だろうか?環境省が たびたび改正した『動物愛護管理法』によると、その目的は動物の愛護と動物の危害や人への迷惑防止等に大別できるようだ。動物愛護管理法では動物の虐待や遺棄を防止しているが、動物の管理や愛護だけでなく、人へ危害を与えない様に防止して人と動物の共存する社会の実現を図ることを目的としている。動物愛護法とは人間の都合に合わせた法律だ。僕が思うに、野生動物には手出しせずに、ただ見ているだけにしなさい。という事なのだろう。うわべだけの動物愛護に自己満足するより、たくさんの生き物が暮らす自然環境への理解を深め、その環境を守るために活動する事こそが、きっと『自然をたたえ、生物を慈しむこと』なのだろう。慈しむは愛しむとも書ける。保健所、動物愛護センター、動物指導センター、動物管理センター、呼び方は変わるがやっていることは同じで、殺っているのだ。全国には多くの犬猫を「殺処分する」行政施設が存在するのが現実だ。減ってはいるらしいが、2024年の犬の殺処分件数は2,434件、猫の殺処分件数は9,472件 だったそうだ。 動物愛護の意味を春分の日くらいは考えようと思う。
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