1999(平成11)年の4月11日、東京都知事選で石原慎太郎氏が初当選し、1期目で粒子物質排出抑制のためのディーゼル車規制条例を制定した。都は2000(平成12)年12月の都議会第4回定例会で、国より先に厳しいディーゼル規制を 柱とする「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」という厳しい条例を定めたのに続いて、埼玉県・千葉県・神奈川県もディーゼル車排ガス規制を導入していった。環境省も自動車NOx法の改正を行うなど、大気汚染を改善するためのディーゼル車対策を始めた。僕はそんなことを知らずに、ディーゼルの方が燃料費が安いからと中古車屋に勧められネイビーブルーの中古のハイエースバン(2000cc)を買ってしまった。乗用車よりもトラックに近い車だから、タイヤのサイドウォールは厚くてキャンプ場の悪路だってものともしないタフな車だった。そして、そこそこお金をかけキャンプ用に改造して喜んでいたのに、規制開始1年前の平成14年9月、条例に基づく規制内容の周知と大気汚染のいっそうの改善を目指して、「違反ディーゼル車一掃作戦」が開始された。僕は馴染みの整備工場で「この車はもう車検は通せなくなるよ」という衝撃的な話を聞かされて落ち込んだ。そして、平成15年10月からは、環境確保条例に基づく粒子状物質排出基準を満たさないディーゼル車の都内走行が禁止されたのだった。僕は愛車を泣く泣く廃車したのだった。1990年式の、コラムシフトでクラッチ付の丸目が可愛い奴だった。 だがその後、1BOXの使い勝手の良さに目覚めてしまった僕はマツダボンゴ(9人乗り)を買いクラッチが磨り減って滑るまで乗ったのだった。 |