5月の第1日曜日は【世界笑いの日】となっている。記念日だけ見るとふざけていると思う人もいるだろうが、笑うと免疫力が上がるという論文は多数存在し、笑いが免疫システムに影響を与えることは実証されている。特にガン細胞を殺すNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性化や、免疫に関わる遺伝子の活動が向上することが多数報告されている。具体的な研究では、19人のボランティアを劇場に連れて行き、3時間笑う体験をさせた後に血液検査を行った結果、NK活性レベルが上昇し、CD4/8比(免疫活動性の指標)が標準レベルに近づいたことが確認されている。大阪国際がんセンターの研究では2週間に一度落語や漫才を鑑賞して笑うことで、NK細胞が活性化され免疫力が向上したことがわかった。遺伝子レベルでの検証では、笑うと免疫に関わる遺伝子の活動が向上するのが、国際誌に掲載された研究で明らかになっている。ストレス軽減効果に関しては、笑うとストレスを軽減し、免疫力の低下を招くストレスホルモンの分泌を抑える効果が期待できるという。他にも笑うことで期待できる研究結果が多数存在しているのだ。 世界笑いの日は1998(平成10)年にインドで笑いとヨガのハイブリッドである笑いヨガ運動の創始者マダン・カタリア博士によってに提唱され、笑いや笑いヨガを通して世界的な友情の意識を構築することを目的としているらしい。現在では100ヵ国を超える世界中の国で祝われており、多くの人が一緒に笑うイベントなどが開催されているそうだ。だが、笑いで健康を増進するのではなく、笑いで友情の意識を構築するところが、意味不明で笑わせてくれる。 昭和には「指圧の心 母ごころ 押せば命の泉湧く わっはっはっはは」と笑う指圧の浪越徳治郎という先生がいた。 高名な指圧師なのだが、お会いした時は、思わず つられて笑ってしまうほど、笑い声の方が強く印象に残っている。今 思うと、笑う効果が加わったので指圧の効き目があったのかもしれない。こちらは笑いと指圧のハイブリッドだ。 笑いと治療の関係を研究するきっかけとなったのは、今から60年ほど前らしい。治る見込みが500分の1ともいわれる難病を、笑いにおいて完治させたノーマン・カズンズ氏(アメリカ合衆国ニュージャージー州出身ジャーナリスト・作家)の逸話がきっかけのようだ。彼は49歳の時に硬直性脊椎炎と診断された。さまざまな治療の経過を経て、彼は笑いやユーモアが副腎に作用して免疫力に関係するのではないかと考え、友人の医師と笑い療法の研究を始めたそうだ。すると彼の体は数か月後には社会復帰を果たせるまでに容体が改善したらしい。またその後 心筋梗塞となった際にも同じように笑い療法を実践した結果、手術を受けずに完治して退院したという。 僕の個人的な主観で恐縮だが、インド人が提唱すると胡散臭く聞こえて、アメリカ人の話だと説得力があるような気がする。 今後もお笑いと最新医療のハイブリッド化は促進されてゆくはずだ。ストレスを軽減するのだから、心の病にも効くだろう。なんといっても 笑いはお金がかからないのが良い。そして怪しいクスリを飲まされないから安心だ。 国会でも医療費を節減したければ、笑い飛ばしてしまえば良いのだ。ワハハハハ |