毎年5月11日に行われる長良川鵜飼い開きイベントは、「鵜飼開きの日」という記念日になっている。夕方になると観覧船が次々と漕ぎ出され、花火の打ち上げなど華やかなムードに包まれるそうだ。鵜は魚を丸呑みするため、魚に傷を付けずに 脂ののった良い魚が捕れるのが 鵜飼漁法の強みだという。 岐阜県の長良川、愛媛県大洲市の肱川(ひじかわ)、大分県の三隅川が日本三大鵜飼いとして有名だ(その他の鵜飼が行われる地域は、山梨県笛吹市(笛吹川)小瀬鵜飼 愛知県犬山市(木曽川)京都府宇治市(宇治川)京都府京都市(大堰川)和歌山県有田市(有田川)広島県三次市(馬洗川)島根県益田市(高津川)山口県岩国市(錦川)福岡県朝倉市(筑後川)))が、風物詩としての単なる観光ではなく、受け継がれ続けて1300年以上もの歴史があるという。 鵜飼いの歴史は古く、『日本書紀』の神武天皇の条に鵜養(鵜飼)部のことがあるし、『古事記』にも鵜養のことを歌った歌謡が載っている。5世紀末から6世紀前半に築造されたとされる群馬県の保渡田八幡塚古墳では、頸に紐を巻きつけ、嘴には魚をくわえた形状で鵜飼の様子を表現した「鵜形埴輪」が出土している。また中国の史書『隋書』開皇二十年(600年)の条には、日本を訪れた隋使が変わった漁法を見たとして『小さな輪を鳥にかけ日に100匹は魚を捕る』と記されている。 鵜はカツオドリ目ウ科の鳥の総称だが、鵜飼いに用いられるウミウのことを指すことが多いようだ。水中に潜って魚を捕る習性があり、黒くて光沢のある羽と細長い嘴が特徴だ。 日本にはウミウ、カワウ、ヒメウなど4種が生息しているそうだ。僕は北の街に住んでいた小学生の頃は、鵜という鳥を知らず 水鳥は湖にいるものだと思いこんでいたから、河口の漁港で水面下に潜る黒い鳥を見て、不思議に思ったものだ。現在は北の港の堤防でも、多数のカワウが繁殖しているそうだ。 これも温暖化の影響だろう。長良川がウミウで北の漁港がカワウというのも不思議な感じがするのは僕だけか? |