ザリガニ
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説明
日本で最初のアメリカザリガニは、1927年(昭和2年)5月12日に、アメリカのルイジアナ州ニューオリンズから、神奈川県鎌倉市岩瀬のウシガエル養殖場(1940年代に閉鎖されたらしい、現在の岩瀬下関防災公園付近)にカエルの餌として、20数匹が持ち込まれただけだったという。それなのに?僅か8年しか生きられないザリガニが、洪水などで敷地から逃げ出してしまい 瞬く間に九州まで拡がったそうだ。そして、じきに全国津々浦々にまで棲息するようになってしまった。鳥や ほ乳類以外で、ザリガニの天敵となりうるのはウシガエルとブラックバスくらいだという。その元凶となった食用ウシガエルも外来生物であり、主に海外への輸出用に1920年頃アメリカから持ち込まれたそうだ。 ブラックバス(俗称)の方もアメリカからの外来生物で1925年(大正14年)に食用と釣り(ゲームフィッシング)目的で移入している。こちらはゲリラ放流されて全国に放たれてしまった。 外来生物に荒らされることは、未知の生物に侵略されるのと同じことだ。 1920年代の日本は、第一次世界大戦の恩恵を受けて、大正から昭和にかけては景気が良かったらしい。都市の労働者やサラリ−マンを中心とする市民層が形成され、ビジネスオフィスの建設、デパ−ト、郊外電車の発展、和洋折衷の文化住宅の出現、洋服、洋食、電燈、ガス、水道などが普及していったという。そして野球などの各種スポ−ツもさかんになったそうだ。思えば日本は、太平洋戦争が始まる前に どさくさに紛れて、すでにアメリカの生物に負けていたのだ。ウシガエルは廃れて、餌は不要になり、中国人やスウェーデン人が好んで食べるザリガニも、ブラックバスも日本人は好んで食べることはしなかった。今は特定外来生物に指定されているブラックバスなどは、業の深いキャッチ&リリースがマナーとして定着してしまい、2000年頃までは どんどん個体数を増やすこととなった。その結果、日本のあらゆる在来種が食い荒らされる結果となってしまう。今になって増えすぎた怪獣たちの後始末に苦悩しているのだ。そしてついに令和5年6月1日、アメリカザリガニは条件付特定外来生物に指定されて、販売、頒布、放出等が法律によって禁止となった。ようするに『ばらまくな』ということで、違反した場合は最大で3年以下の懲役、または300万円以下の罰金という重い刑が科される。たかがザリガニを逃がしただけで、刑務所に入れられたくはない。条件付きなのは、あまりに身近な生き物になりすぎて、規制が難しいからのようだ。鎌倉のウシガエル屋はカエルの餌用に20数匹のザリガニを持ち込んだだけなのに、大変な罪を犯してしまったわけだ。
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