川坂烏有(こうさか うゆう)の改変供題3(聖霊物語) |
第三話・人間の項(考)
…さて、私は私なりに考えていた。
…表の人間だった頃は、私は私という自覚がなかったし、私の身体は私だったかというと、結果的に違ったのである。
私を私に、すなわち、私を題考者にしたのは、同じ題考者である川坂歩夢(こうさか あゆむ)であった。
彼女は私に前々から目を付けていて、烏有という名前も彼女から貰ったものだ。母なる彼女から苗字を受け継ぎ、宿がない時は烏有空間を頼り自活した。
その彼女は題考者であっただけではなく、彼女も同じくして、元表の人間で、彼女も同じ境遇であった為に、私のそれを見てすぐに分かったのである。
私にとって、私というものは、全く何もないのと同然であり、彼女も又、同様であった。彼女の場合、その名付け親の題考者はきちんと自分の道を歩む様に、不良であった彼女に付けた名前である。
…それに比べると私は良家の生れで、悪い事はひとつもしなかった。それだけに他者との溝を埋められずにいたのである。烏有という名前から何もなかったので、何もしなかっただけとも言える。
ともかくも、彼女も題考者として、まともな思考に触れ、身体も心も真っ当に成っていったのである。
……私はと言うと。
幻想郷。
死んだ人間や忘れ去られた鬼や妖怪、神等が流れ着く、海なき海、孤島なき孤島。
そこに私は移住して、身体がまるっきり少女であるから、人間として暮らし始めたのである。
しかし、題考者として、昼は人里に暮らし、夜は人間の中の烏有空間に住まう事を習慣付けたのである。
…ともかく、まずは博麗の巫女の烏有空間の幻想を暴く物語である。
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