飛行機で初めて大西洋の横断飛行に成功したのは、アメリカ海軍のカーチスNC-4型飛行艇だそうだ。カーチス飛行艇はフロートを利用して浮くのではなく、機体そのものが船になっている空飛ぶ戦艦で、宮崎駿監督の「紅の豚」に出てきた飛行機のうちの1つのモデルにも使われたらしい。1919年5月8日にニューヨークのロングアイランドを出発してから、何度も途中で着水をして 19日間 もかけ 5月27日にポルトガルのリスボンに到着したという。 カーチスNC型は第一次世界大戦でドイツの潜水艦を避けたり 哨戒することができる輸送手段として、アメリカからヨーロッパまでの長距離を飛行できる航空機として開発された機体だそうだ。 8年後の1927年にリンドバーグが33時間29分で大西洋単独無着陸飛行に成功したことを考えると、航空機の進歩はとても早い。ちなみに2003年に引退したコンコルドの最速記録は 1996年2月7日に樹立した2時間52分59秒だ。超音速旅客機コンコルド以外で最速の記録となるのはニューヨーク発ロンドン行きのボーイング787で、追い風の吹くなか これまでの記録より3分早い5時間13分で到着したそうだ。ニューヨーク発ロンドン行きの通常は、8時間程度かかるそうだ。戦闘機は、F-35だと無給油で3.5時間飛行可能らしく、ホルトガルのラジェス航空基地から逆風のなかを、4回の空中給油で大西洋を横断して米国メリーランド州の海軍航空基地に約7時間で到着した例があるそうだ。コンコルドがいかに速かったかがわかる。 気球だと 1978年に初の大西洋横断を果たしたときには、137時間5分50秒(約6日)かかったそうだ。船だと平均して大西洋を横断するのに 6 ~ 10 日かかるというから、気球のほうが船よりは少し速いという程度だ。現代から考えると、最初の大西洋横断に19日もかかったのがまるで嘘のようだ。 |