トランプ米政権は、2025年4月15日に国連平和維持活動への資金拠出打ち切りを提案していたが その後どうなったのだろうか。活動予算は国連加盟国の分担金で賄われており、途上国は負担が軽く安保理常任理事国は負担が重くなっている。2022年~2024年国連平和維持活動の予算分担率は、 1.米国 22.000% 2.中国 15.254% 3.日本 8.033% 4.ドイツ 6.111% 5.英国 4.375% 6.フランス 4.318% … だった。毎年莫大な資金を提供し続けているのだから、トランプ氏の気持ちも 解らなくはない。5月29日は、「国連平和維持要員の国際デー」だ。貢献した人々の献身と勇気を称え、活動中に命を失った人々を追悼する日となっている。国連は国際の平和及び安全を維持する(国際連合憲章第一章)ため、小規模の軍隊を現地に派遣して活動を行っている。平和維持活動とはいえ、争いに巻き込まれ戦闘になることが多く、命懸けの活動だという。軍事部門に派遣された各国の軍隊は、自国の戦闘服に、水色のベレー帽や戦闘用ヘルメットをかぶることから、「ブルーベレー」や「ブルーヘルメット」と通称されているらしい。車両はPKO部隊であることを明示するため、白に塗られ「UN」と書かれている。こんなに凄く目立つ格好で戦地に現れるのだから、狙い打ちではないか? 世界には紛争がずっと治まらない地域が多くある。現在活動中のPKOが、アフリカでは『西サハラ』で国際連合の西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)が 1991年4月 から活動している 『コンゴ民主共和国』国際連合コンゴ民主共和国安定化ミッション (MONUSCO) 2010年から 『スーダン』国連アビエイ暫定治安部隊(UNISFA) 2011年6月から 『南スーダン』国際連合南スーダン派遣団 (UNMISS) 2011年7月から活動している。 アジアでは先日もいざこざがあった『インド/パキスタン』で国際連合インド、パキスタン軍事監視団 (UNMOGIP)が 1949年1月 からと ・国際連合休戦監視機構 (UNTSO) が1948年5月から77年間も活動している。 『ゴラン高原』国際連合兵力引き離し監視軍 (UNDOF) 1974年6月から 『レバノン』国際連合レバノン暫定駐留軍 (UNIFIL) 1978年3月からだ。 ヨーロッパでは『キプロス』国際連合キプロス平和維持軍 (UNFICYP) が、1964年3月から61年間も続いている。 平和維持活動に女性が参加するのは良いことらしい。女性の参加は、和平合意が2年以上持続する確率を20%まで上昇させ、和平合意が15年間持続する確率を35%まで上昇させているそうだ。現在 国連広報センターの所長は根本かおるさんだ。 朝日テレビのアナウンサー出身の女性で、その後フリージャーナリストの経歴もあるから多くの参考になる意見を発信して下さっている。しかし、残念ながら国連平和維持部隊がすべて善であるとは言えないようだ。ハイチやリベリア、南スーダンなどで支援物資と引き換えにPKO隊員から性的被害を受けたとの申し立てが6年間で480件に上ったことが2015年に報じられているそうだ。また、2014年から2015年にかけて中央アフリカで活動した国連中央アフリカ多元統合安定化派遣団でも、隊員が性的虐待を行ったとする証言があるらしい。 |