悪魔のムシ
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説明
6月4日は『むし』の日である。6と4をそのまま読むだけで、深い意味はないようだ。虫の日は2018年に解剖学者の養老孟司さんが制定し、日本記念日協会に申請して認定・登録されている。しかしそれよりも先に 未登録だが手塚治虫先生が、1988年(昭和63年)に仲間と日本昆虫クラブをつくり この日を「虫の日」に定めている。 さて いよいよ本格的に 虫の季節が到来するが、甲殻類アレルギーの僕にとっては悪夢の日々が始まる。「虫」の定義としては 主に昆虫を指しているが、本来はもっと広い意味の小動物を指す言葉のようだ。昆虫の昆は、仲間が多いとか、種類が多いことを表しているらしい。僕らが単に「ムシ」というときは昆虫以外の クモ、ダニ、サソリ、ムカデ、ヤスデなどの、気持ち悪い多足動物や、ミミズやカタツムリのような得体の知れない生き物も全部ひっくるめて「ムシ」とよんでいる。「ムシ」は地球上の生物のうちで最大勢力といわれており、100万種以上もいるそうだ。地球の全動物の70%がムシらしいから地球の「主役はムシ」だといえるだろう。 動物の足のなかで、もっとも安定して移動しやすい合理的な形状は、昆虫の6本足だという説がある。これは、立つときには 接地する足が3本あれば安定するという法則があるからだ。移動の際に6本の足を 交互に3本ずつ前進させると、どんなに凹凸な地面でも、常に3本の足で接地できるから安定性抜群となる。また足が6本あれば、そのうちの2本を作業用の「手」に変化させても4本の足が残るから都合が良い。たとえばカマキリのように2本は獲物を狩るカマにしたり、ケラのように2本は土を掘るシャベルに変化させたり、2本を手に変化させるとケンタウロスになるし、2本を翼に変化するとペガサスのような生き物になるかもしれない。2本は手にし、2本は翼、2本を足にするとドラゴンだ。6本足とはファンタジーなのだ。 んー、あっ、違う。昆虫は足が6本と羽根が4枚有るのだった。完璧な足の他に、飛行能力まで備えているのだから無敵である。昆虫の翅は、脊椎動物の翼に見られるような、単に前脚の変形などではない。初めから翔ぶ機能を持っているのだ。従って、翅を持つことは歩脚の性能を制限することがない。やはり虫はファンタジーどころではなく究極の生物だった。つまり神や悪魔の類いになるのだ。僕ごときの凡人はアレルギーが出て当然なのだろう。 甲殻類アレルギーとはいっても、原因物質である「トロポミオシン」というタンパク質は、エビやカニ、ゴキブリ、いかやたこ、貝類、カタツムリ、ミミズにも含まれているそうだから、広い意味での「ムシ」という怪物を避けなくてはいけない。アナフィラキシーで死ぬかも知れないからだ。つまり、虫を無視する訳にはいかない。ムムムムムこのままでは虫の居所が悪い、腹の虫が治まらないのだ。
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