主人公が絶対に負ける物語
説明
リン国征服阻止編(AIが要約)

 リン国の中心には、まるでけん玉のような奇妙な塔がそびえていた。
「これが――記憶抹消兵器、『ワスレー・炉』だ。」
ウルティマヘブンは険しい表情でそう告げた。

 彼と弟のクイックボーグはリン国へと向かったが、すでにその周囲はイカゲの手下たちによって固く守られていた。
激しい戦闘の中、ウルティマヘブンは己の腕一つで次々とペットたちを蹴散らしていく。
しかし、数の暴力に追い詰められたその時、クイックボーグが間一髪で兄を救い出したのだった。

 記憶抹消兵器『ワスレー・炉』の最上部に辿り着くと、そこにはキン・ニク国王が立っていた。
「邪魔をするな!」と叫びながら、国王はクイックボーグとウルティマヘブンに襲いかかる。
二人は必死に攻撃をかわし、応戦した。
しかし、彼らが国王と戦っている隙に、影からイカゲがひそかに近づき、不意打ちを仕掛けてきたのだった。
ウルティマヘブンは咄嗟にコ・イカゲの攻撃を防いだ。
クイックボーグはキン・ニク国王と、ウルティマヘブンはコ・イカゲと、
それぞれ役割を分担し、強敵を相手に共闘を始めたのだった。

 クイックボーグは必死の戦いの末、なんとかキン・ニク国王を打ち倒した。
しかし、勝利の余韻も束の間、不意を突いたコ・イカゲが素早く現れ、クイックボーグに強烈な一撃を浴びせた。

 クイックボーグが倒したキン・ニク国王の戦いが終わった直後、突然、鋭い刃がクイックボーグに向かって襲いかかった。
だが、ウルティマヘブンは咄嗟に身を挺して弟をかばい、その一撃は彼の胸を貫いた。
「クイックボーグ……逃げろ……!」
彼の声が消える前に、冷たい闇が彼を包み込んだ。
兄の犠牲は、戦いの激しさと悲しみを深く刻んだ。

 ウルティマヘブンは冷たい血に染まりながらも、最後の力を振り絞りクイックボーグに囁いた。
「クイックボーグ……お前ならできる……絶対に諦めるな……!」
その声はまるで温かな炎のように弟の胸に響き渡った。
弟の瞳に決意が宿り、彼はウルティマヘブンの想いを力に変えた。
拳を振り上げ、記憶抹消兵器の一部を叩き壊す。砕け散る装置の破片が、希望の光を放った。
兄の応援が、奇跡を呼んだ瞬間だった。

 クイックボーグは必死にイカゲの猛攻を耐えた。
しかし、彼の力の源である「応援」の声が消え、心の支えが失われてしまう。
応援が力となり、彼の全てを支えていたはずなのに??。
力尽きたクイックボーグは、無念のまま地に倒れた。
勝利は遠く、絶望だけがその場を支配した。

ウルティマヘブンが倒れ、クイックボーグは彼の胸元に手を置き、震える声で叫んだ。

「正義とは、受け継ぐ心。この身が朽ちても正義と覚悟を持った者がいずれ現れる。
たとえそれが何よりも劣っていて弱いものであってもだ。」

その声に、冷ややかな笑みを浮かべてコ・イカゲが応じた。

「ふむ……私よりも強いものであれば良かったのにな。」

クイックボーグの瞳は揺るがず、兄の想いを胸に刻み込むように強く輝いた。
それは、弱くとも決して折れぬ意志の証明だった。

 イカゲの攻撃に倒れたクイックボーグの装備品は、静かに光を放ち始めた。
「ゼン・ニン兄弟のもとへ戻れ」??そんな魔法が仕込まれていたのだ。

誰もいなくなったその装備は、まるで意志を持つかのように空中に浮かび、夜空の星々を背にして静かに飛び去っていった。
やがてその姿は、ゼン・ニン兄弟が待つ場所へと消えていく。

それはまるで、希望を繋ぐリレーのように――所有者を失っても、物語はまだ終わらないことを示していた。

ウルティマヘヴンが倒れ、その装備は静かに輝きを帯びていた。
「製作者の元へ戻れ」――デキールの強力な上書き魔法が施されていたため、装備はゆっくりとデキールのもとへと戻っていった。
彼の手で再び鍛え直されることを、装備自身も知っているかのように。

一方、記憶抹消兵器は一部が破損しながらもなお動作し続けた。
その影響で、世界はウルティマヘヴンとクイックボーグの名を忘れてしまい、二人の存在さえも異物のように消えてしまった。
異世界の記憶は、リン国を除いてかつての平和な時代へとリセットされたのだ。

静かな嵐の後、世界は新たな時を刻み始めた――二人の英雄の物語は、今はただ風の彼方に消えていったかのように。

イカゲは静かに告げた。
「作戦は成功した。しかし、キン・ニク国王は戦死しました。」
彼の言葉に、キン・ニク2王子の表情は一瞬硬くなる。

イカゲは続ける。
「この世界を統べるのは強き者だ。キン・ニク2王子。あなたがその器となることを望みます。」

キン・ニク2王子は深く悩んだ。
しかし、亡き父の意志と、イカゲの言葉を胸に刻み、ついに決断する。

「私が、キン・ニク2国王としてこの国を治めよう。」

そうして彼は新たな国王として、重責を背負いながらも歩み始めたのだった。

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