2010年の6月13日、小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」までの7年間の旅を終えて地球に帰還した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所のある、神奈川県相模原市が2012年に6月13日を『はやぶさの日』に制定した。探査機をはやぶさと名付けたのは、着陸してサンプルを取る際に、一瞬だけ着地してすぐに飛び上がる様子が、獲物を捕らえて素早く空中へ舞い上がるハヤブサを連想させるからだという。 ハヤブサという鳥は 以前はずっとタカの仲間だったけれども、2008年以降は、鷲でも鷹でもなくなり、ハヤブサ目ハヤブサ科ハヤブサ属に分類されることになったそうだ。 英語では、Peregrine Falconといって、放浪する者という意味らしい。なぜかというと、寒冷地に分布する個体群は、冬季になると温帯域や熱帯域へまで移動して越冬するところから、名付けられたと考えられる。 ハヤブサは世界最速の動物といわれており、水平飛行時の速度は100 km/h 前後、急降下時の速度は最高約400 km/h近くなるらしい。こうなると、和名の由来のほうがしっくりくる。隼という名は、飛行速度の速さから「速飛翼(はやとびつばさ)、速翼(はやつばさ)」が転じて「はやぶさ」になったとされるようらしいからだ。英語より日本語の隼のほうが、よりこの鳥らしいと思う。 太平洋戦争で使われた戦闘機に隼という機体がある。よく零戦と似ているので間違われるが、零戦は海軍の艦上戦闘機で隼は陸軍の戦闘機だから、使用目的もメーカーもまったく別の機体である。隼の命名の成り立ちは ♪「エンジンの音 轟々と 隼は往く 雲の果て」と始まる勇ましい歌からで、1940年(昭和15年)に南寧(中国広西省)に派兵された第64戦隊第1中隊の戦意高揚のために この歌がうまれたそうだが、すぐに全戦隊員の要望で「飛行第64戦隊歌」となりこの歌から、使用された機体が隼と呼ばれるようになったという。正式名称は陸軍1式戦闘機だ。 |