6月24日は美空ひばりさんの命日というだけではなく、2021年の6月24日にフィリピンのベニグノ・アキノ前大統領が61歳で死去している。死因は糖尿病による腎不全だったというから、腎臓の毛細血管は砂糖漬けでボロボロになっていたのだろう。フィリピンだけにバナナを食べ過ぎたのかも知れない。 糖尿病にかかる人の割合は世界平均が8.5%なのに、東南/南アジアは9.3%と多いらしく、なかでもマレーシアは16.7%、インドは10.4%と高いそうだ。食品が異常に甘過ぎるタイでは、最も一般的な疾患が糖尿病だそうで、タイ人の糖尿病患者数は毎年増加しているという。インド原産の植物には、糖の吸収を阻害したり、血糖値の上昇を抑えるギムネマという凄いハーブがあり、インドやタイ、インドネシア、フィリピンなどに”自生”している。それなのに、その国に住んで居て糖尿病で命を落とすなんて 実に勿体無く残念に思う。 アキノ氏と同名の父ベニグノ・アキノ氏(愛称はニノイ)は、上院議員で民主化運動指導者だった。マルコス独裁政権に激しく抵抗したため、1983年に亡命先からの帰国直後に空港で暗殺されている。その後、意志を引き継いだ母のコラソン・アキノ氏が大統領となりフィリピンの民主化に尽力している。母である元大統領の死去を受けて、息子のベニグノ・アキノ氏が出馬し 2010年の大統領選で圧勝した。その後 ベニグノ・アキノ氏は2016年まで大統領を務めている。 フィリピンでアキノ氏の人気はとても高く、父の暗殺されたマニラ国際空港はニノイ・アキノ国際空港と名前が変更されたほどだ。この話題の流れだと 政治好きな評論家気取りの人は、今日(6/24)のベラルーシ政治犯釈放の報道に関連付けて、何かコメントをするのだろうが、僕が関心があるのは そこでは無い。 アキノ氏の アキノ、アキーノ(Aquino)というのは、スペイン語圏に多い姓らしいのだが、アキノ氏の祖先は、秋野さんだという説がある。ただの与太話だと思うのだが「アキノ家の祖先はラ・ウニオン州のアゴオ(Agoo)に流れ着いた日本人だ。」という言い伝えがあるらしいのだ。そこで考えてみた。まず、僕が感じたのは、日本人が流れ着いたのが 日本寄りのルソン島の北部なら少しは信憑性があるが、ラ・ウニオン州はルソン島の中ほどだから不自然だということだ。黒潮に流されたとすると、 潮流に乗って椰子の実のように フィリピンや台湾から琉球列島に漂流することはある。もしかしたら、生存したままたどり着く可能性も、極めて小さいが有るかも知れない。しかし、逆向きの 日本からフィリピンへの漂流は有り得ないのだ。アゴオは以前パンガシナン州に属し、1572年の植民地時代にレガスピ総督の命によりホアン・デ・サルセードが訪れたときに港には「エル・プエルト・デ・ハポン」という名前が付けられていて、古くから日本人による貿易で栄えた港として 有名だったらしい。しかし 日本人たちは徐々にスペイン人から追いたてられ、アゴオの港を去って行ったと言われているらしい。秋野さんは漂流してたどり着いたわけではなく 意図してこの地にやってきて貿易をしていたが、スペイン人に追われて去って行ったのだろう。恐らくアキノ大統領とは無関係だと思う。 そうだ、バナナはカリウムが豊富で糖質の多い果物だから、腎臓が弱っている人はカリウムを排出できないうえに血糖値も上がる悪夢のフルーツだ。糖尿病で腎不全ならバナナを食べてはいけないのだ。 |