| 英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜 |
〜オールト廃道〜
「メ、メンフィル帝国…………いや、メンフィル・クロスベル連合がグラムハート総督に北カルバード州の独立疑惑を…………た、確かにグラムハート総督は北カルバードの発展の為に連合による侵略によってクロスベルの領土として併合された北カルバード州と”中央”との関係良好化を理由に”中央”から莫大な”援助金”を援助してもらった事や”中央”からの干渉を抑えつけている話は有名だけど…………」
「ふふ、その二つ名通りルファディエルの”叡智”は相変わらず凄まじいね。――――――まあ、あたしとアンリエットが主――――――いや、”本国”の勧めによってあんな中途半端な時期にアラミスに留学した”本国の思惑”の件も考えたら、ルファディエルの推理が当たっている可能性は高いだろうね。」
「レ、レジーニアさん。」
事情を知ったカトルは驚いた後信じられない表情を浮かべ、興味ありげな表情を浮かべて呟いたレジーニアにアンリエットは冷や汗をかいた。
「え…………」
「ハッ、案の定お前達の留学には”本国”とやらの思惑が関係していたのかよ。」
一方レジーニアの答えを知って驚愕の事実を知ったアニエスは呆けた声を出し、アーロンは鼻を鳴らしてレジーニアとアンリエットに視線を向けた。
「ああ。主がエースキラーの一員に任命された事で主が北カルバード州での活動もすることになるだろうから、これを機に徐々に広がりつつあるあたしのような異種族とこの世界の人々との交流を北カルバード州にも広める為と、あとついでにあたし達の見聞を広める為という理由で勧められたが…………フフ、実際の所本当はどんな理由だったんだい、主?」
「レ、レジーニアさぁん…………わたし達はメンフィル帝国のお陰で学術機関で学べるという貴重な機会を頂いているんですから。せめてもう少し遠回りな言い方をしてくださいよぉ…………」
レジーニアの説明を聞いたアンリエットは涙目を浮かべてリィンを気にしながらレジーニアに指摘し
「ハハ、”本当の理由”といっても両カルバード州に”非常事態”が起こった際に既に両カルバード州――――――アラミス学院に留学中のレン皇女殿下の戦力になって殿下をサポートしてもらう事くらいだから、二人の留学には政治的な意味合いの思惑もなければ諜報活動等と言った事は求められていないから安心してくれ。」
「レン先輩の…………」
「なるほど…………実際メンフィル帝国はアルマータを相当危険視しているようですから、それを考えるとリィンさんが”エースキラー”の一員に任命された時期に二人がアニエスさん達の学院に留学してきたことにも納得がいきますねっ。」
「それに今回のバーゼルの件もそうだけど、ヴァンさん達が関わってきたアルマータに関する4spgは実際どれも非常事態レベルばかりでもあるからね…………」
「……………………」
苦笑しながら答えたリィンの説明を聞いたアニエスは目を丸くし、フェリとカトルがそれぞれ納得している様子を見せている中あることが気になっていたヴァンは真剣な表情で黙り込んでいた。
「ハン……その皇女が”エースキラー”が結成される前――――――メンフィル・クロスベル連合がアルマータを本格的に危険視する前からアニエスの学院に留学しているから、その件を考えるとあの皇女に関してはそっちの留学生二人とは完全に別の思惑なんじゃねぇのか?」
一方ヴァン同様あることが気になっていたアーロンはリィンに自身が気になっていた事を指摘した。
「…………そうだな。殿下がアルマータの件とは別の理由でアラミスに留学したことは俺も否定できないが…………少なくても俺は殿下のアラミスへの留学の件に関しての詳しい事情は知らない。」
「あん?仮にも一国――――――それもかつては”大陸最強”と呼ばれていたエレボニアの”総督”を任されているアンタが何も知らない訳がないだろうが。」
「ちょっと、アーロンさん…………”仮にも”だなんてさすがにリィンさんに対して失礼だよ…………」
リィンの答えに納得していないアーロンは眉を顰めて更なる指摘をし、アーロンの指摘の仕方にカトルはリィンを気にしながらアーロンに注意した。
「ハハ、俺は別に気にしていないから大丈夫さ。――――――君の言う通り幾ら”エレボニア総督”だからと言っても、”本国”から情報を無制限にもらえる訳じゃない。レン皇女殿下のアラミスの留学理由を知っているのはそれこそ”本国”側の人達を除けば南カルバード総督であるサフィナ総督閣下や殿下のご両親であるリウイ前皇帝陛下やペテレーネ神官長、そしてリウイ陛下の正妃であられるイリーナ皇妃陛下とリウイ陛下と神官長の実子にして殿下の姉君でもあるプリネ皇女殿下くらいだと思う。」
「ま、そうだろうな。」
「…………その、リィンさんご自身はルファディエル警視の推理についてどうお考えなのですか?」
リィンの答えを聞いたヴァンが同意して頷いた後複雑そうな表情で黙り込んでいたアニエスはリィンにあることを訊ねた。
「グラムハート総督による北カルバード州の独立か…………確かに援助金の件も含めてヴァイスハイト陛下達――――――”中央”からあまりよく思われていない行動をとっている事は事実だけど、北カルバード州が中央の承認もなく独立なんてしてしまえば、北カルバード州もそうだがグラムハート総督自身、”破滅”することはグラムハート総督自身も理解しているだろうから、少なくてもかつてディーター・クロイスがクロスベルを独立させた時のように”中央”の承認もなく独立するなんて無謀なことは考えていないと思う。」
「は、”破滅”って…………」
「ハッ、そりゃ”独立”なんてしちまえば、”中央”もそうだがメンフィルの”本国”の連中も待ってましたとばかりに、カルバードを滅ぼした時のようにまた連合を組んで――――――いや、”ゼムリア連合”を利用してゼムリア全土の連中と共に北カルバードに攻め込むだろうからな。」
リィンの推測を聞いたカトルが信じられない表情を浮かべている中、アーロンは鼻を鳴らして真剣な表情で予測を口にした。
「いや、そもそも”独立した際の北カルバード州に発生するリスク”を考えたら、メンフィル・クロスベル連合による”武力行使”なんてことは起こらない。」
「”独立した際の北カルバード州に発生するリスク”とは一体…………?」
「それに関しては間違いなく先の戦争によって連合に滅ぼされたカルバードが連合にそれぞれ”北”と”南”に分けられて併合されたことが関係してくると思うぜ。」
「はい。仮に北カルバード州が独立したとしても、バーゼルを含めた南カルバード州に関しましては、幾ら市民達によるグラムハート総督の支持が高くても”南カルバード州には別の総督――――――お義母様がいらっしゃっているのですから、南カルバード州の独立は絶対に不可能ですわ。”」
リィンの指摘の意味がわからないフェリが首を傾げているとヴァンが答えを口にし、セレーネがその続きを口にした。
「た、確かに…………ましてや南カルバード総督――――――マーシルン総督はメンフィル帝国の”本国”から派遣された総督で、それも皇族の一員でもあるから祖国が戦争によって得た広大な領土の独立なんて絶対に許さないこともあることに加えて友好関係が深いクロスベル帝国との関係も考えると、北カルバード州がクロスベル帝国の承認もなく独立なんてしてしまえば、北カルバード州との協力関係も断つと思うし…………そうなってしまえば、北カルバード州はメンフィル帝国――――――南カルバード州に所属しているバーゼル大学もそうだけどヴェルヌ社との技術提携もできなくなってしまうから、州軍の武装や兵器の量産や開発も含めて様々な面で不都合が発生するだろうね…………」
「…………仮に北カルバード州がクロスベル帝国の承認も受けて独立したとしても、少なくても現在の”北カルバード州と南カルバード州の関係を変える事は確実でしょうね。”…………今まで南カルバード州が北カルバード州との関係をカルバード共和国がメンフィル・クロスベル連合によって滅ぼされる前とほとんど変わらない関係を保ち続けていた理由は北カルバード州の”主”がメンフィル帝国にとっては大切な友好国であり、また信頼できる戦友でもあるクロスベル帝国だからなのですから。」
2人の話を聞いたカトルは同意した後セレーネに視線を向けた後複雑そうな表情である推測をし、アンリエットは静かな表情でカトルとは別の推測を口にした。
「フム、そうなってくると独立疑惑がかけられている件の総督にとって今の南カルバード総督は様々な意味で不都合な存在だから、失脚や暗殺等と言った何らかの方法で自分にとって都合がいい南カルバード総督に変えるための暗躍や政治介入をすることも考えられるけど、”本国”ならその可能性に関する対策もとっくにしているんじゃないか、主?」
レジーニアが口にした物騒な推測にその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中、レジーニアは意味ありげな笑みを浮かべてリィンに視線を向けて確認した。
「ハハ…………対策もなにも、そもそも”南カルバード総督の就任方法は市民達による選挙制である北カルバード総督と異なる”から、対策の必要性すらないさ。」
「ええ。お義母様は本国――――――”皇家と政府の任命によって南カルバード総督に就任した”のですから、例え何らかの理由によって南カルバード総督がお義母様から別の人物に変わることになったとしても、その人物の就任に関して他国の総督であるグラムハート総督では介入できませんわ。」
「あ…………」
「そういえば南カルバード総督の選挙が行われたなんて話、聞いたことがないな…………」
「ハン、なるほどな。仮に今の南カルバード総督を何らかの形で別の奴に変えさせることができても、新たな南カルバード総督の就任はテメェ自身が総督に就いたやり方は通じない上今の南カルバード総督同様メンフィルの”本国”から”本国”の意向を受けた別の総督が派遣されることが分かり切っているんだから、仮に北カルバード総督が北カルバードの独立の際に障害になる南カルバード総督が邪魔でも排除はできないってことか。」
それぞれ苦笑しながら答えたリィンとセレーネの話を聞いてあることに気づいたアニエスは呆けた声を出し、カトルは考え込み、アーロンは鼻を鳴らして真剣な表情で推測を口にした。
「それともう一つ。”中央”の承認があるにせよないにせよ、北カルバード州がクロスベル帝国から独立する際には確実にクロスベル帝国から”援助金の返金”を要求される問題もある。」
「あ…………っ!」
「なるほどな。グラムハート総督が”中央”から莫大な援助金を支援させた理由は、”中央が北カルバード州の発展の為に莫大な資金を支援することで侵略戦争によってクロスベルの領土として併合された事による北カルバード州の市民達のクロスベルへの反感を失くし、クロスベルの国民になることを受け入れやすくするため”だったが、北カルバード州が独立しちまえば、当然”中央”が北カルバード州に支援させた援助金の意味もなくなってしまう事で”中央”は独立した北カルバード州に援助金の返金――――――しかも利子つきで請求してくるだろうから、それを考えたら独立を目指す奴が”独立した際に発生する最大の問題”を自ら作るなんてことはしないってことか。」
「もし援助金の返金を断れば、クロスベル帝国は当然として南カルバード州を含めたメンフィル帝国も独立した北カルバード州に様々な方法で圧力をかけてくることは明白な上、一国を騙して得た資金で自国を発展させた挙句独立した上その資金の返金を断った国等他国にとっては信用できない国になるでしょうからどの国も北カルバード州と交流してくれない事で北カルバード州が孤立してしまう事によって北カルバード州は総督も含めて”破滅”するという事ですね…………という事は、ルファディエル警視の推理は単なる憶測だったという事でしょうか?」
リィンが指摘したある指摘を聞いてあることに気づいたカトルは思わず声を上げ、ヴァンは納得した様子で呟き、静かな表情である推測を口にしたアニエスは僅かに安堵の表情を浮かべてリィンに確認した。
「さすがにそこまではわからない。実際グラムハート総督は中央に対して従順な態度を取りつつも、北カルバード州への介入を最小限に抑えていた前北カルバード総督であるロックスミス前総督と違って、中央からは反感を抱かれやすい行動や言動を続けている事は事実だし…………グラムハート総督が”援助金の問題も解決した上で中央も承認する可能性がある北カルバード州を独立させる方法”について心当たりがなくもないんだよな…………」
(”援助金の問題も解決した上で中央も承認せざるを得なくなる北カルバード州を独立させる方法”…………――――――!ま、まさか………)
「ええっ!?」
「ハン…………その方法とやらは一体どんな方法なんだ?」
しかしリィンは複雑そうな表情を浮かべてアニエスが求める答えとは真逆の答えを口にし、リィンの答えにヴァン達がそれぞれ驚いている中セレーネは考え込んだ後心当たりに気づくと複雑そうな表情を浮かべ、フェリは驚きの声を上げ、アーロンは興味ありげな様子でリィンに訊ねたが
「すまないが、その”心当たり”については限られた人物しか知ることができない機密情報の上クロスベル帝国に対する守秘義務もあるから現時点で話すことはできないんだ。」
「ええっ?」
「ハン…………?そこまで言って肝心なことは言えないとか胡散臭ぇ匂いがプンプンしやがるが…………大英雄サマのハーレムの一員の上”使い魔”でもあるお前達も大英雄サマが隠していることについて当然知っているんじゃねぇのか?」
リィンは肝心なことは答えられない事を口にし、リィンの答えを聞いたフェリは困惑し、アーロンは鼻を鳴らした後レジーニアとアンリエットに視線を向けた。
「勿論知っているが、主が口にできない情報を主に仕えている立場であるあたし達が主の許可もなく答えられる訳がないだろう?」
「その…………現時点では言えませんが、”時が来れば、いずれアニエスさん達に限らず両カルバード――――――いえ、ゼムリアの全国家の人々に発表される計画である事”は確実ですから、大変心苦しいですがその時までお待ちください。」
アーロンの指摘にレジーニアは苦笑しながら答え、アンリエットは申し訳なさそうな表情を浮かべて答えた。
「両カルバード州どころか、”ゼムリアの全国家の人々に発表される計画”って相当大がかりな計画だろうけど、どんな計画なんだろう…………?」
「なるほどな…………恐らくその”計画”とやらは俺達の今回のバーゼル出張の件での”GIDの事情”の一つでシェリド公太子殿下すらグラムハート総督に”暗に牽制”されて知ることができなかった情報の件だろうな。」
カトルが考え込んでいる中あることに気づいたヴァンはそれを口にした。
――――――そちらは機密事項だ。君たちは”一切”気にしなくていい。
残念ながらそちらについては私もまったく知らないくらいだ。総督閣下に探りを入れたら”暗に牽制”されたくらいでね
「あ…………っ!」
「バーゼルへの出張の件に関する事情であの眼鏡野郎が答えを誤魔化しやがった件か。」
ヴァンの話を聞いてそれぞれ心当たりを思い出したフェリは声を上げ、アーロンは真剣な表情で呟いた。
「…………その、貴重な意見や情報を話して頂き本当にありがとうございます。それよりも話をアルマータやキャラハン教授の件に戻しますが………ヴァンさんが”兵器との戦闘はリィンさんの専売特許”みたいな事を言っていたことについても気になっていたのですが、あれはどういう意味なんでしょうか?」
複雑そうな表情で黙り込んでいたアニエスは気を取り直してリィンに感謝の言葉を口にした後話を変えた。
「言葉通りの意味だ。リィンはその気になればいつでも”兵器が相手でも互角以上にやり合える相棒”をいつでも呼ぶことが可能なんだよ。」
「”兵器が相手でも互角以上にやり合える相棒”とは一体…………」
「その口ぶりだとさっき呼んだ女連中じゃねぇようだが…………」
「もしかして…………”騎神”の事ですか?」
アニエスの疑問に答えたヴァンの答えの意味がわからないフェリとアーロンが眉を顰めている中、心当たりがあるカトルは目を丸くして推測を口にした。
「え…………」
「さすがにハミルトン博士の門下生であるお前さんは知っていたか。」
「ヤン兄もそうですがキャラハン先生も”騎神”に一時期興味を抱いていた時期があって、その時に”騎神”という存在を教えてもらった事があるんです。」
カトルが騎神の存在を知っている事に驚いたセレーネが呆けている中ヴァンは感心した様子でカトルを見つめて指摘し、指摘されたカトルは苦笑しながら答えた。
「”騎神”に興味を抱いていたというと…………やはり、”機甲兵”のような新型の人型兵器の開発の為か?」
「いえ、その頃にはカルバードにも既に”機甲兵”の存在が知れ渡っていましたから、”騎神”を参考にした人型兵器を開発した所で”機甲兵”の二番煎じになる事は二人とも理解していましたから、”騎神”の”転移”や”準起動者システム”もそうですが”兵器でありながら意志がある”という部分に注目していたようです。」
「なるほど。”転移”や”準起動者システム”もそうだが、”造られた存在が意志を持っている”事にしても、何らかの新型兵器の開発の参考になるだろうね。」
「レ、レジーニアさん。」
リィンの質問に答えたカトルの答えを聞いて納得した様子で呟いたレジーニアの言葉を聞いたアンリエットは冷や汗ををかいた。
「えと……その”キシン”という存在は何なのでしょうか?」
「話の流れから察するに、3…………いや、4年前のエレボニアの内戦時に登場した”機甲兵”っつう人型兵器が関係している事から察するに、その”機甲兵”の元になった兵器…………いや、”造られた存在でありながら意志がある”って言っていたから、古代遺物(アーティファクト)の類か?」
「ハハ、話だけでそこまで推測できるなんて、中々の洞察力じゃないか。」
「ええっ!?という事はリィンさんはその”騎神”という”古代遺物(アーティファクト)”を所有されているのですか………!?」
一方話の内容が理解できていないフェリは首を傾げ、真剣な表情を浮かべたアーロンの推測にリィンが感心した様子で肯定するとアニエスは驚きの表情で声を上げた。
「”騎神”は厳密に言えば古代遺物(アーティファクト)ではないが…………似たようなものだと解釈してもらって構わないよ。それに起動者(ライザー)は俺以外にも数人いるから、先ほどヴァンさんにも言ったように兵器との戦闘は何も俺の専売特許という訳じゃない。」
「”起動者(ライザー)”とは一体…………?」
リィンの説明を聞いて新たに気になる言葉が気になったフェリが不思議そうな表情で首を傾げた後リィン達が”起動者”や”騎神”についての軽い説明をした。
「”起動者”とは”騎神”によって”選ばれた乗り手”で、その”選ばれた乗り手”達が”試練”を乗り越える事で”騎神”に認められる事で正式なその”騎神”専用の”乗り手”、ですか。」
「んで、その”騎神”は全部で7体あるって事は、当然”起動者”とやらも7人いて、アンタもそうだが煌都の件に関わったエースキラーの連中――――――アームブラストもその一人とはな。」
「しかもあの”槍の聖女”様まで、その”らいざー”という存在だなんて…………」
説明を聞き終えたアニエスやアーロン、フェリはそれぞれ真剣な表情で呟き
「すまない、一つ訂正しておく部分があった―――――先ほど”騎神は7体存在していると言ったが、確かに3年前は騎神は7体存在していたが現在存在している騎神は6体”だから、当然”起動者”も6人しかいない。」
「”3年前は騎神は7体存在していたけど現在存在している騎神は6体”って…………も、もしかしてその消えた1体は3年前の”大戦”の件で…………?」
静かな表情で答えたリィンの説明を聞いて何かに気づいたカトルは不安そうな表情でリィンに訊ね
「…………ああ。ちなみにその消滅――――――いや、俺を含めた起動者達や戦友達との戦いによって機体ごと討伐されたその騎神の”起動者”はエレボニア帝国宰相――――――ギリアス・オズボーンだ。」
「お兄様…………」
「ええっ!?」
「3年前の”大戦”を勃発させ、世界を”終焉”へと導こうとした”元凶”であるかの”鉄血宰相”が…………」
「ちょっ、それって僕達みたいな一般人が知ったら不味い情報なんじゃ…………!?」
リィン自身にとって様々な複雑な事情があるオズボーン宰相の名前をリィン自身が口に出したことにセレーネが心配そうな表情でリィンを見つめている中アニエスは驚き、フェリは真剣な表情で呟き、カトルは表情を引き攣らせて懸念を口にした。
「”鉄血宰相”が”騎神”の”起動者”だったって情報は”裏”ではそれなりに知られている上そもそも”鉄血宰相”自身も先の大戦で既に死亡しているから、そんなにヤバイ情報じゃねぇよ。当然黒月もそうだが、GIDやマルドゥックの連中も知っているぜ。」
「ハン…………その”騎神”とやらを見てねぇから何とも言えねぇが、その”騎神”とやらは”起動者”が呼べば離れていてもその場に現れるんだろう?そんでシュバルツァーがその”騎神”とやらの乗り手なら、サルバッドの時のようにアルマータの連中を追い詰めてもまんまと逃げられる事を許す羽目にはならなさそうだな。」
カトルの懸念に対してヴァンが苦笑しながら答えた後、あることに気づいたアーロンは鼻を鳴らして真剣な表情でリィンを見つめて呟いた。
「あ…………っ!」
「バーゼルの件にも既に彼らの飛行艇が確認されていますから、もし彼らを追い詰める事ができたとしても、サルバッドの時のように飛行艇による襲撃で救出される可能性は十分に考えられますね。」
「ああ。生身の俺達からしたら飛行艇による機銃攻撃は脅威だが、”騎神”にとっては飛行艇の機銃程度じゃ大したダメージにならねぇ上飛行による追撃もできるから、その時が来たら頼むぜ、リィン。」
アーロンの推測を聞いたフェリは声を上げ、アニエスは不安そうな表情で懸念を口にし、アニエスの懸念に頷いたヴァンは口元に笑みを浮かべてリィンに視線を向け
「ええ、相棒(ヴァリマール)の運用も含めてルシエルが考えてくれた今回の”策”は”アルマータの幹部達を確実に捕縛できる”予定なので、その時が来たら任せてください。」
ヴァンに視線を向けられたリィンは静かな表情で答えて頷いた。
その後時折襲い掛かってくる魔獣達を協力して撃破しながら先を進んでいたヴァン達はついにキャラハン教授達の潜伏場所である”オールト廃工場”に到着した――――――
既にお気づきのようにこの物語のリィンは原作と違って相当な地位にいる事に加えてカルバードはクロスベルの属州の為(つまり、グラムハートはスターテイカー計画を始める為にはヴァイスやリウイ達上層部に説明、許可を貰わないといけない為、その流れで総督の一人であるリィンにもリウイ達メンフィルの上層部から計画内容は知らされている)既に界のスターテイカー計画の事は知っている上ヴァイスやリウイ達に関してはグラムハートが自分達にも隠しているレーヴァテインの方も把握…………というか某至宝のリークによって結果も含めて既に把握、並びに対策に向けて動いていることになっています(え)なので、気の早い話ですが界編は光と闇の軌跡の碧編のように原作とはかけ離れたエンディングになる予定です。え?界の原作の続きは書かないのかって?まず、その界の続きが発売してもらわないと…………というか空FCフルリメイクが出たんだから多分来年はSCフルリメイクで、再来年は多分ザナドゥ新作でしょうから当分界の続きの新作発売は期待できないと思っています
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| 第71話 | ||
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