真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 今傍に行きます 第6話
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真・恋姫無双アナザーストーリー 

雪蓮√ 今傍に行きます 第6話

 

 

 

 

「それじゃ、私こっちだから〜」

 

「ええ、また明日ね優未」

 

「優未さんまた今度ね」

 

「むふふ〜また今度ってことはまた会ってくれるんだね、北郷君♪」

 

「え、あ、そ、そうだね」

 

「こら、優未!一刀をからかわないの!」

 

「は〜い、雪蓮におこられちった♪」

 

「は、はは」

 

一刀は苦笑いを浮かべて頬をかいた

 

「あ、そうそう、北郷君」

 

「え、なに?」

 

優未は雪蓮に聞こえないように一刀に話した

 

「ちゃんと雪蓮の家まで送り届けるのよ〜」

 

「え、うん、そのつもりだけど」

 

「ならよし!」

 

「優未?一刀に何を話したのよ」

 

「ふふ〜ん、雪蓮には内緒よ♪ね、北郷君」

 

「え、あ……うん」

 

「怪しいわね」

 

「おおっと危ない、雪蓮に苛められる前に退散だ〜、じゃぁね〜雪蓮、北郷君〜」

 

「逃げたわね、ほんと、逃げ足だけは速いんだから優未は」

 

「ははは、優未さんらしいね」

 

二人は走っていく優未を見送っていた

 

「ふぅ、危ない危ない、危うくまたほっぺたを抓られるところだった」

 

優未は汗をかいてないが汗を拭う仕草をした

 

「さてっと、そろそろ出てきてもいいですよ、卑弥呼様」

 

「ふむ、そうか」

 

すると電信柱の後ろから卑弥呼が出てきた

 

「こんな所で定時報告ですか?出来れば家で報告したいんですが」

 

「わしは一向にここでも構わないのだが」

 

「私が構うんです!」

 

優未は額に手を当ててうな垂れた

 

「ねぇ、ママーあの人へーん」

 

「こら!そっちを見ちゃいけません!早く来なさい」

 

「は〜い」

 

「……」

 

「ふむ、わしの美徳センスに付いて来れんようではまだまだのようだの、そうは思わないか太史子義よ」

 

「え!?あ、そ、そうですね!は、ははは!はぁ〜」

 

優未は顔を引きつらせながら卑弥呼に同意をした

 

「と、とりあえず!部屋に行きましょう!ね!ね!」

 

「うむ、仕方ないのでは先に行っておるぞ」

 

「はい、わかりま、し……たぁ!?ちょ!卑弥呼様!待「ふん!」って〜〜〜〜!!」

 

卑弥呼は優未が言い終わる前に空に飛び上がってしまった

 

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「遅いではないか太史」

 

「はぁ、はぁ、そ、そりゃ飛び上がれば、は、早いでしょうよ、はぁ、はぁ」

 

優未は肩で息をして床に倒れていた

 

「ふむ、ならわしが抱きかかえて一緒に行けばよかったかもしれんの」

 

「それだけは結構です!」

 

優未は速攻で卑弥呼の申す出を断った

 

「そ、それより報告しましょう!」

 

「そうだな、では聞こうではないか」

 

「はい、で「ちょぉっとまつのよん!」……」

 

優未が報告を始めようとしたところに新たな野太い声が聞こえてきた

 

「ふんぬ!ご主人様と雪蓮ちゃんのことを私が聞かないわけにはいかないのよぉん」

 

「はぁ〜、理事長も聞いていいですから」

 

「もう優未ちゃんったら貂蝉ってよ・ん・で♪」

 

貂蝉は体をクネクネと揺らしていた

 

「と、とりあえず報告しますんでそこで踊らないでください」

 

「わかったわん、もう、優未ちゃんって意外とシャイなのね」

 

「はぁ〜疲れる……ごほん!じゃ、気を取り直して」

 

優未はここ最近起きた雪蓮のことに付いて報告した

 

「ふむ、その頭痛はちと気になるのう、どう思う貂蝉よ」

 

「そうねぇ、記憶の枷が外れることによる反動かもしれないわねぇ」

 

「ふむ、貂蝉も同じ意見か」

 

「それはいいことじゃないですか!」

 

「そうとも言い切れんのだ」

 

「どういうことですか?」

 

「記憶が戻ろうとするたびに頭痛が起きるとその分脳に負担がかかてしまうのん」

 

「徐々に思い出すならばその頭痛も酷くは無いだろう、だが……」

 

「だが、なんですか?卑弥呼様」

 

「過去の記憶……ここでは、転生前の記憶と言えばよいのかその記憶が一気に思い出された場合、下手をすれば頭痛の痛みに耐えられず死んでしまうかもしれない」

 

「そんな!な、なんとかならないんですか!」

 

「こればっかりわねぇ〜お師匠様どうおもう」

 

「そうだな……少々やつの知恵を借りてみるか」

 

「あら、もしかして管輅ちゃん?」

 

「うむ、あやつなら何かいい手があるかもしれん」

 

「あら、でも今違う外史で占いしてなかったかしら?」

 

「問題なかろう、それに管輅も北郷一刀に興味があるようだしな」

 

「あら、ご主人様は私のものよん」

 

「違います、雪蓮のです!」

 

「あら、優未ちゃんたらいけずねぇ」

 

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「いけずじゃありません、北郷君は雪蓮と一緒にならないといけないの!」

 

「優未ちゃんったらそうやっていつまで自分の気持ちを隠すつもりなのかしら?」

 

「か、隠すって何ですか、私は別に……」

 

「なんだ、太史は北郷一刀のことが好きなのか」

 

「あら、お師匠様知らなかったのん?」

 

「うむ、そんな素振りを見せなかったのでな」

 

「どぅふふ♪お師匠様もまだまだね」

 

「む!貂蝉に言われてしまうとは、わしもまだ修行が足りないようだ」

 

「そんなことより!雪蓮は大丈夫なんですか!」

 

「そのことについては管輅と話してからだな、とりあえず太史は孫策殿の監視を続けるのだ」

 

「わかりました、でも監視じゃありませんから、あくまで友達として見守ります」

 

「わかった、では任せたぞ」

 

卑弥呼は雪蓮の部屋から出て行った

 

「んもう、お師匠様ったら相変わらず物騒な言い方をするのね」

 

「……そうですね」

 

「でも漢女としてはとても認めているわ、なんせ私のお師匠様だもの」

 

「それはどうでもいいです、ところで理事長」

 

「んもう、貂蝉って呼んで♪」

 

「ち、貂蝉様は雪蓮のことどう思っているのですか?」

 

「雪蓮ちゃんのこと?そうねぇ〜ご主人様を独り占めできてうらやましいわん」

 

「そ、そう言うことじゃなくてですね……」

 

「どぅふふ、わかっているよ、まぁ、記憶を封印されたことについては私は関与して無いからわからないけれどぉ」

 

「わからないけれど?」

 

「きっとご主人様がなんとかしてくれるわよ」

 

「北郷君がですか?」

 

「そうよ、なんたって女の子が困ってることを見逃せない人だものきっと大丈夫よ」

 

「そうですね……」

 

「あらん?随分と残念そうな顔をするのね優未ちゃん」

 

「え!そ、そんなことないですよ?」

 

「うふ♪優未ちゃん」

 

「な、なんですか……」

 

「ご主人様に告白しちゃいなさいよ」

 

「……は?はぁぁぁあああ!?な、なに言ってるんですか理事長!」

 

「うんもう、理事長じゃなくてちょ・う・せ・んよ、そんなに驚くことかしら?」

 

「そ、そりゃ驚きますよ!どうして私が北郷君に告白を!?」

 

「それはね、優未ちゃんが北郷君の事が好きだからよ」

 

「そ、そんなことないですよ!それに北郷君は雪蓮と一緒に!」

 

「それは目的ではないでしょ?目的は雪蓮の記憶を戻すことよ、恋仲にすることじゃないわ、記憶を戻す過程で恋仲になるならそれはそれでいいのよ」

 

「……」

 

「でも、優未ちゃんがくっ付ける理由はないのよ」

 

「わかってますよ……」

 

「ならいいのだけれどぉ、とりあえず、自分のことをもう少し考えたほうがいいわよん」

 

「……」

 

優未はなにも言わず俯いていた

 

「それじゃ、私も行くわね……ぶるぅぅぁぁああ!」

 

貂蝉はベランダに出て窓を開け飛び立った

 

「はぁ、相変わらずだな理事長は……」

 

優未はベランダの窓を閉め外を見つめた

 

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「本当にいいの一刀?」

 

「別にかまわないよ、女の子を一人で帰すのは危険だからね」

 

「ほんとにそれだけ?どうせ優未に言われたからとかじゃないの?」

 

「それもあるけど、雪蓮は綺麗だから変な虫がつかないようにね」

 

「え?」

 

「……」

 

一刀は顔を赤くして頬をかきながら明後日の方向を見ていた

 

「……」

 

(い、今綺麗だからって言ってくれたのよね?え?それってどういうこと?え?え?)

 

雪蓮と一刀は一言も喋らなくなってしまい雪蓮の家まで着いてしまった

 

「こ、ここが私の家だから……」

 

「そ、そうなんだ、それじゃ俺はこれで」

 

「うん、またね」

 

(がちゃ)

 

「あら?」

 

「げ……」

 

玄関の扉に手をかけようとしたら突然開き中から母親が出てきた

 

「あら、雪蓮今帰ったの?ところでそちらのかたは?」

 

「あ、どうも、北郷一刀です」

 

「あらあらご丁寧にどうも、雪蓮の母です、雪蓮がお世話になっております」

 

「そ、そんなことありません、雪蓮は俺の一つ上ですし、こちらがお世話になってるくらいですから」

 

「あらそうなの?」

 

母は雪蓮を見てニコニコ笑った

 

「な、なによ母さん」

 

「なんでもないわよ、うふふ、雪蓮がね〜」

 

「だからなによ!」

 

「ほらほら、彼氏が居るのに怒ったらダメよ」

 

「「えええ!?」」

 

二人は声をそろえて叫んだ

 

「ちょっと!なんで一刀が彼氏なのよ!」

 

「だってあんたが家に男の子を連れてくるなんて一度も無かったじゃないかい」

 

「だからってそんなこと言ったら一刀が迷惑するでしょ!ね!」

 

「え?あ、う、うん?」

 

「なんでそこで疑問系なのよ」

 

「ふふふ、随分と仲も良いようだし今日はお赤飯かしら?」

 

「もう!母さん!」

 

「はいはい♪母さん夕飯の買出しに行って来るから」

 

母は笑いながら買い物に出かけた

 

「もう母さんたら、ごめんね一刀」

 

「別に気にして無いよ、それに少し嬉しかったし」

 

「え?」

 

「な、なんでもないよ、それじゃ俺は帰るね」

 

「ええ、今日はありがとうね」

 

雪蓮は帰る一刀を見送った

 

「な、なによこれ!?」

 

「だって雪蓮の記念すべき日だもの」

 

その夜、雪蓮の食卓には赤飯と鯛のお頭が並んだとか

 

「だって嬉しかったんだもの〜うふふ♪」

 

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「はぁ〜」

 

一人マンションのベランダで溜息を吐く優未

 

『それはね、優未ちゃんが北郷君の事が好きだからよ』

 

「私って北郷君の事が好きなのかな〜」

 

一人考えてみるが答えは出ない

 

「確かに北郷君は優しいけど誰にでも優しいからな〜」

 

「ああ〜もう!わけわかんないよ!こんな時は寝よう!寝てスッキリしよう!それがいい!」

 

優未は勢いよくベットに潜り込み眠りについた

 

――翌朝

 

「うぅ〜眠い……」

 

「随分と眠そうね優未」

 

珍しく通学の途中で優未と会い一緒に学園に登校する雪蓮

 

「ん〜昨日中々寝付けなくて〜」

 

ベットに潜り込んだものの中々眠りにつけず寝付けた時には2時を回っていた

 

「授業中寝るんじゃないわよ」

 

「えぇ〜きっと無理〜」

 

「はぁ、とりあえず授業が始まるまで保健室で仮眠とったら?」

 

「ん〜そうしよっかな〜雪蓮も一緒に保健室に行こ〜」

 

「もう、仕方ないわね」

 

「あれ?雪蓮に優未さんおはよう」

 

「あら一刀おはよう」

 

「北郷君!?」

 

「昨日はごめんね、うちの母さんが暴走しちゃて」

 

「あはは、すごいお母さんだったね」

 

「き、昨日なにかあったの?」

 

「それがね、雪蓮の母さんが俺のことを雪蓮の彼氏と間違えて嬉しくなっちゃってさ」

 

「その後が大変だったのよ、本当に晩ご飯がお赤飯だったんだから」

 

「そ、そうなんだ、あ!私用があるから先に行ってるね!それじゃ!」

 

「あ、優未!……どうしたのかしら急に?」

 

優未は二人を残し一人学園へと走っていった

 

「はぁはぁ、何してるんだろ私、一緒に学園に行けば良いのに……ん?うわ!危ない!」

 

「きゃ!」

 

「あいたたた、ごめんなさい!大丈夫で、すか……へ?」

 

「ちょっとちゃんと前を見て歩きなさいよ」

 

「ごめんなさい、急いでいたもので」

 

「あらそうなの?だったらなお更前を見て走ることね」

 

「……」

 

「なによ、人の顔じろじろと見て」

 

「あ、いえ!知り合いに似ていたもので」

 

(てか似すぎでしょこれはどう見ても!)

 

「あら、それは光栄ね」

 

少女は立ち上がりスカートについた埃を払う

 

「それよりも人に当たっておいて謝るだけなのかしら?」

 

「え、他になにかありますか?」

 

「そうね……あなた結構可愛いわね」

 

少女は目を細め獲物を獲たかのように口の端をあげ微笑んでいた

 

「そ、それはどうも……」

 

(まずい……なにがどうまずいかって動物的勘が逃げろと囁く位まずい!)

 

「あれ、優未?先に行ったんだじゃなかったの?」

 

「雪蓮!丁度良いところに!北郷君も一緒に行くよ!それじゃ!さっきはごめんなさい出した!」

 

「え!?ちょっと優未!?」

 

「な、なんだ?優未さん!そんな引っ張らないで!」

 

優未は二人の手をとり全力で走り去っていった

 

「あら残念、結構可愛かったからお茶で誘おうかと思ったのだけれども」

 

少女は走り去っていった方を見て面白そうに笑っていた

 

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学園に着き一刀と別れた二人が保健室に向っていると雪蓮がさっきのことについて聞いていた

 

「どうしたのよ急に先に走って行ったと思ったら今度は一緒に走り出すなんて」

 

「いや〜それがさっき居た人にぶつかっちゃってさ〜」

 

「まさかそれで逃げてきたんじゃないでしょうね」

 

「そんなことしないよ!謝った後、私の見る目が変わっちゃってさ〜なんていうの?食べられちゃうような感覚っていうかさ〜」

 

「わけわからないわよ、とにかくちゃんと謝ったのよね?」

 

「それはもちろん!」

 

「ならなんの心配も無いんじゃないの」

 

「だといいんだけど」

 

「取りあえず予鈴がなるまで仮眠してなさい、保健室の先生には言っておくから」

 

「うん、ありがとう雪蓮」

 

「いいのよ、取りあえず私も保健室に居るから」

 

「うん」

 

「あらん?二人とも保健室の前でなにしてるのん?」

 

「え”り、理事……貂蝉様なんでこんな所に?」

 

「あらん、私はこの学園の理事長なのよ、学園の見回りよ、み・ま・わ・り♪」

 

「そ、その格好でですか」

 

「あら、この格好は私の正装よん、どう?いかしえるでしょ?」

 

貂蝉はサイドチェストをして胸をピクピク動かした

 

「そ、そうですね……」

 

二人は引き気味に後ずさりをした

 

「そんなことよりも、雪蓮ちゃんと優未ちゃんは保健室の前でなにをしてるのかしらん?」

 

「え?あ、その優未が寝不足で少し保健室で寝かさせてらおうかと」

 

「あら、そんなこと?だったらいい考えがあるわよ」

 

「い、いい考えですか?」

 

「そ♪今から理事長室に来なさいそこならもっとゆっくり眠れるわよ、もちろん1時限目の担当教科の先生には私から言っておくわ」

 

「え、でも……」

 

「あら、いいじゃない、1時限ゆっくり眠って2時限目からちゃんと受けられるなら」

 

「え〜!?」

 

(こ、こんなマッチョと一緒に1時間半も居られないよ!)

 

「ぶぅるぅぅぁぁああ!誰が変態ムキムキマッチョですとぅぇぇええ!」

 

「きゃ!?」

 

「そ、そんなこと言ってませんよ!てか人の心の中勝手に読まないでください!」

 

「あらん、立派な漢女になれば心を読むことなんてぇ簡単なことなのよ、さ、優未ちゃん行きましょうね」

 

「いやぁぁああ!雪蓮助けて〜」

 

「がんばるのよ優未!」

 

「ひど!雪蓮の鬼〜」

 

「あら酷いわ、私は化け物じゃないのよ、それにあなたに話しておきたいことが出来たから丁度良かったわ」

 

「うぅ〜話って何ですか?」

 

「今朝ぶつかった少女のことよ」

 

「……!」

 

「どうやら思い当たる節があるようね、詳しいことは理事長室に着いてから話しましょう」

 

「わかりました……それより、放してくれませんか?自分で歩きますから」

 

「わかったわ」

 

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理事長室に着き貂蝉は備え付けの電話で職員室に優未のことを伝えた

 

「さて、これでゆっくり話が出来るわ」

 

「私としては少し眠りたいんですけど、手短に出来ますか?」

 

「いいわよ、どうせご主人様のことを考えて眠れなかったんでしょ?」

 

「う”……」

 

「どぅふふ♪いいのよ悩みなさい、それはあなたに許された権利なのだから、話がそれたわね、今朝優未ちゃんがぶつかった少女は紛れも無く、あちらの世界の人物よ」

 

「やっぱり、どういうことなんですか?この外史に来てるのは雪蓮と私それと理事……貂蝉様たちだけなのでは?」

 

「そのはずよ、ただ例外はあるわ、それはこの外史を作った人物……つまりは正史の人」

 

「正史の人があの人を呼んだってことですか?」

 

「そうなるかしらね、どうやら性格もあちらの外史のままのようだから」

 

「だから私を口説こうと?」

 

「ええ、そしてちょぉっと調べてみたんだけどどうやらすでにご主人様とは結ばれた関係になっていたのよ」

 

「それってどういうことですか?」

 

「つまりはこちらの世界でも好きになってしまう可能性があるということよ」

 

「っ!?そんなのダメです!」

 

「あら、どうして?」

 

貂蝉は優未を見て微笑んだ

 

「だ、だって!北郷君は!北郷君は……」

 

「雪蓮ちゃんとくっ付かなきゃだめって言いたいのかしら?」

 

「……」

 

「いい加減そうやって逃げ道を作って諦めるのはよしなさい優未ちゃん」

 

「別に逃げてなんか……」

 

(そうよ別に逃げてるわけじゃないもの、北郷君の事は別になんとも……)

 

「……ふぅ、まあいいわ、私の話はこれでおしまいよ、優未ちゃんは授業が終わるまでそこのベットで寝てなさい、私はまた学園の見回りに行ってくるわ」

 

そういうと貂蝉は理事長室から出て行った

 

「はぁ、というか昨日、理事長があんなこと言うから今日はまともに北郷君の顔見れて無いじゃないの」

 

「そりゃ、あんなこと言われて意識しないほうがおかしいけどさ」

 

優未はベットに横になりながら色々考えていたが次第に眠気が勝り眠りについた

 

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「ん〜快調快調!」

 

「そりゃ3時限分寝たんだもの当たり前よね」

 

「えへへ面目ない」

 

「はぁよくそんなに寝れるわね」

 

「それがさ〜理事長室のベットがフカフカで気持ちよくてさ〜」

 

「はいはい、ほら帰るわよ」

 

「あぁ!待ってよ雪蓮!」

 

学園の校門に差し掛かった時一人の人影が二人の前に現れた

 

「やっと現れたわね、もう帰ってしまったのではないかと思ったわ」

 

「あなたは、確か今朝の」

 

「あら?覚えていてくれたのね?それは光栄だわ、でも、今は貴女ではなく隣の人に用があるのよ」

 

「え、えへへ……なんでしょうか?」

 

「あなた、名前は?」

 

「ちょっと、人に名を尋ねる時はまず貴女からなのものよ」

 

「それもそうね、私は華澄 琳、学年は2年よ、で貴女は?」

 

「私は天音雪蓮、3年」

 

「私は音無優未、同じく3年」

 

「あらやっぱり年上だったのね、でもそんなことはどうでも良いわ」

 

「どうでもいいって……」

 

「貴女は黙っていてくださるかしら?天音先輩?」

 

「……」

 

雪蓮に華澄 琳と名乗った少女を睨みながら黙っていた

 

「さて、音無先輩?今朝の話の続きなのだけれど」

 

「は、はい……」

 

優未はじわりじわりとにじり寄ってくる琳に後ずさりをして距離を保っていた

 

「今朝貴女はぶつかったわよね?」

 

「ぶ、ぶつかったけど、あ、謝ったじゃない」

 

「ええ、謝ってもらったわでも私は謝るだけ?と応えたわよね?」

 

「そ、そうだったかな〜覚えて無いな、あはは」

 

「そう♪なら今ここでもう一度言いましょう、謝るだけなら猿にでもできるわ、誠意を見せなさい」

 

「うぅ……」

 

優未は雪蓮に助けを求めるような目を見せていた

 

(まったくもう……世話の焼ける)

 

「ちょっと華澄さんと言ったかしら?」

 

「ええ、なにかしら?」

 

「あなた、人に誠意を見せろって言ってるけど、誠意は強要するものではないわ」

 

「……雪蓮ぅ〜」

 

「別に強要したつもりは無いのだけれど?」

 

「したつもりは無くても傍から見ればそう見えるのよ」

 

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雪蓮と琳の間には見えない火花が散っていた

 

「あれ?二人してなにしてるの?」

 

「なんや、なんや女どうしの喧嘩か?」

 

そこへなんの事情も知らない一刀と及川が現れた

 

「一刀」

 

「北郷君」

 

「だれよあなた」

 

三者三様の答えが返ってきた

 

「えっと、はじめまして俺は北郷一刀、2年生だ」

 

「私は華澄 琳よ学年は2年」

 

「わては「で、北郷はこの二人の何なの?」……ぐすん」

 

及川は一人隅で地面にのの字を書いていた

 

「何って友達だけど」

 

「あらそう、なら今二人と話し合いの最中だから消えてくれるかしら?」

 

「そんなわけにはいかないよ、雪蓮も優未さんも困ってるみたいだからほっとけないよ」

 

「あなた、私が誰だか知っていて言っているのかしら?」

 

「知らないよ」

 

「な!?」

 

華澄は信じられないと言わんばかりに呆気にとられた

 

「か、かずピー!ちょっとこっち来な!」

 

「な、なんだよ及川」

 

「華澄琳ちゅうたらあの華澄コーポレーションのご令嬢や!」

 

「説明ありがとう、どう?私がどんな人物かわかった?」

 

「わかったけど、それがどうしたの?そんなの関係ないよ」

 

「っ!?……言うじゃない、この名前を出して言い返したのはあなたが初めてよ」

 

「そりゃどうも、で、何があったの?雪蓮」

 

「それが……」

 

雪蓮は事の顛末を一刀に話した

 

「なんだ、謝ったんならそれで良いじゃないか」

 

「でしょー!私もそう思うんだよね!」

 

優未は一刀に同意されて嬉しそうに一刀の腕に飛びついた

 

「ちょ!優未さん!?」

 

「ええな〜かずピー」

 

「ちょっと優未!離れなさい!」

 

「貴方たち、私を無視するとか良い度胸ね」

 

「あ、ごめん、でも優未さんは謝ったんだからそれでいいんじゃないかな」

 

「そうはいかないわ」

 

「ならどうすれば許してくれるんだ?」

 

「そうね……」

 

華澄はしばらく考えた後、目を細めニヤリと笑った

 

「そうね、北郷、あなたが私の相手をしなさい」

 

「は?」

 

「な、なんでそうなるのよ!」

 

「そうだよ!北郷君には関係ないじゃん!」

 

「だって、貴女が拒否するのだものだったら北郷に相手をさせるまでよ」

 

「だからって!そ「別にかまわないよ」一刀!?」

 

「雪蓮や優未さんに迷惑がかからないなら俺はそれでかまわないよ」

 

「賢明な判断ね、なら次の休みの日、駅前に来なさい」

 

「わかった、時間は?」

 

「そうね……10時にしましょう」

 

「わかった、10時に駅前だね」

 

「ふふふ、覚悟しておきなさい」

 

華澄は踵を返して一刀たちから去って行った

 

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「北郷君ごめんね、私のせいで……」

 

「気にしなくていいよ、俺が勝手にしたことなんだから」

 

「でも……」

 

「いいからいいから、優未さんは笑ってるほうが可愛いんだから笑っててよ」

 

「……うん!えへへ」

 

「まったく、一刀はもう少し考えて行動しなさいよ」

 

「んーでも、悪い人じゃなさそうだし」

 

「どこをどう見たら悪い人じゃないのよ、あんな意地悪してるのに!」

 

「ははは、優未さんは優しいな、でも大丈夫だから俺に任せてよ」

 

「う、うん……」

 

「うん、それじゃ一緒に帰ろうか」

 

「……うん!私こっち〜♪」

 

「ちょっと!優未!」

 

優未は一刀の右腕に抱きついた

 

「ま、また!?」

 

「えへへ〜羨ましいだろ〜♪」

 

一刀は苦笑いを浮かべながらも優未を払い除ける事はしなかった

 

「……ふん、べ、別に羨ましくなんて無いわよ」

 

「ええな〜かずピーは……そうや!えっと天音さんやったか?わての腕に抱きつかんか?」

 

「却下よ……って、あなたまだ居たの?」

 

「ひど!かずピー!わて傷ついたわ!」

 

「そんなこと言われてもな……人それぞれ好き嫌いがあるから俺にはなんとも言えないな」

 

「うぅ〜かずピーのいけず〜」

 

(ぽん)

 

「なんや?……」

 

「これはこれは北郷様に及川さんじゃありませんか」

 

「あ、あのなんでわて肩掴まれてるん?」

 

「あら、もうお解かりでしょ?北郷様、お友達を少々お借りしても良いでしょうか?」

 

「かずピー助けてや!」

 

「すまん、俺にはどうすることも出来ない」

 

「では参りましょうか、皆さん行きましょう」

 

及川は数人の女の子と学園へと戻っていった

 

「北郷君良かったの?」

 

「いや、なんかものすごい威圧感があって」

 

「あはは……確かにあったね、大丈夫かな及川君」

 

「私なんてとっくに帰ってたと思ったのに」

 

「雪蓮それ酷くない?及川君かわいそ〜」

 

「だ、だって影が薄いんだもの仕方ないじゃない」

 

「いや、十分に濃いと思うぞ雪蓮」

 

「う……いいのよ!さ!帰りましょ!」

 

「し、雪蓮!?引っ張らないで!」

 

雪蓮は一刀の手をとり無理やりに引っ張り出した

 

「あぁ!待ってよ雪蓮に北郷君!」

 

優未は引っ張られる一刀を追いかけるように学園を去って行った

 

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葉月「はい!今回のお話は如何だったでしょうか」

 

雪蓮「あの新キャラ誰よ!私と一刀の邪魔をするなんて!」

 

葉月「呼んでる人は直ぐに判ると思いますけどね、名前なんてそのまんまに近いですし」

 

雪蓮「そんなことはどうでもいいのよ!あの女!一刀とデートだなんて!私だってまだしてないのよ!?」

 

葉月「ちょ、雪蓮さん、首絞めながら振らないで……」

 

雪蓮「ふん!で?」

 

葉月「げほ、げほ……で?とは」

 

雪蓮「今後の展開よ!」

 

葉月「そんなの言えませんよ、当たり前で……おっと雪蓮さん?その南海覇王をしまいましょうか」

 

雪蓮「ふふふ……葉月がこの後の展開を教えてくれたらしまっても良いわよ」

 

葉月「……きっと言ってもしまわない展開なんで逃げます!」

 

雪蓮「あらそう……逃がさないわよ!」

 

優未「あらら……様子を見に来れば追いかけっこしちゃってるよ」

 

琳「ふん、さっさと言ってしまえばいいのよ」

 

優未「きっと言っても結果は変わらないと思うな〜」

 

琳「ところで、次は確か個別ストーリーだったかしら?」

 

優未「だね〜、ちぇ、いいな〜北郷君とデートだなんて」

 

琳「ふふ、たっぷりこき使ってやるわ、そして私の魅力にメロメロにしてやるわ」

 

優未(魅力って……胸も無いのにどうしろと?)

 

琳「何か言ったかしら?」

 

優未「な〜んにも言ってませんよ」

 

琳「……ふん、どうせあるだけ邪魔よ」

 

優未「……自分の胸を押さえて言っても説得力ないですよ」

 

琳「う、うるさいわね!あんたはでかすぎなのよ!」

 

優未「え〜そんなことないも〜ん」

 

葉月「貧乳はステータスだ!希少価値だ!」

 

琳「っ!うるさいわよ!待ちなさい!葉月!」

 

優未「あらら……追いかける人が増えちゃったよ……って、絶まで取り出してるし」

 

琳「ちょっとあなた!挟み撃ちにするわよ!」

 

雪蓮「命令しないでくれる?でも、いいアイディアね、それ乗ったわ!」

 

葉月「ひぇぇええ!なんと卑怯な!」

 

優未「……自業自得、だね、さて、そろそろ良いお時間なのでこれにてお開きにしちゃいましょ〜」

 

雪蓮「はぁはぁ、また見に来なさいよ!……待ちなさい!葉月!」

 

琳「私の話はちゃんと見るのよ!葉月!逃がさないわよ!」

 

優未「……とのことなんでみんな、また見てくれると嬉しいよ、それじゃ!またね〜〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

及川「ぐすん……わての活躍出来る日はいつになるんや!」

 

貂蝉「あんら、いつでも私の中では活躍しているわよ及川ちゃん♪」

 

及川「その声は……ぎゃーーーー!」

 

貂蝉「ああん、待って〜〜!ぶるるぁぁぁああああああ!」

 

及川「ぎゃーーーー!追いかけてきたーーー!」

説明
少し早めに帰れたので完成させました
今回は前回のお話の続きになります
新キャラも出ているのでお楽しみください
読めば誰だか判ると思います
そして、誤字報告や応援してくれる方々ありがとうございます。
これからもがんばって書かせていただきます。
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コメント
nameneko様>華琳は私の中で恋姫キャラ中、5本の指に入る好きなキャラですよ!(葉月)
華琳変わってないっす(VVV計画の被験者)
華琳っすね。雪蓮√っすけど華琳は好きっす(VVV計画の被験者)
華琳やな。なぜ余計な人まで出てくるんや~♪ここは雪蓮のルートやたんじゃないんか?(杉崎 鍵)
及川、ガンバガンバですよ。(ブックマン)
読み方は「かすみ りん」でいいのかな? ここの華琳は魏√の記憶を持ってたりするのかな? 次回も楽しみだぜ〜♪(峠崎丈二)
華琳さんまで・・・所で、華琳さんの名前なんて読むの?(シュレディンガーの猫)
華琳まで来ちゃったよwと、いうことはまさか桃香も?(まーくん)
まぁ、なんだ……華琳さんや。 日本の国内法には、刑法に脅迫罪ってのがありましてな……いくらあなた様でも、法には逆らえますまい。(Degradation)
髪はストレートなのですか!?デフォ髪ですか!?と言うより及川・・・結局こういう役なんですよねww(ほわちゃーなマリア)
あの人定番の「下着売り場デート」はあるのか!?(燐)
うーむ、ここで『あの人』が、展開が読めなくて面白いです。 どうなるのか、次回の更新楽しみにしてます。(出雲猫)
華琳か華琳なのか!(rababasukan)
及川、南無(ー人ー; 影は薄くないぞ?雪蓮は年相応になってるのに優未はでかいのかぁ〜。そりゃ華琳も出てきちゃうよw 次回は一刀と華琳のデートと追跡組の…次回もニヤニヤが止まりませんな!!(自由人)
更新お疲れ様です。優未さんもそろそろ一刀君への気持ちが強まっているようでニヤニヤさせていただきました。…と思ったら今度は魏ルートの『あの人(わざわざ伏せなくても良いと思いましたが)』が出てくるとはややピンチですね。強力すぎるライバルですが、雪蓮さんファイトです。次回更新も楽しみにしています。(レイン)
まさか、ここで華琳登場とは! 修羅場に突入は間違いないですね。及川が空気なのは・・・もうデフォルトでしょうね・・・。(Nyao)
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