藍夜行
説明
 夜空のもと、さらに捜索範囲を広げることとし、捜索機が水平線を目指して進んでいく。
 コックピットはほとんど僅かな計器の蛍のような光を覗いて漆黒を保ち、遭難船舶のセンサー反応をひたすら探すパイロットとともに、めいいっぱい後ろに取り付けられたエンジンからかすかに聞こえるマシンノイズのなか、沈んでいる。
 その後ろ、上下に大きい窓を前にした捜索員席でも漆黒は保たれている。捜索員は香料を増倍させる双眼鏡を持っているが、それでも人間の目はよくできていて、遭難者が界面に流す着色標識を発見することはある。
 そのカーテンの後ろでは赤い室内灯の中、捜索指揮官による捜索状況の検討がつづいている。
 機の真下では衝突防止灯が明滅し、翼端では航空灯が赤と緑に点灯する。尾翼をテラスのまた航空標識としては必要なことだ。
「まだか!」
 遭難者が消息を絶ってから、必死の捜索がつづいている。
 戦う相手は、時間。

#本当はビジネスジェット機を書いたのですが、せっかくだからとShade11のボリュームライトの試験を兼ねて夜景にしてみました。
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航空機  捜索機 SF ライト 救難 

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