真・恋姫†無双〜三国統一☆ハーレム√演義〜 #21 山越反乱鎮定|北郷一刀強化作戦!
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建国から一ヶ月が経った九月。

一刀は先帝・劉協の義兄弟となって真名を預かり。

仲間達と更に友誼や愛情を深めていった。

 

その九月末。

誘拐した曹仁の妹らを人質に、華琳の殺害を企む事件があったものの、新たな『仮面』の正義がそれを阻止したのだった。

 

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建国より二ヶ月が過ぎ、十月に入った。

 

『和』の支配力は急速に大陸全土へ広がりつつあった。

 

『天の御遣い』が治めるという風聞による、安定した治安。

一刀の政策は、庶民の暮らしを重視している為、尚更に庶民の人気は高まる一方であった。

無論、漢王朝時代に隆盛を誇った者や、三国鼎立時代の既得権を奪われる形となった元有力豪族などからは、少なからず反発もあったが、最早彼等の力では時流に逆らうことが不可能であることは明白だった。

 

銅銭という経済基盤は三国同盟期に既に安定しており、国内の流通は発展の一途を辿っている。

流通を促す方策は順調で、旧魏領の農作物、旧呉領の外交貿易の輸入品、旧蜀領の数々の特産品が大陸中を駆け巡る。

モノが動けばカネも動く。それはそのまま税収となり、国庫を潤すことになるのだ。

特に収穫期を過ぎたことで、巨額の税収を得た『和』王朝は更に基盤を強固なものとした。

 

冊封された諸外国も、上位でありながら強権を振るわない大国との貿易に(当然自国の富強に有用であるが故に)積極的になり始めた。

 

また、何といってもその軍事力は凄まじいの一言である。単純に人数だけで比しても、諸外国の全ての人口(非戦闘員含む)を足して、ようやく『和』の兵数に届くかどうか、という程である。

(第三次五胡戦争において、五胡軍の雑兵(特に鮮卑の騎馬隊)は、殆どが某神仙の『傀儡兵』だったのである)

仮に諸外国や内部で反乱を起こそうとも、一瞬で掃討されるのは目に見えていた。

 

 

しかし、人間は感情で動く生き物でもある。

 

 

十月の初頭、旧呉領・揚州で山越(長江下流南岸の山間にあった多数の少数民族の総称)の反乱が勃発した。

彼等は、かつての孫呉をそのまま吸収した形である『大和帝国』に恭順することを善しとせず、民族全滅の覚悟を以って挙兵したのだった。

 

 

 

/『大和帝国』軍 軍議天幕

 

今回の征伐に参加した将は、旧呉将(蓮華、小蓮を除く)と愛紗、星、秋蘭である。

挙兵規模は五十万。対する山越六万(女子供含む民族殆どが兵士として徴発されていると情報があった)の八倍強である。

 

これ程の大軍を率いたのには幾つかの理由があった。

建国以来初となる、相応規模の反乱であり、国家基盤が磐石であることを周囲に示す目的があること。

この五十万の大半は正規兵だが、経験の浅い兵が多く、実戦を経験させる目的があること。

諸外国に対しての睨みは十分であり、国内外に連携・同期した軍事行動が見られないこと。

『大和帝国』の外縁にあたる地域にも、兵力は十二分に配置されていること。

 

そして。

 

 

「俺が皇帝である以上――何が何でも、最終的には話し合いで解決する」

 

 

皇帝たる北郷一刀自身が出陣していることである。

 

「全く。こんなに腰の軽い皇帝陛下はお前以外に類を見ないだろうよ」

 

秋蘭が呆れて言うが、一刀は気にも留めない。

正直、この程度の規模の反乱に、大国の支配者が自ら出陣することなど(余程の理由がなければ)有り得ない。

 

「これは『天の知識』だけど。山越は、呉王・孫権が度々の反乱に頭を悩ませることとなった相手だ。出来る限り……この機会で根本的にケリをつけておきたいんだ」

「それは朝廷でも聞いたがな……」

 

一刀の出陣に反対していた官僚・諸将も、この一言で口を噤むこととなったのだった。

 

「亞莎。今回の作戦は、時間をかけると互いの損耗が大きくなる。いけそうかい?」

「はい。先遣した明命の諜報部隊によりますと……」

 

山越は、少しでも官軍に傷をつけんと、山林でのゲリラ戦法と、峡谷の細い川での突撃艇の急襲を主な戦術に選択しているらしい。

 

「……成る程。つまり此方から攻めなければ、無駄な戦闘を抑えられそうだね」

「はい、その通りです。一刀様のお望みを叶える為に……出陣前にご説明した通り、“『八陣図』による包囲網”によって、まずは膠着状態を作り出します!」

 

自信を持って献策した亞莎に、一刀のみならず、呉の将・軍師たちも笑みで応えた。

 

「み、みなさん? どうして私を見てお笑いになるのですか……? 私の献策に、おかしい点でも……」

「いやいや、見事な采配だと思うよ……と俺が言っても説得力ないなぁ」

「ふふっ、お前もすっかり一人前の軍師ということだ」

「そうですねぇ。立派になって。おねえさんは嬉しいですぅ♪」

 

口々に褒め称(そや)す面々に、亞莎は赤面してその長い袖で顔を隠してしまった。

 

「もももも勿体無いお言葉です……////」

「亞莎はホントはにかみ屋さんだな〜♪」

 

一刀が亞莎の前髪を梳いてやると、彼女は尚更縮こまる。その様子に、一同からも(生)温かい笑みが零れた。

 

「ふぅ。それにしても今回は我等、孫呉の尻拭いをさせるようで、少々気が引けるな」

「そうじゃのう。しかも“説得”が目標とは。我等の帝にも困ったものだ」

「ふふっ、いいじゃない。そんなことは一年以上も前から分かっていたことだもの♪」

 

旧呉勢の年長者ら、冥琳・祭・雪蓮の会話中、明命が天幕へと入って来た。

 

「報告致します! 全軍、作戦準備整いました!」

 

「お疲れ様。――それじゃあ、往こうか」

 

一刀は愛しき仲間達へとそう宣言した。

 

 

 

明命たちの諜報通り、山越兵の基本戦法は山や森を利用した奇襲だった。

 

これに対し官軍は、その圧倒的兵数を以って周辺地域を包囲。一戦地の兵数が多少薄くとも、強大な経済力を背景とした錬鉄製武装による『八陣図』は、文字通り無敵に近い防衛力を発揮していた。

 

――そう、防衛力である。

 

官軍は、山越を支配地域ごと包囲しながらも、『八陣図』によって防衛のみを行ったのだ。

ゲリラ戦法は、謂わば“不意討ちのカウンター”である。攻め込んで来ない相手には効力が薄い。

突撃艇による急襲も、元呉国水兵を中心に構成された優秀な水軍には敵わなかった。

 

膠着したと思わせる戦況。

山越の民達に広がる、何故攻めて来ないのか、という疑心。

何より、そもそも山越兵を疲弊させているのが、この戦場そのものである。

 

この状況は、戦場となる範囲が広いだけで“籠城戦”と変わりないのだ。

山越と連携する外部の援軍がない以上、周囲を包囲する官軍には十分な兵站があり、補給線も確保されている。

対して山越は、その支配地の殆どを包囲されている。

 

この時点で山越の方策は、攻めて来ない理由を諜報し対抗策を考案するか、玉砕突撃するかの二択となっていたのだ。

しかし、玉砕特攻しても効果が薄いのは、これまでの戦況を鑑みれば一目瞭然。

故に、山越軍はその動きを止めてしまっていた。

 

そして官軍、即ち一刀の狙いは、この膠着状態での諜報活動だった。

 

 

 

「報告します! 敵拠点を発見しました!」

「よし! 流石だな、明命!」

「はぅあ〜、ありがとうございます!////」

 

疲弊し硬直した山越兵をすり抜け、明命を初めとした呉の間諜が山越軍の本拠地を探し出していたのだ。

 

「ふむ。途中の兵の配置はどうだ?」

「はい! 正面は幾重かの罠と待ち伏せがあります。しかし……」

 

冥琳の質問に、明命が地図をぐねぐねとSの字になぞった。

 

「この道順ならば、寡兵なら罠を回避しつつ強行突破可能と思います!」

「拠点の兵数は、どの程度まで見られた?」

「大半が山林に散らばっている状態です。いきなり拠点が襲撃されることは想定されていないのだと思います!」

 

亞莎の質問にもはきはきと答える明命。

 

「ならば『鋼鉄陣』の兵を中心に、少数精鋭の部隊を編成し、強襲しましょう。その後ろから、『大盾陣』の兵を順次送り込み、防衛線を築きます!」

「うむ。私も亞莎の策に賛成だな」

「よぉーし……じゃあ」

「はいはい、一刀は最後に来てね。まずは土地勘がある呉兵を中心に、私達が出るわ。後ろをお願いね、星」

「うむ、任された」

「となると、愛紗は俺の護衛。冥琳と秋蘭は包囲軍指揮、祭と思春で水軍指揮かな?」

「はっ! 全身全霊を以ってお守り致します!」

「(なんか思春っぽいよ、愛紗……)あ、ありがとう。宜しく、愛紗」

「周囲は既に膠着状態だ。何とでもなる。……気をつけろよ、北郷」

「一刀様……御武運を」

「ああ。往ってくるよ。なぁに、愛紗がいるんだ。何も心配は要らないさ」

「勿論ですとも!」

 

気合を入れる愛紗を余所に、冥琳が旧呉の将達へ向き直る。

 

「さて、では作戦開始といこうか。……雪蓮、先鋒だからって余り燥(はしゃ)がないで頂戴ね?」

「……ぶー……」

「そう不貞腐れるな、策殿。気持ちは儂も同じですぞ?」

「……祭殿!」

「……(嘆息)」

「はいはい、さっさと往きましょ!」

 

 

敵拠点が判明するや、官軍の中でも鋼鉄製装備を身に纏った少数精鋭部隊が、明命の指定したコースを進軍。

一点突破で敵拠点までの道を作る。そして、その後を身の丈もある盾を持った槍兵と弩兵が防衛線を作っていく。

 

山越軍側からすれば、自陣の中に敵軍の駐屯地が出来るようなものだ。

 

ここに至り、山越はゲリラ戦の為に分散していた兵を呼び戻すことも出来ず、本拠地を攻め落とされたのだった。

 

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「くぅ……殺せ! 呉の者共に下げる頭はない!」

 

拘束されているのは、山越の大将であった族長。周囲には将と思しき者達も共に拘束されている。

全軍へ玉砕突撃の命令を下す前に本拠地を攻め落とされ、最早族長は死を望んでいた。

 

そんな彼等の前に一刀が姿を現した。

 

「貴方が山越の長ですね。お初にお目に掛かります。『大和帝国』皇帝、北郷一刀です」

「な、なに!? 貴様が、噂の『天の御遣い』か! こんな前線まで出て来ていたとは……!」

 

元より国力・軍事力に差があり過ぎる戦いである。

『和』王朝からすれば、旧呉軍の将と軍師を数人送るだけで討伐可能であった筈。

そんな中、皇帝自ら出陣して来たことが、山越の族長には信じられなかった。

同様に周りの山越の将達も驚愕に声を上げていた。

 

「戦に敗け、死を望むのは武人として潔いとも言えますが。それでよいのですか」

「知った風な口を利くな!」

「しかし、兵はまだともかく。民はどうするのです」

「我等は、我等一族は! 仇敵たる孫呉に一矢報いねば、死んでも死にきれぬ!」

『そうだ! その通りだ!』

 

族長の怨嗟に、周囲の将達も声を上げて同意した。

 

「――ふざけるな!」

「!?」

 

それまで丁寧口調で、穏やかとも言えた一刀が、山越族長の台詞と、それに同調した将らに激昂した。

 

「あなたは山越の長、つまりは“王”だろう! 王たるものが、民の未来を安んじることを軽視するのか!?」

「我等の安らぎは孫呉の滅亡の先以外にない!」

「それは本当に山越という複数民族の集合であるあなた達の総意なのか! 平和を求める者は、誰一人いなかったのか!?」

「我等は長らく孫呉と刃を交えてきたのだ! その恨みを忘れろと抜かすか!」

「もう、争いが争いを呼ぶ戦乱の世じゃあないんだ! 憎しみを呑み込むのは……そりゃあ辛いだろうけど! たとえ将や民に恨まれようとも、その先に平和を見い出すことは、一族の長であるあんたの役目だろう!」

「なん、だと!?」

 

もう一刀は敬語も止め、皇帝という立場すらかなぐり捨てて叫んでいた。

そこにいたのは、戦国乱世を生き抜いた、一人の男。

 

「劉備も、曹操も、そして……孫策、孫権も! 誰もが天下泰平を夢見て戦った! 血塗られた道の先に平和が在ると信じたからこそ、彼女達は戦った! かつてはあんただってそうだった筈だ!」

 

一刀は族長の目から、自身の目を逸らさない。

 

「戦乱での恨みはさぞ大きいんだろう! だが、この戦の先に、あんたたちの平和はあるのか!?」

「……そ、それは……」

 

一刀の問いかけに答える者はない。

 

「武人としての誇りは分かる。だけど、戦の先に、民に安らぎを、平和を与えられないなら……戦うんじゃない!」

「ならば、ならば敗者はどうしろというのだ!? 搾取される側に、玉砕覚悟で戦う以外の道があるというのか!?」

 

戦うなと言う一刀へ、族長は叫んだ。そして、それこそが――山越の民の総意に違いなかった。

そして、その言葉こそが、一刀の聞きたい言葉だった。

 

「――道がないというなら、創ればいい!」

「な、なに!?」

 

一刀は断言する。

 

「武人としてどうしても戦いたいなら、関雲長とでも、孫伯符とでも戦わせてやる!

 けど……俺達が、『和』というこの国が、山越の民から搾取さえしないなら、戦う必要は何処にもないだろう!?

 山越のみんなが平和を求めるなら、俺と――俺の仲間たちと一緒に、共存という“道”を創れる筈だ!」

 

傲岸不遜とも言える一刀の言葉。

 

その言葉に山越の族長も、将も。誰もが沈黙した。

子を、親を、愛する者を呉の民に殺された者がいる。それは事実だ。

だが、逆もまた真なり。呉の民もまた、山越の民によって殺された。

ただ、最終的に“強者”となったのが孫呉だったというだけだ。

 

戦乱の時代ならば、強者は弱者の全てを搾取・略奪し、更なる戦いに備えただろう。

そして残るのは、弱者の怒りと恨み……“怨嗟”だけ。

 

だが、それは群雄割拠の戦乱時代であったからこその理屈。

 

 

「もう、“怨嗟”が“怨嗟”を呼ぶ戦乱の時代は終わったんだ! どうか、どうかその“怨嗟”を呑み込んでくれ!

 俺達と一緒に、平和な世界を創ってくれ!」

 

 

最後、一刀はまるで懇願するように叫んだ。

 

「……ならば、『天の御遣い』よ。答えてくれ。俺達は、これからどうやって生きていけばいい――?」

 

もう、族長からも。周囲の将からも。戦意は全く感じられなかった。

 

「――好きに生きればいいさ。俺達の国で生きるなら、都市に出稼ぎに来たっていい。

 ここに残るなら、田畑を耕してもいいし、これだけの山なら狩りを生業にも出来るだろう。

 操船技術があるなら、河や海に出て、船乗りや漁師になるって手もある。

 税は貰わなきゃ困るが、もし搾取なんてする奴がいたなら、そんな奴は官職から追放してやる!

 ウチとしては困るけど、どうしても自立したいと言うなら、『国』を建てるしかないな。

 ウチとの兼ね合いもあるし、領土とか問題も苦労も多いだろうけど……本気なら、手伝うくらいは出来るさ」

 

“前”を向いてくれた族長たちへ、一刀はそう言って笑い掛けた。

 

「な、なんなんだ、それは……訳が、分からねえよ……」

 

力無く呟く族長の目からは、涙が溢れていた。

 

 

 

一晩の協議の結果、山越は官軍に全面降伏した。

民族としては、『和』の国民――つまり漢民族――に吸収されることとなった。

 

もう山越と呼ばれる民族は、いない。

 

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「全く! ご主人様は一旦言い出したら梃子でも意見を変えて下さらないのですから!」

 

山越の反乱を平定した戦の帰り。

馬上にて、一刀は愛紗の説教を喰らっていた。

 

「い、いや。あの場で説得するのに、俺以外がいちゃ駄目だろう?」

「幾ら全員を拘束していたとしても、万一ということもあるのですよ!?」

「は、はい……(“慈恵雷者(じぇらいしゃ)”クラスの怒りが溜まってるみたいだなぁ……)」

「聞いておられますか、ご主人様!?」

「ハイ! 聞いてます!」

 

 

その様子を二、三馬身後ろから見ている星と穏。

 

「はっはっは。愛紗は相変わらずだな。仲裁に入ってもよいのだが。まぁ偶には主にも反省して戴かねばな?」

「本当ですよぉ。お一人で説得だなんて、心臓に悪すぎですぅ。それにしても愛紗ちゃん、凄い剣幕ですね〜。あれが噂に聞く“慈恵雷者(じぇらいしゃ)”ですか?」

 

「“慈恵雷者(じぇらいしゃ)”ってなに?」

 

そこに割り込んできたのは雪蓮だった。

 

「うむ。嫉妬に駆られて暴走中の愛紗を、主がそう呼んでいたことがあってな。以来、旧蜀の者は荒れている愛紗を、そう呼ぶようになったのだ」

「へー。不思議な響き。当て字なのは分かるけど、ありがたいのか不吉なのか、はっきりしない名前ねぇ」

「雪蓮様? ……愛紗ちゃんはこの呼び方を凄い嫌ってるそうですから……穏が言っていたということはご内密にお願いしますぅ……」

「あら。こんなところで穏の弱み、握っちゃった♪」

「雪蓮様ったらぁ! ……そんなことを仰るなら、もう冥琳様から逃げてる時に庇って差し上げませんよ?」

「や、やだ! それは困る〜〜(汗)」

 

 

そんな様子を更に後方から見ている二人組。

 

「穏様って、私と同じで目が悪くてらっしゃるのに、瞳が大きくって可愛いなぁ……胸なんて比較にならないし……羨ましい……」

「はぅあ!? 亞莎は、まだ目付きのことで悩んでいるのですか?」

「……うん。明命もそうだけど、やっぱり一刀様もああいう女の子っぽい娘が好きなのかなって……」

「ええっ!? わ、私なんて、とても可愛いと呼べる程では……。……穏様の胸は……(ゴゴゴ……)」

「……明命こそ、どうしてそこまで胸に拘るの? 私より大きい癖に……」

「は、はぅぅ……そ、それはぁ〜……」

「なんじゃい、つまらん話をしとるのう」

「「祭様!?」」

 

女の子談義っぽい会話に割り込んだのは、旧呉の宿将・祭。

 

「子明も軍師なら、逆境を好機に変えてみせい。眼鏡を買うなどと口実を作り、北郷を街に誘うとかな。幾らでも手はあるじゃろうに」

「わ、私から一刀様を、お、お誘いするなんて……お、畏れ多くて出来ません!////」

「かぁーーっ! 情けない! それでも元は孫呉の一兵か!」

「で、でも祭様。やっぱり、私達から誘うのは勇気が要るのです……////」

「ええい、幼平もか! 揃いも揃って情けない! ぬしらとて、皇后として既に北郷の寵愛を受ける身であろうが!」

「そ、そんな大声で!?////」

「さ、祭様ぁ〜! 恥ずかしいですぅ……////」

「ねんねじゃあるまいし、少しは策殿を見習えい! 隙在らば北郷を取って食おうと虎視眈々と狙っておられるぞ!?」

「そ、それは……」

「ちょっと表現が悪いのでは……?」

 

思わず突っ込んだ若輩二人である。

 

 

「はぁ……帰り道とはいえ、緊張感のない……」

「全くだ……」

 

後方で溜息を吐くのは、苦労性の冥琳と秋蘭であった。

数十メートルは離れている筈だが、ここまで愛紗の説教と祭の大声が聞こえていた。

 

「しかし、愛紗の言も尤もだ。よくもまあ孫呉の仇敵とも言える山越を“説得”しきったものだ」

「うむ。実は本人に同じことを言ってみた」

「ほう。奴はなんと?」

「『時代が違うだけで、大したことは言ってない』、だそうだ」

「……成る程な。確かに今や戦乱の時代ではない。とは言え……」

「ふふ。謙虚な男だよ」

「それも確かだが。実際、危険な橋を渡ったのも事実。これを知れば蓮華様もさぞ言葉を荒らげるだろう」

「うむ、それもそうだな。政務で精一杯ではあるが……少々“武”を仕込んだ方が良いかな?」

 

「ほほう。此方は面白そうな話じゃのう♪」

 

いつの間にやら、前方から祭が後退して来ていた。

 

「祭殿は如何思われますか?」

「ふぅむ。以前、奴の稽古姿を見たことがあるが、筋は悪くない。……案外、鍛え甲斐があるやも知れん」

「ほう、意外な評価ですな。と言っても、旧魏内だと……姉者や季衣では、下手をすると殺してしまうので」

 

怖いことをさらりと言ってのける秋蘭。

 

「応、儂に任せておけ」

「祭殿。仮にもお相手は皇帝陛下。加減を間違えて怪我をさせたなどということのないようにお願いしますよ」

「くっくっく……分かっとる、分かっとる♪」

 

喉を鳴らして笑う祭。

 

(駄目だ、全く分かっておられんな、これは……すまん、一刀)

 

今頃一刀は背筋に悪寒を感じているだろう。

胸中で謝罪する冥琳であった。

 

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「あ、あのー……」

「なんじゃ?」

「なんで俺、刀持たされて、祭と向き合ってんの?」

 

十月中旬。山越の反乱も平定し、また日常の政務にせっせと取り組む一刀だったのだが。

急に秘書である桃香と蓮華から、『本日から御政務四日のうちの二日間、夕刻から鍛錬の予定が入ります』と言われたのだ。

因みにこの時代では、五日につき一日の休日が普通である。

 

(そういえば……建国以来、碌に運動してないなー。健康の為にも二日に一遍くらい、夕方に軽く鍛錬するのもいいなぁ。よし、久々に素振りでもするか)

 

などと気楽に構えていた一刀だったのだが。

指定された修錬場に行くと。

待ち構えていたのは……すっっっごい笑顔で仁王立ちする祭だったのだ。

 

「うむ。山越の反乱平定の際、おぬしは儂らの反対を押し切り、一人で山越の首魁、将らと向き合ったな?」

「そ、そうだね」

「今後もそういったことがあった時、少しでもおぬし自身が対処出来るよう。また同様にそのような場合の儂らの心痛を和らげる為。そして何より……これからも、おぬしが刺客に狙われる可能性は否定出来ん。そこで……武官が交代でおぬしを本格的に鍛えることにしたのじゃ」

「え゛!? い、今……“本格的”って言った!?」

 

祭は一言で“武官”と言ったが、それはつまり、『三国志演義』の英傑達が寄って集って一刀をシゴくということで。

一刀は、血の気が引いていくのを自覚していた。

 

「そ、それは出来れば遠慮したいなー、なんて……」

「これは丞相たる華琳殿も承認済みの決定事項じゃ。最初は儂一人で教える筈だったのだが、他の連中から『不公平だ』と文句をつけられてしまってのう」

「……ソウデスカ……」

 

引き攣った表情で片言に返すのがやっとの一刀である。

 

「さて、まずは素振りを見せて貰おうか」

「――うっし! 覚悟完了、やったらぁ!!」

 

とは言え、彼も幼少より武道を習った人間であり、剣を直接交えたことはないとは言え、戦乱を生き抜いた男である。

そう発奮すると、刀を振り始めた。

 

ぶんっ! ぶんっ! ぶんっ! ぶんっ!

 

最初のうちは久々で感覚が掴めなかったのか、少々ブレがあったが、段々と型が決まり出して来た。

 

「ふーむ。足腰は安定しておるし、軸も固定出来ておるな。基本は習ったのか」

「元の、世界でも、やってた、からね!」

「ほう。天界でも、おぬしの居た国は特に平和な国と聞いていたが」

「言って、みれば、嗜み、みたいな、もんだ! あと、俺は、爺ちゃんに、ガキの、頃から、教わって、たんだ!」

「成る程のう。よし、そこまで!」

「ふぅ、ふぅ……あー、体力落ちてるなー……」

 

肩を上下させ息を整える一刀。

 

「うむ。基礎が出来ておるなら話は早い。後は身体を“武器を振るう為”に鍛え続け、実戦に慣れればよいだけじゃ」

「はぁはぁ……ん? いや、ちょっと待って。実戦に慣れれば?」

「くっくっく。そういえば、おぬしとはひとつ賭けをしておったのう?」

「賭け? ……ああ、俺が祭から一本取ったら、名前で呼んでくれるんだっけ……。てことはやっぱり……」

「さあ! かかって来い!」

「やっぱそうなるのかーーーー!?」

 

 

結局その日の訓練は。

一刀が祭の剣(当然刃は潰してある)にボコボコに殴られて気絶したことで終了した。

 

……

 

…………

 

「……祭殿。怪我をさせるなと、あれ程申し上げておいた筈でしょう!?」

「す、すまん。予想以上に良い動きをするものでな。調子に乗ってしまったというか……」

「言い訳無用ッ!!」

「……面目ない」

 

その晩。後宮の談話室では、冥琳による祭への説教が絶賛継続中だった。

 

「しかし、祭が手加減していたとはいえ、北郷が数合持たせる程に基礎が出来ているとは思わなかったぞ」

「ああ、姉者は北郷が武器を振るうところを見たことがないのだったな」

「明後日の担当は誰なのだー? 早く鈴々もお兄ちゃんと戦いたいのだー!」

「こら鈴々! これは、ご主人様をお鍛えするのが目的なのだぞ!?」

「これ……お目付け役も一緒じゃないと、ご主人様ヤバイんじゃね……?」

「うん。私もお姉様の言う通りだと思うな……。手加減出来ない脳筋もいるしぃ〜?」

「あぁ!? やるか、小娘!」

「止めんか、バカモノ共!!」

「でも……これからは二人一組でお教えしましょう。政務に影響しないようにしなくてはね」

 

 

ということで、以後は二人組で一刀の鍛錬は続行されることとなったのだった。が……

 

 

或る日は。

 

「よーし、今日はボクたちが相手だよー!」

「よろしくお願いします、兄様。えーっと、今日は回避訓練だそうです」

「……つまり?」

「ボクの『岩打武反魔』と流琉の『伝磁葉々』を避け続ければいいんだって」

「ちゃんと手加減しますから……」

「…………」

 

どかーん! ばこーん! ずどーん! ぼかーん!(以下、延々繰り返し)

 

「げふっ!?」

「に、兄様ーーー!?」

 

 

また或る日は。

 

「じゃあお兄ちゃん、いっくよー!」

「…………ご主人様、頑張る」

「ちょ、まっ! 誰だ、これ人選したのは!?」

「突撃、粉砕、勝利なのだーーーーーー!」

「…………死なないで」

 

「ぎゃぁぁぁぁぁーーーー!?」

 

 

また別の日。

 

「よぉし、準備はいいな、北郷!」

「ちゃんと手加減してくれよ、春蘭!」

「わかっている!」

「お前が即答したときの『わかっている!』は信用出来ない! いざと言うときは……助けて、秋蘭!」

「心配するな。……骨は拾ってやる」

「えーー!?」

「往くぞ! ――死ねぇぇぇぇい!」

 

ズドーーーーン!!

 

「のわぁぁぁぁ! ちゅーか、なんて掛け声だよ!?」

「ほお。体を崩しながらとは言え、今の一撃を躱すとは、想像以上だな。――大した“眼”と“判断”だ」

「言いながら、弓に矢を番(つが)えないで!?」

 

 

偶にまともな相手でも……。

 

「今日は乗馬訓練を兼ねての体力作りだってさ、ご主人様」

「いざという時には、馬で逃げることもありますからね」

(ああ、今日は翠と紫苑か……平和だなぁ……)

「まず、ご主人様は城の周りを回るように逃げてくれ」

「うん」

「後ろから、あたしが槍で攻撃するから。届かないように馬を走らせるか、上手く避けてくれ」

「え!? いや、『錦馬超』より速く馬を走らせるなんて出来る訳ないって!」

「わたくしも、更に後方から馬上射的で狙いますので。ちゃんと避けて下さいな」

「ちょっ!? 馬上で『曲張比肩』の矢を躱せって無茶だろ!?」

「さあ、いっくぜーー!」

「うふふ、頑張って下さいな♪」

 

なお、穂先や鏃はちゃんと潰されていた。

 

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訓練が始まって暫し。十月も下旬に入ったばかりのある日。

 

「……あなたたち。私が言いたいことが分かるわね?#」

 

その晩。後宮の談話室では、華琳による武官全員への説教が絶賛継続中だった。

 

実は一刀の鍛錬が始まって以来、一刀の政務ペースが明らかに落ちていったのだ。

 

「確かに、一刀を鍛えることには私が丞相として認めたけれど。政務の効率を悪化させるなんて、明らかに本末転倒でしょう!?」

 

何しろ毎日が筋肉痛、身体は青痣だらけ。手加減されているとはいえ、骨が無事なのが不思議なくらいである。

日によっては、寝台から起き上がることにも手伝いが必要だったり、筆を持つのも一苦労だったり、などという有様。

夜伽のハードさも加わって、一刀は常に満身創痍の状態だった。……それでも夜伽をこなせるのが、北郷一刀の恐ろしさか。

 

ともかく、流石に華琳も看過出来ないレベルになってしまったのだ。

 

「面目ない……。どうも北郷とじゃれておると楽しくてのぉ……」

「祭様! じゃれてるとか本音はせめて隠して下さい!?」

「それが武官たちの総意なのかしら?#」

「も、申し訳ございません! 華琳様〜〜!」

 

春蘭を初め、旧魏の将は平伏して平謝りに謝る。

他の武将達も、基本的には反省しているようだった。

 

「はぁ……。正規の訓練方法を確定させるか、回数を減らすか。とにかく、一刀がまともに政務に取り込める状態を維持出来るようにして頂戴」

 

華琳としては、言いたい点は正にその一点のみ。

常に一刀の周囲には護衛をつけているが、やはり万一の状況というものが起こる可能性は否定できない。

故に、一刀に強くなって欲しいと願っているのもまた本心であるのだ。

 

「鈴々は回数を減らすのは嫌なのだ……」

「そんなのボクだってそうだよ。でも、ボクもお前も兄ちゃん怪我させちゃったし……」

「うーん、でも複数の人間で教えていくとすると、訓練内容を確定させるのは難しいわねぇ」

「そうじゃな。各々の癖が出るからな」

「となると、回数を減らすしかないだろうな」

「…………残念」

「みんなが無茶するのがいけないんじゃん! たんぽぽはちゃんとやったもん!」

「お前は大量の罠を無理矢理突破なんぞさせて、結局お館を怪我させただろうが!」

「焔耶、余り興奮するな。これは連帯責任というものだ」

「もう、凪ちゃんは真面目っ娘なんだから〜」

「しっかしなぁ。そうなると一刀と遊べる機会が減ってまうんやなぁ……」

「ちょっ、霞姐さん!? 大将の前で、幾ら何でも“遊ぶ”はマズイんちゃう!?」

 

「……揃いも揃って……#」

 

場が混沌とし始めたとき。

この場に声を掛ける男がいた。

 

「此処だったか、みんな。実は一刀殿の訓練の件で、俺から提案があるんだが」

「華佗?」

 

これだけの武将、かつ皇帝正室に物怖じすることもなく話しかけたのは、『神医』華佗だった。

 

「おぬしが自らここまで入って来るとは珍しい。それ程に急を要する提案なのか?」

 

秋蘭の言う通り、華佗は医師学校の師としてだけでなく、御殿医としての官位も持つ。故に華佗は、後宮への出入り自由の権利を持っている。しかし、一刀に遠慮してか。或いは女だらけの場所が苦手なのか。今まで彼は、呼ばれない限り後宮に来ることはなかった。

また、先月に一刀へ真名を預けたことを発端に、その正室である彼女らとも真名を交換し合っている。が、華佗が真名で呼ばれることを嫌がった為、互いに姓名で呼び合うこととなった。

 

 

「ああ。まず、一刀殿の怪我なんだが、実は……重傷と言えるものが幾つかある」

 

 

『!?』

「――!!」

 

華佗の言葉に、武官達は言葉を失い。

華琳は凄まじい怒気を放つ。

 

「……詳しく話しなさい!」

「落ち着いてくれ、曹操。別に悪い話じゃない」

 

華琳の怒気に萎縮することもなく。一旦そう言い含めてから、華佗は続けた。

 

「正直、状況から聞くと骨に異常がないのがおかしかったり。明らかに内臓に損傷がある筈なのに、平気な顔をしていたり。そして、何と言っても……俺の鍼――五斗米道の治癒術が尋常でない効力を発揮する。俺も長く医者をやっているが、これ程の回復をみせた患者は初めてだ」

「……どういうこと?」

「結論を言えば。一刀殿は『氣』……『内功』に関して、類い稀な才能を秘めているのではないかと思うんだ」

 

『ええーーー!?』

 

「……成る程のう。確かに大した打たれ強さだとは思っていたが……その仮説が正しいならば、納得のいく話じゃ」

「そうですね。“眼の良さ”と“とっさの判断力”に驚いていたので……そちらには気が付きませんでした」

「ははぁ。よー考えてみれば、いくら華佗の治療を受けとるとはいえ、あんな細っこい身体で季衣の鉄球の直撃を受けて、その夜に女の相手が出来るなんて、常人にゃ無理やんなぁ」

「ま、真桜! そういうことは思っても口に出すな!////」

 

『氣』の使い手達――祭、凪、真桜――が華佗の意見に同意する。

因みに、真桜は祭や凪ほど氣の使用に熟練しておらず、『螺旋槍』など自身の発明品以外に使用するのは苦手としている。

 

さて『内功』とは、所謂『気功』と呼ばれる技術である。呼吸・血流・内臓など、身体の内部機能を鍛錬し、全身の経絡を巡る『氣』を自在に操る技法だ。

これに熟練した者は、肉体の外面的な力である『外功』――つまり筋力や勁――とは異なる強靭さを身に付けることが出来る(『内気功』と呼ばれる)。また『氣』を体外に放出することで、凪のような攻撃や華佗のような治療などに用いることも可能だ(此方は『外気功』と言う)。

 

 

「だから、まずは『気功』の修行――『錬功』を積ませるのが、安全な鍛錬方法なんじゃないかと思うんだ」

「……うむ。儂は華佗の意見に賛成じゃ」

「そうですね。上手くいけば、訓練回数を減らさないで済むかも知れません」

「……しかし、それでは暫くの間、教育係は祭と凪、真桜に任せるしかないな」

『ええーー!?』

「仕方ないだろう。意識的に『氣』を操ることが出来ない我々ではお教え仕様がない……お前達はよいではないか。私は仕事で、そもそも教育係になれないのだぞ……」

 

不貞腐れたように言う愛紗。

彼女は『大将軍』という、軍を統括する最上位の立場である為に、山越平定への出兵の後始末や、諸外国への防備計画など、仕事(の書簡)が文字通り山積みなのだ。……軍を司る上公である雪蓮はすぐにサボるし。

 

「……では、今後の一刀の鍛錬は一旦『錬功』に絞ります。その効果が認められ次第、また武術訓練も再開しましょう」

 

華琳がそう結論付け、各将へと命じて場を締めたのだった。

 

-7ページ-

「……という訳じゃ」

「はぁ……ようやくあの地獄から解放された訳か……やっぱ無理があったよなぁ」

「そういうことはもっと早う言わんか! お陰で儂は……孟徳殿に怒られた上に、その後、公謹めにまで散々絞られたのじゃぞ!?」

「無理だ無理だと何度も言ったよ!?」

「…………。まあよい」

「敢えて突っ込むのは止めてあげよう。実は『気功』には結構興味あったんだ♪」

「ほう、そうなのか? それは僥倖じゃ。やはり興味があった方が上達も早いからのう。では、『錬功』を始める」

 

言うが早いか、祭は一刀の目の前に人差し指を立てて見せる。

すると、その指先に光が点った。

 

「おおっ、光った!」

「流石は祭様。お見事な『一指頭禅』です」

「いっしとうぜん?」

「指先に氣を集中して放つ、『気功』の技法のひとつです。身体の内に流れる氣を指先に集中し外に放つ、つまり『内気功』、『外気功』双方の基礎であり、その奥義を包含すると謂われます」

「へぇ〜……」

「うむ。第一段階は問題ないようじゃな」

「え、もう!?」

「まず第一段階は、“氣を目で見る”ことじゃ。……意外にこれが出来ん者が多いのだがな」

「やはり隊長には素質がお有りになるのですよ!」

 

この一ヶ月少々で、すっかり一刀を“隊長”と呼ぶことに馴染んだ凪である。

 

「では第二段階じゃ。儂と凪で、おぬしの体内の氣を活性化させる。おぬしはそれを感じ取り、全身の経路に滞りなく流すのじゃ」

「外部から強制的に氣を増幅すると、大概“暴走”しますので。それを整えてください」

「うえ!? ……だ、大丈夫なのか……?」

「暴走すると、身体機能が著しく乱れますので……頭痛、嘔吐感、倦怠感などが表れます。でも、どんなに酷くても気絶程度で済みますから」

「…………そう」

「心配するでない。此方である程度、増幅する量を操作する。おぬしはまず、“体内の氣の流れ”――『内息』を感じることだけを考えよ」

「はぁい……」

 

 

という訳で早速実践である。

 

「気功の基本は放鬆(ほうしょう)と入静(にゅうせい)じゃ。心身ともに安定し鬆静(しょうせい)すれば、必ずや“体内の氣の流れ”を感じることが出来るじゃろう」

 

放鬆とは身体をリラックスした状態のこと。入静とは心が落ち着いている状態のことだ。

そして、心身ともに安定した状態を鬆静という。

 

「さあ、自身が最も安定すると思う姿勢を取れい」

「うーん、胡坐か直立かな?」

「最初は座った方がよいと思います」

「分かった」

 

一刀は凪の助言に従い、地面に胡坐をかく。

そして、一刀の背中側、腰の上辺りに凪が手を当てた。

 

「『氣』の微細な操作は、儂よりも凪の方が上手いのでな。増幅役は凪に任せる」

「恐れ入ります。……では、参ります!」

「お、おう!」

「はっ!」

 

凪が『氣』を発し、背中側から『丹田』に流入させ、一時的に一刀の体内の『氣』の流れを増幅する。

 

「「――!?」」

「おおっ! これかな? すっごいぐるぐる……あ、あれ〜〜〜!?」

 

体内を巡る“何か”を感じた一刀だったが、それが回るのに合わせるように、視界も回り始めた。

数秒と経たず、一刀は意識を失った。

 

……

 

…………

 

「……はっ!?」

「おう、気が付いたか」

「ああ……うぁ、だる〜〜……」

「やはりご気分が優れませんか?」

「うん、気だるい感じ。でも、そこまでじゃないな……というか、この体勢って……」

「ふふ……。特別じゃぞ?」

 

気絶している一刀を、祭が膝枕してくれていたようだ。

 

「う〜ん、これは起き上がるのが勿体無いなぁ♪」

「……そこまで回復しとるなら、続きじゃい!」

「あだっ!」

 

祭が見事な体捌きで、一刀の頭の下から自らの脚を引き抜いた。

その為、一刀はそのまま頭を落下させ、後頭部を地面に打ち付けることになってしまった。

 

「っつ〜。ちぇっ、もうちょっといいじゃんか。祭のケチ〜!」

「流石に人前で延々やる気はない」

「あー……」

 

そんな二人をじとーっと見ているのは、すぐ隣で不機嫌そうに体育坐りしている凪だった。

 

「……(ぶすー)」

「あ、あはは! 次に気絶したら、凪がしてくれな?」

「……私なんかより祭様の方が宜しいのでしょう?」

「ごめん! 怒らないで!?」

「くっくっく♪ 可愛い嫉妬心ではないか。さあ、再開するぞ」

「「……はい」」

 

 

そんなこんなで『錬功』再開である。

 

「しかし、華佗の言う通りじゃったな」

「そうですね、これ程とは……。華佗先生が“尋常でない”と表現された意味が良く理解出来ました」

「??」

 

二人の言うことが理解出来ない一刀は、視線で理由を尋ねた。

 

「凪が増幅したとはいえ、先刻のおぬしの『内息』の強さは……儂と同等に近しい程じゃった」

「そうなの? 俺ってそっちの才能ありそう?」

「うむ。これからの『錬功』次第では儂を上回るかもしれんぞ?」

「マジで!? よーっし! もいっちょいこうか!」

「……落ち着いて下さい、隊長。そのような興奮状態では『錬功』になりませんよ」

「おっと、そっか。まずはリラックス、リラックス……」

「「りら?」」

「ああ、心や身体をゆったりさせて落ち着かせることだよ」

「うむ、正にそれこそ『気功』の基本じゃ。しっかり励めよ」

「おう!」

 

気合を入れた一刀は、また胡坐をかいて全身の力を抜いた。

 

-8ページ-

一刀が『錬功』を始めた頃、十月の末。

 

とある知らせが国内を駆け巡った。

 

元蜀王・桃香と、その盟友たる愛紗、鈴々、三人の懐妊である。

 

この時代で既に『桃園の誓い』で有名であった三人の義姉妹の懐妊は、三国鼎立から三国同盟時代の『大徳』劉備の声望もあり、特に庶民層に広く喜ばれたのだった。

 

 

 

「あ〜〜、顔がにやけちゃうよぉ〜〜♪」

 

そんな言葉とともに執務室で蕩けていたのは『大徳』劉備こと桃香である。

 

どういう訳か、彼女は悪阻(つわり)の症状も殆どなく、精神的に不安定になるようなこともなかった。その為、執務を続行しているのだが。

別の意味でそのペースは明らかに遅くなっていた。といっても彼女の主たる仕事は、『太傅』として一刀を補助すること(本来ならば皇帝を導き国政に参与する職であるのだが)だったのだが、ここ最近の一刀の政務能力は目を見張るものがあり、桃香ではその助手が精々だったのである。

という訳で、元々の彼女の希望通り、最近は特に『中書監』として皇帝・一刀のスケジュール管理を主な業務としている。細かい調整は副官である『中書令』蓮華に任せきりであったが。

 

「(にへら〜〜〜〜) 駄目〜〜、勝手に顔がにやけるぅ〜〜〜〜」

 

その内に本当に溶けてしまいそうな程、ゆるゆるの上公様であった。

 

 

対して、悪阻の症状が酷いのが愛紗であった。

 

「ううぅぅ……」

 

間断無く愛紗を苛むのは、嘔吐感、全身の倦怠感、頭痛、食欲減衰、etc、etc……。『医聖』と謳われる張仲景がほぼ付きっ切りで治療にあたっている。

麗羽の秘宝による『湧泉真玉』による温泉の効能も、余り出ていない。もしかすると、そのお陰でこの程度で済んでいるという可能性も大いにあるが。

 

彼女は現在、既に『大将軍』を休職し、その仕事は『大司馬』(軍事を司る上公)の雪蓮と、『太尉』(軍事を司る三公)の冥琳に割り振られた。さしもの雪蓮も、この状況ではサボる訳にもいかず、冥琳にぐちぐちと言われながら執務・軍務をこなしている。

 

「……頭痛い……気持ち悪い……吐きそう……」

 

さしもの武神も、未知の不調に呻くばかり。見る者が同情を禁じえない惨状であった。

 

 

そして、最後の一人である鈴々は。

 

「むぐむぐ……! がつがつ……!」

 

何故か食欲が凄まじく増進されており、何かと言えば『お腹が空いたのだーー!』と言って、厨房を襲撃していた。

余り食べさせ過ぎるのも問題だろうと周囲が抑えたところ、今度は精神的にキタのか、暴れ出してしまった。

その為、現在の後宮では、常に食事の準備を行っているような状態である。

 

「おかわりなのだーーーーっ!」

「は、はい!」

 

 

 

そんな三者三様の様子を見て、美衣とミケ・トラ・シャムが何事か話している。

 

「にゃんと、子作りというのは大変なのにゃ。みぃ達も次の発情期の後にはこうなるかもしれんじょ?」

「……ちょっと怖いにょ……」

「でも、親分(鈴々のこと)みたいに、ずっと食べられるのは羨ましいにゃ」

「……にい様の子供……シャムも、かあ様(紫苑のこと)みたいになれるかにゃん?」

「「「シャムが、しおん(ははしゃま/はは)みたいに……」」」

 

シャム以外の三人は口を開けたまま、少々首を上に向け、想像している。

そして、三人は同時に口を開いた。

 

「「「無理だじょ(にょ/にゃ)」」」

「シャム、頑張るにゃん!」

「「「無理だじょ(にょ/にゃ)」」」

 

 

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ある夜の後宮の中庭。その東屋に、何人かの正室が集まっていた。

 

「あぐあぐ……」

「ま、まだ食べるの? 鈴々、お腹大丈夫?」

 

夕餉の直後だというのに、鈴々は肉饅頭を頬張っていた。何故かその隣では恋も一緒に頬張っていたが。

 

「も、もう。恋も食べ過ぎちゃ駄目よ?……ああ、でも……ま、まだ食べる?」

「ん(ぱくっ!むぐむぐ)」

「はぁぁぁぁぁぁん♪」

 

両手で自らの両頬を押さえ。悩ましげに悶える蓮華である。

 

「いつの間にやら、蓮華殿はすっかり恋の虜のようだな」

「正直、わたくしも魅入ってしまいそうだけれどね。うふふ……」

「しかしのぉ。まさか、月の次に御子を授かるのが、あの三人同時とはの」

「……何だか、運命的なものを感じてしまいますね……」

 

桔梗の言葉に、月は自らの腕の中の赤子を見ながら、そう呟いた。

 

『桃園の誓い』を交わした三人の義姉妹。その場に立ち会ったという『天の御遣い』北郷一刀。

その子供達が同じ時期に生まれるのは、庶民の間でも大きな話題としてしばしば口に乗るという。

 

「……愛紗の奴は大丈夫なのか?」

「あれ程酷いのは、わしも初めて見たわい。元々愛紗は神経質であるしな。そのあたりが災いしておるのやもしれん」

「仲景先生のお話だと、長くても三ヶ月で快癒する筈とのことでしたけど……」

「うへぇ、あれが三ヶ月か……。仕事どころじゃないもんな。雪蓮は怠業しないでちゃんと仕事してるか?」

「は、はい。最近は冥琳様がいつも以上に目を光らせてらっしゃるので……」

「うわ、怖……」

 

苦笑いで翠の疑問に答えた亞莎の言葉に、蒲公英が思わず零した。

 

「でも、やっぱ羨ましいよね〜。たんぽぽも早く赤ちゃん授かりたいな〜」

「そ、そうですね……////」

「次に御子を授かるのは誰になるのかしらね?」

「ふぅむ……とは言ってものう。夜伽が“当番制”で、しかも“子種”を授けられる権利まで決められておる以上は、あとは自身の“月のモノ”の時機次第、じゃからな」

「つまり、運次第ってことだよね?」

「そういうことじゃ。お館様にもう少し余裕がお在りになれば、朝駆けやら夜討ちやらで“回数”自体を増やしたりも出来るのじゃが」

「桔梗! かっ、“回数”とか言うなよ!////」

「ほんとにお姉様はいつまでたっても初心だよねぇ。呆れるのを通り越して感心しちゃう」

「……それ、バカにしてんのか!?」

「ほらほら、喧嘩しないの。……普通の男の方は、一夜に十人など相手には出来ないもの。いくらご主人様でも、これ以上は酷というものよ。仕方ないわ」

「……本当に、凄いんですね……////」

「あらあら。そうよね、亞莎ちゃんの知る男性はご主人様だけですものね♪」

「そっ、そう言う事は言わないで下さいぃ〜〜////」

「かっかっか! 良いではないか。最初の男があれだけの英傑であるなど、正に僥倖と言うものじゃ」

「――次などありません!」

 

からかうような桔梗の言葉に、亞莎が強い言葉で反論した。

一瞬、静まり返る東屋。

 

「……はっ!? も、申し訳ありません! 私のような若輩者が……!」

「くくっ、良い良い。この場の誰しもがそう思って居るよ。当然、わしや紫苑もじゃ」

「そうね。あの方と、こうして生あるうちに出会えたのは、本当に幸運なこと。わたくしが亡夫を愛していることは今も変わらないけれど。それでも、あの方とこうして愛を交わせることに、天へ感謝するばかりよ」

『…………』

 

年長二人の言葉に聞き入る若輩達。

 

「だからこそ、現実が怖くもあるでしょう。わたくしの亡夫――璃々の実父とて、かつての戦乱で死んだ一人。今や戦乱の時代でないとは言え、ご主人様には数限りない“敵”がいるのも事実」

「そうじゃ。愛する者がいる限り、“次”などあって堪るものか、喪って堪るものかと誰もが思う。じゃが、それでもなお現実は容赦などしてはくれぬ。ならばこそ……精一杯に愛し、愛され。自身の出来る限りを以って、お館様を護り、その“理想”を目指す」

「そうすれば……何が起こっても、前を向いて進むことが出来る筈よ。かつての戦でご主人様が崖に転落されたとき仰ったように。愛あらばこそ、如何なる現実をも打ち破り――“怨嗟”すら呑み込み、“進む”ことが出来ると。そう信じましょう」

「ましておぬしらは若い。人生を謳歌せよ。酒に酔い、美食に酔い、戦に酔い、愛に酔う――人生是快なり! はっはっはっはっは!!」

「もう、桔梗ったら結局それなの? ようやっと泰平への道筋を創り始めたのだもの。臣として、ご主人様の“理想”のお手伝いは勿論だけれど。“女”としては、早く月ちゃんのように“結晶”が欲しくなるわよね♪」

「……そうですね。この子が。これから生まれてくる全ての子が『平和の申し子』であるんですね――」

 

月は愛娘・董白を見つめ、そして夜空を見上げた。

二人の説法と月の所感に、皆思うところがあったようだった。

 

(“怨嗟”、か。華琳に恨みを感じることは、もう……ない。“怨嗟”を乗り越えて、やっとあたしも……ご主人様の子供を授かる“権利”を手に出来たような。そんな気がする……)

(そっか……紫苑って、旦那様を一度亡くされてるんだよね……それでも、戦乱の中、街の人達を守ってたんだ。たんぽぽたちの一族も、戦に敗けてバラバラになっちゃったけど……ご主人様の“隣”にいる為には、それを乗り越えなきゃいけないんだ……!)

(一刀様は、山越さえ最後は“言葉”で説得なさいました。政務を司る一臣下として。あの方を愛する一人の女として。私には、まだまだ覚悟が足りなかったのですね……。もっと、もっと勉強して。あの方に相応しく在らなきゃ)

 

-9ページ-

「平和の、申し子……一刀の、子供達……」

 

鈴々と恋に饅頭を渡しながら、他の面々と同様に年長者二人の説法を聞いていた蓮華は、思わず呟いた。

 

「(ごっくん)…………月や鈴々たち、羨ましい。恋も、ご主人様の赤ちゃん、欲しい」

 

すると突然、恋がそんなことを言い出した。

 

「えっ――い、いきなり何を言い出すの、恋!?」

「…………蓮華は、ご主人様の赤ちゃん、欲しくない?」

「そっ、それは……////」

「(ごっくん)難しいことは分かんないけど、大丈夫なのだ! 鈴々たちにはお兄ちゃんがいて。お兄ちゃんには鈴々たちが付いてるのだ! お兄ちゃんが“欲しい”と思ったものをあげれば、お兄ちゃんが鈴々たちの“欲しい”ものをくれるのだ!」

「…………ご主人様の欲しいもの……?」

「鈴々は……それが何か知っているの?」

「お兄ちゃんが欲しいものは、初めっから変わってないのだ。いつだってお兄ちゃんは“みんなの笑顔”を欲しがっていたのだ! 鈴々が頑張って弱い人たちを護って、笑顔を護ったから、お兄ちゃんは鈴々に赤ちゃんをくれたのだ!」

「…………鈴々、頭良い。……恋も、頑張る」

「おー、頑張るのだ!」

「“みんなの笑顔”……。そうね、鈴々は本当に一刀のことをよく理解しているのね……」

 

蓮華は、鈴々の言葉が心の奥深くまで突き刺さったように感じていた。

 

 

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蓮華はその後、一人庭園を散歩していた。

鈴々の言葉が頭の中でいつまでもリフレインしている。

 

(私が一刀を愛しているのは確か……でも、私には鈴々のような、理解や覚悟は無かったのではないのかしら……?)

 

彼女を打ちのめしているのは、鈴々に対する敗北感だった。

 

「あら、蓮華じゃないの。……一人で散歩もいいけれど、お茶でもどう?」

 

そんな蓮華に話しかけてきたのは、池のほとりの東屋で一人茶を飲んでいた華琳だった。

 

「……ありがとう、華琳。でも……」

「……一人で悩んでも、出ない答えもあるものよ?」

「――! 流石は曹孟徳ね……。お言葉に甘えさせて貰うわ」

 

二人は暫し、何も語らず、ただ茶を飲んでいた。

池に映る月をどこか虚ろに眺め、蓮華が切り出した。

 

「華琳は……あの三人の懐妊を、どう思う?」

「丞相としては有難い、と思っているわ。これで庶人層の『和』への求心力はなお増すでしょう。正室としては……先を越されたことに、少なからず悔しさはあるわね」

「私は……。先刻までは、単に“羨ましい”と思っていたわ……。でも」

 

蓮華は、先の桔梗・紫苑・鈴々の言葉を華琳に伝えた。

 

「私は……一刀の正室として、相応しくなかったんじゃないかって。そんな気がしてしまったの……」

「……。お馬鹿さん」

 

ぺしっ。

 

「あいたっ!?」

「何を言い出すかと思えば。あなたは一刀に選ばれて正室になったのよ?」

「で、でも……無理矢理というか。流されるまま、みたいな感もあったし……」

「なら、婚礼のとき、一刀はあなたに“愛している”とは言ってくれなかったと言うの?」

「そっ! そんなことはないわ!」

「それがあの男の全てよ。誰にも裏表なく、真っ直ぐ。だからこそ、あなた“も”惹かれたのでしょう?」

「…………(こくん)////」

「相応しくないと思うならば、相応しいと思えるまで努力なさい、孫仲謀。あの男は、これからも文字通り、ただ真っ直ぐ。愚直に進み続けるでしょう。あれの“隣”にいる為には、私達も『進まねばならない』のよ」

「――そう、よ。その通りだわ。私は……“あのとき”も、桃香に、一刀に『進め』と言われて……。ふぅ……成長していないわね……」

「自覚出来るならば問題ないわ。あなたの責任感が、時として“枷”になることも、一刀から諭されたでしょう?」

「そうね。――ありがとう、華琳。やっと、目が覚めたみたい」

「そう。……なら、お礼を戴いても良いかしら?」

「お礼? 私が用意出来るものなら構わないけれど……」

 

蓮華がそう言うと、華琳の目がぎらりと光った(ような気がした)。

 

「なら、今度夜伽を一緒しましょう? 孫呉の国宝と謳われる、あなたのお尻……一度、存分に味わって――」

「遠慮しますッ!!」

 

蓮華は、顔を一瞬真っ赤に染めたかと思いきや、一気に青ざめさせ、躊躇無くその場から逃げ出した。

 

「……ちっ。性急に話を進めすぎたかしら……。となると、一刀と共謀するのが手っ取り早いわね。愛紗と同様、蓮華も一刀の言葉にはコロッと騙されるものね……うふふふふ♪」

 

怪しげに微笑みつつ、手ずから注いだ茶を飲む華琳であった。

 

-10ページ-

「――――」

 

一刀は地面に胡坐を掻き、瞑想している。

 

「「「…………」」」

 

隣では祭、凪、真桜の三人がその様子を見ている。

錬功を始めてより、はやひと月。現在は十一月の下旬である。

 

「(うむ。やはり、凄まじい『氣』じゃの。体内で巡っているだけだというのに、ここまで気配が伝わってくるわい)」

「(はい。最早『内息』の強度は、私と同等……或いはそれ以上かと)」

「(うへぇ〜……。ウチ、たった一ヶ月であっさり抜かれてもうたんか。隊長、ホンマに才能あったんやなぁ)」

「(しかし、問題はここからじゃ)」

「(そうなん?)」

 

三人がこそこそと話していると、一刀は長く息を吐きながら、胸の前で両手を合わせる。

 

(身体の内側を流れている“チカラ”を、指先へと集中……!)

 

一刀は真面目に意識している積もりなのだが。一向に指先に『氣』が集中する気配はない。

 

「(……力は強いけど、操作出来へんの?)」

「(うむ。『内息』の強度は相当なものだが……どうも北郷はそれ以外の才が欠片もないらしい)」

「(……『氣』の増幅は出来るんだ。でも、集中させたり、“外”に放出したり出来ない)」

「(ちぃっとも?)」

「(全く。微塵も。これっぽっちも)」

 

もう暫し、一刀の『錬功』を見ていた三人だが。

やはり、一刀の体内の『氣』は、その流れこそ強まっても、指先へ集中することはなかった。

 

「……そこまで」

「ぷはぁ〜〜……駄目か……」

「うーむ。これ程偏った才能も、初めて見るわい」

「増幅までは上手くいくんだけどなぁ」

「外へ出すどころか、体内で集中も出来んのでは、宝の持ち腐れじゃのう」

「ちゅーても、あんだけの『内息』なら……恩恵も色々あるんちゃう?」

「そうだな。持久力や回復力は相当強化されていると思う。でも……」

「それだけでは怪我が治り易いだけに過ぎん。まあ打撃に対する耐久力はついたじゃろうが」

「攻撃にも防御にも使えへんちゅーことかいな」

「そうらしいんだよな〜、がっくり」

 

わざわざ“がっくり”と口にしながら肩を落とす一刀。

 

「で、でも隊長! まだ始めて、たった一ヶ月です。更に『錬功』を積めば、きっと!」

「……ありがとう、凪。まだ暫くは頑張るよ。さて、そろそろ政務に戻るかな」

「おお、もうそんな時間か。しっかり励めよ、皇帝陛下」

「陛下って単語が軽いな〜……まあ相手が俺じゃ当然か。……押忍、ありがとうございました!」

 

教師役の三人に一礼し、一刀は宮中へと駆けて行った。

 

「……ほんに不思議な才じゃ。こうなったらアレかのう」

「「アレ?」」

「『外気功』はすっぱり諦めて。『内気功』、特に『内息』の強化のみに絞って錬功させたら、何処までいけるかと思ってな」

「……仕舞いには、仙人になってまうんじゃ?」

「ほほっ、それはそれで見てみたいじゃろ? はっはっは!」

「……祭様……」

 

稚気丸出しに笑う祭を、諦め混じりの半眼で見る凪であった。

 

-11ページ-

それから数日後。

 

宮中では、というか後宮では、ある意味『桃園の誓い』の義姉妹の懐妊の時よりも大きな混乱……いや騒乱が起きていた。

 

 

/後宮 穏の私室

 

「えへ♪ 御子を授かっちゃいました♪」

 

軽ーく、周囲の旧呉勢に向かって言う穏。いつも通りのマイペースである。

 

「ずるいずるいずるいーーーー!」

「小蓮! まずは祝いの言葉を贈りなさい! ……おめでとう。このままなら旧呉勢の第一子ね」

「ぶぅーー……。おめでと、穏。体調には気をつけてね」

「おめでとう、穏。……ちぇっ。先越されちゃったかぁ」

「何を悔しがっているのだ。いずれは皆授かるのだ。順序などどうでもいいだろう? ……穏。体調がおかしくなることも多いだろう。十分に気をつけなさい」

「はーい♪」

 

孫家の者と冥琳から祝福や忠言を受けても、やはりペースの変わらない穏である。

 

「穏様、おめでとうございます。……やっぱり、ちょっと羨ましいです////」

「穏さん! おめでとうございます! お体には気をつけて下さいです!」

「ありがとう♪ 亞莎ちゃん、明命ちゃん」

 

年下の後輩二人からも祝いの言葉を贈られた。

 

「……雪蓮様や蓮華様より先に懐妊するのは、どうかと思うがな」

「思春! おめでたいことなのだから……」

「えへ♪ まぁちょっと申し訳なくも思うんですけど、ヤり始めちゃうと止まらなくて〜♪」

「…………#」

「////」

 

思春のキツイ一言にもけろりとしたもの。思春は沈黙し、蓮華は顔を赤く染めている。

 

『はぁ……』

 

もう穏には何を言っても無駄と、その場の誰もが諦めたのだった。

 

------------------------------------------------------------

 

/後宮の露台(テラス)

 

「あ、あは、あはは……」

 

現在、後宮の中庭に面したテラスには、旧魏勢(張三姉妹を除く)が勢揃いしていた。

そんな中、その中心で顔を引き攣らせ、乾いた笑いを続けているのは郭嘉――稟であった。

 

そして、その隣では皇帝・北郷一刀が正座させられている。

 

それ以外の面々は、殆どが複雑な表情で怒りのオーラを放っていた。

特に怒りが顕著なのは、元魏王である華琳であった。

 

「一刀! これはどういうこと!? 確かにあなたには、稟が私との夜伽に耐えられるよう、女を磨くことを命じたけれど! “孕ませろ”とは言ってないわよ!? おまけに鼻血癖は寧ろ悪化してるじゃないの!!#」

「そんなこと、俺に言われても困るよ!?」

「あなた以外の、誰に言えというのよ!!?#」

 

という訳である。

“練習”の名目で幾度となく身体を重ねた二人だった(実際は風も混じって三人であることが殆どだった)のだが。

なんと、旧魏勢の正室の誰より、華琳よりも先に(正室でない)稟が懐妊してしまったのだった。

 

「くっ……この曹孟徳、一生の不覚だわ!」

「帝国丞相が、こんなん一生の不覚にするなよ!?」

「あなたに言われる筋合いはないわよ!」

 

ぎゃんぎゃんと言い合う一刀と華琳の隣では。

 

「は、はは……まだ、華琳様の御寵愛も受けることが出来ていないというのに……」

「稟ちゃん。まぁ、気を落とさずにー」

「……風。しかし、私は……これは華琳様への裏切りでは……」

「それはその通りですねー」

 

ぐざっ!

 

風の一言が稟の心に容赦なく突き刺さる。

 

「……ふ、風? 慰めてくれているのでは、ないのですか……?」

「稟ちゃん。風はこれでもちょっとご機嫌斜めなのですよー?#」

「ええっ!?」

「稟ちゃんがお兄さんとヤってるときは、ほぼ風も一緒だった筈なのに、どうして先に懐妊しちゃうんですかー?#」

「そんなことを言われても!?」

「危険日なら“練習”しないでおけばよかったのですよー。これは一体どういうことなのですかー?#」

「あ、あぅ……」

「……確か、一ヶ月程前。季衣ちゃんの鉄球の直撃を受けたお兄さんが、華佗さんの治療を受けた後」

「ぎくっ!?」

「身体が痺れて動かないというお兄さんの入浴をお世話したのは、稟ちゃんでしたねー?」

「……(だらだら)」

「でしたねー?#」

「うぅぅ……ち、ちょっと。その、何と言いますか。介助中、ソレっぽい雰囲気になってしまい……」

『危険日と知りつつも、ヤっちまったってワケだな?』

「わざわざ宝ャで言わないで!?」

「お兄さんが稟ちゃんの熟れた肉体に欲情するなど容易に想像出来たというのに、その場に乱入しなかったとは……程仲徳、人生最大の失策なのですー#」

「誰が“熟れた肉体”なのよ!? ああぁぁ……華琳様、申し訳ございません〜〜〜〜!」

 

稟は華琳に向けて土下座した(一刀がちらほらやる為、彼女達にも“謝罪としての土下座”が広まっているのだ)。

見れば一刀は華琳から蹴られ踏まれた挙句、大鎌『絶』の柄で散々にドツかれ、ボロボロになって気絶していた。

 

「はぁはぁはぁ……。デキてしまったものは仕方ないわ。――稟」

「はっ! 如何なるご処罰でも!」

「馬鹿なことを言わないの。子は国の宝。大事に育てるのよ。その為に、体調管理には一層留意なさい」

「か、華琳さまぁ〜〜!!(泣)」

「但し、罰は与えます」

「か、華琳さまぁ〜〜!?(泣)」

 

稟の涙は、喜び泣きから一転、恐怖の涙に変わった。

 

「……そうね。風の言う日が懐妊した日であるなら……。稟。罰として、これから私がする質問に、この場にいる皆にも聞こえるよう、はっきりと答えなさい」

「は、はい」

「……その日。誘ったのはどちらからなのかしら?」

「ええっ!? そ、それは……」

『それは?』

 

なんのかんので興味津々な旧魏勢の皆さん。すぐさま(気絶した一刀をほったらかして)稟を取り囲む。

 

「に、入浴の介助をしたのですが、白い薄着であったもので。湯に濡れて透けた私の身体にですね、一刀殿が、その……」

「欲情したワケか、あの馬鹿者が!」

「姉者、どうどう」

「は、はい……。で、でも一刀殿はその時、碌に動けない状態でしたので……。身体を洗うのにも邪魔ですし……その、『お鎮めしましょうか』、と……」

「やぁん、稟ちゃんてば大胆なの〜〜♪」

「(うわぁ……)////」

「おおー。結構言うやんか、稟」

『で?』

 

更なる追求。

 

「うぅ……その、く、口で……お、お鎮めはしたのですが……」

「な、なんだと!?」

「ほほぅ、なかなかやるではないか」

「口で? どうやるの、流琉?」

「えぇ!? えっと、そのぉ〜……そ、そのうち、朱里ちゃんに教えて貰おう?////」

「いやいや、一刀が“一発”程度で収まる訳ないやん?」

「は、はい。霞殿の言う通りで……」

「まったく、流石は『和の種馬』の名は伊達じゃありませんねー」

「ふん! 見境ないだけじゃない!!」

「で、でもあの時って。季衣の『岩打武反魔』の直撃を受けて……」

「そうそう。治療して貰った後も、何か身体が上手く動かないって。ボク、兄ちゃんからそう聞いたんだけどな?」

「確かにその通りだったのですが。そのー……お鎮めしたらですね、何故か動けるようになっていて……」

「「どんな身体やねん!」」

「単なるスケベ根性なんじゃないの!? ホンッッッット、汚らわしい男!」

「あ〜……思わずツッコミ入れてもうたけど。これって、“そういうこと”かいな、凪?」

「……多分、そうだと思う////」

『で?』

 

真桜と凪が何か確認し合っていたが、皆の興味は話の続きのようで。

続く更なる追求。

 

「……その。一刀殿も収まりつかず。わ、私も、その〜……」

『アレでソノ気になってたってぇワケだな?』

「……(こくり)////」

「要は自爆ってことじゃないの!?」

「まーまー、ええやんか。その気持ちは分かるでぇ、稟。うんうん」

「(ぽぉ〜〜〜)////」

「凪の奴、自分らの時を思い出してんな?」

「やぁ〜ん♪////」

 

「こ、このような次第でございます……////」

 

稟の告白を、じっと沈黙したまま聞いていた華琳。

 

「……ふむ。どっちから、ということもないわね。強いて言えば双方が同意で、という感じね。さて……風」

「はいはいー」

「どう思うかしら?」

『??』

 

華琳はそう風へと尋ねた。稟を含め、他の者は何について尋ねたのか分からなかったようだが。

 

「そうですねー。ずっと一緒だった風から言わせて戴ければ、凄い進歩だと思うのですよー」

 

彼女自身から、そうとうな猥談を口にさせたというのに、一向に鼻血が出る気配はない。

風は、そういう意味で“凄い進歩”と評したのだ。

 

「そう。私もそう思うわ。……なんで私が関わると駄目なのかしら……。もう! 一刀ばかりずるいわよ!」

「やはり稟ちゃんにとって、華琳様は特別な存在ですから。でも……」

 

じっと稟を見つめる風。

 

「な、何なの、風?」

「風の見たところ、お兄さんも“特別枠”に入りつつあるんじゃないかなーと思うのです」

「なっ!? い、一体何を言うの!」

「とすれば、このままお兄さんと“致す”ことで、いずれは華琳様との夜伽にも耐えられるようになる可能性は高いと思うのです」

「――!?」

「……聞いたわね、稟」

「は、はい」

「何にしても、一刀の御子を授かった以上。あなたも後宮に……一刀の正室として迎えます。拒否は認めないわ」

「は、はい……宜しいのですか?」

「構わないわ。……きっと、あなた自身が思う以上に。あなたは一刀を愛しているのよ」

 

恐る恐る聞いた稟に、華琳は即答する。

見る者が見れば、それは当然だった。(日常的に)威厳が足りないという一点を除けば、華琳から見ても一刀は稟の求めた“覇王”の姿に近しく、その彼が自身を参謀・官僚としてだけでなく、女としても認めてくれるという幸せ。“練習”を命じて以後、稟は確実に“女”として成長していたのだ。

ならば、この結果は当然の帰結と言えた。ただ……これ程の早期懐妊ばかりは華琳の予想すら超えていたが。

 

「そ、そのような……!? わ、私が想いを捧げるのは!」

「それも分かっているわ、稟。あなたが最も愛するのは、この曹孟徳であるということ。でも、だからといって、あなたが一刀を愛してはいけないということはないでしょう?」

「は、はぁ……」

「ふふ……いつか、私の閨房でじっくり身体に確かめてあげるわ♪」

「か、華琳様が……わ、私の身体に!? ……ぶふぅーーーー!!」

『…………』

「「はぁ……」」

 

もう溜息しか出ない華琳と風であった。

 

 

 

続。

 

-12ページ-

諸葛瞻「しょかっちょ!」

曹丕「そうっぺ!」

周循「しゅうっちの!」

 

三人「「「真・恋姫†無双『乙女繚乱☆あとがき演義』〜〜〜☆彡」」」

 

諸葛瞻「お読み戴き多謝でしゅ。諸葛亮こと朱里の娘にして北郷一刀の第23子、しょかっちょでしゅ!」

曹丕「乱文乱筆なれど楽しんで戴けたかしら。曹操こと華琳の娘にして北郷一刀の第9子、そうっぺよ♪」

周循「少しでも面白いと思って下されば重畳。周瑜こと冥琳の娘にして北郷一刀の第25子、しゅうっちで〜す☆」

 

 

周循「とうとう懐妊ラッシュの開始ですね。皇太子・董白様【月】は既にお生まれでしたが、今回、旧蜀勢から桃園の誓いのお三方、旧呉勢から穏様、旧魏勢から稟様がご懐妊されました」

 

曹丕「各勢の第一子(蜀は三人だけれど)は、さんざ引っ張ったわね〜」

 

諸葛瞻「ようやくこの“あとがき演義”にもお呼びできましゅねぇ。と言いつつ、まだ候補に出てこないんでしゅけど。美羽様・七乃様の娘であるお三人は、旧魏勢第一子である郭奕(えき)お姉しゃま【稟】と関係深い為、今まで引っ張ったのでした。しょかっちょ達もなるべく郭奕お姉しゃま【稟】の話を出しゃないようにしていたのでしゅよ〜」

 

周循「また、父さんの訓練及び『錬功』が始まりましたねぇ。というか、最初は猫にじゃれられる鼠のようですが……。さておき、これはクライマックスへ向けてのフラグと思って下されば結構です。いきなりTUEEEEE!とかなったりしませんので、そこはご安心下さい」

 

曹丕「段々と我々の知るお父様に近付いてきた感じがするわね。この武術訓練と錬功は、黄平12年でも続けられているのよ」

 

諸葛瞻「“北郷一刀は強くある必要はない”という所感をお持ちの読者様もいらっしゃるかと思われましゅが、本作のクライマックスにおいて、これは非常に重要なフラグなのだとご理解戴ければと思いましゅ」

 

 

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○議題:皇后の呼称について、謝罪とお願い

 

曹丕「さて、本作、特に建国前後においてよく登場する言葉に『正室』・『側室』という言葉があるわね。これについてよ」

 

周循「はい。ショトメにて“天子(皇帝)の正妻は、正室と呼称せず、特に『正妃』と呼ぶ”というご指摘を受けました。という訳で、筆者も色々と調べ直してみました。以下にその結果を挙げます」

 

 

●Yahoo!辞書より抜粋

【正妃】 皇帝や王の正妻。

【正室】 身分の高い人の正妻。本妻。⇔側室。

【側室】 貴人のめかけ。そばめ。⇔正室/嫡室。

【皇后】 天皇・皇帝の正妻。きさき。

【后妃】 《「后」は第一位のきさき、「妃」はその次位》天子・天皇の妻。きさき。

【妃嬪】 妃と嬪。天子の第2、第3夫人。また、天子に仕える女官。 ※「ひ-ひん」と読みます

 

 

●Wikipedia 各項目より抜粋

【皇后】

中国においては、歴代王朝において皇帝の正妃としての皇后が存在した。

 

【後宮】

中国で後宮とは宮廷内で天子が家庭生活を営む場所であり、また皇后以下、妃嬪が暮らす場所でもあった。そのため后妃のこと自体を後宮ということがある。

 

【中國古代後宮制度】

「曹操為魏王時,於王后以下定五等:夫人、昭儀、ジエ、、容華、美人。魏文帝時攝ン貴嬪、淑媛、修容、順成、良人五等。明帝時又搶i妃、昭華、修儀三等,省除順成,這樣在皇后以下定制十二等級: 1.夫人,位次皇后,爵無所視;(以下等級順の列挙) 」

 

 

諸葛瞻「こほん。以上から鑑みるに、正にご指摘の通りであることが良く分かります。しかし、訂正箇所が多いこと、それによって本文の修正が必要な箇所があることなどの作業量的理由。及び『正室』・『側室』と言う言葉が時代劇等でよく用いられ、ある種身近で分かり易い言葉であることから、誤記としての修正をせず、このまま用いたいと考えております」

 

周循「また、『皇后』、『后』という言葉は“皇帝の正妻”という意味でそのまま通じますので、これもそのままとなります。本作においては“皇后=后=正室(=正妃)”であるということになります」

 

曹丕「結論としては、本作では“正妃(皇后)も『正室』と呼ぶ”こととし、『正妃』という言葉を用いないこととさせて戴きたく存じます。『和』王朝は、皇帝・北郷一刀の我儘により、全ての寵姫を正室として扱えるよう、皇室における婚姻の法定を変革しており、正室間に身分差はなく、後宮には“多くの正室が存在する”というファンタジーな状況になっている、とします」

 

諸葛瞻「一応、側室および女官(妃嬪)などの後宮制度については、漢代のものをある程度踏襲していることにする予定です。ただ、作品上不都合が出る可能性もあり、これについては深く触れない方向で進めて参ります」

 

周循「ご指摘戴いた方には、それを無視する形となってしまうことを深く深くお詫び申し上げます(同様の旨、ショトメも返信させて戴いております)」

 

三人「「「どうかご了承の程、宜しくお願い致します(ぺこり)」」」

 

 

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諸葛瞻「しょれではゲストコーナーへと参りましょう。……ホント、喧嘩しないで下しゃいよ……?」

 

鳳宏「もー、思遠……じゃないんだっけ。しょかっちょは心配性だねー。だいじょぶだいじょぶ♪」

 

諸葛瞻「……では自己紹介をどうじょ」

 

鳳宏「うん――」

 

袁譚「おまちなさい。なぜ、鳳宏(こう)さんからなのですか。もっとも“高貴”なおうじょたる、“わたくち”からというのが“すじ”というものではありませんの?」

 

鳳宏「イラッ☆」

 

諸葛瞻「はわ〜! 早速でしゅかーーーー!? ああ、もう助けて、黄越ちゃぁ〜〜〜ん【紫苑】(泣)」

 

曹丕「はいはい、これは慣例として学年順よ。問題はないでしょう?」

 

袁譚「……そういうことでしたら、しかたありませんわね。さ、じこしょうかいなさいな、鳳宏さん」

 

周循「(このままでは話が進まん。ここはお前が大人になってくれ、鳳宏……)」

 

鳳宏「(……あわー、仕方ない。分かったよ。しょかっちょも泣きそうだし……)」

 

 

鳳宏「じゃ、改めて。鳳統こと雛里の娘にして北郷一刀の第24子、鳳宏だよー。諱は史実の鳳統の実子からだってさ」

 

袁譚「みなさま、おはつにおめにかかります。袁紹こと麗羽のむすめで、北郷一刀のだい46し。“末妹”でもあります、袁譚(たん)ですわ。いご、おみしりおきくださいませ。なお、いみなはしじつの袁紹のちょうなんからですわ」

 

 

周循「鳳宏はしゅうっち、しょかっちょと同じ年少上級(小4クラス)、袁譚は唯一の幼年上級(小2クラス)です。また、皇女の序列には葉貴【葉雄】を含めておりません。袁譚が末妹であることは確定ですので、実際のところは第47子となります。この辺りは子供編を書くことになったら、正確な一覧を公表するそうです」

 

諸葛瞻「はわ〜……。今日はホントに大丈夫でしゅかね……」

 

 

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○質問:特技・特徴は何ですか?

 

鳳宏「そーねー。宏の――」

 

袁譚「ですから、なぜとうぜんのようにあなたからはなしはじめるのですか。じゅんじょは……」

 

鳳宏「イララッ☆」

 

曹丕「……これも学年順よ、袁譚。(毎日この調子な訳?)」

 

諸葛瞻「(基本的に……) じゃ、じゃあ鳳宏ちゃん、お願いしましゅ〜」

 

鳳宏「……。はいはい、そんな涙目で見ないでよ、しょかっちょ。宏の特技ったら『格闘』と『気功』でしょー☆」

 

周循「わざわざ凪様や、璃々お義姉様に習いに行っているそうだな?」

 

鳳宏「そうだよー。特に凪様の戦闘スタイルは理想だなー☆ 最近は、ねね様から『跳び蹴り』も教わってるよ!」

 

曹丕「そ、それは所謂『ちんきゅーきっく』なのではないの?」

 

鳳宏「そのとおーり! 対象の『秘孔』を突くねね様の跳び蹴りと、凪様の気功格闘を合わせて、『ほーこーきっく』を編み出す為、宏は特訓中なのだー☆」

 

周循「念の為に聞くが、それは喰らったら“あべしっ!?”とか言うことにならないだろうな?」

 

鳳宏「あはははは! なったらいいねー♪ 実際は、精々動きを鈍くしたり、四肢を一時的に動かなくする程度だよ」

 

諸葛瞻「……十分、危険な技だと思いましゅ……。え〜、あと鳳宏ちゃんと言えば『戦車』でしゅかね?」

 

鳳宏「あわー、そうだねー! 此処で言う『戦車』ってのは所謂チャリオット……戦闘馬車のことだよー。宏はお父さんにお願いして、『開発†無双』特注の個人用戦闘馬車を持ってるんだよー☆」

 

周循「そう言えば、誕生日プレゼントでオスの汗血馬(諸説ありますが、本作では赤毛の名馬を指すとします)も貰っていたな」

 

鳳宏「うん! 基本、宏の戦闘馬車『御通座(ごつうざ)』は、そいつに牽かせてるんだ。ちっと生意気な奴だけど、走るのは好きだし、気は合うかな。因みに名前は『愛鶏(あいけい)』っていうんだよー☆」

 

曹丕「あと、鳳宏はしょかっちょやしゅうっちと並ぶ『神童』と称される一人ね。普段の態度やらを見ていると、とても勉学が得意なようには見えないけれど」

 

鳳宏「そんなことないよー。宏は本を読むのも好きだし、戦術理論とかは考えていて楽しいねー! 戦闘技術でも、凪様からは“先の先を読むことに長ける”って言われたしねー」

 

周循「その辺り、流石は『鳳雛』雛里様の御子、と言ったところか」

 

鳳宏「でも宏の武道家としての本質は『静』じゃなくて『動』なんだって。もっと強くなったら、ちゃんとその辺りも教えてくれるそうだけど」

 

曹丕「……不思議な性質、ではあるわね。さて、次は袁譚よ」

 

袁譚「まちくたびれましたわ。まったく、えんえん鳳宏さんのじまんばなしをきかされているようで、ふゆかいったら……」

 

鳳宏「イラララッ☆ そろそろ殴っていい?(超笑顔)」

 

諸葛瞻「鳳宏ちゃん、我慢してぇ〜〜〜〜!」

 

袁譚「あいかわらず、きのみじかいこと。そんなだから雛里さまをこまらせてしまうのでしょう?」

 

鳳宏「うっ、お母さんのことは言うなよ〜……テンション落ちるなー」

 

袁譚「そのてん、このわたくちはおかあさまにいつもほめられていますもの。“あなたこそは、いずれこのせかいをすくうそんざい”であると。それにはじないためにも、わたくちは“高貴”なそんざいでなくてはならないのです!」

 

曹丕「……いつも疑問に感じているのよね、その麗羽様の台詞。黄平12年においては、戦乱もなく、諸外国とも上手く外交・貿易しているわ。それなのに、一体“何から”世界を救うのかしら……?」

 

周循「(ぼそぼそ)……はぁ。そうっぺ。そのあたりは使うかも分からない子供編の伏線だそうです。今はお気になさらない方が良いかと」

 

曹丕「ああ、そうなの。なら次に行きましょう。袁譚と言えば、まずは麗羽様譲りの『強運』よね」

 

諸葛瞻・周循・鳳宏「「「(うんうんと頷く)」」」

 

袁譚「まあ! “うん”などではなく“じつりょく”ですわ! しつれいな!」

 

他四人「「「「…………」」」」

 

袁譚「なぜ、おだまりになるのです! まったく、“うん”と“じつりょく”のみわけもつかないなんて……」

 

諸葛瞻「……しょれはしょれとして。もうひとつが袁譚ちゃん最大の特徴……『霊感』でしゅね」

 

周循「そうだな。于圭【沙和】の『真理眼(金属の比率や、書画・宝石の真贋を見抜く)』と同じく、幾人かの皇女が持つ、霊妙な力のひとつとされています。特に袁譚の『霊感』は多種多様な力を発揮することが確認されています」

 

袁譚「おーっほっほっほっほ! とーぜんですわ! さきほどももうしあげたとおり、わたくちこそがおうじょでもっとも“高貴”なるそんざい! まさにそのしょうめいですわ!」

 

鳳宏「……まー、ちっとくやしいけど。確かに袁譚の『霊感』は非常識な力を持ってるなー。偶に羨ましいときもあるくらい。……探し物が見つからないときとかなー」

 

袁譚「そんなちゃっちいことをれいにあげないでくださる!?」

 

鳳宏「あわー、なんだよー。せっかく褒めてやったのにー(にやり)」

 

袁譚「むきーーーーーっ!」

 

諸葛瞻「実際、物品探知・予知・透視・千里眼などが確認されてましゅ。あと、話す人間を見れば、嘘をついているかも分かるらしいでしゅね」

 

袁譚「はぁはぁはぁ……。そ、そのとおりですわ。わたくちにうそはつうじませんわよ!」

 

周循「だが、“見ないと分からない”らしいな? 目隠ししたら分からなかったとか聞いたが」

 

袁譚「……そうですわ。わたくちの『霊感』は、きほんてきに“みる”ことによって“はつどう”するのです。また、鳳宏さんをまえにいいたくはないですが……とてもつかれるので、いちにちになんどもつかうことはできないのです」

 

曹丕「やはり“先天的方術”の類、なのでしょう。生命力たる『氣』を消耗するのでしょうね」

 

 

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○質問:特に仲の良い姉妹は?

 

鳳宏「もち、一番はしょかっちょ! それから賈訪お姉ちゃん【詠】とはすっごい仲良いよー☆」

 

曹丕「あら、そうなの? 大人しい賈訪【詠】と、腕白娘まっしぐらの鳳宏の組み合わせは、ちょっと意外ね」

 

鳳宏「あわー、そうかもねー。賈訪お姉ちゃん【詠】は読書仲間って感じかなー。あとは袁譚との喧嘩で一緒に戦ってる馬承【蒲公英】とタマ(厳紫玉)お姉ちゃん【桔梗】だねー☆」

 

諸葛瞻「しょれと、黄越ちゃん【紫苑】にはいつもお世話になってるでしょう?」

 

鳳宏「あわー、まあねー。黄越【紫苑】に“めっ!”って言われると、どうも戦意を殺がれちゃうんだよねー」

 

袁譚「……それにはどういしますわ……」

 

鳳宏「あと、師匠として凪様と璃々お義姉ちゃん。姉弟子で、身近な目標が楽鎮お姉ちゃん【凪】かなー。ほんと、たまーにだけど、馬承【蒲公英】に付き合って愛馬の『愛鶏』で、色んなお姉ちゃん達と遠乗りすることもあるかなー」

 

周循「(ぴかーん☆)“馬”なのに“鶏”とはこれ如何に?」

 

諸葛瞻「…………。袁譚ちゃんはどうでしゅか?」

 

周循「だからスルーは止めてくれ〜〜(泣)」

 

袁譚「そうですわね。ふだんは“そっきん”として文煕【猪々子】と顔尚【斗詩】をはべらせていますわ」

 

周循「はぁ……。余り二人に苦労を掛けるなよ?」

 

袁譚「なにをおっしゃるのです。“高貴”なるわたくちの“そっきん”になれるなんて、このうえない“めいよ”ではありませんか」

 

四人「「「「…………」」」」

 

袁譚「ですから、なぜ、だまりこまれるのですか!?」

 

曹丕「……気にしないで頂戴。他には?」

 

袁譚「なにかなっとくいきませんわ……。あとは、公孫続【白蓮】おねえさまにはいつもおせわになってますわ。……わたくちたちをみる“め”がこわいというか。はいごによくわからない、くろいものがみえるときがありますが……」

 

曹丕「それはきっと、あなたの『霊感』が公孫続【白蓮】の“邪念”を視覚化しているのだと思うわ……」

 

 

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○アンケート:次回、読んでみたい姉妹は?

 

諸葛瞻「毎度恒例、ゲストのリクエストを募集でしゅ! 以下の二つからお好きな方をお答え下さい。コメントの端に、ちょろっと追記戴ければ幸いでしゅ。リクエストのみでも全然OKでしゅよ! 皆様のご回答をお待ちしておりましゅ(ぺこり)」

 

A:美羽・七乃の娘達(義理の娘である袁燿含め3人)

B:恋と穏の娘達

 

 

 

曹丕「さてさて、冒頭でしゅうっちが言った通り今回から懐妊ラッシュ開始ね。ただ、今回が10、11月だったように、今後は1話=1月ではなくなっていくらしいわ。……次回は基本的に12月の話みたいだけど」

 

周循「父さんの『錬功』も続きます。それによって不可思議な事件が起こり始める……みたいなプロットのようで。みなさまの期待を裏切らない出来になると良いのですが。筆者は精一杯やってますので、気長にお待ち下さい(ぺこり)」

 

諸葛瞻「はわー、鳳宏ちゃんが爆発しなくて良かったでしゅ……(安堵の溜息)。しょれでは、また次回にお目に掛かりましゅ。しぇーのっ」

 

 

五人「「「「「バイバイ真(ま)〜〜〜☆彡」」」」」

 

説明
第21話を投稿です。
危うくまた容量オーバーするところでした^^;
今回はクライマックスへ向けてのスタート地点! これからの彼の成長を温かく見守ってくださると嬉しいです!
誰にケンカ売ったか教えてあげるわ! 蜀END分岐アフター、Get Ready Go!
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コメント
顔がにやけちゃう・顔がにやけるぅ→頬が緩む(「顔」ではない):「にやける」は『男がめかしこんだり色っぽい様子をする』で「薄笑いを浮かべる」は「にやつく」・・・・・・似ているのでかなり混同されています。:その場に乱入しなかったとは……→「乱入」は「大勢がどっと押し入る」風ひとりでは不適切(XOP)
あまりレズすぎるのわなぁ(名前考えるのメンドイ)
XOP 様>「重症」は病気(や比喩)に用いられるようですので「重傷」としました。ご指摘ありがとうございました。(四方多撲)
実は……重症と言えるもの→重傷?(XOP)
XOP 様>なんか以前も同じ修正をしたような…GREP失敗?デグレ? ともあれ、ご指摘のとおり修正致しました。ありがとうございました!(四方多撲)
鳳宏はしゅうっち、しょかっぺと同じ年少上級→しょかっちょ(XOP)
劉趙 様>確かにそれっぽいですねw 因みに袁譚の霊感は受信・観測系の能力であり、他者や物体に影響を及ぼすことは出来ない設定となっています。(四方多撲)
見ることで発揮するってギアス!?(劉趙)
XOP 様>此処はギャグの一環としてスルーでお願いしますm(_ _)m こういうのが誤解されて誤用が広まってしまうのだろうか…考えすぎ?(四方多撲)
説教が絶賛継続中だった→『絶賛』は「この上ない称賛」なので意味が合わない。(XOP)
XOP 様>(ぽん)成る程!それはナイスアイディア。是非採用させて頂きます^^(四方多撲)
「年齢順よ」を「学年順よ」に直せばよろしいかと。同学年は順不同にすれば説明は付きます。5話は「母親が同じ」が「学年」より優先とすればOKでしょう。これだと袁燿(高等部)→七乃の娘(年少下級)→袁胤(年少上級)の順になります。(XOP)
XOP 様>5話は黄家→厳家の順が優先されちゃってますね、まあ最初ですし…。6話はネタとしても、10話は何故だ…筆者の単純ミスと思われます^^; 順序入れ替えは色々大変なので、このままとさせて下さい。ご指摘ありがとうございますm(_ _)m(四方多撲)
慣例として年齢順よ→5話・6話・10話は年齢順になっていません(同学年は順不同としても5話は…)(XOP)
sion 様>華佗から真名を預かった際、以後は「名」で呼んでくれとお願いしていますので、前回のラストから「一刀殿」と呼んでおります。(四方多撲)
truth 様>それはその通りになると思われますw リクありがとうございます!(四方多撲)
ブックマン 様>序文にある通り、雪蓮がオイシイ役どころが多いとすれば、拙作で最も割を食っているのが愛紗な気がします^^; そしてMy嫁キャラである筈の蓮華は影が薄いような… 何故だろう?(四方多撲)
XOP 様>それはまた大穴なww 実はこっそり南蛮の彼女らを書くのが苦手な筆者です−−; どうしてもテンプレな扱いになってしまいますねぇ… 前回もかなり苦労したのですよ、実は^^;(四方多撲)
んー? 華佗が一刀を呼ぶときなんですが、前作「華蝶仮面vs呉勇士」では北郷殿。本作では一刀殿になってますね〜・・。これは誤字なのか短に呼び名がかわっただけなのかどちらでしょ?_?(Sirius)
次の懐妊は恋かな?(ルーデル)
アンケはAでお願いします。愛紗はなんとなく想像がつきますね。(ブックマン)
華琳の愛人ゆえに桂花とともに原則として華琳専属の女官を兼ねていたのなら、稟が例外的に一刀の世話をしたことも説明はつきそうですね。さて、次に正室になるのは・・・?大穴狙いで美以と予測。(XOP)
jackry 様>お気をつけて〜ノシ 逃走しつつもリクありがとうございますww(四方多撲)
kayui 様>はい、原作を越える絶倫っぷりの理由でございますw 本当なら家族計画w を立てるべきなのでしょうが、本作では本能のままやってますww 一応、ひと月に一人が基本です。リクありがとうございます!(四方多撲)
XOP 様>あー、そうですね−−; 華琳の愛人ということで、後宮立ち入り許可を持っていて、他の恋姫の面々は“練習”について知っている・・・というところでしょうか^^;(四方多撲)
kau 様>まあ受胎した日が一緒とまでは考えてませんでしたが・・・桃香って全然普段と調子変わらないのによく懐妊発覚したなぁ(オイ まあ愛紗が酷いので、診察連れて行って、ついでに自分も見てもらったのでしょう^^;(四方多撲)
アンケはBでお願いします(kayui)
面白かったです。あの異常な回復の早さは主人公特有のお約束ではなかったんですねww懐妊おめでとう。……一つ不安なことは内気功習得による種馬力増強で皆懐妊して国政停止したらww面白いですね。次回も楽しみにしてます。(kayui)
当時1官僚に過ぎなかった稟が入浴の世話をできたのはなぜ?(XOP)
桃園三姉妹御懐妊、夜伽初日に一緒だったときだろうか、留保慣れなかっただろうし。なんてシンクロ率。文字通り桃色桃香さま、体力つけるぜ鈴々さま、愛紗は・・・(将とか母とかの)責任感が空回りか?産んだ後もマタニティブルーが酷そうだね、性格的に・・・(kau)
XOP 様>「こーほー」って誰だぁ〜〜!ホンマすいません…… 誤字修正致しました。(四方多撲)
「え”!? い、今……→「だくてん」で「゛」は入力できます:『こーほーきっく』→「ほーこーきっく」(XOP)
XOP 様>曹一族が誘拐されたことは入れたかったので、こんな感じで。まぁ前回のあらすじなので、そこまで拘る箇所ではないのですけどね。XOP様の例の方が良く纏まっている気もするし・・・(四方多撲)
血族が誘拐され曹操の→『曹操の謀殺を企んだ誘拐事件』などがよいのでは?この文では主語がなく、曹操は目的語。『誰の血族』が誘拐されたのかが分からない。(XOP)
羅司音 様>リクありがとうございます! 今回は、一刀くんのタフさ、絶倫っぷりの理由としての「気功の才能」描写でした。これ以上はまた次回ノシ(四方多撲)
Nyao 様>誤字報告ありがとうございます! またリクもありがとうございます!・・・うーん、BがAの貯金に追いつきそうな勢いだなぁ。これが恋の底力なのか^^;(四方多撲)
sion 様>本当にsion 様は私のプロットを入手しておられるとしか思えませぬww まあ愚作が先読み出来るレベルなのも確かなのですけど^^; ご期待に副えるよう、頑張ります!(四方多撲)
しゅう 様>書かねばならない箇所が後半大量にあるので、筆者は感慨に耽る余裕がございませぬ^^; リクありがとうございます!(四方多撲)
シュレディンガーの猫 様>リクありがとうございます! まあそこは主人公補正ということでww 無印でも「服飾のデザイン力がパネェ!」とか曰くある人ですしw(四方多撲)
thule 様>解説ありがとうございます!私も辞書やらWikiやらで調べたのですが、日本のものと混じっていて難しくて^^; 「朝廷」で問題ないようでよかったです。件の箇所は「宮中」の方が違和感がなかったかもしれませんね。(四方多撲)
hokuhin 様>ギクッ、ナ、ナンノコトデショウ? リクありがとうございます!(四方多撲)
レイン 様>武官たちからすると、一刀はイキの良い「鼠」な訳で…手加減はしてるんだけど、ちょっとやり過ぎちゃった、てへ♪ という感じでしょうかww ストーリーに絡まない限り、原作設定の改変はしない方向ですので、稟の中の順位で一刀が華琳と並ぶことはないかと思われます・・・ちゃんと愛はあるんですよ?^^;(四方多撲)
霊皇 様>リクありがとうございます! 確かに二人とも眼鏡っ娘だw 特に狙った訳ではなかったのですが^^;(四方多撲)
晃 様>リクありがとうございます!(四方多撲)
バッキー 様>リクありがとうございます! 確かに春蘭は馬鹿っぷりに磨きかかるし、三羽烏は突っ込みどころ満載だし、すっかり突っ込み側ですねぇww(四方多撲)
よしひろ 様>ここからは毎月ひとりは懐妊していきますww リクありがとうございます!(四方多撲)
moki68k 様>鈴々はアレですがw 恋はちゃんと手加減出来るんじゃないかとw 既に伽のチャンスが6回以上ありましたし、華琳なら・・・ww 描写を挟みたかったところですが、チャンスがありませんでしたw(四方多撲)
自由人 様>愚作で笑って頂けるとは正に重畳にございます! 一刀くんが原作よりも絶倫に描いていた理由がコレでございますw リクありがとうございます! うーん、恋人気恐るべし。書くほうはもっと怖い−−;(四方多撲)
MAS2 様>稟はまだまだ経験値が不足していますw 一刀くんは『氣』をコントロール出来ないので、防御にも使えません。向上するのは回復力のみww リクありがとうございます!(四方多撲)
ODIN 様>恐縮です!これからも頑張りますよ^^ リクありがとうございます!(四方多撲)
XOP 様>「戦国時代」は確かに別の意味を持ちそうですので「戦乱の時代」としました。「あららげる」は初めて知りました! 葉貴は「あとがき演義」では数に数えないことを明記しました。 その他、誤字・誤用を修正しております。いつもありがとうございます!m(_ _)m(四方多撲)
XOP 様>「朝廷」流石に陣中は朝廷とは言わないかと。ここでは「建物=宮廷」を指すとご理解下さい。「見れた」なるべく可能動詞は使わない方向で、修正致します。「地の利」は完全に勘違いでした−−; 「恐れ多い」は確か以前も「畏れ」を使ってますし、修正致しました。(四方多撲)
ジョージ 様>高性能エンジン!とても格好良い表現ですね。内容はアレですがww(四方多撲)
ルーデル 様>まさしくその通りでw リクありがとうございます!・・・恋の娘は人気あるなぁ・・・凄いプレッシャーが−−;(四方多撲)
kanade 様>楽しんで戴けて何よりです! リクありがとうございます! 恋の子は“筆者がファンな中の人”のイメージと“小さい恋”のイメージを融合させるのがとても難しいキャラでございますw(四方多撲)
ユウ 様>リクありがとうございます!(四方多撲)
tubasa 様>その通りでございますww 葉貴【葉雄】を含めれば47人もの実子(全員娘ww)がいるわけですなー^^;  リクありがとうございます!(四方多撲)
MiTi 様>まあ仙人は比喩ですw この外史の一刀くんが原作に比しても絶倫な理由は此処にあったのでしたww(四方多撲)
truth 様>ありがとうございます! あと5話頑張ります!(四方多撲)
アンケはAですね。一刀も何かしらある気がしてたけど、気孔でしたか。(羅司音)
6p:おかしいかったり → おかしかったり。さすが種馬・・・限界はありませんね。アンケートはBで。(Nyao)
更新お疲れ様でした。次回から懐妊ラッシュとのことですが・・・そろそろ華琳にも・・。それに張三姉妹や葉雄あたりもそろそろ合流しそうな予感w一刀の気孔鍛錬は以外でしたが、ラストに向けての伏線とのことなので楽しみに待つといたします.(Sirius)
あと数話で終わるかと思うと少し寂しいですな。アンケは B でお願いします(しゅう)
Aですな、と言うか一刀はアレだ・・・・色々普通じゃないよね(シュレディンガーの猫)
>XOP様 朝廷ですが中国では『朝に』おこなう会議であることから『朝』という文字がつき、『廷』と言う意味は、国家的行事や儀式の場を『外廷』、王宮で暮らす人々の生活の場を『内廷』というように『廷』は君主が会見し政務を行う場所(通常宮城)をさします。(thule)
その為、余程専制君主政権であったり皇帝から特殊な命令が出ない限り、文武百官は朝宮中に参勤します。そして、皇帝が御前にいるかですが体調不良等を口実にサボる皇帝もいたことから議長となる官僚さえいれば皇帝不在でも会議は淡々とおこなわれたという話もあります。(thule)
桃園三姉妹の子供が同じ日に生まれそうですね。子供たちで誓いを再現するのかな。アンケートはBでお願いします。(hokuhin)
曹操の血族が誘拐され殺害を企む事件→これでは標的が『曹操』なのか『曹操の血族』なのかが分かりにくい:“子種”を授かれる権利→授かる・授けられる:皇太子・董白様は既に→董白様【月】(XOP)
あと言い忘れていましたが、劉三姉妹の皆さま、並びに穏さんご懐妊おめでとうございます。…まぁ、穏さんは原作でもご懐妊率高めっぽかったので予想はできますが、稟さんが魏勢一番乗りとは予想できませんでした。彼女の重要度一位の華琳さんに、一刀君が同率で並ぶ日は来るのかなぁ…(レイン)
山越の皆さんに何とか賛同を得て良かった×2。総大将自ら前線に出るとは、魏や呉の王様そのまんまですね…これで誰かさんも他人のふり見て我がふり直してくれればいいんですがねぇ…それにしても武官の皆さ〜ん、一刀君の実力を過大評価し過ぎですよ〜(気には目覚め気味であるとはいえ…)(レイン)
Bで。しかし・・・両軍の眼鏡担当が孕んだか・・・・がんばれ亞莎!!負けるな詠!!(霊皇)
袁譚が末子で46人目ってことは・・・一刀の妻は全部で47人。妻たちが子を一人ずつ(流産・死産は数えず)産んでいれば47人になるはず。一刀よ…葉貴を認知していないのか?(XOP)
アンケはBで!しかし華琳、「真」になってこめかみを押さえるツッコミ系が板に付いて・・・。武官があんな感じなのでおちおちはっちゃけられなくなってますね(バッキー)
一刀が種馬である理由が今此処で明らかにww それはともかく見事な懐妊ラッシュですね。次は一体誰がかいにんするんでしょうか、楽しみです。アンケートはBで。(よしひろ)
ちょっw恋と鈴々の組み合わせwよく生きてたなー 華琳が獣の目で蓮華を狙ってるwつうか愛紗攻略済み?w(moki68k)
何度吹いた事か…とても面白かったです。氣が種馬の原動力…成る程、納得させられますねwまさかこんな使い方が出来るとはww恋の子供が気になるのでアンケートはBで!(自由人)
稟・・・効果無しですかw一刀はいっそ気だけで防御出来る体になった方が面白いかも(攻撃力皆無で防御専門)wアンケートはAで(MAS2)
状態こと(複数あり)→状態のこと:そうだな。于圭の『真理眼→于圭【沙和】の:とタマ(厳紫玉)お姉ちゃんだねー☆→タマ(厳紫玉)【桔梗】:黄越に“めっ!”→黄越【紫苑】に“めっ!” :アンケートはB(XOP)
面白かったです。 次も期待しています。 頑張ってください。アンケートはBで!(ODIN)
恐れ多くて出来ません→畏れ多い?(『恐れ多い』も定着しているようですが):今や戦国時代ではない→彼女たちにとって『戦国時代』は『春秋時代』の次の時代。『群雄割拠』とか言い回しを変えては?:さぞ言葉を荒げるだろう→荒らげる(あららげる)だろう・『あらげる』は誤りで『あららげる』が正しい。:骨に異常がないのがおかしいかったり→おかしかったり:(XOP)
それは朝廷でも聞いた→『朝廷』は天子が政治を行う場所。つまり天子がいる場所であり、この場面では一刀がいるこの遠征先が朝廷になるのでは?:彼女は尚更縮みこまる→縮こまる:どの程度まで見れた→ら抜き?:まずは地の理がある呉兵を→土地勘がある『地の利』(理ではない)は『土地の位置や形状が物事を進めるのに有利なこと』つまり『地理的要因』を指す。(XOP)
いっそ仙人レベルになっちまえよ、そうすりゃいい、うんそれがいい 要は一刀は天然の高性能エンジンを積んでいた、ということですな(峠崎丈二)
底抜けの持久力の源は氣だったのか。ここまでの話だと主に夜のほうにしか使えなさそうだがwアンケは恋の子が見たいのでBで。(ルーデル)
面白かった!アンケートはBで。恋の子供が見てみたい(kanade)
Bで(ユウ)
あっ、アンケートは毎回同様Aで……と言いたいのですが、恋の子供も見てみたいので、今回はBで!(tubasa)
MiTiさんの意見、大当たりかも。じゃないと、子供46人(現時点)なんて無理だと思うし……さてさて、これからどうなる事やら……(tubasa)
なんだかスゲーことになってるな。いろいろと…一刀、本当に仙人になってしまうのかw?てか、種馬の謎ってもしかして、気によるもの?(MiTi)
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