ようこそ、二次へ十一話
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いきなり、二次元の世界にやってきてしまった俺。

元の世界に戻るためには七色の物を探し出さなければいけないらしく

二次元の世界の人達とワイワイやりながら頑張る話。らしい。

 

前回の誰でも分かるかもしれないあらすじ

アイマスの世界にやってきて

紙が風にとばされてヘッドバットをくらいました。

そんなこんなで765プロで雇ってもらった。

 

では、本編です。

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十一話 アイドルマスター 〜765プロA〜

 

「さーて、何をしようか?」

昨日から765プロで泊まり込み雑用係として雇ってもらった俺は、

寝ていたソファーから落ちて朝五時に目を覚ましてしまった。

「掃除とかやっておくかー」

掃除用具入れから雑巾を取出し、濡らして絞る。

この世界の季節は7月中旬、夏休みの少し前くらいで手に当たる冷たい水が気持ち良かった。

机、椅子、窓と順々に拭いていくが目立って汚れている場所がなかった。

「あんま汚れてないな・・・」

「毎日掃除(とくにやよいちゃんが)してますからねー」

振り向くと音無さんが私服で立っていた。

「おはよーございます。早いんですね」

「昨日、少しやり残した仕事があったんで、ちょっと早めに来たんですよ」

・・・結構まじめなんだなー。全然そんな感じしないけど。

「今、この人絶対にそんな真面目キャラに見えないのに、意外すぎる・・・とか思いましたね!?」

「い、いえ。そんなことは、決して!」

「・・・目が泳いでますけど、まぁいいです」

音無さんは少し拗ねた様にぷいっとそっぽを向いて着替えに向かう。

俺は外回りの掃除をしようと、箒を片手に外へ出た。

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AM9時。

社長が今事務所にいる人間を集めた。

人数は少なく、音無さんとアイドル数名だけだった。

その中には春香さんの姿もあり

「昨日はごめんね」

と言って他のアイドルのもとへ行ってしまった。

 

揃ったのを見計らって社長が俺を前に呼び

「えー、ゴホン!諸君、今日からこの事務所働く事になった霧島君だ。

彼は泊まり込みで、雑務などをしてくれる。何か困りごとなどあったら彼に言ってくれたまえ」

「よろしくお願いします」

と俺は頭を下げる。

「それでだが、これが従業員のほとんどだ。アイドルたちはもう少しいるのだが

生憎、今日は仕事などで出払っている者が多いのだ。

それでは紹介しよう、この子達が我が事務所の誇るアイドルたちだ」

 

そう言って社長は、この場にいた春香さん、律子さん、やよいちゃん、千早さん、

美希さん(ソファーで睡眠中)を紹介してくれた。

そして、この場にいないアイドル達の名前を言っていく。

その中に我那覇響と四条貴音の名前があった事には驚いたが、世界は色々あってその内の

一つなのだろうと自分の中で納得をした。

その後、紹介が一通り終わって解散となった。

 

「優作君、渡すものがあるから社長室まで来てくれるかな」

社長に付いていくと渡されたのはシンプルな携帯だった。

「・・・これは?」

「この事務所とアイドルたちの電話番号が入っている。何かと必要な時が出てくるだろうからね」

「ありがとうぎざいます。・・・でも、電話番号って大丈夫ですか?」

「事務所の子達には了承を得ているから大丈夫だよ」

「じゃあ、ありがたく貸してもらいます。・・・あの、一つ聞いてもいいですか?」

「なにかね?」

ふと、頭に浮かんだ疑問を聞いてみた

「なんで社長は、どこの馬の骨とも分からない俺を雇ってくれたんですか?」

「・・・私は昔プロデューサーやっていてね、人を見る目はそこそけあると思っているのだがね」

と自信満々に答てくれた。

たぶん俺を信用してくれていると解釈していいのだろう、「ありがとうございます」と言って、

その場を去ろうとすると社長は

「しかし、私が現役の時にはだね・・・」

と話だして、その後三時間、社長の現役時代の武勇伝(途中明らかにフィクションが入ってきた)を聞かされた。

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「・・・はぁ」

椅子に座るなり溜息が出る。三時間もぶっ続けで自慢話を聞かされるのは中々堪えるものがあった。

「どうしたのよ?溜息なんてついちゃって」

書類の整理をしていたらしい律子さんがこっちに顔を向けて問い掛けてくる。

「実は、社長に・・・」

「ああ、社長の武勇伝(笑)ね。プロデューサーもここに来てすぐの時に聞かされてまいってたわね」

苦笑いを浮かべて言った。

「それは置いといて、あずささんを迎えに行ってくれないかしら?

そろそろ来るはずなんだけど、きっと迷子になると思うから・・・」

「分かりました。けどなんで俺なんですか?あと初対面の自分がいっても大丈夫ですかね?」

「いつもならプロデューサーとか手の空いてる人が行くんだけど、

生憎今日は皆出ていて暇そうなのがあなただけなのよ。それにこの書類の整理、出来ないでしょう?」

「は、はい・・・」

「顔は・・・」

律子さんはいきなり携帯を取り出し、俺の顔に向ける。その後すぐにピロリロリーンと音がなる。

「これをあずささんに送っておくから、お迎え頼んだわよ」

今しがた無断撮影した俺の顔写真をこちらに見せ、メールを打ち始めた。

「待ち合わせ場所は駅前ねー」

俺は椅子から立ち上がった。

「じゃあ行ってきますー」

「はーい、いってらっしゃい」

軽く片手を振り律子さんは作業に戻った。

 

事務所を出て歩き出したのはいいけど

「・・・駅前ってどこだ?」

前途多難だった。

 

十一話 アイドルマスター 〜765プロA〜 終わり

説明
ようこそ二次へ、十一話です。アイマスの世界にやってきて運よく765プロに転がり込んだけど・・・
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