恋姫無双 〜天帝の花〜 1話
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 「おい、兄ちゃんおきろや」

 目覚めは最悪だった。

 最近、夢をみることはなく楽しい旅を続けることができると

気分は上々だったのに、目の前には青い空は広がってはなく、

薄気味に笑っている男がこちらの顔を覗きこんでいたのだから。

 

 「………」

 なんだか、とても吐きそうだ。なにが悲しくて朝一番の

無防備な顔を男に見られなくてはいけないのだ。

 やっぱり、朝いちばんといったら笑顔いっぱいのきれいな女

の子に起こされたいよな。

 そして、わたしと朝餉をどっちを――――

 

 「おぃ! 兄貴の言葉を聞いているのか。

  無視しているんじゃねぇぞ こら!」

 

 「そうなんだな。

  こっちの話しを聞くんだな。」

 

 気がつけばチビとデブにも罵られていた。

 残念ながら、男にそんなことを言われて喜ぶような変態では

ないのだからやめてほしいものだ。

 

 「えーと、とりあえずなんでしょうか。

  こちらの格好を見てわかるとおり、お金になるようなもの

なんて持ち合わせていませんが。」

 

 「その得物があるじゃないかよ、兄ちゃん。変わった槍だが

商人に売りつければ結構な値になりそうだしな。」

 

 「それは、いくらなんでも困りますよ。一人旅でただでさえ

危険なのに守れるものがなくなってしまったらこれからどうやって

旅を続ければよいのでしょうか。」

 

 

 「それは、兄ちゃんの運がなかったことだと思ってあきらめてくれや。」

 

 「いくらなんでも、それは――」

 

 「てめえ、こっちはお願いなんてしていないんだよ。さっさと殺っちゃいましょうよ兄貴」

 

 全くなんて怒りやすいチビなんだ、人の話しは最後まで聞きなさい

と母親から聞かされなかったのか。やっぱり、体が小さいと怒りやすいの

か、そうなると迷惑な人だな。

 

 なんて、考えている頃。

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 「むっ、一人に対して三人とは何と恥しらずなやつらなのだ。

  稟、風、ここで少し待っていてもらえないか。

  あいつらの性根を叩きなおしてくる。」

 

 「あまり、面倒なことに巻き込まれたくありませんがあなたの

性格上それは無理な話ですから。程々にとお願いしておきましょう。」

 

 「星ちゃんなら、なんの問題もありませんからねー。風は帰ってくる

のを寝ながら待っているとしましょう。」

 

 「助かる。では、いってくる。」

 

 お気をつけて、と静かな声で眼鏡をかけた女の子が送り出せば、はいー

と頭に変な生き物を乗せた女の子の言葉を聞き青髪

の女の子は荒野を駆けていった。

 

 

 

 

 

 

 「華琳様〜、出発の準備が整いました。

  どうかしたんですか、華琳様?」

 

 「華琳様?」

 

 「なんでもないわ、考え事をしていただけよ。

  それよりも、賊共の場所は発見できたの?」

 

 「はい、先ほど偵察の部隊から連絡が届きました。」

 

 「わかったわ、春蘭」

 

 「総員! 騎乗!騎乗!」

 

 「無知な悪党どもに奪われた貴重な遺産、何としても

取り戻すわよ!  ………出撃!」

 

 

 これから、歩むべき覇道を目指し小さな少女は出陣する。

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 「貴様ら! 待てぇぃっ!」

 

 声のほうに振り向けば一人の女の子がそこに立っていた。

 

 「おぃ! てめぇ何者だ」

 

 「貴様らのような者に、名乗る言葉は持ち合わせておらん」

 

 ―――瞬間。

 

 「ぅぉっ」

 

 「ぐへっ」

 

 気がつけば、小さい男と太った男は地面に倒れていた。

 突然なことに何が起きたのかわからなかったヒゲは

逃げることしか頭になかった。

 

 「ふん、所詮貴様らは三下か話にならんな」

 

 「うるせぇ。早く起きろ、チビ、デブ。逃げるぞ」

 

 それぞれの体に蹴りを入り、鈍い音がしたが男たちは目を覚ました。

 

 「そうはさせるか―――」

 

 おらよ、とヒゲは短刀を投げつけ逃げ出した。

 もちろん、彼女にはそんな小細工は通用しないわけだがその場から

消え去るには十分な時間だった。

 男たちの姿は、小さくなりつつあった。

 その行方を確認し、

 

 

 「怪我はないか、御仁」

 

 振り返り、青髪の女性は彼に尋ねた

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 「怪我はないか、御仁」

 

 「はい、貴方様のおかげでこのとおりです。

  故あって、真名しか名乗れませんが栄花と申します。」

 

 

 「はは、そう畏まらなくてもよい。その事について理由を知りたいが

やめておこう。それに、一度あった人間に真名を預けてもよいのか?

この世だ、偽名でも名乗ればよかろうに」

 

 「いやいや、この世だからですよ。それに、貴方のような武人ならば

真名を預ける価値はありますよ」

 

 あはは、と笑いながら彼は話し、それを聞いた彼女はほう、と一言

だけ漏らした。

 

 「では、謹んで預かろう。我が名は超雲だ。それに疑問をもっていたの

だが、栄花よそなたも武人であろう、賊相手に何故戦わなかったのだ」

 

 紅き槍をみながら、問いかける。

 

 「そんな、武人なんて立派なものじゃないですよ。寝起きだったもので

ぼーっとしていだけです。それに、超雲さんのように急所だけを狙うなん

てそんなことはできませんから」

 

 当然のように答える彼だが、いくら手加減していたとはいえ、それなり

に武があるものでなければ先ほどの槍捌きを目で追うことはできないはず

である。ましてや、その攻撃した場所さえ言い当てたのだ。

 並のものなら、軌跡はおろかなにをされたかもわからないだろう。

 その事実が、武人としての勘を告げる。

 

 「栄花よ、どうだお互いに槍を交じえてみないか」

 

 本人は惚けているが、同等又はそれ以上の者だと。

 

 「んー、魅力的な話しですが今回は遠慮しておきます。

  おつれの方が先ほどから退屈そうにしていますので」

 

 そこには、眼鏡をかけた女の子と不思議な格好をした女の子が視線を投げ

かけていた。

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 「星ちゃんばっかりずるいですよ〜

  わたしたちにも紹介してくださいよ。」

 

 「こちらの御仁は?」

 

 「栄花といいます。真名ですが、趙雲さんの仲間なら気軽に呼んでください。」

 

 「だ、そうだ。」

 

 紹介する事ができなかったせいか、彼女は不服そうな顔をしていた。

 

 

 

 「名前は教えてくれないのですか〜?」

 

 「ひとり旅は危険ですからね。」

 

 「あなたのおっしゃっていることは、わかりませんがとりあえずいまは戯志才

とお呼びください。」

 

 「今回は、聞かなかったことにしておきますよ。

  私の名前は、程立といいます。風と呼んでください。」

 

  

 

 「風! そう簡単に真名を許すなど」

 

 「大丈夫ですよ稟ちゃ〜ん。お兄さんは、悪い人ではなさそうですからね」

 

 しかし、と彼女は反対の声を上げてしまう。

 旅先で風と出会ってから生活をする中で彼女は一歩遅いので一種の保護欲

みたいなものが彼女には芽生えていた。そして、風のこともよく理解している

はずと自負しているので

 

 「納得しかねますが、風がそういうのならばわたしからなにもいうことは

ありません。」

 

 彼女は一度言い出すと、自分に責があると思わなければ折れないのである。

 

 

 

 「それで、栄花よお主はなぜ一人旅をしている」

 

 「なぜ、と聞かれると見聞を広めるためかな」

 

 それから、どこの町が栄えていたとかこの世についてとか色々話していた。

 時折、メンマの話しが出ていたことは割愛しておこう。

 

 

 「それで、栄花殿はこれからどこに行くつもりですか?」

 

 「とりあえず、次は公孫讃のところにと思っているよ。」

 

 

 「ほう、わたしもこれから公孫讃殿のところにと考えていたところだ。

栄花がよければ、一緒にどうだろうか?」

 

 「いいですよ。一人でいくよりも二人のほうが楽しそうですし」

 

 

 

 「なにいっているんですか、お兄さん。風もご一緒するですよ。」

 

 「ちょっと、風! 聞いてませんよ。これから曹操様のところにと

行くつもりだったでしょ。」

 

 「大丈夫ですよ〜、稟ちゃん。曹操様のところにいま仕官しなくても

大丈夫なはずですから。それに今は、お兄さんのほうに興味がありますので」

 

 ごそごそと背中の上に移動して、おおきいですね〜、と一言だけを残し気持ち

よさそうにして眠ってしまった。

 

 「仕方がありませんね。栄花殿、これから道中お願いします。」

 

 ふぅー、といいつつ、風に甘い彼女は少々気苦労が多そうだ。

 三人の旅仲間と共に、いざ公孫の地へ。

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 あとがき

 

 文法が本当に不明ですみません。自分なりに色々と模索しながら書きたい

と思っているのでご容赦ください。

 えぇ、話しが全然進みません。プロットもできずにいきなりぶつけている

ので自業自得なんですけどもね。だけど、3日以内にあげると宣言通りにで

きたのでご容赦ください。楽しみにしている人がいたらうれしいかぎりです。

 超雲のところですが、ただしい漢字がでてきませんでしたのでよろしくおね

がいします。

 途中、ひらがなの部分に疑問を持つ方もいらっしゃいますが、作者スタンス

ということでご容赦のほどよろしくお願いします。

 例) ひとり旅等

 

 途中でてきた、覇王様ご一行は賊を見つけることができずに与えられた任務に

赴いたということでご理解ください。色々な作品を読みたいからという、作者的

にはどうしようもない行為ですが、ご容赦ください。

 

 今回は色々な視点で書いたのですが、どうでしょうか?

 小説というと、第三者的な立場で話しが進んでいくと思うのですが、力量的には

難しいので見る位置をかえたわけですが、戸惑っている状態です。

 栄花の頭の中はどうしたんだ、と思っている読者様もいるかもしれませんが書い

ている作者も困っております。シリアス?が好きな読者様が読んでいたら申し訳ありません。

 曹涼というキャラクターを確立しようとおもったら、こんなことに……

 

 作者の頭の中では、そこに至るようになるまでと元の性格?も出来上がっていますので

待っていただければ幸いです(どこかで話しをいれていきます)。やはり、話しの変わり目は

反董卓連合だと思っています。

 

 ここで、コメント返しのほうをさせていただきます。 

 

 truth様

 

 前回に続き、コメント&報告のほうありがとうございます。

 コメントを見てやる気をもらっています。これって、本当だったんですね。

 指摘のほうもとても勉強になりますので頭がさがる一方です。

 横文字に気をつけるようにがんばって行きたいと思います。

 ツインテールという言葉を使って罵ろうとしていた場面も考えていたんですが

 考えてみれば、こちら側の人たちはわかりませんもんね……

 呉ルートだと思った瞬間まさかの、原作での魏ルートの始まりとか裏切りすぎて申し訳

ないです。現時点では、呉ルートの可能性が高いです、しかし作者的にはもっと違うものを

と考えています。こんな、裏切りの作者ですが暖かい目で見守ってくれたら幸いです。

 よい意味で裏切れるようにがんばって行きたいと思います。

 

 

 miroku様

 

 前回に続きコメントありがとうございます。

 コメントを読んで元気をもらっていますよ。なんか、応援っていいですね。

 お兄ちゃん桂花考えていましたよ、男嫌いになった話とか離れて生活をする

ことによって悶々する桂花とか考えていました。

 この話しが終わったら、外伝の話しになる予定なのでその頃まで楽しんで読み

続けてくれたら幸いです。

 

 

 次回の更新は、日曜日の予定です。できるなら、その前にしたいのでいまでき

ているそれぞれのプロットの肉付けが良い感じになり次第投稿します。

 

 それでは、また次回お会いしましょう。

説明
この作品は恋姫二次創作です。
見習い卒業です。
駄文でもよろしい方は、どうぞ。

3/10 17時44分修正
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コメント
4p、「超雲」→「趙雲」(O-kawa)
確かにどう考えても星のセリフとしてはおかしいですね。それからちょっと短いのが気になりますね。(PON)
「むっ、一人に対して三人とは何と恥しらずなやつらなのだ。」←最初、鈴々のセリフかと思いましたw 鈴々が風&稟と行動しているのは新しいなと。(Daisuke)
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