真・恋姫無双×仮面ライダー 一刀蒼き仮面の遣い 最終話
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赤壁の戦いから一週間。曹操は江陵を放棄し、自領に撤退していった。

それからさらに一週間後、ついに最終決戦が始まろうとしていたが…。

 

「いよいよだな……」

「これで我らの邪魔ものを排除できる」

「これもあの雨瞳のお陰だな」

「奴には感謝しないとな……ふっふっふっ」

 

匈奴の長、呼廚泉(こちゅうせん)。鮮卑の長、軻比能(かびのう)邸の長、千万。羌の長、迷当(めいとう)が機が熟したかのように笑う。

 

「では行こうか……」

「ああ、奴らを皆殺しにするためにも……」

 

そして五胡軍は侵攻を開始したのであった。

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一刀達の方では……。

 

「曹操の動きは?」

「現在、敵軍は新野城へと入城し、防御体勢を整えています」

「しかし新野城は大軍を容れておくには狭すぎる城です。最後はやはり野外での決戦となるでしょう」

「野戦か……。個人的には望むところだな」

「赤壁の戦いと、その後の伏兵奇襲のお陰で、曹魏の軍勢は大幅に縮小しています」

「現在の兵力で言えば、ほぼ互角。勝てるかは分からんが、負ける要素も無いな」

 

星の言葉を聞いて将たちは心が燃える。

 

「後はあたしたちの活躍次第か。ふふんっ、腕が鳴るってもんだ」

「鈴々の強さを見せつけてやるのだ!」

 

そんな中、桃香が憂鬱そうな顔をしている。

 

「どうした? 桃香」

「うん…。これ以上、曹操さんと戦う意味、あるのかなって思って……」

「戦う意味ね…。ほぼ互角の兵数になったから天下三分の計の必要要素は揃ったな。

と言っても問題は曹操が止める気が無いってことだな」

「それは分かってるんだけど…。でもね、ご主人様、私、思うんだ。

曹操さんの考えている覇道。……それはこの国を思ってのこと。そして私達が考えている、天下三分の計っていうのも、この国の未来を思ってのこと。

私達それぞれの考えが大切なんじゃなくて、この国のことが大切なんだと思うの。

私達が暮らす国。良い思い出、悪い思い出…全てが詰まった、私達の国が大切なんじゃないかな?」

「そうだね。国は民があって始めて支えられるんだ。民がいなかったら国の意味は無い。俺、何か少し変なこと言ってる気がするけど…。

なににしても曹操を納得させないといけない。この国を守りたいから、いがみ合うのを止めようってな。これはそのための戦いだろうな…」

「曹操を納得させるための戦い、ですか」

 

そこに皆が来た。

 

「戦って、曹操さんの力を弱めて。…そうしてようやく曹操さんと対等に会話できる」

「同じ机につかないと、話なんて出来ないのだ」

「曹操はそういうのだって、最初に会った時に聞いたからな。だったら、この戦いに勝って、曹操を説得させるってことだ。

だから桃香…。今はその優しさは出さないでくれ。戦場で優しさを……甘さを出すのは俺だけでいいんだ。それに理想と現実は食い違うところがあるしね」

「それは分かってるよ。ごめん、ちょっとだけ、これで良いのかなって考えちゃって」

「気にするなよ。それが桃香のいいところだからね」

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その頃、曹操は自分の目指す頂に靄が出ていると思っていたところを、夏侯淵が相談に乗っていた。

 

「華琳様」

「何?」

「私はいつもこう思っております。天命は天より至るものではなく、曹孟徳の行いによって曹孟徳に至るものだ。

あなたはあなたの信じる道を、ただまっすぐに進めばいいのです。それこそ、我らが愛しい主の姿。

あなたが死ぬのなら、私たちも死にましょう。あなたが生きるのならば、私たちはそれを支えましょう。

何が正しいのか、何が間違っているのかではない。曹孟徳の選んだ道が、すべからく正義なのです。我らにとっては」

「秋蘭……」

「出すぎた事を言いました。しかし…そろそろ他者の心に現出する曹孟徳では無い。華琳様の心のままに動くのも、良いのではありませんかな?」

 

曹操は少し考える。生、そして誇りがあるうちはまだ敗北ではない。曹操の持つ志がそうさせ、今に至るのだ。

 

「…そう出来れば良いわね」

「いつか…出来る時が来るでしょう。時は進み、世は変わる。…常に一箇所に止まっている事象など、ありはしないのですから」

「…ありがとう。その言葉、肝に銘じておきましょう」

 

曹操は笑いながら、夏侯淵に言った。

 

「だけど、今の私は曹孟徳の衣を必要としている。その衣と共に出陣しましょう。最後の戦いに向かって…」

「御意。…どこまでもお供いたしましょう」

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戻って蜀呉陣営で…。

 

「あっ、やっときた。…遅いわよ?」

 

孫策が待ちくたびれたように桃香達に言う。

 

「悪いね。少し考え事をしててね」

「考え事?」

「天下三分の計。その目指すところについて…」

「目指すところ、か。天下三分とは、勢力の均衡を保ち、三すくみの状況を利用し、擬似的な平和を作り出そうとする策。

無二の平和など存在しない。平和の裏には必ず駆け引きが存在する。駆け引きをしながら、最後の一線を越える事に対して、三すくみを利用して自制する心を引き出す。それこそがこの策の真髄だ」

「うん。それは分かってます。でもね、私、思うんです。駆け引きじゃない。心から分かり合えることは出来ないんだろうかって。

だって……私と雪蓮さんだって、心から分かり合えたんですから」

「買いかぶりすぎよ、桃香。私は呉のためならばあなたを裏切ることさえ厭わない。…そういう人間。

心からわかり合えたって、そう言ってくれるのは嬉しいけど。でも誰もが桃香のように、純粋に、無垢に人を信じているわけじゃないわ」

「まあ人間はそれぞれ個性があるな」

「でも…逆に言えば、雪蓮さんは呉に何も無ければ裏切る事はしないってことでしょう?」

「それはまぁ。好き好んで大戦を起そうなんて気はないけど」

「なら、曹操さんとだって分かり合えるはず。曹操さんの目指すところも、私達が目指すところも、同じ頂なんですから」

「うーん……まぁ何かきっかけがあって、一致団結できるなら、それも可能かもしれないけどね」

(一致団結になるきっかけ……。となると共通の敵ってことになるのかな?)

 

一刀は頭で考える。

 

(この大陸の人間が共通の敵として認識してるとなると…、五胡だな)

「しかしそんな事は万に一つも無いだろう。…劉備よ。そんな甘い考えでは……」

「足下を掬われるぞ、でしょ? 分かってる。分かってます、それぐらい。

だけど…この気持ちは失いたくないです。いつかきっと…曹操さんとも分かり合えるって、そう信じていたい」

「俺も……」

 

軍議を終えた一刀達は決戦になるであろう、襄陽に向かい、曹操軍も軍を襄陽に向かっていた。

そして襄陽で互いの軍が接触し、曹操と桃香の舌戦が繰り広げられた。

そこに……。

 

「ふっふっふっ、集まってるな」

 

そこに何と雨瞳が堂々と割って入って来たのだ。

 

「雨瞳! やはり生きていたか」

「俺が死ぬと思っていたのか?」

「いや、思っていなかった。だがあの後お前の動きが無いことを考えていたがな……」

「そうか……」

「あなた」

「うん?」

 

曹操が雨瞳に何か尋ねようとする。

 

「その声、まさかあなたが黄蓋が火を放つと教えた……」

「そうだ。しかし失敗したようだな。……お前のせいでな、北郷!」

 

カブトゼクターが飛んでくるが、飛んでいる最中に色が黒くなりダークカブトゼクターに変わる。

そこにガタックゼクターも飛んできて、ダークカブトゼクターとぶつかり合い、一刀と雨瞳の手に収まる。

 

「ここで決着を付けてやろう」

「それは俺の台詞だ!」

「「変身!!」」

「「Henshin」」

 

二人は変身し、二人とも一気にライダーフォームになりぶつかり合う。

 

「「Clock up」」

 

クロックアップを使い、誰も戦いに割り込めないようにし、二人は互いの拳と武器をぶつけ合う。

 

「お前のせいで! お前のせいで森が!」

「おまえのせいでもあるだろ!」

「そんなわけないだろ!」

 

二人は激しく叫びながら、ぶつかり合う。

 

「お前に分かるか! 家族を……唯一の肉親を失くした俺の気持ちが!」

「分からねえよ! ……だけど大切な人が死んだらどれだけつらい気持ちなのかはよく分かった!

だからな……あの時のお前のやった行動は分かったつもりだ。

だが、分かってもお前のやったことは許さない!」

「そうだろうな!」

 

二人は投げ合い、そして最後の技を決めようとする。

二人はゼクターのボタンを押し、ホーンをマスクドフォームの状態にする。

 

「「ライダーキック!」」

 

その言葉と共にゼクターを再びライダーフォームの状態にした。

 

「「Rider Kick」」

 

二人の右足にタキオン粒子が溜まっていく。

一刀が走り出し、雨瞳はカウンターの回し蹴りを一刀にぶつけようとするも、一刀はそのカウンターに合わせるように右足を雨瞳の右足にぶつけた。

そしてその場で爆発が起こり、二人は後方に転がる。

 

「ぐわっ!」

「くっ!」

「Clock over」

 

同時にクロックアップが終わる。

そんな時、恐るべき知らせが届く!

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「申し上げます!」

 

突然、魏、呉、蜀の伝令兵がやってきたのだ。

 

「なんだ?」

「せ、西方の国境が五胡の大軍団によって突破されました!」

「南西も同様に、五胡の軍勢が……!」

「南方も同様! 五胡の軍勢は国境を突破し、破竹の勢いで北上を開始しております!」

「なんだと!?」

「国境を突破した五胡の軍勢は各地の城を次々と落とし、兵士、民衆、を問わず、全ての人間を根絶やしにするように大殺戮を行っております!」

「皆殺しか…。数は!?」

「およそ百万!」

「南西よりも侵入した五胡軍も約百万! 同じく殺戮をしています」

「南方も同様です!」

「わかった……」

「始まったようだな……」

 

そう言いながら、雨瞳は立ちあがる。

 

「……そう言うことか。お前……五胡に拾われたな」

「そう言うことだ……。どうせならあいつらにこの世界を破壊させようと思ってな……」

「手前!」

「それじゃあな」

「Clock up」

 

そう言って雨瞳はその場を去った。

 

「曹操!」

 

一刀が曹操を呼ぶ。

 

「!?」

「俺達に協力しろ! じゃないとこの国、いや大陸が五胡に支配される。協力してくれ!」

 

今こそ曹孟徳の…覇王の衣を脱ぎ捨てる機会だと曹操はそう考えた。

 

「いいわ、協力しましょう」

「曹操さん」

「魏軍も総力を挙げて協力するわ」

「ありがとうございます」

「それじゃあ、早速分担して行くぞ!」

 

南西で紫苑、黄蓋、桔梗、夏侯淵、呂蒙。西では愛紗、鈴々、焔耶、夏侯惇、周泰。南方で星、恋、李典、于禁、甘寧。

機動部隊としての補佐で翠、霞、楽進、白蓮、麗羽、斗詩、猪々子に分かれた。

一刀は機動隊と共に北方に行き、五胡兵と戦っていた。

 

「ふん! うりゃあ!」

 

一刀はガタックダブルカリバーで五胡兵を倒していく。

そこへダークカブト……雨瞳が姿を現す。

 

「雨瞳……」

「今度こそ決着をつけようか」

 

雨瞳と一刀が再びぶつかり合う。

そこに突然何かが割って入って来るかのように飛び道具が二人を襲う。

 

「のわっ!」

「ぬっ!?」

 

二人は思わずのけぞるがすぐに体勢を整え直す。

 

「今の攻撃……」

「人間技じゃない?」

 

二人はその攻撃が飛んできた方向を見る。

そこには呼廚泉、軻比能、千万、迷当の四人の姿があった。

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「お前達……なんのつもりだ?」

「何、お前の役目は終わっただけだ」

「このままお前が生きていても邪魔だけだ」

「ここで死んでもらおう」

「悪いが死ぬ気はない」

「だろうな……」

 

すると四人の右腕は人間のものではない別の生き物の腕へと変化した。

 

「その腕……貴様ら……ワームか!」

「ワーム? さあな。お前が来た時辺りにこんな腕に変化できるようになった」

「俺達がこの世界に来たから……影響を受けたと言うことか?」

「ふん。俺達が手に入れたのはこれだけではない」

 

そして四人の左腕にはなにやらブレスレットのようなものが付いていた。

 

「それは……ライダーブレス!」

「ライダーブレス……森が言ってた最近ZECTが作ってたって言う新しいマスクドライダーシステムのやつじゃないか……」

「何故それを持っている?」

「ふん。貴様がこの大陸を混乱させに出て行った後に、拾っただけだ」

「どこかで俺達の世界と繋がりがあるのか?」

「「「「こい!」」」」

 

四人がそう言うとそれぞれ色の違うゼクター、カブティックゼクターがライダーブレスへと自発的に装着される。

 

「「「「Henshin」」」」」

 

その音声と共に呼廚泉は仮面ライダーコーカサス、軻比能は仮面ライダーヘラクス、千万は仮面ライダーケタロス、迷当は白銀の色のライダー、仮面ライダーエレファスに変身する。

 

「なんだあれは?」

「コーカサス、ヘラクス、ケタロスは知ってる……。だがあのもう一つは何だ?」

「この姿の名はエレファスだ」

「エレファス?」

「エレファスゾウカブトをモデルにしてる奴だな……」

「それがよく分からないが、殺してやろう」

「「「「Clock up」」」」

 

四人はクロックアップする。

 

「ふん」

「Clock up」

 

雨瞳もクロックアップする。

 

「ちっ!」

「Clock up」

 

一刀もクロックアップする。

そして一刀は勝手ながら、雨瞳と四人の中に割って入る。

 

「はっ!」

「ふあっ!」

「ぬっ!」

「おら!」

「ぬあ!」

 

一刀は四人の攻撃を同時に受ける。

 

「くそ……」

「邪魔だ!」

 

雨瞳がカブトクナイガンで一刀を斬りつけて、一刀は後ろに下がる。

 

「手前……」

「これは俺の戦いだ」

「そうだな」

 

呼廚泉がそう言うと四人は雨瞳を集中攻撃をする。

雨瞳は何度も戦い抜いた男だが、敵はライダー四人。

いくら雨瞳でも多勢に無勢であった。

次第に雨瞳は押されていく。

 

「これで終わらせてもらおう」

 

四人はライダーブレスに付いているゼクターを180度回転させる。

 

「「「「Rider Beat」」」」

 

四人がライダービートと言う名のライダーパンチをぶつけようとする。

 

「雨瞳!」

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一刀は雨瞳にパンチが行く前に、雨瞳に飛びつき、雨瞳を庇う。

雨瞳と転がる直前にエレファスのライダービートのパンチを一刀の背中がそれをくらい、転がった。

そして二人は転がり終わると雨瞳が一刀に尋ねる。

 

「……何で俺を庇った?」

「……分からん。だが……なんとなく言えることは分かる」

「何だ?」

「俺の頭のどこかが……お前を仲間と思ったみたいだな」

「仲間だと?」

「何でかは俺もよく分からん。だがお前をこのまま見捨てるわけにはいかないと思ったんだろうな」

「……そうか……」

 

すると雨瞳のダークカブトの黒色が赤色に戻り、元のカブトの姿になった。

 

「俺は……家族が居なくなった後……欲しかったのは……仲間……だったんだな」

「え?」

 

雨瞳の声が涙声になっていることに気付く。

 

「俺は……寂しかった………。俺には……仲間と言える奴が……いなかった。

家族は唯一、俺の事を見てくれた人達だ……。それが居なくなったから、俺を見る奴がいなかった。

ZECTの連中は俺を戦力としてしか見なかった。だから俺はお前達と接しようとは思わなかった……。

そして世界を壊そうと思った……」

「……正直、俺は今でもお前が憎い。だが……お前はこいつらを倒したいんだろ?」

「ああ」

「だったら……俺とお前は仲間だな」

「仲間……」

「お前を許す気はない。だが仲間なら助け合わないとな……」

 

一刀がそう言うとハイパーゼクターが空から飛んでくる。

しかもそのハイパーゼクターは2体も居た。

 

「ハイパーゼクターが二つ?」

「未来はいくつもあると言うことだ」

 

そして二人はハイパーゼクターを手に持つ。

 

「俺達で未来を勝ち取るぞ」

「ああ!」

「「「ハイパーキャストオフ!」」

「「Hyper Cast Off」」

 

その音声と共にカブトとガタックの姿が変わっていく。

 

「Change Hyper Beetle」

「Change Hyper Stag Beetle」

 

仮面ライダーカブトハイパーフォーム、仮面ライダーガタックハイパーフォームがその地に立った。

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「やるぞ」

「ああ」

「「Hyper Clock up」」

 

二人はハイパーゼクターを押し、ハイパークロックアップを使い、四人を襲う。

 

「ぬあっ!」

「ぐお!」

「ぐりゃあ!」

「ぐえ!」

 

四人は雨瞳と一刀の拳と武器のラッシュを食らい、宙を舞う。

 

「「Hyper Clock over」」

 

その音声と共に宙を舞った四人は地面に落ちる。

 

「見えなかっただと……」

「これがハイパークロックアップだ」

「ハイパークロックアップ……」

「一つ聞きたい」

「何だ?」

「何でお前達はこの大陸の人間を皆殺しにした?」

「奴らは居ても意味が無い」

「漢民族など不要な存在だ」

「そして貴様らも不要な存在だ」

「そうか……」

「「Hyper Clock up」」

 

二人は再びハイパークロックアップを使い、四人を襲う。

 

「これで終わらせてもらう」

「だが、パーフェクトゼクターってのは……」

「こいつにはまだ使い道がある」

 

そう言うと雨瞳はハイパーゼクターのホーンを倒す。

 

「Maximum Rider Power」

「何だそれは?」

「そしていつものようにな……」

「1,2,3」

 

雨瞳はカブトゼクターの3つのボタンを押す。

 

「なるほどな」

「Maximum Rider Power」

「1,2,3」

 

一刀も雨瞳の真似をして、いつものライダーキックのやり方をする。

 

「ちなみにこいつになるとハイパーキックだ」

「Rider Kick」

「ハイパーキック!」

「Rider Kick」

 

二人の右足にハイパーゼクターから供給されたタキオン粒子が溜まる。

 

「ふっ!」

「うりゃあ!」

 

二人は跳びあがる。

そして二人は右足を前にして飛び蹴りの格好をし、四人を挟み込む。

 

「「でゃああ!!」」

 

そして二人のキックは挟み込んだ四人に直撃し、四人は完全にふらつく。

 

「貴様ら……」

「こんなことをしていいと思うのか?」

「いいだろ。別に……」

「「「「ぐわぁぁぁぁあああ!!」」」」

 

そして四人は大爆発を起こした。

その四人分の大爆発はかなりのものでその爆発の煙は高く上がり、その煙が各地で戦っていた五胡兵達には何を意味していたのか分かり、すぐに五胡兵達はその場から撤退して行った。

 

「終わったな……」

「ああ……」

 

一刀と雨瞳はゼクターをゆっくりとホーンを倒す。

そして二人は変身を解除した。

 

「そうね。私達の勝ちよ」

「まぁこれだけ痛手を被ったら、五胡の奴らもすぐには手出し出来ないでしょうね」

「まあ大将を倒したし、兵のほとんどもやられたみたいだしな」

「でもその間に、付け入れられる隙をなくさなくちゃダメですね」

「そうね」

「ああ」

 

孫策も一刀も桃香の意見に賛成する。

 

「曹操さん」

「何かしら?」

 

曹操は笑った顔をしながら桃香に対応する。

 

「まだ……戦う気、ありますか?」

「……」

「私達は協力してこの国の敵を退ける事が出来ました。それでもまだ戦いますか?

五胡と戦っているとき、私達の心は一つになれたって思う。ならこれからも、その思いを共有することだって難しい事じゃない。

だから……だからみんなの力を合わせて、この国の未来を守りませんか?」

「ふふっ…どうする、曹操?」

 

孫策も少々笑いながら曹操に尋ねる。

 

「もう答えは決まってると思うけど?」

 

一刀も笑った顔をして、曹操に尋ねる。曹操は真剣な顔で答えた。

 

「劉備よ」

「はい」

「この国の未来。あなたはどう思い描く?」

「三人がそれぞれの国を大切にしながら、残りの二つの国を尊重する…それが私の思い描く、この国の平和な未来」

「そんな平和が続くとでも?」

「続きます。ううん、続かせるんです。皆で力を合わせて…!」

「ま、私達よりも更に後の世代の事を考えなくちゃいけないけど…なんとなかるんじゃない?

今のこの気持ちを、しっかりと後継者たちに伝えていけばね」

「そうだな。人はいつかは過ちを犯す。でも俺達が築き上げた思いをしっかり伝えておけば、その過ちをすぐに修正できる。俺はそう信じている」

「永遠の平和なんて望めないし、そんなの実現不可能だと思う。だけど、百年、二百年の平和なら、皆の努力で実現可能だって思うんです。だから………」

「……そうね。一人の力で支えられなくても、三人よれば支える事が出来る、か」

 

曹操は少し間を置いて答えた。

 

「分かったわ。…劉備。あなたの提案を受け入れましょう」

「曹操さん!」

「例え道が違ったとしても、同じ頂に至るのならばそれで良い…この戦いでそれが良く分かったわ」

「ふふっ……そうね。たった一人の天然な女の子のお陰でね」

「いいえ、劉備だけじゃないわ」

 

曹操が一刀の方を向く。

 

「あなたのお陰でもあるのよ。北郷一刀」

「俺?」

「ええ、あなたが居なかったらこんなことにならなかっただろうしね……。

それとあなたもね……雨瞳だったかしら?」

「ふん」

 

一刀と雨瞳は照れくさそうにした。

こうして……世は天下三分として、平和になった。

それから数日後……。

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「それでどうするんだ?」

 

一刀が雨瞳に尋ねる。

 

「俺は色々な世界を回ろうと思う」

「どうやって?」

「ハイパーゼクターならそれが可能だ」

 

そこにハイパーゼクターが現れる。

 

「ハイパーゼクターはタイムスリップが可能だ。それをうまく使えば世界を行き渡ることも可能だ」

「それでどうするんだ?」

「俺のような奴を探して、俺みたいなことをさせないように説く」

「そうか……」

 

そして雨瞳はカブトハイパーフォームに変身する。

 

「ところで雨瞳」

「何だ?」

「この世界は俺達が居た世界のようにあの鏡があるのか?」

「……いや。無い。俺はこの世界に来た時によく分からん声を聞いてな」

「よく分からない声?」

「ああ。そいつが俺に伝えたんだ。『この世界は世界を支える鏡と融合した世界。鏡は存在しない』ってな。

一応探してみたが、全然見つからなかった」

「そうなのか……」

「ああ、安心しろ。それに……」

「?」

「お前がいればこの世界は無事だろ?」

「ふっ、そうだな」

 

雨瞳はハイパークロックアップを使い、その場から姿を消した。

 

「元気でな。雨瞳」

「ご主人様」

 

雨瞳を見送った一刀を蜀の皆が呼び掛ける。

 

「何?」

「ご主人様も行くの?」

「……いや、行かないよ。だって……」

 

一刀は笑顔で答える。

 

「仲間を置いてはいけないしね」

「ご主人様」

 

蜀の皆が一斉に一刀に抱きつく。

 

「うおっ!?」

 

一刀は抱きついてくる皆の頭を撫でる。

一刀はこの世界に留まる事を選んだのだ。

そして一刀は三国の世界を救った人間の一人として、三国全ての仲間のために戦い続けてるのであった。

 

 

 

 

終劇

説明
この物語のメインは真・恋姫†無双の話ですが、主人公の一刀の性格が原作と全然違う部分が存在します。それが嫌な方はご閲覧をご遠慮願います。
なおこの物語の原作者は書いた著者ではありません。
原案者の許可をいただき、原案者の名前を書かせてもらいます。
また今回はオリジナルライダーが出てきます。
原案者 ビスマス  作成者 BLACK
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コメント
雨瞳は似た人間の更正の旅をした後、一刀がいる世界に戻り、華琳と結婚をし、曹丕が産まれる(ナハト)
その後の後日談(ナハト)
8pあれ?森・・・生き返ったのか? おつかれっした〜(スターダスト)
お疲れ様でした。おもしろかったです(永遠の二等兵)
お疲れさんや。めっちゃ良かったわ~♪(杉崎 鍵)
お疲れ様です。とっても楽しかったです!!(pandora)
コーカサス、ヘラクス、ケタロス、は金銀銅。ならエレファスは…プラチナ?(抹茶)
おつかれさまです!雨瞳がよかった・・・うん(スーシャン)
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