真・恋姫?無双 仙人で御遣い 33話
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〜幽州 南方『白虎』〜

 

豪臣たちは幽州に入ると、すぐに黄巾党の討伐を始めた。

そして、一週間がたったとき、暗部からの報告が入った。

東方に“劉備”という者が率いる義勇軍を発見した、と言うものだった。

豪臣は、劉備の人となりを見るために東に軍を進めた。

 

 

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〜幽州 南方劉備義勇軍〜

 

桃香率いる義勇軍は、現在行軍中だった。

そこに、斥候から報告が入った。

西方に“白虎”の旗を掲げる軍勢を発見した、と言うものだった。

愛紗は、すぐに桃香に接触することを進言。桃香もこれを了承し、西に軍を進めた。

 

 

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あれから両軍は、それぞれ進軍し接触した。

使者を介して連絡を取り、陣を構築した後に顔合わせを行うことが決まった。

これは、他州の『白虎』が幽州の義勇軍である劉備に挨拶に来た、という形を豪臣が取ったため、劉備軍の天幕で行われることになった。

そして、『白虎』から豪臣、朔夜、星の三人が劉備側に出向いた。

 

 

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〜劉備軍謁見用天幕〜

 

「初めまして御遣い様。私は劉備玄徳と言います。この義勇軍を率いている者です」

「はい、初めまして劉玄徳殿。私は紫堂。義勇軍『白虎』を率いています。自称ですが“天の御遣い”ですね。ですが、出来れば紫堂の方で呼んで下さい。堅苦しいのは苦手でして」

丁寧に挨拶されたので、丁寧に返す豪臣。

「はは、そうなんですか?」

と、桃香。

(・・・フレンドリーな言葉な割に、顔が少し強張って居るな。それと、さっきから、後ろに控えるサイドポニーの女の子の眼が気になるな)

豪臣は、桃香と後ろに控える愛紗を見て、不審に思いながらも自己紹介の続きを口にした。

「はい。では、控えている者の紹介もさせてもらいます。向かって右に居るの「お待ちください」・・・関雲長殿、でよろしかったでしょうか?」

「はい。私が関雲長と申す者です」

豪臣の言葉を遮った愛紗が前に出る。

その顔からは、厳しさが見てとれる。

「関雲長殿。大将同士の会話に割って入るとは、些か無礼では?」

「無礼は承知。しかし、私には、どうしても貴殿に尋ねるべきことがある」

豪臣の指摘に、一歩も引かない愛紗。

そんな愛紗の様子に、豪臣は肩を竦めて続きを促す。

「・・・あなた方『白虎』が、幽州に黄巾賊を誘導したという噂の真偽を伺いたい」

愛紗は、そう言いながら睨みつける様に豪臣を見る。

「・・・・・・・・・」

(ウッッッワー・・・そう来んの?まさかさ、噂のこと信じてる?報告では、諸葛孔明と鳳士元が居るんだろ?気づいてないのか?)

豪臣は、予想外の言葉に、つい呆けてしまった。

 

何故ならば、郭図の流した“『白虎』が〜”という噂の対象は民であるからだ。

豪臣は、有力な諸侯や豪族は気づいているとばかり思っていた。

 

愛紗は、この豪臣の態度が気に食わなかったのか、さらに目を細める。

それを見た劉備軍の面々は、慌てて愛紗に声を掛けようとする。

しかし

「貴殿は、仮にも“天の御遣い”を名乗っている。ならば、それ相応の態度を示して頂きたい」

愛紗は、そう切り出していた。

桃香は、小さく愛紗の名を呼ぶが如何すれば良いか分からない。鈴々は、またか、と思って頭の後ろで手を組む。朱里と雛里は、はわわ、あわわの合唱をしている。

そんな中

(ん?・・・俺たちが誘導したことに決定?)

と、豪臣は愛紗の言に首を傾げる。

しかし、愛紗の言葉は止まらない。

「それとも、“天”の称する意味を知らぬ無知者なのか?」

(天・・・天子、帝を表す言葉だろ?ってかさ、何で初対面の人間にここまで言われないといけない訳?)

豪臣の眉間に、若干の皺が寄り、雰囲気が変化し始める。

「それとも、田舎である幽州ならば、どれだけ被害が出ても良いと?貴殿の・・・貴様の良心は痛まないのか?」

(あ〜、キレそうかも)

豪臣の眼は、完全に冷めた目で愛紗を見ている。しかし、目の前の豪臣と言うよりも、自身で創り出した“悪の豪臣”を見て喋る愛紗は、豪臣の目に気づかない。

そして、愛紗は尚も続ける。

化物を怒らせているとも気づかずに。

「・・・黙っている、ということは、肯定と取っても?・・・下種だな」

 

 

ブチッ!

 

 

それは、化物の起床を告げる音だった。

 

 

 

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【視点・星】

 

「あ〜あ」

私は、ついつい、呆れ声を上げてしまっていた。

先程から、豪臣殿の様子がおかしかった。いや、おかしくて当たり前ではあった。あれだけ言われれば、流石の豪臣殿でも耐えられまい。

この関雲長なる人物は私と同格だろう。ならば、豪臣殿には遠く及ばない。

それにしても

(フフ、冷や汗が止まらない。あの時の感覚を思い出したか?)

私は、自身の体験を思い出したように冷や汗を流していた。

私は、その冷や汗を背に感じながら、関羽殿の冥福を祈った。

 

【視点・終】

 

 

 

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【視点・朔夜】

 

ブチッ!

 

この音が聞こえた瞬間。豪臣の後ろに控えていたあたしと星は

「「あ〜あ」」

と、揃って呆れ声を上げた。

 

だって、そうでしょう?

あの噂に対して落ち着いていた理由は、顔良たちが謝罪をしてきたからであって、スケープゴートにされたことに対して怒りが無い訳ではないのですから。

それを、明らかな勘違い。気づかない者が莫迦、と言う様な噂に流されて下種呼ばわり。

豪臣で無くても切れます。

いいえ。豪臣はこれでも温厚な人間。

豪臣がキレるのですから、大概ですね。

(ん?星の顔色が悪いですね。ああ。自分たちのときのことを思い出しているのですね)

あたしは、フフ、と笑みを溢してしまいながら正面の豪臣に相対する関羽を見た。

 

 

「さぁ、莫迦な雌。怒れる豪臣に恐怖しなさい」

 

 

【視点・終】

 

 

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あとがき

 

どうも、虎子です。

ギリギリの投稿でした〜(^_^;)

 

さて、作品の話です・・・

やっと劉備たちと接触しました。

まぁ、今回こうなることが予想出来た皆様。安直でごめんなさい。

次回は、一応戦闘ですね。後、今回の様に短くはなりませんのでご安心を。

因みに、何で燈を置いてきたかと言うと、豪臣VS愛紗では無く燈VS愛紗になってしまうからです。燈が好きな方、ごめんなさい。

 

ああ〜、早く拠点を書きたい・・・

 

次回投稿は、未定です。

 

作品への要望・指摘・質問と共に、誤字脱字等ありましたら、どんどんコメント下さい。

 

最後に、ご支援、コメントを下さった皆様。お気に入りにご登録して下さった皆様。

本当にありがとうございました。

 

ではでは、虎子でした。

 

説明
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コメント
自由人さん。ご指摘ありがとうございます。添削しました。(虎子)
もう二週間・・・どうした!何があった!(ヒトヤ)
ずいぶんと愛紗の扱いがひどいな…(マフェリア)
愛紗って視野が狭いなぁ〜。文武両道のはずなのに・・・(コウガ)
な、なんて美味しい所で終わるんだ?早く続きが見たいです。ボコボコにやられるだろうなwそして同盟フラグがポッキリと折れましたね。(ブックマン)
更新お疲れ様です。あのような展開で続いてしまうと先が気になってしまいます。次回も頑張って下さい(高於)
御疲れ様です。確かに燈ちゃんがいたらそうなっちゃいますねwそれにしても凄く我の強い愛紗さんですね〜。物言いがキツイ上に一方的でさすがに豪臣君でもキレて当然ですよね(汗 こうして今度は豪臣君の武でもって一方的にwwこれで誤解が解けたら…どうなるのでしょうね♪ 御報告 4p:諸葛公明→諸葛孔明 ではないかと?(自由人)
お初です!愛紗は決め付ける癖があるから、厄介ですよね。まぁ、桃香も「話を聞いてみよう」って言うくせに、仲間に進言できないのが更に厄介ですけれども…w(燐)
二時間近くかけていっきよみしました^^続ききになります。。更新たのしみです^^(かもくん)
ちょ、これで更新未定!?お願いします、そんなこと言わずに早く続きを読ませてください!できれば一週間以内には!このモヤモヤも取り除いて!(ヒトヤ)
続きめっちゃ気になるw 以外に蜀メンバーVS豪臣に発展するのかな〜?(RAIN)
執筆お疲れ様です。  下種は言いすぎだよね・・・・すぐに金魚みたいになるというのに・・・次回が楽しみだw(狩人)
早く続きが見たい!!なるべく早い更新を期待しています!!(リンドウ)
豪臣VS愛紗・・・・・・結果が目に見えてるww愛紗の冥福をマジに祈るww(韻)
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