北斗の恋姫の拳 第13話
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第13話  華琳よ! お前の暴挙もここまでだ!

 

 

華琳「はああああ!!」

 

華琳が趙雲に向けて拳を放つ!

 

趙雲(さらば将!)

 

趙雲は覚悟を決める!

だがその拳は当たらない。

何故ならそれを受け止めたものがいたからだ。

 

趙雲(…………?)

 

趙雲は思わず目をつぶっていたため何が起こったのか分からない。

そしてゆっくりと目を開けると何者かが自分の前に立ち、華琳の拳を受け止めていたのだ!

 

趙雲「お主は……」

???「通りすがりの破壊者だ」

華琳「またあなたね……」

 

華琳は拳をひっこめる。

 

華琳「一体どういうつもりかしら? 一刀」

一刀(別世界)「分かっていたのか?」

華琳「声で分かるわよ。それにあなたが来ることも予想は出来ていたわ。その趙雲を死なせないためにね……」

趙雲「何を言っておるのだ?」

一刀(別世界)「悪いが……」

 

別世界の一刀が振り向き、趙雲の腹部に拳を軽く当て、気絶させる。

 

華琳「何のつもりかしら?」

一刀(別世界)「俺の正体……いつ気付いた?」

華琳「先ほどは声で分かったと言ったけど、正体に気付いたと言われるとさっきと言うのが正しいわね」

一刀(別世界)「さすが曹操だな」

華琳「それだけの知略が無ければ覇王は名乗れないわ」

一刀(別世界)「そうかい……」

華琳「少し聞きたいことがあるけどいいかしら?」

一刀(別世界)「何だ?」

華琳「孫権の新血愁を解いたのはあなたかしら?」

一刀(別世界)「そうだ」

華琳「ならばなぜそうした?」

一刀(別世界)「命を無駄に死なせくないと思っただけだ」

華琳「……いいでしょう。ではもう一つ、この趙雲を再び蘇らせた南斗最後の将の正体は……関羽……いえ、愛紗かしら?」

一刀(別世界)「…察しがいいな」

華琳「そう……」

一刀(別世界)「俺とこうして話している間にもお前の知っている一刀は関羽の元に向かってるぞ」

華琳「そうね……。またあなたは私の前に現れるかしら?」

一刀(別世界)「どうかな?」

 

そう言って別世界の一刀は気絶している趙雲を抱きかかえる。

 

一刀(別世界)「じゃあな」

 

別世界の一刀は歩きながらその場を去った。

 

覇王軍兵士O「覇王様! よろしいのですか!? あのものを逃がして!」

華琳「構わぬ」

覇王軍兵士P「しかし!」

華琳「くどい! 私が構わぬと言ったのだ放っておけ!

それにお前達があの男に戦いを挑んでもただ死ぬだけだ!」

 

華琳は赤兎馬に乗る。

 

華琳「お前達は城に戻れ!」

覇王軍兵士P「覇王様は?」

華琳「私は先を行く! 南斗最後の将、どうしても会いたくなった!」

 

華琳はそう言って赤兎馬を走らせる!

 

華琳(待っていなさい、愛紗!)

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それから少し離れた場所では、別世界の一刀は鎧と仮面を解いて、趙雲の看病をしていた。

 

趙雲「う、うう…」

一刀(別世界)「目が覚めたか」

趙雲「お主は!? 北郷一刀!」

一刀(別世界)「その通りだと言えばその通りだが、お前の知っている北郷一刀ではないな」

趙雲「どういうことだ?」

 

別世界の一刀は一刀達に話したことと同じことを趙雲に話した。

 

趙雲「信じがたいな」

一刀(別世界)「信じなくて結構…」

趙雲「しかし何故私を助けた? 私は最後の将のためなら……」

一刀(別世界)「関羽のために死ねると?」

趙雲「何故最後の将の正体を!?」

一刀(別世界)「さっきも言っただろ。俺はこの世界の人間じゃない。

そして俺はこの世界に来た時にこの世界の大まかな事情は分かってるからな。

南斗最後の将が誰かくらい分かるさ」

趙雲「さすがというべきか……」

一刀(別世界)「で、さっき聞いた助けた理由はな……。お前が俺が行った世界では俺の仲間だったからだ」

趙雲「仲間?」

一刀(別世界)「ああ。それにやっぱり命は無駄に失わせたくないからな」

趙雲「……」

一刀(別世界)「手を使えるようにはしておいたが、もう少し自分の体、いたわれよ」

趙雲「………ああ」

一刀(別世界)「それじゃあな」

 

そして別世界の一刀は趙雲を残し、その場を去った。

趙雲は人知れず涙を流していた。

 

趙雲「仲間……、体を……か」

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一刀は愛紗の居る居城の前まで辿り着いた。

 

一刀「愛紗!」

 

一刀は先ほど紫苑と霞に聞かされたことを思い出す。

二人の話によると愛紗は確かに霞の前で飛び降りたが、それを紫苑、諸葛亮、鳳統が助け、霞の元に華琳が迫ってきている情報が入り、

このままでは霞も霞の元を訪れようとしていた一刀も殺され、愛紗が奪われることは目に見えていた。

愛紗の気持ちを分かっていた霞は愛紗を諸葛亮達に任せ、愛紗が死んだことにして、華琳の目から遠ざけ、自分は一刀との戦いに挑もうとしたのだ。

その事を一刀に言いたくても言えなかった。もし言ったらどこで華琳の耳に入るか分からないからだ。

霞はその責任もあって一刀に付いてきたのだ。

 

一刀(霞、お前の言えない気持ち、よく分かった……)

 

しかしそこに赤兎馬に乗った華琳も着いた。

 

一刀「華琳!」

華琳「一刀、最後の将の正体、読めたわ! この覇王にふさわしい女、愛紗しかいないわ!」

 

華琳はそう言って赤兎馬を走らせ、居城を駆ける!

 

華琳「愛紗ーーーーーーーーー!!」

一刀「華琳も愛紗を……」

愛紗の従者A「北郷様、こちらへ」

一刀「うむ」

 

一刀は使いの者と一緒に城に入る。

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華琳は駆ける! 城にいた兵士達は華琳を止めようとするも華琳と赤兎馬の猛攻は止まらない!

そして仮面をかぶった南斗最後の将の元に辿り着いた。

 

華琳「愛紗!」

 

華琳が赤兎馬から降りる。

 

華琳「愛紗、とうとうあなたを握る時が来たのよ!」

海の兵団員「そうはさせん! 海の兵団、意地にかけて将を守る!」

 

しかし海の兵団の人間は全員華琳の立ったひと振りの拳で全滅した!

 

華琳「やっと……やっと……」

 

華琳は思いだす。それは自分がまだ北斗神拳を学んで間もないころ、華琳は師である盧植に徹底的に叩きのめされ、死にかけたことがあった。

そんな時たまたま北斗神拳の道場を訪れた愛紗が看病した時、華琳の怪我は無くなったかのように華琳の体が楽になったのだ。

その時の華琳にとって愛紗は女神と言ってもおかしくなかった。

 

華琳「私は天を掴んだ。迎えに来たのよ、愛紗! その仮面を取って……」

 

しかし仮面を取らない。

 

華琳「あなた、何者!?」

 

華琳がその者の仮面を破壊する。

そこから現れたのは無理に身長をごまかすためのものを使っている少女であった。

 

華琳「あなたは……」

荀ケ「私の名は荀ケと申します」

 

荀ケは曹操の前に跪く。

 

華琳「何の真似かしら?」

荀ケ「私はずっと前からあなた様を慕っておりました。あなたの心に関羽がいることを知っていながらも……」

華琳「何が望み? 私の命かしら?」

荀ケ「願わくば……あなた様の側に居させてください……」

華琳「………良いでしょう。真名は何と言うのかしら?」

桂花「桂花(けいふぁ)と申します」

華琳「桂花。良いでしょう、私の元にいることを許可します。しかしこの場は危ないわ。赤兎馬……」

 

華琳は赤兎馬を呼び寄せる。

 

華琳「桂花。あなたは赤兎馬と一緒に外で待っていなさい」

桂花「分かりました」

 

華琳は桂花と赤兎馬を外に出し、愛紗を追うため、城を彷徨う。

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華琳はある部屋に入ると上から巨大な岩が落ちてくる。

 

華琳「はああああ!!」

 

華琳は上から落ちてくる岩を拳で粉砕する。

 

華琳「小賢しい真似を……」

 

華琳の前には幼き少女、諸葛亮と鳳統が居た。

 

華琳「海の諸葛亮に鳳統。世が世なら万の軍勢を縦横に操る天才軍師達。この部屋全体が殺気で凍りついてるわね」

鳳統「曹操さん。もはやここまでです」

諸葛亮「あなたはこの地で愛紗さんの匂いと共に果てるのです」

華琳「策を弄しての時間稼ぎ? 時間稼ぎの余裕は与えないわ。すぐに片付けてくれるわ!!」

 

華琳はそう言うと目の前にあった罠の縄を大量に引っ張る。

縄が引っ張られたと同時に罠が一斉に発動し、いたるところから槍や矢が飛んでくる。

しかし華琳は床を無理矢理剥がし、槍や矢の盾とした。

そして床の盾は華琳に襲いかかってきた罠を全て防いだ。

 

諸葛亮「はわわ!!」

鳳統「あわわ!!」

華琳「死ぬがいいわ。諸葛亮! 鳳統!」

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一刀は使いと共に走り、ある部屋に辿り着く。

その部屋は何もなかった。

 

一刀「華琳の元に案内していたのではないのか?」

愛紗の従者A「何を言われます! 今ここで関羽様と落ち合うことになっているのです」

一刀「何!?」

愛紗の従者A「聞こえませんか? 関羽様の足音が!」

 

一刀の耳には愛紗がこの部屋へと近づいてくる足音が聞こえる。

しかし……。

 

一刀「愛紗とは会えない!」

愛紗の従者A「え?」

一刀「華琳がいる限り、愛紗に生はない! なら俺は華琳と戦うのみ!」

 

一刀はいつもの白くて神々しく光り輝く上着を脱ぐ。

 

一刀「これを愛紗に……」

 

一刀は上着を従者に渡し、そして一刀は部屋を去った。

一刀が出て行ってすぐに愛紗が部屋にやってきた。

 

愛紗「一刀は!?」

愛紗の従者A「申し訳ございません! どうしてもお止めすることが出来ませんでした!」

愛紗の従者B「何!」

愛紗の従者A「ですが、関羽様にこれをと……」

 

使いの者は一刀の上着を愛紗に渡す。

 

愛紗「これは一刀の……。分かった、私はここで待とう!

華琳との戦いが終わるまで待とう。いつまでも…」

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その頃華琳は諸葛亮と鳳統を半殺し寸前にしていた。

そこに一刀がやってきた!

 

華琳「一刀!」

一刀「狂える暴凶星、死すべき時は来た!」

華琳「哀れな。ついに愛紗を諦めたか!」

諸葛亮「一刀さん! 何で関羽さんと一緒に逃げなかったのですか!」

鳳統「あなたの力ではまだ恐怖の暴凶星の曹操には……」

華琳「泣きなさい、一刀! 愛紗はこの曹操がもらってあげるわ!」

 

華琳が一刀に拳を振るうが、一刀はそれを返し、華琳は壁に叩きつけられる。

 

華琳「な!?」

鳳統「一刀さんがこれほどなんて……」

諸葛亮「この臥龍と鳳雛の目を以てしても読めなかった!」

一刀「立て! 華琳! 天に戻る時が来たのだ!」

華琳「油断したわ、一刀。あなたがどれほど強くなっていようともこの曹操を倒すことはできない!

この天の覇者、覇王の前で赤子同然であることを教えてあげるわ! でやああああああ!!」

 

華琳が蹴りを繰り出すが、一刀はそれを受け流す。

 

華琳「はあああ!!」

 

華琳は一刀に向かって再び拳を繰り出すが、その攻撃も受け流された。

 

華琳「闘気が流れている!? この動きは……桃香!!」

 

華琳は一刀の後ろに桃香の面影を見た。

 

華琳「北斗剛掌波!!」

 

華琳の掌から闘気が発せられるが、一刀はその闘気を真正面から避け、避け際に華琳の横腹を切り裂く。

 

華琳「これは……孫権の拳!!」

 

華琳は次に蓮華の面影を見た。

 

華琳「既に一刀の肉体は二度は砕けているはず……。それなのに実体を空に消し去ったというの?」

 

華琳はその時の一刀の目を見る。

それは哀しみに充ちた目であった。

 

華琳(何て哀しい目……、まさか! これが盧植が最後に言っていた北斗神拳究極奥義、無想転生!!)

 

華琳は盧植に言われた時のことを思い出す。

北斗神拳究極奥義、無想転生。その技を使えるのは深い哀しみを背負った人間のみであり、華琳では習得できないと言われたことを……。

 

華琳「あなたは哀しみを背負い、北斗最強の人間になったというの!?」

一刀「華琳、桃香が待っているぞ!」

華琳「認めないわ! 万人が認めてもこの曹孟徳が認めぬ!」

 

華琳は立ちあがろうとすると足が震えだす。

 

華琳「あ、足が……」

一刀「それが恐怖と言うものだ。華琳」

華琳「認めないわ! ましてや私は北斗の長姉!! 私に後退はない!! あるのは前進勝利のみ!!」

 

華琳が歩き出すと何やら変な音が聞こえてくる。

 

華琳「うん?」

鳳統「あわわ、最後の仕掛けが!」

諸葛亮「一刀さん、危ない!」

 

諸葛亮と鳳統が一刀に向かって抱きつくように、伏せさせる。

そして床が崩れ、華琳はそのまま下に落下して行った。

 

華琳「諸葛亮、鳳統…余計な事を……」

 

華琳が起き上がり、周りを見る。そこには一刀を待っていた愛紗の姿があった。

 

華琳「愛紗! 運は我にあり! やはり天はこの曹操を望んでいるのだ!」

 

華琳は従者達を倒し、愛紗を連れて赤兎馬に乗り、先ほど一緒にいた桂花と共に城を去った。

傷ついた従者達は懸命に一刀達を探す。

そして一刀達を見つけた時には諸葛亮と鳳統は一刀に抱えられていた。

 

従者A「諸葛亮様! 鳳統様!」

従者B「北郷様! その眼は!」

一刀「それよりも二人の手当てを…」

従者C「はい!」

鳳統「ごめんなさい一刀さん」

諸葛亮「あなたの力を読めなかったばかりに余計な事を…」

諸葛亮、鳳統「「この臥龍、鳳雛、一生の不覚!!」」

一刀「いいんだ」

諸葛亮「一刀さん! どこに!」

一刀「華琳を追う!」

鳳統「でも眼が……」

一刀「大丈夫だ。白蓮と同じ。それだけだ!

今の華琳は手負いの獅子! 今倒さなければ触れるものすべてを打ち砕く荒れ狂う暴凶星となる!」

 

一刀は目が見えないにも関わらず城を後にし、華琳を追った!

北斗神拳究極奥義、無想転生は華琳に恐怖を与えた!

しかし愛紗は華琳の手中! 果たして一刀は愛紗を連れ戻すことが出来るだろうか!?

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華琳は愛紗を手に入れた!

しかし華琳は恐怖を越えるために紫苑の村に攻めてきた!

果たして一刀は間に合うのか!?

 

次回 北斗の恋姫の拳

 

紫苑よ! お前の血をくれ!

 

 

一刀「華琳、お前は今どこにいる?」

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おまけ

 

 

作者「ヒャッハー! 第13話だ!」

一刀「またディケイドの俺が出てきたな」

作者「ふ、恋姫キャラを死なせない方法を考えたら一番ぴったりなのがあいつの存在だったからな。だが私は謝らない!」

一刀「謝るとは思ってないぞ」

作者「それで前のおまけで書こうと思って書き忘れたことがある」

一刀「何だ?」

作者「昨日本屋で真・恋姫†無双のマンガ版のコミックがあったから立ち読みしたんだよな」

一刀「買わなかったんかい!」

作者「金が無くてな…。それで読んでみたら一刀が名前以外思いだせない記憶喪失の話だったんだよ」

一刀「それは画期的だな」

作者「それを見て俺はめっちゃアクセルだと思った」

一刀「アクセル?」

作者「スーパーロボット大戦に出てくるキャラクターだ。Aの主人公や無限のフロンティアEXCEEDだと記憶喪失の俗称アホセルの奴だ。そいつを思い出したせいでその時の一刀の声が脳内でアクセルの声になってた」

一刀「なんじゃそりゃ」

作者「でもネタとして使えるから、次何か連載物を書くときは記憶喪失を利用しようかなとか思ってる」

一刀「まあ好きにしたら…」

作者「次の次でこの北斗の恋姫の拳は最終回だ。一応最終回は書いたが最後だからな、少し慎重になろうと思っている。その次は仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双のアフターストーリーだ!

しかも前みたいに映画風の話だからな!

それでは!」

説明
この作品では特に人が喋っていない部分には「北斗の拳」でおなじみのナレーションの声が出ているものと思ってください。
なお、可能な限り控えめにしておりますが流血表現があることをご了承ください。
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コメント
じゃあ次回作では、「機●拳」とか「▲刃閃」とかが出るってことですかね?(永遠の二等兵)
アクセルとか・・・記憶喪失verとかただの軽い人にw(よーぜふ)
華琳は無想転生を会得できるかな。(ブックマン)
悲しい場面ではいつも「水のテーマ♪」が脳内再生されてしまうな、ちなみにニコ動の青文字「水のテーマ♪」は全部俺のです。(ヒトヤ)
遂にスパロボ(あるいはムゲフロ)とリンクっすかwwwじゃアルフィミィ役がまさか・・・勝手に想像してますw(村主7)
タグ
真・恋姫†無双 一刀 北斗の拳 真・恋姫無双 

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