アクセル全開! 真・恋姫†無双  第3話
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アクセル全開! 真・恋姫†無双  第3話  記憶への手掛かり?

 

 

盗賊殲滅を終え、桂花と季衣が正式に仲間になってから数日が経っていた。

 

「皆遅いな」

 

一刀は美沙緒と二人、城の中庭で華琳達を待っていた。一刀が待ってどのくらいか経って春蘭と桂花がようやくやってきた。

 

「何だ北郷、随分早いな」

「集合よりも前にいるのが俺達の決まりなんでね。華琳と秋蘭は? まだ昼かい?」

「いや、食事は済んだのだが、髪のまとまりが悪いとかでな。今、秋蘭に整えさせている」

 

一刀は華琳の髪を考えて、その整えの様子を想像し、隠れてクスリと笑った。

 

「あなた今、化粧や髪型なんて大して変わらない…なんて思ったでしょ」

 

桂花が一刀の笑いを察知したかのごとくそう指摘してきた。

 

「いや、そうは思ってないさ。髪型はともかく、俺は化粧とかはしない子の方が好きな派なんでね」

 

一刀は自分の本音をあっさり言った。すると春蘭が呆れたように返してきた。

 

「やれやれ、だから男は馬鹿だというのだ。州牧ともなったお方が、だらしない格好で公の前に出てみろ。臣下たる我々どころか、主の品格まで疑われるわ」

「なるほどね……」

「あら、珍しく意見があったじゃない」

「当然だ」

 

珍しく春蘭と桂花の意見があった。桂花が正式に華琳の下で働くようになってから春蘭と桂花は犬猿の仲のようにお互いを敵対視しているのだ。

 

「そうなのか?」

 

一刀が美沙緒に尋ねる。

 

「そうそう。女にはとても大事な事なんだよ」

「お前、また美沙緒と言う奴と話しているのか?」

「ああ、そうだ」

「何か嘘くさいわね。あなたの隣に私達に見えない女がいるなんて……」

「でも華琳は見えてるぜ」

「どうせ華琳様の嘘だろ」

「華琳がそんな嘘つく人間なのか?」

「う〜ん」

「必要な嘘はつくはずよ」

「そうなの?」

「……まあいいさ。しかし華琳も今は、刺史じゃなくて陳留の州牧ってやつになったんだよな」

「何よ、問題あるの?」

「ないさ、ただそこまで出世するのはすごくないかっと思ってな」

「華琳様には既に陳留刺史としての十分な実績があるだろう。州牧など、ごく正当な評価……いや、むしろ低いぐらいだろう」

 

春蘭の言ってることはかなり納得できる。確かに華琳の今までの事と言っても一刀は華琳の所に来てからそこまで経ってはいないが、華琳のやって来たことは確かに十分な実績であると思う。

仕事をしてなかった一刀だったが先日華琳が何とか仕事を押し付け、今は警備隊の隊長にさせてもらった。

ちなみに何故警備隊の隊長かと言うと一刀の頭につっかかる「隊長」と言うのを聞いて、隊長と言うのは戦闘部隊だけでなく、警備隊にもあると言うことなので一刀の記憶を戻すのに役立つだろうとして警備隊の隊長にしたのだ。

その事等を考えると華琳の功績はすばらしいものである。そうこう考えているとようやく華琳と秋蘭がやってきた。

 

「その髪、大丈夫か? さっき春蘭に髪がまとまらないとか聞いたが……」

「雨でも降るのかしらね? いつもと違うようにしかまとまらなかったのよ。どう? あなたから見て変じゃないかしら?」

「うん、大丈夫だよ」

(ねえ、一刀。本当に分かってるの?)

(全然、美沙緒は?)

(あたしも分からない……)

 

一刀と美沙緒にはそのいつもと違うと言われてもその違いがわからなかった。

 

「ならいいわ。それに州牧になったおかげで季衣との約束を守ることができたわけだもの。言うことないわね」

「で、その季衣はどこだ?」

 

皆で街に行くというのに季衣がいない。すると秋蘭が一刀に伝えた。

 

「今朝、山賊の拠点がわかったという報告が入ってな。討伐は私か姉者が出るから街を見てこいと言ったのだが、聞かなくてな」

「なるほど、それは仕方ないか」

 

季衣の村は盗賊に襲われていたのだ。なら同じような目にあってる村を見過ごすわけにはいかない。

季衣はきっとそう思ったのだろうと一刀は考えた。

 

「だったら土産くらい買ってやるか」

「考えることは同じか…」

「うん?」

 

どうやら春蘭も同じことを考えていたようだった。

 

「あんたたち、観光に行くわけじゃないのよ?」

「え!? そうなの!?」

「まあ視察はちゃんとやるからさ。季衣の土産はそのついで。いいだろ? 華琳」

 

少し本気の美沙緒と一刀に華琳は少々呆れたように答えた。

 

「仕事をちゃんとするならね」

「はい!」

「返事だけにならなきゃいいけどね」

 

桂花は春蘭の返事に多少不安があったようだ。

 

「さて、揃ったのなら出掛けるわよ。桂花、留守番、よろしくお願いね」

「あり?」

「華琳様ぁ。何でこれは連れて行くのに、私はお留守番なんですかぁ?」

 

桂花は一刀を物扱いして指を差す。

一刀はそんな事よりも桂花が一緒に行かないことに驚きがあった。

 

「何だ、桂花はいかないのか。残念なんだな」

「残念って……、あんたまさか私を襲う気だったの!?」

 

桂花は一刀との距離をとった。

 

「そんなんじゃねえよ」

「一刀に非常時の判断はできないしょう。それとも、補佐で一刀も残したほうが良い?」

「邪魔だと思って切り捨てて良いなら」

 

一刀はその答えに苦笑いした。

 

「邪魔ってどういうときだ?」

「視界に入ったとき」

「切り捨て前提か、お兄さんは悲しいぜ」

「お兄さんじゃないし、当たり前じゃない」

 

一刀は泣く真似をして腕で目を隠し、桂花が色々ツッコミを入れる。

 

「ともかく、何かあったときの判断は桂花に任せるわ。一刀を斬り殺してもかまわないから、あれは連れて行く。いいわね?」

「はぁい、……残念」

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その頃陳留の門前ではある少女達三人が立っていた。

まじめそうな少女とやる気が少々なさそうな少女とおちゃらけみたいな少女とそれぞれ個性があった。

三人は遠い村から竹かごを売りに来ていたのだ。三人は最近陳留にやってきた州牧の事もあってここなら売れると思い、陳留へと入った。

街に来た一刀達は街の様子を見てみると、旅芸人であろう三人の美人三姉妹が歌と演奏を披露していた。

 

「旅芸人も来てるのか」

「そんなに珍しいのか?」

 

一刀が旅芸人の様子を見ていた秋蘭に尋ねる。

 

「芸人自体はさして珍しくはないが、あれは南方の歌だろう。南方からの旅人は今までこちらまで来なかったからな…」

「これも華琳様のおかげってやつか」

「そういうことになるな」

「特に彼女らは女だけのようだしね。武芸に相当の自信があるか、安全な道がなければこんなところまでは来ないでしょうよ」

「まあそうだよな」

 

その彼女達の歌が終わって、お金を貰おうとする。しかし集まりはさほど良いわけではなく一刀の予想より少なかった。

 

「まあ、腕としては並という所ね。それより、私達は旅芸人の演奏を聴きに来たわけではないのよ?」

「わかってるって」

「狭い街ではないし、時間もあまりないわ。手分けして見て行きましょうか。ああそれと一刀は私に付いてきなさい」

「う?」

「えーーーーーーー」

 

春蘭が思わず不満の声を上げる。

 

「そういうことだ、姉者。私達は自分の身を守れるだろう」

「北郷」

「何だ?」

「お前の腕っ節の弱さがたまにうらやましくなる。どうやればそんなに弱くなれるんだ?」

「俺が坊やだからなんだよな。これが!」

 

一刀は微笑みながら答えた。秋蘭の意見により秋蘭は右側、春蘭は左側を見て回り、突き当りの門の所で落ち合うことになった。

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華琳と一刀(それと美沙緒)は中央の通りを見ていたが、華琳は大通りではなく裏の小さな通りを見ていたので一刀は尋ねた。

 

「大通りじゃなくて良いのか?」

「大通りは後でいいのよ。大きなところの意見は、黙っていても集まるのだから」

「ああ、なるほど」

 

華琳の答えに一刀は簡単に納得した。

 

「それより一刀、美沙緒。この辺りは見て、あなた達はどう思う?」

「う〜ん、何か変わった様子が見当たらないけど……」

「どう思うかね〜」

 

ありきたりな事を聞いているのではないのと一刀と美沙緒は気づいているがなかなかその答えがわからない。

とりあえず一刀は思ったことを口にした。

 

「食べ物屋が多くて料理屋も多い」

「でしょうね、食材がすぐに手に入るのだから。で?」

「でって……」

「他に気づいたことは? 何でもいいわよ」

 

華琳に言われてまた周りを見てみる。

 

「包丁…」

「包丁?」

「包丁を研ぐ店や、調理器具を売る店があったら儲からないかな」

「……鍛冶屋のこと?」

「そう、それ」

「鍛冶屋は三つむこうの通りに行かないとないわ」

「なんか不便だね、何かこっちにそれっぽい職人が多いね」

「向こうの通りには料理屋がないの」

「ところでなんで華琳さんはそんなに街に詳しいの?」

 

美沙緒はちょっとした疑問を華琳にふっかけた。

 

「そのくらいは街の地図を見れば分かるもの」

「となると知ってて来てるってことは客層や雰囲気を実際に見ておきたかってことか」

「あら、よく気が付いたわね」

「華琳さんの考えそうなこと、少しずつだけど分かった気がするから」

「なかなかね。それとね」

「うん?」

「あれの様子は地図じゃ分からないもの」

 

華琳が見る方向を一刀が見る。その先には先ほど陳留に入ったばかりの三人の一人がいた。(ちなみに少々やる気がなさそうな女の子である。)

 

「何だこれ?」

「カゴ屋のよう……だけれど?」

「そうじゃなくて、こっち」

 

一刀が指を刺すほうにはなにやら木材でできたよく分からない機材(?)が置いてあった。

 

「これはなんだ?」

「さあ?」

「そこのお二方、なんともお目が高い! こいつはうちが発明した、全自動カゴ編み装置や!」

「(こいつ関西弁なのか? 二人ってことは……美沙緒が見えてないな)全自動?」

「カゴ編み装置?」

 

露店の少女の言う「全自動カゴ編み装置」に興味を引かれる一刀と華琳。

 

「せや! このからくりのそこにこう、竹を細ぅ切った材料をぐるーっと一週突っ込んでやな…そこの兄さんこっちの取っ手を持って!」

「?」

 

一刀は言われるがままにその装置のハンドルを回す。

 

「でな、こうやってぐるぐるーっと」

 

ぐるぐるハンドルを回すと簡単に竹カゴが完成していった。

 

「すごいけど、これは手動だろ!!」

「兄さん、ツッコミ厳しいなぁ…。そこは雰囲気重視、っちゅうことでひとつ」

「意味ねえ〜〜〜〜〜〜」

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それから門のところで春蘭、秋蘭と合流したのだが、なぜか春蘭も秋蘭も竹カゴを抱えていた。

ちなみに一刀はあの後、全自動という名の全手動のからくりを爆発させた侘びとして一つ竹カゴを買わされていた。

秋蘭はどうも気になったようで買ったそうだが、春蘭は季衣の土産というなんとも苦しい言い訳にしか聞こえないような形で竹カゴの中には服が入っていた。

そして城に戻ろうした時、後ろから声を掛けられた。

 

「そこの、若いの」

「誰?」

「ここです」

 

華琳達は後ろを振り向く。後ろには目深に布を被った、年寄りのようでおじいさんかおばあさんかよく分からなかった。

 

「何だ、貴様?」

「占い師か」

「華琳様は占いなどお信じにならん。慎め!」

 

春蘭がその老人を怒鳴るが、華琳がその春蘭をなだめた。

 

「……春蘭、秋蘭。控えなさい」

「強い相が見えるの…。希にすら見たことの無い、強い強い相じゃ」

「いったい何が見えると? 言ってごらんなさい」

「力の有る相じゃ。兵を従え、知を尊び…。おぬしが力を持つは、この国の器を満たし、繁らせ栄えさせることのできる強い相…。この国にとって、稀代の名臣となる相じゃ」

「ほほう、よく分かってるではないか」

 

春蘭はその老人の見立てを褒めるが…。

 

「この国がそれだけの器があればの」

「どういうことだ?」

 

少々難解なことを言われ、秋蘭が尋ねる。

 

「お主の力、今の弱った国の器には治まりきらぬ。その野心、留まるを知らず…あふれた野心は、国を犯し、野を犯し、いずれ、この国の歴史に名を残すほどの、類い希なる奸雄となるであろう」

「貴様! 華琳様を愚弄する気か!」

 

怒る秋蘭。しかし華琳は意味を分かっていながらも秋蘭を止める。

 

「しかし華琳様!」

「気に入ったわ。秋蘭、この占い師に謝礼を」

 

華琳が秋蘭に謝礼を命じるが、秋蘭は納得できない様子だったので華琳は一刀に謝礼を出すように言い、一刀は占い師に謝礼を渡そうとする。

 

「それじゃあ」

 

一刀は占い師の前にある茶碗にいくらかのお金を入れる。すると占い師は一刀に声を掛けてきた。

 

「それから、そこのお主達」

「俺?」

「でもお主達って……」

「なああんたこの子が見えるのかい?」

「ええ、そこに可愛らしい女の子がおりますの」

「可愛いだなんて……」

 

美沙緒は照れる。

 

「じゃあ俺達の記憶に関する何かを知っているかい?」

「言えることは限られるが、これだけは言おう。記憶を取り戻すは流れに逆らうこと。

だが大局の示すまま、流れに従い、逆らわぬようにしなされ。

さもなくば、待ち受けるのは身の破滅。くれぐれも、用心なされよ?」

「記憶を取り戻す方法は流れに逆らう……」

「だけどそれをしたら身を滅ぼす……」

「矛盾してるんだな。これが……」

「それとお主にこれをやろう」

 

その占い師はどこからかあるものを一刀に手渡した。

それは一刀達が探していたものであった。

 

「「アクセルドライバー……」」

 

一刀と美沙緒は驚き、占い師に尋ねる。

 

「これどこで見つけたの?」

 

二人が占い師の方を見るとその占い師は既に姿が無かった。

 

「あの占い師は一体……」

「一刀、それってなに?」

「ああ、アクセルドライバー。俺が戦うのに必要なものだ。帰ったらどういうものか皆に見せてやるぜ」

 

一刀と美沙緒が占い師が最初に言った言葉を理解するのはそれからかなりの時間が必要であった。

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おまけ

 

 

作者「第3話なんだな。これが!」

一刀「もう第3話か」

作者「まあぶっちゃけると前に投稿した文章を若干修正しているだけだからな」

一刀「すごい真実だな」

作者「そう言えば最近になって知ったことだが、真・恋姫†無双のPSP版が出るんだな」

一刀「そうだな」

作者「まあ一部分の改変だけなんだが、個人的には少し魅力的だな」

一刀「魏・呉・蜀の三つに分かれてのゲームだっけ?」

作者「確かそうだな。まあ俺が買うとしたら魏だな。やっぱり一番面白いと思ったしな」

一刀「それに魏編の俺がよく出てるしな。仮面ライダーだけど」

作者「PSP版であるかな。あの魔法少女の華琳」

一刀「あの無印であったあれ?」

作者「そうあれ」

一刀「めっちゃ怖い!」

作者「次回は第4話じゃなくて第3・5話扱いです。理由は内容ですね。

とりあえずはあしからず…。それでは!」

説明
この作品の文章には仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編で使われたものが多々あります。
そして一刀の態度や口調が原作と違うことをご了承してください。
また本作の一刀の設定のため、一刀のパートナーとなるオリジナルキャラクターがいます。
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コメント
ヒトヤさん> 魏・呉・蜀別々でPSPででるんですよ。(トウガ・S・ローゼン)
え?PSPって√別にソフトうってんの?3本?(ヒトヤ)
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