アクセル全開! 真・恋姫†無双  第7話
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アクセル全開! 真・恋姫†無双  第7話  加速して行く世界

 

 

月を保護し、反董卓連合が解散してから一ヶ月弱が過ぎた。

華琳の予想通り、後漢王朝には諸侯の小競り合いを抑える力はなかった。

その頃の一刀達は……、真桜がなにやら新兵器を作っているようでそれをなかなか教えてくれないので沙和が怒っていた。

 

「真桜、これは何だ?」

「隊長も知りたいん?」

「知りたくないと言えば嘘になるんだな。これが。てな訳で……」

「お・し・え・て♪」

 

一刀と美沙緒も真桜に頼むが……。

 

「どうしようかな〜」

 

真桜はかなりじらそうとするが、一刀はものすごく早く諦める。

 

「教える気が無いならいいや。美沙緒、行こうか」

「そんな〜もうちょっとくいついて〜な〜」

「だったらなんだ?」

「どうしようかな〜」

 

真桜のあまりの引っ張りに一刀はエンジンブレードを取り出す。

 

「言う気が無いなら壊すんだよな。これが!」

 

最近一刀はエンジンブレードを生身でも少しなら振り回せるようになっていた。

 

「やめてぇなぁ隊長。秘密兵器や! それ以上はいくら隊長でも教えられへん!」

「あ、そう」

 

一刀はエンジンブレードをしまう。

 

「しかし何で作ってるんだ?」

「私の指示で作らせているのよ。華琳様にも許可をいただいてるわ」

 

桂花が話を聞いてやってきた。

 

「そうだったのか」

 

それを聞いて一刀は勝手に納得した。それから少し経って会議が始まった。

内容は袁紹と公孫賛の争いは袁紹の勝利、公孫賛は徐州にいる劉備の所に落ち延びたと言うことであった。

 

「それで袁紹の動きは?」

「青州やへい州にも勢力を伸ばし、河北四州はほぼ袁紹の勢力下に入ってます。北はこれ以上進めませんから、後は南へ下るだけかと」

「と言うことは劉備のところに来るってことか……」

「さあ、どうでしょうね?」

 

華琳の言葉に一刀は尋ねる。

 

「どういうこと?」

「麗羽は派手好きでね。大きな宝箱と小さな宝箱を出されてどちらかを選ぶように言われたら、迷わず大きな宝箱を選ぶ相手よ」

「なるほど…そう言う性格か、わかるな。と言うことは俺たちが狙われる可能性ありって事か」

「そういうこと。国境の各城には、万全の警戒で当たるよう通達しておきなさい」

 

その後、袁術の方の警戒指示を桂花が既に出していると言い、桂花の大変さを改めて知る一刀。

 

「秋蘭や詠やねねにも手伝わせたいけど、色々任せているから無理として……」

 

そこで桂花は一刀や春蘭、霞に恋をみるが……。

 

「使えそうなのがいませんから、いりません」

「まあな、戦闘ならともかく頭を使うのは結構きついんだよな。これが……」

 

その頃袁紹はと言うと華琳の予想通り華琳を攻めることになっており、顔良はその事に片隅で泣いたそうだ。

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そして数日経たないうちに一刀達は非常招集を受けた。

 

「袁紹が来たのか!?」

「馬鹿は決断が早すぎるのが厄介ね。敵の情報は」

「旗印は袁、文、顔。敵の主力はすべて揃っているようです。およそ三万…」

(三万、こちらの主な戦闘要員は十、一人三千だとしても少々きついか)

 

一刀は一刀で無謀なことを考えていた。

 

(まあ俺は結構無謀な事してた気もするけどな……)

 

一刀の頭に似たようなことを思い出しそうで思い出せなかった。

三万の部隊は国境警備の中で七百ともっとも少ない所を攻めてきたのだが、その七百で援軍はいらないと言ってきたのだ。

それを言った指揮官の名は郭嘉、程cの二人であった。

 

「とりあえずその二人には袁紹がいなくなったらこちらに来るように伝えなさい」

 

そしてこの会議はひとまず終了したのだが、納得の出来ていなかった春蘭が勝手に出撃準備をしていたのを一刀が止める。

 

「出撃は禁止だと華琳が言ってただろ!」

「ふん。袁紹ごときに華琳様の領土を穢されて黙っていられるものか! 華琳様がお許しになっても、この夏侯元譲が許さん!」

「本気で行く気か?」

「本気だ!」

 

一刀は既にアクセルドライバーをベルトにしていた。

 

「アクセル!」

「だったら俺を倒してからにするんだな! これが!」

「望むところだ!」

「変身!」

「アクセル!」

 

一刀がアクセルに変身。エンジンブレードを構え、春蘭も剣を構える。そんな時霞が慌てて止めに来た。

 

「おいこら! 自分ら、何やっとんねん!」

「ちっ…厄介なのが」

「俺は春蘭が援軍に行くのを止めようとしているだけだ」

「たく。ここも猪か! どあほう!」

 

その霞の言葉に春蘭が怒る。

 

「貴様も似たようなものではないか!」

「ウチは自制効くぶんまだマシや! 一刀はさっさと華琳呼んで来ぃ!」

「その必要は無いみたいだな」

 

一刀は変身を解く。そこには美沙緒が連れてきた華琳がいた。

 

「何をしているの!」

「華琳様!」

「春蘭! 霞! 一刀! これはどういう事! 説明なさい!」

「春蘭が勝手に援軍に行こうとしたから、変身して止めようとしたら霞と美沙緒と華琳が来たってところだ」

「なるほどね……」

「これも華琳様を思えばこそ! 華琳様の御為ならば、この首など惜しくありませぬ!」

 

華琳は春蘭に呆れるように言った。

 

「あなたにはもう少し、説明しておくべきだったわね。いいわ、出撃なさい」

「華琳様!」

「いいの?」

「ただし、これだけの兵を連れて行くことは許さないわ。あなたの最精鋭…そうね、三百だけ動かすことを許しましょう」

「あっちの兵を合わせて千だね」

「出来るの? 出来ないの?」

「華琳様の信任を得た以上、出来ぬことなどありませぬ! 総員、騎乗!」

 

そして春蘭は出撃した。

 

「このまま行かせてええのか!?」

 

霞が華琳に意見を言うが、華琳は良いと言い残った部隊を盗賊殲滅のために霞に使わせるようにした。

この間に一刀は黙っていたが、理由がなんとなく分かっていたので何も言わなかった。

その日の夜のうちに春蘭達の部隊は帰ってきたが、誰一人戦った跡が無かった。

その理由連れてきた程cに聞くと袁紹達とは全然戦わなかったのだ。

それは袁紹の性格上、万単位の軍勢で千にも満たない相手を相手にしないことであり、逆に援軍が来たら攻められていたとの事であった。

一緒に連れてきた郭嘉に程cの作戦を華琳が聞くが郭嘉の反応がなく、そしてすぐに鼻血を出した。

 

「おお!?」

 

その様子に皆が驚いた。

どうやら郭嘉は華琳に仕えるのが夢だったようだが、妄想が激しい人のようであった。

 

「お前達といい勝負だな」

「なにを!?」「何ですと!?」

 

一緒にいた詠とねねは一刀の言葉に怒るがあまり否定も仕切れない。

そして郭嘉と程cは華琳の元で軍師として働くことになり、その際に真名を皆に預けた。郭嘉は稟、程cは風と言った。

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それから数日後、袁術が劉備のいる徐州を攻めてきて、袁紹も攻めてきたとの報告が華琳の元に入ってきた。

 

「そう麗羽が…」

「あまり驚いてないようだな」

「可能性としてはありえたことだもの」

「袁術相手で精一杯の劉備を見て、好機と思ったのでしょうか?」

 

稟が華琳に意見を聞く。

 

「袁術に徐州を独り占めされるのが急に惜しくなったんでしょうよ」

「子供だね…袁紹って。で、これからどうするの?」

「皆の意見を聞きたいわ。これから我らは、どうするべきかしら?」

 

華琳が軍師達に意見を求める。

稟は袁紹を徹底的に叩く方針、桂花はとりあえず袁紹と袁術は放っておいて劉備を叩くことを方針にしたいと言った。

 

「一刀はどう思う?」

 

軍師達の言葉を聞いて華琳が一刀の意見を聞く。

 

「う〜ん……。劉備と同盟を組んで、袁紹と袁術と戦うが一番無難か……? 風はどう思う?」

 

一刀は自分の意見を言いつつ、風の意見を聞こうとするが風は寝ている。

 

「寝るんじゃねえ!!」

「おおっ!」

 

一刀の叫びで風は目を覚ました。

 

「寝てませんよ?」

「嘘だよね?」

 

風のボケに美沙緒が丁寧に返す。

 

「で、劉備さんをよってたかって袋叩きにするんですか? それとも袁紹さんの所に火事場泥棒に入るんですか?」

「言い方が悪いな」

「けれど、それが世間の風評でしょうね。私は弱いものを虐める気も、火事場泥棒をする気もないわ。

今は力を溜め、次の動きで最善の一手を打てるよう静観すべき時でしょう」

「そのほうがいいのです」

「下手にどちらかを刺激すると、両方に攻められる可能性もあるからね」

 

どうやらねねと詠も同意見だったようであり、華琳は静観することを選んだ。

その日の夜、一刀達は突然呼び出された。それは徐州から国境を越えて関羽がやってきたのだ。

 

「お前か……」

 

一刀の目つきが変わった。

 

「何で関羽がこないな所に……」

「劉備は華琳の所に助けを求めに来たってことなのか?」

「残念だけれど、少し違うわね。説明してくれるかしら?」

 

華琳が関羽に説明を求め、関羽が説明する。

その内容は劉備が華琳達の国境を抜けて益州に向かおうとしており、そのため通行したいと許可を求めに来たのだ。

華琳はその返答をしに劉備の所に向かおうとし、そのお供を求めるが結局皆で行くことになった。

(念のため、一刀が保護した月、詠、恋、ねねは城に残るよう一刀がお願いした)

 

「華琳は人気者だな」

「おだてでも何も出ないわよ」

「そんなつもりはないんだな。これが」

「何でアンタまで付いてくるのよ」

 

桂花が少々嫌がる顔をして一刀に言う。

 

「ま、色々とな」

 

そうしている内に劉備のいる本陣前に着いた。その本陣は国境ギリギリで後一歩間違えれば大問題になるくらいに近かった。

 

「関羽、あなたの主の所に案内して頂戴。何人か一緒に付いてきてくれる?」

「華琳様! この状況で劉備の本陣に向かうなど、危険すぎます! 罠かもしれません!」

「桂花の言うとおりです! せめて、劉備をこちらに呼び出すなどさせては…!」

 

春蘭と桂花が華琳を諫める。

 

「でしょうね。私も別に、劉備のことを信用しているわけではないわ」

「曹操殿」

「けれど、そんな臆病な振る舞いを、覇者たらんとしているこの私がしていいと思うかしら?」

「ぐっ…」

 

その言葉を聞いて春蘭達は何も言えなくなった。

 

「だから関羽。もしこれが罠だったら…貴方達にはこの場で残らず死んでもらいましょう」

「御髄に」

 

そして華琳はお供として春蘭、季衣、流琉、霞、稟、そして一刀を連れて行き、劉備の所に向かった。

一刀はすぐに対応できるようにアクセルドライバーを付けて行った。

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「曹操さん!」

 

最初に出迎えたのは劉備であった。

 

「久しいわね、劉備。連合軍の時以来かしら?」

「はい。あの時はお世話になりました」

「それで今度は私の領地を抜けたいなどと…また随分と無茶を言ってきたものね」

「すみません。でも、皆が無事にこの場を生き延びるためには、これしか思いつかなかったので……」

「まあ、それを堂々と行うあなたの胆力は大したものだわ。いいでしょう。私の領を通ることを許可しましょう」

「うん?」

「え?」

 

一刀と美沙緒は華琳の答えに少々驚いた。

 

「本当ですか!」

「華琳様!?」

 

一刀以外も驚いた様子であった。

 

「華琳様。劉備にはまだ何も話を聞いておりませんが……」

「聞かずとも良い。こうして劉備を前にすれば、何を考えているのかが分かるのだから」

「曹操さん…」

「ただし街道はこちらで指定させてもらう。米の一粒でも強奪したなら、生きて私の領を出られないと知りなさい」

「はい! ありがとうございます!」

 

劉備がお礼を言うが、華琳はまだ何か条件があった。

 

「それから通行料は…そうね。関羽でいいわ」

「……え?」

 

華琳の言葉を想定していなかった劉備は驚く。

 

(なるほどな、まあ普通と言えば普通だな……)

 

一刀は頭の中で理解していた。

 

「何を不思議そうな顔をしているの? 行商でも関所では通行料くらい払うわよ? 当たり前でしょう」

「え、でも、それって……!」

「あなたの全軍が無事に生き延びられるのよ? もちろん、追撃に来るだろう袁紹と袁術もこちらで何とかしてあげましょう。

その代価をたった一人の将の身柄であがなえるのだから…安いと思わない?」

「桃香様…」

「曹操さん、ありがとうございます」

 

その答えに諸葛亮や張飛が驚く。

 

「桃香様!?」

「お姉ちゃん!?」

「でも、ごめんなさい」

「あら」

「愛紗ちゃんは大事な私の妹です。鈴々ちゃんも朱里ちゃんも……他のみんなも、誰一人かけさせないための、今回の作戦なんです。

だから、愛紗ちゃんがいなくなるんじゃ、意味がないんです。こんな所まで来てもらったのに…ほんとうにごめんなさい」

 

そう言って劉備は頭を下げて謝る。

 

「そう。さすが徳を持って政事をなすと言う劉備だわ。残念ね」

「桃香様、私なら」

「言ったでしょ? 愛紗ちゃんがいなくなるんじゃ、意味がないって」

 

劉備はそう言うと諸葛亮に他の経路はないかと聞く。

 

「劉備」

「はい?」

「甘えるのもいい加減になさい!」

「だな…」

 

華琳は劉備に大して怒りを顕わにする。

 

「たった一人の将のために、全軍を犠牲にするですって? 寝惚けた物言いも大概にすることね!」

「でも、愛紗ちゃんはそれだけ大切な人なんです!」

「なら、その為に他の将…張飛や諸葛亮、そして生き残った兵が死んでも良いというの!?」

「だから今、朱里ちゃんに何とかなりそうな経路の策定を…!」

「それがないから、私の領を抜けるという暴挙を思いついたのでしょう? 違うかしら?」

「それは……」

「それに他に道はないぜ」

 

華琳と劉備の話し合いに一刀が乱入する。

 

「一刀は黙って…」

「いや、言わせてくれ。頼む」

「……、まあ言ってみなさい」

「劉備さんよー、今他の道を探しても無駄だぜ。俺が考える限り、もう安全な道はないと思うぜ」

「ええ、一刀さんの言うとおりです」

 

稟も自分の意見を言う。

 

「我が軍の精兵を基準としても、半数以上は戦闘などで脱落します」

「…朱里ちゃん…」

「……」

「そんな…」

 

諸葛亮は既にその事実を知っていたが、それを劉備に黙っていた。

 

(あの諸葛亮って子も気付いてたんだね)

(頭使う奴が気付かないわけないだろ)

「現実を受け止めなさい、劉備。あなたが本当に兵のためを思うなら、関羽を通行料に、私の領を安全に抜けるのが一番なのよ」

「桃香様……」

「曹操さん…」

「それから、あなたが関羽の代わりになる、などという寝惚けた提案をする気なら、この場であなたを叩き斬るわよ。国が王を失ってどうするつもりなの?」

「……」

「どうしても関羽を譲る気はないの?」

「……」

「まるで駄々っ子ね、今度は沈黙?」

 

華琳は皮肉るように言う。

 

「……」

「いいわ。あなたと話していても埒があかない。勝手に通っていきなさい」

「え?」

 

華琳の思いもよらない答えに劉備はまた驚く。

 

「聞こえなかった? 私の領を通って良いと言ったのよ。益州でも荊州でもどこへ行けば良い」

「ふん」

 

一刀はポケットの中にこっそり持っていたアクセルメモリを手放す。

 

「曹操さん、ありがとうございます」

「ただし」

「通行料ですか?」

「当たり前でしょう。先に言っておくわ。あなたが南方を統一したとき、私は必ずあなたの国を奪いに行く。通行料の利息込みでね」

「…」

「そうされたくないなら、私の隙を狙ってこちらに攻めてきなさい。そこで私を殺せれば、借金は帳消しにしてあげる」

「そんなことは…」

「ない? なら、私が滅ぼしに行ってあげるから、せいぜい良い国を作って待っていなさい。

あなたはとても愛らしいから…私の側仕えにして、関羽と一緒に存分に可愛がってあげる」

 

こうして華琳から通行許可をもらった劉備軍は霞と稟が案内をし、華琳の領土を通ることになった。

帰り道、一刀は華琳に言う。

 

「大層な悪役ぶりだったな。偽善者ならぬ偽悪者に見えたぜ」

「あら、そうかしら?

それに私は徳と理想だけで乗り切ろうとする彼女がどこまでいけるのか、見てみたいのよ」

「そうかい……」

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その一方で劉備達は……。

 

「桃香様……」

「いいんだよ、朱里ちゃん。今はこれで……」

「しかし、桃香様……」

「愛紗ちゃんも……」

 

劉備が皆に黙って欲しいかのように言う。

 

「桃香お姉ちゃん……」

「鈴々、今は黙っておこう……」

「桃香様も心の中で葛藤してるんです」

「………」

 

桃香は黙ったまま進む。

 

「お困りのようだな?」

 

劉備達の前に突如と全身に赤い鎧を着て、赤い仮面を被った者が姿を現したのだ。

 

「お前はあの天の御遣い……?」

「天の御遣い? 何の事だ? そんな者、私は知らん」

「いや、よく見たら違うな……。貴様、何者だ!?」

「我が名はヴァリュザ・ガード」

「ヴぁるざがーど?」

「そうだ」

「袁紹と袁術の刺客か!」

「そんな小物に就いた覚えはない」

「小物……」

 

ヴァリュザの袁紹と袁術の小物発言に皆が驚いた。

 

「あの二人が小物だと?」

「そうだ。あの二人が天を握ることはない。それが歴史だ」

「歴史だと?」

「そうだ……」

「では貴様は……」

「本当の天の御遣い?」

「それは知らんが……、貴様らを助けてやろう」

「本当ですか!?」

 

劉備がヴァリュザの言葉に驚く。

 

「うむ。私は本気だ」

「だが何故だ? 何故我らを助けようとするのだ?」

「……劉備の天下を見たくなったまでのことだ。して、貴公らはこれからどこへ?」

「荊州を通って益州に向かおうと思ってます」

「そうか……。ならば私が先陣を切ってやろう」

 

こうして劉備の元に謎の男、ヴァリュザ・ガードが加わった。

 

(こいつらに付いていけば、私は元の世界に帰れるだろう……)

 

ヴァリュザの胸の中には他にも考えがあるようであった。

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それから幾ばくかして袁紹軍が劉備軍を追うために攻めてきて、一刀は凪達と合流した。

 

「この人数で大丈夫か?」

「桂花様は大丈夫だと言ってましたが…」

「楽進様! 敵の先鋒を確認しました!」

「よし、総員戦闘準備!」

 

凪の声とともに、部隊全員が弓矢を構え、一刀もアクセルに変身していた。

 

「もう変身しているのですか」

「いや、エンジンブレードを使ってもあそこまでは届かない。だから……」

 

一刀が美沙緒の方を向く。

 

「美沙緒、頼んだぜ」

「任せて!」

 

そして袁紹軍がだんだん近づいて行く。

 

「よし! 美沙緒!」

「撃て!」

 

凪の掛け声とともに兵達は一斉に弓を放ち、美沙緒と凪の気弾と兵達の矢が空高く飛んで相手に襲い掛かる。

その様子を見た文醜は頭を悩める。

 

「もしかして曹操軍に待ち伏せされたんじゃ…」

「うわ、めんどくさー! いちいち曹操なんか相手してられないのに……。

全軍転進、別の道から劉備たちを追うぞ!」

 

袁紹軍の撤退に一刀はあっけに取られる。

 

「本当に撤退するとはな」

「凄いですね、桂花様の予測は…」

「あいつのこと少しだけ見直したぜ」

「では隊長。北郷隊は本隊に合流します」

「ああ、注意しろよ」

 

そして文醜達追撃軍は次に沙和達の部隊に阻まれ、その次は秋蘭の部隊に阻まれ、最後は正面で来たのを春蘭の部隊に蹴散らされ撤退した。

袁紹軍を追い返してしばらくの時が過ぎていき、劉備軍がようやく領地を抜け、霞と稟が戻ってきて袁紹軍と本格的に事を構える計画が進められた。

 

「敵が集結してきてる?」

「はい、どうも袁紹と袁術の両軍が、官渡に兵を集中させているようなのです」

(官渡の戦いか……、面白くなってきたな!)

「これで二面作戦をしなくていい分、楽になったわね」

「……春蘭様、どういう意味ですか?」

「…それは…」

 

季衣が春蘭に意味を尋ねるが、春蘭が答えられるわけもなかった。

 

「おい北郷説明してやれ」

「俺!?」

「お前がだ!」

「………美沙緒!」

「あたし!?」

 

一刀と春蘭と美沙緒のボケとツッコミをしているうちに華琳が丁寧に季衣に教えた。

 

「ただ、警戒すべきは……」

「袁術の客将の孫策の一党かと」

 

春蘭は孫策とはちょっとした因縁があるため、華琳は第二陣として袁術軍との戦いには春蘭を主力とし、孫策が出たら自由に判断し、補佐に季衣と流琉をつけた。

第一陣はの主力は霞に任せ、霞は補佐に凪、真桜、沙和の三人が良いと一刀に頼む。

 

「恋じゃだめなのか?」

「恋の場合やとあまり言いたいこと伝わらないことがあるからなぁ〜」

「………?」

 

恋は自分の言われようがあまり分かっていないようだった。

 

「俺は良いけど、良いのか華琳?」

「構わないわ、一刀は秋蘭と一緒に本陣に詰めなさい」

「了解っと」

 

桂花は霞達を出陣前に以前に真桜が作った秘密兵器の訓練をさせてから行かせた。

そして曹操軍と袁紹&袁術軍は官渡の地に入った。

 

「あの櫓は厄介ね。あそこから陣形を読まれたり、矢を射掛けられたりしてはたまらないわ」

「大丈夫です。この時のための秘密兵器ですから。真桜、用意はできているわね?」

「完璧や、任しとき」

「華琳様、袁紹が出てきました。あの櫓も一緒です」

「動くの!? あの櫓」

「動く櫓か…」

「まあいいわ。行ってくるから、準備をしておきなさい。いつでも攻められるようにしておいて」

「御意!」

 

華琳と袁紹が戦闘前の布告を言うが少々子供の喧嘩に近かった。

そして袁紹が攻撃を命じる前に華琳の方の攻撃のほうが早かった。

 

「おーっ! さすがウチの最高傑作や! よう飛ぶなぁ!」

「投石器だったのか…」

 

真桜の作った秘密兵器、投石器はかなり絶大で袁紹軍の櫓を壊滅させた。

そして白兵戦となったのだが、相手はほぼ烏合の衆。

華琳達や仮面ライダーアクセルの敵ではなかった。

 

「さてと次はどうなるかな……」

 

戦いを終えて、一刀は考える。今後はどう世界が動いていくかを……。だが……。

 

「ま、なるようになれだな」

「相変わらずだね、一刀」

 

美沙緒は一刀の考えに笑う。

しかし二人とも気付いていなかった。

自分達にとっての最大の敵が近くにまで迫って来ていることに……。

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おまけ

 

 

作者「第7話なんだな! これが!」

一刀「本当に夜に投稿しやがった」

作者「さてと分かった人もいるだろうけど、とうとう『あいつ』が出てきやがったぜ」

一刀「あいつって……あの赤い鎧の……」

作者「『あいつ』のキャラ設定は次回におまけに書くことにする。

まあ名前からして誰が元かは分かる人もいるだろうけど…」

一刀「分かる人少ないだろうな」

作者「そして次回はあの赤鎧と一刀と美沙緒が激突!

まえの仮面ライダーの時には無かった文章もあるから注意してね。

それでは!」

説明
この作品の文章には仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編で使われたものが多々あります。
そして一刀の態度や口調が原作と違うことをご了承してください。
また本作の一刀の設定のため、一刀のパートナーとなるオリジナルキャラクターがいます。

修正 4月15日にヴァルザ・ガードの名前をヴァリュザ・ガードに変更しました。
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コメント
うわあ・・・・ちょっと待て。これじゃあ桃華『ほら、やっぱりなんとかなった』ってつけ上がらないか・・・・?(峠崎丈二)
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