アクセル全開! 真・恋姫†無双  第14話
[全6ページ]
-1ページ-

 

アクセル全開! 真・恋姫†無双  第14話  滅びへの道

 

 

城での用事を終え、皆で建業に戻り、そのまま蜀へと侵攻した。

 

「ついに、ここまで来たんだな」

「ええ」

 

目の前に広がるのは銀色に光る曹魏の兵五十万。

 

「華琳様。全軍、集結いたしました」

「ええ………」

 

華琳は間を置いて、兵達の前で演説する。

 

「聞け! 魏の勇士達よ!」

 

華琳の声と同時、兵達は自分達の武器を構えなおし、春蘭達将も姿勢を正しくする。

 

「これより我らは国境を越え、劉備率いる蜀への侵攻を開始する!

越えるべき山道は厳しく、敵は名将の誉れ高い関羽、孫策となる! 激戦となる事は必至でしょう!

だが、我らは袁一族を討ち、西涼を制し、赤壁を抜けて大国呉にも勝利した!

皆はその激戦をくぐり抜けた一騎当千、万夫不当の勇士達よ! 油断も慢心もしてはならぬ。けれど、恐れを抱く事もない!

この大陸に残る国家は、我が曹魏と劉備の蜀の二国のみ、だが、疲弊しきったこの大陸を救えるのは、西涼でも、孫呉でも、ましてや理想だけの蜀でもない! 我らが曹魏、ただ一国のみ!

今こそ蜀を呑み込んで、我らが大陸の主、大陸の守護者となるのだ! 総員、出立せよ! 我らが威光を、蜀の地の果てにまで輝かせるのだ!」

「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

兵全員が声を上げる。その声は本当に蜀の奥地にまで響きそうなほどに。

 

「まだ身が震えるようです」

「うん。何か凄かったの…」

「ウチの兵士って、あんなにいたんやねぇ……」

「呉攻めの時以上に集まってるからな、驚くのも無理ないさ」

「この戦に全力を尽くすのは当たり前でしょ。蜀が最後の相手なんだから」

「最後ってのは違うな。まだこれは通過点だって俺は思うけど…って、桂花こんな所に来ていいのか?」

「良いわけないでしょ。この先の山道で道が細くなってるから、あんた達に隊列の変更指示しに来て上げたのよ。わざわざ! わざわざね!」

「そいつは助かる…、ありがとな」

「………ふん」

 

桂花が一刀にむけてそっぽを向く。

 

「そういえば、さっきより行軍速度が遅くなっていますね」

 

桂花が凪、真桜、沙和に先に偵察をするよう指示し、一刀は華琳の命令で本陣の方に行った。

その後、山道に入るが現在のところ奇襲はない。

 

「妙に静かだな」

「静かな方が怖いわね。凪達の偵察はどうなっているのかしら?」

「定時の連絡でも、異常なしだそうですー。左右からの奇襲は、無いと見て良いのではないかと」

「なら…この道の出口かしら」

「だったら俺が前に出るか……」

-2ページ-

 

 

そう言って、一刀はアクセルメモリをドライバーに入れる。

 

「変身!」

「アクセル!」

 

一刀はアクセルに変身した。

 

「一刀…」

「安心してよ。あたしなら矢は当たらないから……」

「そういうことでは……」

 

そんな時霞が偵察から戻り、華琳達の予想通り、出口に大軍が待っていたそうだ。

 

「じゃあ、俺と美沙緒は先頭に行かせてもらうぜ」

「ああ、旗は馬と甘やったから、馬超と甘寧がいるから突撃するにも注意してな」

「了解!」

 

一刀はバイクフォームに変形する。

 

「さぁ! 振り切るぜ!」

 

一刀は美沙緒を乗せて、二人だけで出口へと向かう。そして二人は出口にたどり着いた。

 

「撃てーーーーーーーー!!」

 

一刀の予想通り、一人でも出たら矢を射掛ける予定だった蜀軍はろくに確認もせずに大量の矢を射る。

 

「もう一度振り切るぜ! 美沙緒!」

「OK!」

 

美沙緒は一刀にしがみつきながら、エンジンブレードを持つ。

美沙緒は一刀ほどではないが、少しならエンジンブレードを持ち上げることが出来るのだ。

一刀は巧みに矢を避ける。矢が当たることがあって美沙緒は幻影体のため矢が通り抜けてしまうし、アクセルの鎧の固さにより、矢が当たっても一刀は痛くないのだ。

 

「矢を避けている」

「一体何者が?」

 

馬超達がよく見るとその矢の嵐を駆け抜けているのは一刀と美沙緒であったことに気付く。

 

「あいつは……」

「お姉さま、あいつって確か剣も使えるんじゃ……」

「美沙緒!」

「OK!」

「何をする気だ?」

 

甘寧が一刀の上にいる美沙緒の行動に不審がる。

 

「お前達!」

 

一刀が向かってくる兵達に叫ぶ。

 

「死にたくなかったら、俺の直線状から離れろ!」

 

一刀の凄みのある言葉に兵達は一刀の言うとおりに一刀の直線状から離れた。

 

「よし、美沙緒!」

「ジェット!」

「地斬疾風刀!!」

 

美沙緒が地斬疾風刀を繰り出し、地斬疾風刀のエネルギー波が一刀の直線状から放たれた!

 

「あんなもん喰らったら……」

「まずい!」

 

馬超や甘寧、補佐としていた馬岱と周泰が急いでエネルギー波から離れようとする。

四人は何とかエネルギー波の直撃は避けたが、エネルギー波が爆薬にぶつかりそこで終わったが、それと同時に爆薬が大爆発した。

一刀の直線状には敵がいない。ただ一つ、道が出来た。

一刀はバイクフォームから元の状態に戻り、美沙緒からエンジンブレードを受け取る。

 

「「乱黄龍!!」」

 

一刀と美沙緒は二人の氣が混ざった黄龍を生みだし、爆発によって遠くに散った敵達を飲み込む。

そして爆発の音を聞きつけたのか、春蘭達がようやく到着した。

 

「北郷、今の音は何だ!?」

「ただ火薬が爆発しただけだ。俺は問題ない」

「そうか……全軍突撃!」

 

春蘭の言葉と共に魏軍は突撃し、その場にいた敵兵達や馬超達は撤退して行った。

 

「ふう……」

 

一刀は終わったと思い、変身を解く。

 

「まだ…これで入り口か…」

-3ページ-

 

 

この先の戦いはこれ以上のものになるだろうと思い…、ちょっとしたため息をつく。

そしてその一刀の活躍で切り開かれた場所で陣をはり、夜改めて会議をする。

 

「あと一箇所?」

「はい。ここから成都までの地形で検討したところ、大きな軍を配置できそうなのは、あと一箇所…」

 

稟が次に敵が配置してそうな場所を皆に説明する。

 

「綿竹の南方にある平原しか無いでしょう」

「そこで決戦になるという事か?」

「いいえ。蜀は前回の呉との同盟でもほとんど戦力を動かしてないわ。兵数には余裕があるでしょう」

「それに、あの諸葛亮や周瑜がそこまで楽観に過ぎるとは思えません。

ですから、もう一度の会戦と、その間の小刻みな攻撃でこちらの戦力を削った後、成都での最終決戦に持ち込むつもりではないかと…」

「劉備の下には諸葛亮と五虎将に加え、呉の孫策や周瑜も加わっています。ですから、将を小分けにしても十分な数の部隊が作れることになります」

「それに相手には一刀殿や美沙緒殿が恐れているヴァリュザと言う者もいます」

「大丈夫なんか? それ」

「反董卓連合の時は、こっちも大戦力やったけど」

「今、弱気になったりした者、前に出なさい。私が手ずから頸を刎ねるわ」

「華琳様!?」

 

突然の華琳の言葉に皆驚く。

 

「城を出るときに言ったわよね。この戦いの厳しさは連続になると…。苦戦する状況を認めるのは、将として必要なこと。

けれど、諦めのため息を吐くことは許さない。ましてや、兵のまで将がそれをすれば…どうなるか分からない皆ではないでしょう?」

「失礼しまーす! 流琉特製、猪の丸焼きができましたよー♪」

 

とそこへ春蘭達が捕まえた猪を調理した流琉とそれを一緒に持ってきた季衣がやってきた。

 

「あれ? 皆さん、どうかしましたか?」

「あなたたち、見ないと思ったら……料理?」

「はい! 腹が減っては戦は出来ぬ! 前に春蘭様から教わりました!」

「ふふ……あはははははっ!」

 

華琳は季衣と流琉のため笑い出した。

 

「華琳様!?」

「ごめんなさい。ふふっ…今の報告で余裕をなくしていたのは、どうやら私のほうね」

「何かあったのですか?」

「いや、何もない。……ですよね、華琳様」

「ええ。では、せっかくの流琉の料理よ。皆でいただきましょう」

「はい!」

 

皆で料理を食べる事になったが、華琳が一刀と美沙緒がいないことに気付く。

 

「あれ? 兄ちゃんと姉ちゃん、軍議に出てたんじゃなかったんですか?」

「そう……」

「だったらボク、探してきますね」

「こら、季衣! ちょっと待ちなさい!」

 

季衣を止める流琉。

 

「少し行ってくるわ。私達の分はちゃんと残しておいてちょうだいね」

 

そして華琳は一刀を探しに行き、一刀と美沙緒は陣の近くの川のほとりにいた。

その時の美沙緒はともかく一刀はものすごく辛そうであった。

 

「カッコ悪いところ、見られちまったな…」

「そうじゃなくて、どうしたのよ!」

「分からん。エンジンブレードを美沙緒に持たせる際に背中に重みをかけちまったからな……多分それだ」

「動ける? 動けるなら、早く戻りなさい。流琉の料理、あなた達の分まで食べられてしまうわよ」

「は〜い」

 

そして華琳は先に行き、一刀もふらふらだが後を追った。

 

(一刀……)

(言えねえよ。これが大局に逆らってるための影響だって事はな…)

 

一刀はあくまで嘘をつき通すつもりであった。

-4ページ-

 

 

翌日になり、再び戦闘が繰り広げられる。

春蘭が思わず深追いしそうになったりとしていたが、何とか魏軍は優勢に戦っていた。

そして数日にわたり、次に敵が布陣しているところに着いた。

敵は何と華琳の予想通りに配置していたので、一刀は驚いたが皆その事に驚かなかったので、一刀はちょっとしか疎外感に見舞われた。

 

「一刀。戦には二つの戦があってね…」

「勝つ戦と、負ける戦か?」

「違うわよ。策を弄して良い戦と、弄してはならない戦よ」

「なるほど、そっちか……」

 

一刀はアクセルメモリを手に持つ。

 

「アクセル!」

「あなた、話を聞いていた?」

「ちゃんとな、変身!」」

「アクセル!」

 

一刀はアクセルに変身。

 

「さあて、美沙緒行こうか!」

「うん!」

 

そして魏と呉の決戦がまた始まる。軍勢は魏の方が圧倒的であり、戦いも魏が優位になっていた。

呉は不利になり、撤退を開始する。

 

「美沙緒!」

「「乱黄龍!!」」

 

一刀の氣と美沙緒の氣が混ざり合った乱黄龍が敵を襲う。

 

「行くぞ!」

 

一刀がバイクフォームになって美沙緒を乗せて、逃げる敵兵達の所に向かう。

 

「光刃閃だ!」

 

美沙緒が一刀から飛び降り、一刀も元の状態に戻り、美沙緒は氣で作った刀、一刀はエンジンブレードで敵兵達を斬りつける。

そして二人は未だに逃げる敵兵達に向かって跳ぶ。

 

「そいえぃ!」

 

一刀と美沙緒が着地と同時に敵兵達を斬る。

しかしそれでも兵達は多いので、逃げられてしまう。

 

「逃げられたね」

「ああ。まあ仕方ねえさ」

 

一刀は変身を解く。

 

「ふぅ〜」

「少し疲れた?」

「まあな……」

 

その様子を華琳が遠くから見ていた事に一刀は気付いていなかった。

-5ページ-

 

 

その後、呉軍は蜀からの救援で撤退する事ができ、夜になり、一刀は華琳に呼び出された。

そこはまた川のほとりであった。

 

「まだここにも敵が……」

 

一刀が華琳の方を振り向くと華琳は自分の武器である鎌を一刀に突きつけた。

 

「何のつもりだ?」

 

一刀はこれが脅しか何かだと分かっていた。

 

「言いなさい、一刀!」

「何を?」

「あなたの不調の事よ! 何を隠しているの!」

「隠す? 俺は別に隠してなんか…」

「嘘は言わない事ね。あなたが今日変身を解いたときに前以上に疲れを見せていたのは見ていたのだから……」

(見られていたのか)

「この前はまだ信じてたけど、本当は違うのね。一刀! 美沙緒!」

 

一刀は観念したかのように話すが、真実を話す気はなかった。

 

「悪いが、言えない。確かに嘘をついた事は謝るが、それ以上は言えない。わかってくれ……」

「………そう」

 

華琳は鎌を下ろす。

 

「あなた、次の大きな戦いの時は、どうするつもり?」

「ああ、次は絶対ヴァリュザが出るだろうな。俺も美沙緒も本当の命懸けで戦ってやるさ」

「いい加減、あいつと決着をつけないといけないしね」

「そう……、死なないでね」

「ああ………」

 

一刀と美沙緒はその場を後にした。

-6ページ-

 

 

おまけ

 

 

作者「第14話なんだな。これが!」

一刀「仮面ライダーの魏編とあんまり変わらないな」

作者「だから手抜きなのだ。そして次回で最終回。夕方か夜にでも投稿するつもりだが…」

一刀「どうした?」

作者「期待してくれとは言ったが、期待しすぎないで欲しいのが俺の本音だ」

一刀「弱気だな」

作者「そう受け取るかどうか好きにしろ。とりあえず最終回が終わったら長期の更新停止だな。

まあここを覗くのは毎日でもするつもりだけどな」

一刀「おいおい」

作者「とは言っても本当に暇なときは新しく考えてる新連載しようとしている作品を書いたり、また劇場版系のネタを書いたりするつもりだ」

一刀「劇場版系ネタって長い上に今までの続きものばかりだからあんまり色々な人に見てもらえないじゃないか」

作者「そうなんだよな。でも映画となると時間をどのくらいか取られるからそれと同じ感覚でいて欲しいと思うけどな…。

それでは!」

説明
この作品の文章には仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編で使われたものが多々あります。
そして一刀の態度や口調が原作と違うことをご了承してください。
また本作の一刀の設定のため、一刀のパートナーとなるオリジナルキャラクターがいます。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1970 1834 21
タグ
真・恋姫†無双 一刀 アクセル 真・恋姫無双 アクセル全開! 第14話 仮面ライダーアクセル 

BLACKさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com