ようこそ、二次へ 十二話
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いきなり、二次元の世界にやってきてしまった俺。

元の世界に戻るためには七色の物を探し出さなければいけないらしく

二次元の世界の人達とワイワイやりながら頑張る話。らしい。

 

前回のあらすじ的なもの

あずささんのお迎えに行くよ!

 

では、本編です。

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十二話 アイドルマスター 〜765プロB〜

 

「ふぅ、着いた」

人に道を聞きながら歩くこと数十分。あずささんとの待ち合わせに指定された駅前に到着した。

「待ち合わせ時間ジャストだけど・・・まだ来てないみたいだなぁ」

駅周辺を見回すがそれらしき影は見当たらなかった。

〜10分後〜

「・・・何かあったのかな?」

電車に何かあったのかもしれないなと気長に考える。

 

〜20分後〜

「電話してみるか・・・」

携帯を取出し電話帳を開く。

「・・・あっ、もしもし」

「もしもし〜?どちら様ですか〜」

「律子さんからあずささんの迎えをしてくれと頼まれた霧島って言う者ですが、

律子さんからメール来てませんか?」

「メールの方ですね。ところで北口にもう来られているのでしょうか?」

「はい、だいぶ前に・・・あずささんはもう来られてるんですか?」

「はい〜。駅前にいます」辺りを見回すがそれらしき姿はない。

まさか・・・

「ちょ、ちょっとその場にいて下さい!」

「えっ?はい、わかりました」

あずささんとの電話を繋げたまま俺は駅の階段をかけ上って行く。

改札前を通りすぎ、階段を降りる。

そこにいたのは

「あずささん?」

振り向く彼女は笑顔で

「あっ霧島さんですね」

と一言。

「あずささん・・・こっちは南口です」

「あら?」

「・・・とりあえず行きましょうか」

北口へと続く階段を上り出した。

 

 

覚えたばかりの駅から事務所へと帰る道をあずささんと歩く。

(そういや俺、アイドルと一緒に歩いてるんだよなぁ。・・・そう考えると何か緊張してきたぞ)

「霧島さん」

「はっ、はひ!?」

緊張してきた所にいきなり名前を呼ばれて声が裏返ってしまった。

「ふふっ、霧島さんって面白い方ですね」

「うぅ・・・」

恥ずかしい・・・。

「それで、どうしたんですか?」

「私、1人で事務所に行けるのに事務所の皆がダメだって言うんですよ!どう思いますか?」

「それは・・・」

いつも降りてる駅で待ち合わせしたのに、北口と南口を間違えるからなぁ

「・・・じゃあ皆さんに、自力で連続十回、時間通りに事務所に到着出来たらお迎えなしって交渉しましょう」

「いい考えですね!ありがとうございます」

左手がやわらかい両手で包まれる。

「あっ、いえ・・・」

自分の顔が熱を帯びてくのが分かった。端から見たらきっと耳まで真っ赤になってんだろうな。

「さ、行きましょう」

両手が離れあずささんは歩きだす。数歩遅れてその後を追った。

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「ただいま戻りまs」

「おっそーーい!!」

事務所に入るなり律子さんの怒号が耳を貫いた。

「帰ってくるなり何ですか!?」

痛む右耳を抑えながら聞き返す。

「何ですか?じゃないわよ。迎えに行ってから大分遅いじゃない。遅くなるなら遅くなるで連絡しなさいよ」

「えっ、あ、はい。すいませんでした・・・」

「分かればいいわ。それで遅れた理由は?」

「それは、かくかくしかじかで・・・」

「ふーん、なるほどね。まぁいいわ。あずささん四時からの仕事だけど・・・」溜息を一つ吐いた後、それを切り替えの合図にして仕事の話をし始めた。

・・・あっちに行ってるか。俺は事務所のソファーの方へと向かった。

 

 

ソファーで音無さんが入れてくれたお茶をのんびり啜っていると

「「りっちゃん、ぴよちゃんこんにちはー!」」

事務所のドアが勢いよく開いて元気よく双子が入って来た。

「亜美ちゃん真美ちゃんこんにちは」

「あんたたちはいっつも元気ね」

「「はるるんから聞いたんだけど新しく入った兄ちゃんって今いる?」」

「あそこのソファーに座ってるのがそうよ」

自分が呼ばれた感じがしたので座ったまま後ろを向いて確認しようとすると

「うおっ!?」

目の前には同じ顔が二つ、こっちを見つめていた。

「ふーん・・・どう思う亜美?」

「うーん、及第点はあげられるかなぁ」

「えーそうかなぁ・・・」

と俺の顔を品定めするようにジロジロと見つめて二人で評価を言いあっている。

「えっと・・・あの〜?」

「「一応合格!」」

「えっ?あ、どうも」

訳の分からぬうちに合格を貰った。

そして俺の正面へと回ってくると

「「ねぇねぇーあそぼーよ」」

と腕を両側から引っ張られてソファーから無理矢理立ち上がらせられた。

どうせ捕まったら逃げられないのだろうから諦める。

「で、何して遊ぶんだい?」

「んふっふー♪いいからいいからー」

小さな会議室に連れていかれ、立たされる。

「動かないでねー」

言われるがままその場で待機する。

「はいはーい、ちょっと待ってねー」

どこから取ってきたのか二人はロープを俺の体に巻き始める。

「・・・これは?」

「いーから、いーから。動かないの」

「ええー・・・」

「ここをこうやってー」

「こっちはこうでー」

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されるがまま数十分。

「「出来た!!」」

二人はハイタッチを交わす。

しかしながら

「・・・これは何?」

「「何って、亀甲縛りだよー」」

「縛り方を聞いてるんじゃなくて、なんでこれのやり方知ってるの?」

「ぴよちゃんが教えてくれたんだよ」

あの人は・・・

「・・・・・・音無さーん!!?」

会議室から大きな声で呼んでみる。

「どうしたの?大きな声出して・・・きゃあ!?霧島君何やってるの!!?

ま、まさか亜美ちゃんと真美ちゃんにこんな事をさせるなんて・・・そんな趣味が・・・?」

「断じて違います!」

暴走気味の音無さんを止めるように否定して言葉を続ける。

「つか、二人に何教えてるんですか!?」

「えっ?私が・・・?」

記憶を辿るように眉間にしわを寄せ、右へ左へ首を動かし考えている。

「そんなの教えた記憶ないですよ・・・」

「でも、二人は音無さんから聞いたって・・・」

知らないという返答に何がどうなっているのか分からず俺も首を傾げる。

「二人とも、いつ聞いたんだい?」

聞いたという本人達に聞いてみる

「あのね、一週間くらい前にね、ぴよちゃんが事務所の窓から空を見上げてて」

「驚かそうかなぁーって二人でそーっと近寄ったの」

「そしたらぴよちゃん独り言を言ってて」

「何言ってるのかな?ってこっそり聞いてたら亀甲縛りのやり方はー・・・・って」

一週間前、音無さんから亀甲縛りのやり方を聞いた経緯を事細かに話す二人。

「・・・音無さん?」

「な、なんですか・・・?」

「やっぱり貴方が元凶じゃないですか!!」

「ごめんなさーい!」

 

 

俺の仕事初日はこうして過ぎていった。

毎日こんな事が起こるのだろうか・・・?

 

 

十二話 アイドルマスター 〜765プロB〜 終わり

説明
ようこそ、二次へ 十二話です。765プロでの初仕事!(雑務)
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