七不思議探偵!
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第二章

 

「それでね。・・・・・・・・だったんだよ!夢乃香ちゃん!」

 

「そうなんだ・・・。うん、素敵だと思うよ」

 

昼咲は手と口を同時に動かして説明する。

 

蒼神は微笑みながら頷く。

 

蒼神夢乃香。

 

黒のロングに日本人形を思わせる子顔。

 

特徴なのが濃い紫色の眼と、見事なまでのペッタンコな胸部。

 

物静かであまり物事に口にしない。

 

健全な男子なら思わず頬を染めてしまう雰囲気の持ち主。

 

もちろん、瑠璃は健全ではないため対象外だ。

 

三人ともパイプ椅子に腰を掛けている。

 

「瑠璃君はどう思う?」

 

「どうも思いません。てか聞いてませんでした」

 

瑠璃は明後日の方向を向く。

 

「ひっどーい!なんで聞いてないの?」

 

「言われてないからです」

 

きっぱりと言い放つ。

 

「むぅ。瑠璃君は冷たいわ・・・冷めてるわ・・・」

 

「同じこと二度言わないでください」

 

「むぅ・・・」

 

「こらこら、瑠璃。柑菜をそんなに苛めない。」

 

夢乃香は昼咲の頭を撫でる。

 

「苛めてなんかないです。からかってるだけです」

 

「かよわい女の子をからかって楽しい?瑠璃君」

 

「昼咲さんをからかうの滅茶苦茶楽しいです」

 

瑠璃は意地悪く笑う。

 

「極悪よ!!意地悪!人でなし!変態!」

 

昼咲は涙を浮かべて叫ぶ。

 

「変態呼ばわりされる覚えはないです」

 

「むぅ・・・」

 

押し黙る。

 

「くすくす・・・・」

 

夢乃香はやわらかく微笑む。

 

無駄部はいつもこんな感じ。

 

ちなみに、無駄部の部長は夢乃香だ。

 

こんな部活あっても何の意味もないのに続いている。

 

瑠璃はそこが不思議でならなかった。

 

「ねぇ、瑠璃君。」

 

昼咲は瑠璃に近づき、腰を折る。

 

爽やかな柑橘系の香りがした。

 

「私提案があるんだけど!」

 

「僕じゃなく、部長の夢乃香さんに言っください」

 

夢乃香は微笑みながら、

 

「なんだい、柑菜。ボクに相談かい?」

 

昼咲はくるりと回り歩き出す。

 

「あのね!無駄部って基本なにもしないじゃない?」

 

「まぁ。無駄部ですし・・・」

 

瑠璃は呟く。

 

「そこで!この学園に纏わる七不思議を解いてみない?」

 

「「却下」」

 

見事なまでに即答。

 

「なんでぇ!?!?」

 

「柑菜。キミはお化けや幽霊の類が苦手じゃないのかい?」

 

「そこは・・・気合いでカバーするわ!」

 

「気合いですか・・・」

 

「じゃぁ・・・なんでそんなことしようと思ったんだい?」

 

「どうせ、そう言う話になって「怖いから無理〜」とか言ったらからかわれたんでしょう」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

昼咲は押し黙る。

 

顔も赤面している。

 

「図星のようだね。」

 

夢乃香は微笑む。

 

「お化けなんていないわ!!」

 

昼咲は手をパタパタさせて喚く。

 

「子供ですか?・・・」

 

瑠璃は溜息交じりに言う。

 

夢乃香は足を組みなおし、夕日をバックに呟く。

 

「いいじゃないか、瑠璃。どうせ『無駄部』なんだし」

 

「そうよね!やってくれるよね!?」

 

「ああ。暇だからね。付き合ってあげるよ」

 

昼咲は夢乃香に抱きついた。

 

「ありがと〜!やっぱ夢乃香ちゃんは頼りになる〜」

 

「瑠璃はどうだい?一緒に来るかい?」

 

瑠璃は俯きながら

 

「どうせ断っても『部長命令だよ』とか言って強制でしょ?」

 

「分かってるじゃないか。」

 

夢乃香は微笑む。

 

「じゃぁ、早速明日から捜査開始だ」

 

「おー!!」

 

「お〜・・・」

 

強気な腕が一本、弱気な腕が一本挙がっていた。

 

 

 

説明
人付き合いが苦手な瑠璃が昼咲と夢乃香と共に学園の七不思議を解いていく物語
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タグ
学園 ミステリー 

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