北郷一刀争奪戦争勃発!三国騒乱編・火花散らす
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北郷side(一人)

「さびしくなるけど、ここで頑張らないとな・・・・」

 自分に与えられた城へ入り、すべての荷物を部屋へ持ち込み整頓を終わる。

「雪蓮達が何かしないといいけど」

「御遣い様、荊州の民へのあいさつの準備が整いました」

「すぐに行きます」

 下へ降りると、そこには荊州ほとんどの民が集まり歓迎をしてくれていた。

「静まれぇ!御遣い様の言葉だ!」

「みんな、俺が天の御遣いだからってそんなにかしこまらなくていいから、魏、呉、蜀の国王からこの荊州の統治を依頼された天の御遣い事、性は北郷、名は一刀、真名は無い、だけど俺はこの荊州の皆とこれから楽しく生きていこうと思う、だから、みんなの力を貸してくれ!」

 一瞬の静寂が訪れ地が割れんばかりの大歓声が辺りを包んだ。

「御遣い様〜!」

「御遣い様なら大丈夫ですよ!」

「御遣い様!御遣い様!」

 すべての民が一刀のことを歓迎し、大歓声は拍手へと変わった。

「これにて、御遣い様のあいさつを終了する!」

 促され城へと戻る途中でも、その熱気を感じることができた。

「こんなに歓迎してもらえるとは思ってなかった・・・・」

 あれほど大規模に歓迎してもらい、満更でもないのか笑みが絶えなかった。

 

 ただ、自分の意志の届かぬ場所ですでに別の意味での騒乱が発生しそうなことには一切気づいてはいない。

 

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蜀side

「さて、荊州に着いたわけだが・・・・・恋はどこへいったのだ?」

「恋さんはそこで食べてますよ?」

「ん・・・・これ、もっと」

 店中で早速食べ物にありついている、ちゃっかりその隣で星がメンマを肴に一献やっていた。

「恋!星!何をやっているのだ!まだ一刀殿への挨拶も済んではおらぬのだぞ!」

「愛紗、そんなに硬くなるな、“腹が減ってはなんとやら”と言うではないか」

「別に戦いに行くわけでないだぞ!」

「しかし、我々は一刀殿をある意味で取りに来ている、それはおそらく魏も同じ、さらに呉は一刀殿を守ろうとするだろう」

「むう・・・・」

「愛紗ちゃん、そんな眉間に皺を寄せてるとせっかくの可愛い顔が台無しよ?」

「お母さん、お腹減ったー」

「まぁ、璃々もこう言ってることですし」

「仕方ない・・・・・」

 蜀の全員が席に着き、ご飯を食べ始める。

「おそらく、一番の問題は呉の者を引き離すことができるかどうかだな」

「そうですわね・・・・・璃々に頑張ってもらいますか」

「恋も・・・・・・頑張る、一刀・・・・・・・連れてくる」

「くれぐれも、無理矢理は駄目だからな」

 力づくで連れてくるのが、図星だったのかシュンとううなだれる。

「とりあえず挨拶をしてからだ」

 

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魏side

「荊州は安定してるみたいね」

「それどころか、他の市よりも熱気と活気があると言っても過言ではないでしょう」

「さすが天の御遣いといったとこでしょうか」

「おそらく仁徳もあるのでしょうね〜」

 全員が荊州の統治を評価している。

「お!珍しい酒が売とる、なぁ、華琳こうてもええか?」

「駄目と言っても買うのでしょうから、買いなさい、でも北郷に会うまでは飲んじゃ駄目よ、荊州の統治者に会う前に配下の将が酔っていたのでは、私の名に傷がつくわ」

「わかっとる、わかっとる」

「華琳様、食材を見てもよろしいでしょうか?」

「おぉ、これは始めてみる書物ですね〜」

「どれどれ・・・・・・ほう、これは興味深い」

 魏には無いものが店頭に並んでいるのを次々に見つけどんどん離れていく。

「それじゃあ、行くわ・・・・・」

 後ろを振り返った華琳、そこに見知った顔は一人もおらず全員が己の欲望に負けて散っていた。

「あの子たちは・・・・・」

 頭を抱えながらも、一人ひとりを回収するために、来た道を戻り始める。

 

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呉side

「雪蓮、蜀と魏の面々が荊州に入ったそうだ」

「とうとう来おったか」

「なにもなければいいのですが・・・・」

「そうだな、なにもなしで済めばいいのだが・・・・・おそらく、何もない事はないはずだ、北郷の知識があれば僅かな時間でこの繁栄をもたらせる、さらに自国にいい風評をもたらすことができる、諸葛亮と荀ケが考えそうなことだ」

「それに、天の血を入れるくらいは考えてそうじゃがの」

 放たれた言葉の意味を理解した全員の顔色は悪くなった。

「それだけは、絶対に避けなければいけないわね・・・・」

「で、でででも、か、かか一刀様がそんな簡単に・・・・」

「亞莎、一刀が拒んでも武で挑まれ、無理矢理・・・という可能性も捨てきれんじゃろう」

 その場面がやすやすと想像できたのか、さらに顔色が悪くなった。

「難しい戦いになりそうだね・・・・」

「だからといって、一刀を渡すわけにはいかないでしょ?」

「「「「当たり前(だ、じゃ、よ、です)!」」」」

「冥琳、策は用意してるんでしょ?」

「勿論だ、まず相手の策を封じるために、奴らの挨拶の場面に我等も同席する」

「そ、そんなことが、で、でできるんですか?」

「一刀には私が言っておくわ」

「雪蓮、頼んだ」

 五人の目は戦場に行く時のような目に変わり、蜀と魏を待ち受ける。

 

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合流騒乱side

 魏、蜀が到着した知らせを受けた一刀は、謁見の間に行っているときに雪蓮が近づいてきた。

「雪蓮、来てたのか?」

「えぇ、昨日の夜遅くについてさすがにこれなくてね」

「そうなんだ」

「今から魏と蜀の勅使と会うんでしょ?」

「そうだけど・・・・・」

 事前に持っていた情報を出しながら話を有利に進めていく。

「私たちも同席するから」

「え?そうなの?」

「私たちも久しぶりに会うから、挨拶したいと思うからね」

 納得したように頷き、一緒に謁見の間に入ると、すでに臨戦態勢に入っていたのか非常に険悪なムードが漂っていた。

「あら、来たのね」

 異常な空気の中、最初に反応したのは華琳であった。

「みんな、遠いところありがとう」

「中々、いい統治みたいじゃないの」

「は、はじめまして、か、関羽です、桃・・・・劉備様よりの親書を」

「ありがとう、関羽さん」

 受け取る時に2人の手が触れた、一刀は普段から呉で触りなれているので何も思わないが全く免疫のない愛紗は顔を真っ赤に染めた。

「は・・・・・・はぁぁ・・・・・」

「んっ、んん!」

「関羽殿、御気分がすぐれないのか?」

「い、いや、そのようなことは全くない、失礼した」

 冥琳からの厳しい一言で体を強張らせながらも、すぐに定位置に戻った。

「魏の王、曹操、荊州の統治者の北郷一刀に挨拶にきた、祝いの品を・・・・・秋蘭」

「はっ!北郷殿これを」

 渡されたのはさまざまな色の石が付いた腕輪であった。

「こんな高価なもの、もらうことは出来ない」

「あら、それは魏の王としてじゃなく、北郷一刀の友人の華琳としての贈り物よ」

 そう言い、一刀の腕に自らの手で通し、そのまま腕を絡める。

「荊州の統治が終わったら、魏に来てもいいわよ」

 呉のメンバーのすさまじい殺気を受け璃々が涙目になったのを確認したのか、すぐに離れた。

「大したもてなしもできないけど、ゆっくりくつろいで行って」

 柔らかな笑みは、そのつもりが全くなかった秋蘭でさえも見とれてしまった。

 その後、軽く話をしていたところ、雪蓮と冥琳に連れ去られた。

 

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雪蓮、冥琳・一刀side

「何よ!デレデレしちゃって!」

「そ、そんなつもりはなかったんだけど・・・・・」

「そうか?曹操に腕をからめられた時、鼻の下が伸びていたぞ?」

「可愛い女の子にあんなことされたら、誰だってそうなるって!」

「へ〜私たちの時はならないのに曹操の時はなるのね?」

 2人の追及はとても厳しく、結局その日はほとんど寝ることはなかった。

 

説明
今回FDが発売されることと関連してというか、考えて更新を速くしようと思います、理由としては三国争乱とFDの内容が若干似ていることがありまして、自意識過剰ではあると思いますが、FDの発売前に終わらせることができるように頑張りたいと思います
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コメント
ふむ、萌将伝のモデルになった作品か!?(海皇)
これはいいw(だめぱんだ♪)
いい!実にいい!ww(みっちー)
期待しています。 更新を待っています(tanpopo)
FDの内容が一刀争奪戦とどの位かぶるのか気になりますね(ちょっ!)
FD・・・・・FD(詩)
最高です!これから三国の嫉妬やら何やらが見えそうですねwww 更新楽しみに待ってます!!(mighty)
ぜひ華琳√もwww(機構の拳を突き上げる)
FDは皆の願望の結晶ですから(笑)まあ、あんまり気にしてはいけませんよ^^(天使 響)
うぁ、嫉妬する雪蓮や冥琳もかわいいっすなw(よーぜふ)
これは期待せざるえない!(レスキューポリス)
面白いです。がんばってください!(たっちゃん)
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