魏√風END璃々編アフター 8・5話 「死の真相」
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何進が一刀を訪ねてきた次の日の城下町。

城がある中央区を中心のした9区の一つ西区の一角にある大型の服屋「歌姫」と書いて「デイバ」という店があった。

一般的な服以外にも旅芸人達が使う様な衣装に小道具さらには客の要望を聞いて作るオーダーメイドまで手がける店で誰もが認める「三国一繁盛している店」である。

三国各国の将達も通っていて今日も蜀の将の一人張?がこの店の店長と親しげに話していた。

 

「寧算(ねいさん)、頼んでた例の物出来上がっていますか?」

 

そういって張?が話しかけたこの店の店長は細身で癖のあるショートヘアーに素肌にシャツを着た男性?だった。

 

「あら、いらっしゃい。張?ちゃん。魏の典韋将軍の意匠の服ね。出来上がってるわよ。それにしても張?ちゃんも物好きよね。有名な人と同じ服が着たいなんて。まあ、私達は頼んでくれるたびに儲かるから嬉しいけど」

 

「ははは、旦那にもよく言われてるわ。でもね、なんて言ったらいいのかしら?そうね、憧れ易いって言ったらいいのかしら?そしてその人達に近付きたいのよね、その人達に。それを簡単に出来るのがその人達と同じ服を着るってわけ。それを着ているときはその人になった感じがして楽しくなれるのよね」

 

「ふーん。そういったものかしら?それでその感じだとまた作ってほしい服があるのかしら?」

 

そう聞くと張?は満面の笑みを浮かべ

 

「大正解。その通りよ。寧算ももう知ってるでしょう?北郷様がお帰りになられたのを。その北郷様が身に着けてる新しい服を作ってほしいの。詳しい意匠の方は今度北郷様の写真を持ってくるからそれで作って。それじゃあ、政務がまだ残ってるから帰るわ。よろしくね」

 

そういって張?は帰っていった。

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「そうか、彼が帰って来たんだ。これでまたこの大陸に新しい風が吹くのね・・・ふっ、馬鹿よね。そんな事はもう関係ないことなのにね」

 

そういって寧算は自傷気味に溜め息をつくと急に目の前が真っ暗になり、そして

 

「だーれだ?当ててみて♪」

 

と声を掛けられた。

どうやら誰かに目隠しをされたようだ。

ただ、その声を聞いて寧算は体中から冷や汗が出てきた。

ありえない。彼女がここにいるわけじゃない。彼女は自分が殺したはず。

そんなあり得ない状況に動転しながらも表面上は普段どおりを装いながら

 

「あら?まさか今更化けて出てきたわけ?それともお迎えが着たということかしら?なんにしても久しぶりね、美郷(みさと)。いえ、何進将軍」

 

「ちぇ、つまんな〜い。もう少し慌ててくれてもいいじゃん。寧算、いえ十常侍唯一の生き残り張讓様♪」

 

「何を言うの。これでも十分気が動転してるわよ。で何のよう?まさか世間話をするために化けて出たわけではないのでしょう?」

 

「もちろんちゃんとした話をするために着たわよ♪そうね、まずは今の私のことを説明しましょうか♪」

そういうと二人は店の中の休憩室に入っていった。

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「そう、まさか貴女が仙人にね。事実は物語より奇なりとでも言うべきかしら。それで私に会いに着たのはなんで?」

 

「さっきはなした北郷君の事でなんだけど、太公望様から暫く人間界にいていいていわれたから彼の元で働こうと思ってるの♪それですでに貴女がこの町にいるのを知っていたから純粋に挨拶に着たってわけよ♪今更殺された恨み〜とかなんて言うつもりはないわ♪あの頃はああするしか無かったって分かっているわ♪頭の固かった私達にはね♪」

 

「確かにそうね。漢王朝存続に拘っていた私と、民たちの為に新しい国を作るべきだと言っていた貴女。けして交わる事の無かった私達にとって自分の考えを貫くために私は貴女を殺すしかなかった。今考えたら馬鹿な話よね。貴女をそう導いたのは他ならぬ私のはずなのに。何時からなのかしらね?私達がすれ違ったのは?」

 

「どうかしら?思い出せないわ♪でもいまさらそんなことはいいじゃない♪どんな形であれ私達はまたこうやってめぐり合えた。過去の事は水に流してまた私が貴女に認められていた頃の関係に戻りましょう?私はそうしたいわ♪」

 

そう言われた張讓、いや寧算は目を見開けて驚きそして満面の笑みを浮かべ

 

「ええ、いいわよ。此方こまた昔の様に仲良くしましょう。私達を縛っていたこの大陸は私達では考えも付かなかった形になった。そう、私達の考えを組み合わせたような素晴らしい国々に」

 

「そうね♪あっそうだ♪今晩またお邪魔していいかしら?崑崙山のお酒を持ってくるから一緒に飲みましょう♪」

 

「あら、いいわね。今までの事を当てにして飲み明かしましょうか」

 

そういって二人は握手を交わした。

様々な事が交わっていがみ合っていた二人は再びめぐり合い、そして今握手を交わす。

もう二人の間には何のしがらみも無くなり、かけがえの無い友となった。

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後書き

 

今回は何進の話を書いてみました。

何進がどういった経緯で死を迎えたのかを書いてみたかったのですがいかがだったでしょうか?

張讓ですが何進と仲良くなりましたが本編にはあんまり出すつもりはありません。

モデルは真名や店の名前でなんとなく分かってもらえると思います。

次回はまた本編に戻ります。

・・・璃々ちゃんがヒロインなんだからそろそろ活躍させないと(汗)

説明
魏√風END璃々編アフター 8・5話 「死の真相」を投稿します。
今回は一刀も璃々ちゃんも出てこない番外編といった感じなので8・5話としました。
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コメント
あれだね、何進と張讓って、エヴァンゲリヲンの葛城ミサトと赤木リツコみたいだね(頭翅(トーマ))
え?・・・ヒロインだったの?てっきり愛紗あたりかと思ってた(スターダスト)
これって璃々ちゃんヒロインなんですよね・・・・?(峠崎丈二)
病んでる璃々ちゃんを是非!(護衛)
璃々ちゃんの出番が…少ない?www(宗茂)
ネイサンとかディーヴァとかBLOOD+ですかwww (デルタ)
璃々ちゃんについて・・・うんおもったw(スーシャン)
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真・恋姫無双 恋姫無双 何進 張譲 何進暗殺の真相 

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