恋姫無双〜愛しき人〜11
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第十一章「三姉妹」

 日の出が出る少し前。訓練所には一刀が走っていた。修行の一環として毎日走っている。

 「ふぅ〜。次は素振りだな。それにしても雫は何時もながら遅いな」

 雫に武術を教え始めてから一刀は雫と一緒に鍛錬していたが、最近は先に始めていることのほうが多い。

 「お兄ちゃ〜ん」

 「遅いぞ、雫。まったく、先生より遅いなんて聞いたことがない」

 「ごめんなさい。それでお兄ちゃんはもう走り終わったのですか」

 「今さっき終わったよ。これから素振りだ」

 「それではでは、走ってきますね」

 「あぁ・・サボったら倍だからな」

 「わかっていますよ」

 雫は走っていった。一刀は日陰を鞘から抜き素振りを始めた。雫が帰ってきた所で一刀はもう一本の刀、斬月を渡した。まだ自分愛用の刀を持たない雫は毎日斬月で、素振りをしている。

 「お兄ちゃん。雫の武器はまだ持たせてくれないのですか」

 「今はまだ早いかな、もう少し基礎が出来たら渡してあげるから、待っていて」

 「は〜〜〜い」

 その後も一刀は雫に一刀流の基礎を教えて鍛錬を終了した。時はすでに朝の八時ぐらいになっている。

 「それじゃ、朝ごはんと行きますか」

 「はい」

 一刀と雫は城の台所に行き一刀が軽い朝ごはんを作って食べ始めた。

 「「おはようございます。一刀様」」

 「おはようです〜。お兄さん」

 「おはよう。稟・風・万里」

 「今朝も雫殿と鍛錬ですか」

 「そうだけど、ダメかな」

 「ダメとは言いませんが、たまには休息も取って頂かないと」

 「そんな柔じゃないよ。俺は」

 「そうですよ。お兄さんは魏の種馬まのですから、昨日稟ちゃんとやった位では倒れませんよ」

 「「!?」」

 「風。どうしてそれを」

 「おや。本当でしたか、ちょっとからかったつもりでしたのですが」

 「鎌掛けたのですね。風」

 「別にそんなつもりは無かったのですよ〜」

 「ふ〜う〜」

 「おぉ・・お兄さ〜ん。稟ちゃんが怖いのです」

 風は一刀の背中に隠れに行った。

 「風も稟をからかわない。万里からも言ってやってくれ」

 「・・・」

 「万里・・?」

 「万里殿?」

 「万里ちゃん?」

 「どうかしましたか万里さん」

 「その・・か・一刀様」

 「なに?」

 万里は顔を赤くして下を向いた。

 「そのですね・・・今夜・・その・・」

 「今夜がどうしたの」

 「わ・わたしを、閨に誘ってください」

 「「「なっに〜〜〜〜〜〜〜!」」」

 「えっ!ど・どうしてなんだ。万里」

 「それはその・・この前・・稟さんとしているのを見ていまして・・・」

 「そうか・・見ていたな。三人とも」

 「え・えぇ〜〜?」

 「それで・・・私を閨に・・」

 「うん。今夜おいで」

 「はい。行きます」

 万里はとても嬉しそうな顔をする。稟はいまだに口をパクパクしている。

 「はいはい。この話はもうお終いです」

 「そうですね〜〜〜。まさか万里ちゃんがこんなに積極的な女の子だったとは」

 「もう、我慢できなくて・・・」

 「もう、我慢しなくていいからね」

 「はい」

 「うぅ・・・私の初めてなんか・・・」

 「稟も拗ねない。また今度誘ってあげるから」

 「ホントですね」

 「あぁ・・ホントさ」

 「なら、いいんです」

 朝にする会話じゃないが北郷軍の中で会話が終了した。

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 「それで、一刀。報告したい事ってなに」

 「実は黄巾党のことなんだが、あれだけの数になれば食料が沢山要るだろ」

 「それで」

 「とある場所に食料を保管しているんじゃないか」

 「「「!?」」」

 「なるほど、それも一理あるわね。桂花」

 「はっ」

 「この周り一体を捜索して食料庫を探し当てなさい」

 「御意」

 「春蘭はいつでもいけるように軍を待機させて起きなさ」

 「はっ」

 「秋蘭はいつもどおり私の補佐を」

 「御意」

 「一刀。よく考えてくれてはね。褒美を上げるは、今夜閨に来なさい」

 「これは俺じゃなくて、雫が言ったのさ。それを俺が報告したまでさ」

 「そう。なら、雫にも何か褒美を上げないとね」

 「それと、閨の件だけど今夜は先約があるからまた今度な」

 「そ・そう。ならし方が無いわね。なら桂花。今夜はあなたが来なさい」

 「はい。華琳様」

 「それじゃ、俺は警邏に戻るよ」

 「えぇ・・頼んだわ」

 ・・・一体誰と今夜ス後押すのかしら。けどまぁいいは、約束はしたもの・・・

 ・・・華琳様。まったく一刀は鈍感過ぎるな。しかし、私も一刀とはやってみたいものだ。一刀が好きだから

 華琳は一刀の背中を見ながらぶつぶつと言っていた事に秋蘭だけが気づいていた。

 

 「雫」

 「なんですか、お兄ちゃん」

 「さっき華琳から雫に褒美を出す事が決まったんだ」

 「本当ですか」

 「なんでなん。隊長」

 「そうなの〜。雫ちゃんだけひいきはずるいの」

 真桜と沙和が椅子から立ち上がった。

 「うるさいぞ。沙和・真桜。褒美を貰うということは、それだけのことをしたからだ」

 「そうだよ。雫は今回張三姉妹の場所がわかるかもしれないほどの策を出したんだから褒美を貰うのはあたり前だよ」

 「そうなんか〜」

 「ならしかたがないの〜」

 「それでどんな策なんですか」

 凪が興味心身に聞いて来た。

 「食料庫襲撃て、言うのかな。食料のある所を片端から叩くんだ。そうしたら張三姉妹のところに逃げるだろうからそれで、居場所を突き止める」

 「いやはや感服しました。雫様にも策士だったとは」

 「いや。ただ思った事を言ったまでです」

 「それで、出撃はいつなん」

 「まだ、場所がわかっていないからわかるまでは待機だな」

 「それじゃ、それまでにかわいい「「沙和〜」」・・・警邏頑張るの」

 「なら、さっさと行った、行った。凪。二人の監視頼むよ」

 「御意」

 「雫も今日は警邏のほうを頼む」

 「はい」

 「それでは隊長行ってきます」

 「行ってくるの」

 「行ってくるわ」

 「行ってきます」

 四人は店を出て警邏に行った。

 「椿。いるな」

 「はっ。ここにいます」

 椿は一刀の席の隣で麻婆豆腐と食べていた。

 「居場所はもうわかったの」

 「はい。ここより二百里離れてところにいます」

 「わかった。なら、今夜俺の部屋で会議の時に皆に紹介するよ」

 「わかりました。では、それまで私はどうすれが良いですか」

 「そうだな、さっきの四人の護衛かな。凪は大丈夫だけど残りの三人はまだまだだし。とくに雫が」

 「わかりました。それでは」

 椿は一瞬で着替えて、四人の後を追った。

 「おっちゃん。お勘定」

 「あいよ〜」

 お金を払って店を出た。

 「さて、俺も仕事に戻るか」

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 「冥琳」

 「なんだ。雪蓮」

 「陳留に落ちたっていう天の御遣い。何かわかった〜」

 「いや。何人もの間者を放っているのだが、誰一人として戻ってこない」

 「そうか〜。なら明命に行かせれば」

 「ダメだ。今明命を行かせたら我々の戦力が落ちる。それより、どうしてそんなに天の御遣いのことを気にするんだ。雪蓮」

 「勘かな」

 「勘ね」

 「そう、勘。なんだか、そいつが呉にとっての最大の敵になるような気がするの」

 「わかった。雪蓮の勘は良く当たるから。明命に行かせるよ」

 「ありがと冥琳。大好き」

 「おい。やめろ」

 

 「ということで、昨日から仲間になった椿だ」

 「徐公明と申す。真名は椿だ。よろしく頼む」

 「風は程cです。風と呼んでください」

 「徐庶です。真名は万里と申します」

 「雫です。よろしくお願いします」

 「それじゃ、椿。昼の話もう少し詳しく聞かせて」

 「はっ。ここから西に二百里離れたところに張三姉妹のいる黄巾党の陣があります。しかし、張三姉妹はその場所から一刻も早く逃げ出したいそうです」

 「そうか・・・・」

 「一刀様。なにを考えているのですか」

 「いや、たださっき桂花の間者が戻ってきたみたいで、たぶん明日は出陣になると思うな〜と」

 「そうですか〜。実は最近お兄さん目当ての間者が多くて困っているのですよ」

 「そうですね。今日までに捕らえたのを合わせたら十二人ぐらいですね」

 「ほとんどが、呉だろ」

 「知っていたんですか」

 「まぁね。何人かは捕まえて桂花に引き渡してけど。その辺椿はどう思う。同じ隠密として」

 「そうですね。私から見ても間者の数が多すぎだと思います。普通なら一人か二人で十分なのですが、主は天の御遣いだけでも大陸中に名が広まっていますし、これまでの戦の成果で都の帝までにも知られています」

 「そこまで知られているなんて」

 「ですので、他国はあまり曹操軍とは相手したくないそうです」

 「そうですね。もし私が他国の軍師なら間違いなく曹操軍の中では一刀様を一番に注意します」

 「お兄さんは、武では一騎当千。閨では魏の種馬ですもんね〜〜」

 「風。それは言わない約束だろ」

 「フフフ・・・」

 「今日はここまで。明日は忙しくなるから十分に休むように」

 「「「御意」」」

 「椿は今日何所で寝るんだ」

 「私は主の屋根裏で寝ようと思います」

 「ダメだ。今日は万里の部屋で休みなさい。いいね、万里」

 「はい。椿さん。私の部屋使ってください」

 「それでは、万里殿は何所で寝るのだ」

 「今日は・・・一刀様と・・・・・です」

 「そうでしたな。拙者は万里殿の部屋で寝るとします」

 「それではお兄さん。ごゆっくり〜」

 「おやすみなさい。一刀様」

 「お兄ちゃん。おやすみさない」

 「おやすまなさい。主」

 「あぁ・・皆お休み」

 万里を残して皆が一刀の部屋を出た。

 「一刀様・・・」

 「おいで、万里」

 「はい・・・んちゅ・・はぁ〜・・ぁ・ん」

 「ん・・万里・・今日は・・・ちゅ・・寝かさないよ・・」

 「はい・・・んちゅ・・ちゅる・・・あっ・・舌入って・・あぁぁ」

 その日一刀の部屋からは叫び声が永遠と響き続いた。

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 「桂花。報告を」

 「はっ。昨日一刀さんからの策から、あたりに間者を放ち黄巾党の食料庫の場所が判明しました。ここから北西に百里離れた所と西南に百里離れたところにあります。ですので、私達は部隊を二手に分けて一気に迎撃します」

 「一つは私が率いるわ。もう一つは・・一刀。あなたが率いなさい」

 「了解」

 「一刀の隊には、一刀の部下と凪あなたも付いていきなさい」

 「御意」

 「何で凪ちゃんだけなの」

 「そうやで、華琳様。それはおかしいとちゃうか」

 「一刀のとこには武官が少ない。だからよ」

 「それでも」

 「沙和・真桜。華琳様の命令だぞ。口答えするな」

 春蘭が大声で二人を叱った。

 「うぅぅ・・・・・わかったの」

 「沙和。なんでや」

 「けど、今回だけなの。私達は三人で一人なのだから」

 「わかったわ。でも今回は我慢しなさい」

 「了解なの」

 「うぅ・・了解や」

 真桜はまだ不安そうだったが、了解した。

 「それでは、一刻後に出陣する。各自戦の準備を済ませなさい」

 「「「御意」」」

 玉座から皆出て行き。黄巾党の戦いに向かった。

 

 「お兄ちゃん今回は雫も一緒でもいいのですか」

 「そうだよ。でも、俺の傍から離れない事それが条件だ」

 「わかりました」

 「椿。悪いけど先に行って黄巾党の動き見に行ってくれないか」

 「御意」

 椿が馬を走らせて黄巾党のいるほうへ向かった。

 「さて、どうするか」

 「そうですね〜。せっかく椿ちゃんいるのですから風達が囮に食料庫を焼いてもらいましょうか」

 「私も風の策に賛成です」

 「私達の兵は精鋭なのでそんなに遣られないと思います」

 「わかった。最前線は俺と凪・雫が戦う。

風は右翼、万里は左翼、稟は中央を頼む」

 「「「御意」」」

 「凪。俺の後ろ任せたよ」

 「はっ。隊長のためにも頑張ります」

 「いい子だ」

 「た・隊長・・・」

 一刀は凪の頭をなでた。すると凪はだんだん顔を赤くしていった。

 「主」

 「椿か、早かったね。それで首尾は」

 「はっ。黄巾党の数は約二万ほどです」

 「わかった。帰ってきて早々悪いんだけど、これからの策を教えとくね。俺達が黄巾党と戦うから、その間に椿は百の兵を連れて誰もいなくなった食料庫を燃やして欲しいんだ」

 「わかりました」

 「隊長。この方はどなたなのですか、さっきからいますけど」

 「そうか、凪にはまだ教えてなかったな。この子は徐公明。俺に仲間の一人さ」

 「拙者の真名は椿と申します。以後そう読んでください」

 「楽進です。真名は凪と申します。よろしくお願いします」

 「それでは、これから討伐に行くぞ」

 「「御意」」

 

 一刀達は黄巾党の食料庫の近くまで来た。

 「聞け。魏の十字軍。我々は今からあの黄巾党と戦いに行く。だが我らは負けない。なぜなら我々には天が付いているからだ。我に続け我と戦えそうすれば必ず我らが勝利する。我と共に勝利を勝ち取ろうでわないか」

 「「「オオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」」」

 一刀の号令で兵たちの士気は一気に最高潮まで上がった。例えどんな敵が来ようと負けないほど自信に溢れていた。

 「さすがですね〜お兄さんは」

 「あそこで、天という言葉を使われたら誰でも信じます」

 「これまで、いくつもの戦に出ていますからわかってきたのでしょうか」

 「だといいのですがね」

 「ぐ〜〜〜〜」

 「風。起きなさい」「風さんこれから戦ですよ」

 「おぉ〜。あまりにも良い天気でしたのでつい眠くなってしまいました」

 「はぁ〜。最近は寝ないから大丈夫だと思ったのですが」

 「稟ちゃんの鼻血癖は直ってよかったのです」

 「風。それは言わない約束ですよ」

 「それは今日の稟ちゃんの働きぐはいで検討しますよ」

 「お二人とも早く持ち場に行きましょうよ〜」

 万里の説得で三人はそれぞれの持ち場に向かった。

 「全軍。突撃」

 「「「オオ〜〜〜〜〜〜〜〜」」」

 一刀の合図で魏の兵達が一斉に黄巾党に向かっていった。

 「アニキ。魏の兵たちがこちらに向かって気やすで」

 「なに〜。なら全員で迎え撃つぞ」

 「わかりやした」

 「行くぞ、野郎ども。魏の兵など皆殺しにして前」

 「「「オオ〜〜〜〜」」」

 まして魏の十字軍対黄巾党の戦いが気って訪れた。

 「怯むな。押し返せ」

 「はぁぁぁぁぁぁ」

 ドカン

 凪の気弾が約十人の黄巾党を飛ばし。

 「一刀流剣術鎌鼬」

 「「「ギャァ〜〜〜〜〜〜」」」

 一刀の日陰から出る白い風の刃が黄巾党を襲い。

 「はぁぁぁ」

 雫の思いのこもった一撃が黄巾党の兵に襲い。黄巾党が逃げだしてきている。

 「やべ〜ぜアニキ。このままでは食料をやつらにとられちまう」

 「そんな事わかっている。ならさっさと敵を倒せ」

 「無理ですって、あいつらめちゃくちゃ強いんですぜ」

 「いいから行け」

 「ア・アニキ。大変だ」

 「今度はどうした」

 「食料が燃えていますぜ」

 「なに〜〜〜〜〜」

 黄巾党の大将が自分たちの陣を見てみると。そこには大きく広がる炎が見えた。

 「くそ〜〜。こいつらは囮だ。こうなったらずらかるぞ」

 「ま・待ってくださいよ。アニキ〜〜〜」

 こうして、一刀達魏の兵達は見事作戦を成功させたのである。

 「椿。お疲れ様」

 「いえ。私は主の命令に従っただけです」

 「それでもだよ。よくやってくれた。」

 一刀は椿を抱きしめた。

 「あ・あるじ〜」

 「お兄ちゃん。雫も頑張りました」

 「うん。初陣なのに良く頑張った」

 「えへへ」

 一刀は雫の頭をなでたら子供のように喜んだ。

 「お兄さん。お兄さん」

 「なんだい。風」

 「華琳さんから早馬が来まして、至急こちらに合流するように、だそうです」

 「わかった。皆疲れているところ悪いが出発するぞ」

 「「「御意」」」

 一刀達は華琳達の所に向かった。

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 「華琳」

 「来たわね一刀。そちらも成功したようね・・・その子・・・誰かしら」

 「この子は徐公明。俺の隠密かな」

 「隠密ね〜。隠密なのに昼間からどうどうとでてくるのもおかしくないかしら」

 「いや〜。武もなかなかできるから隠密だけじゃもったいないと思って」

 「隠密だけでなく武官としても使いたいわけね」

 「そうゆうこと」

 「公明。私の名」

 「曹孟徳様ですね」

 「そうよ。どうして」

 「拙者が主を見つける旅をしている時。第一候補が曹操様でしたので」

 「なら、今からでも私に使える気はないのかしら」

 「残念ながら拙者はもう主を見つけましたので」

 「そう。でも一刀の部下ならば私の覇業には手伝ってもらうわよ」

 「わかっています」

 「なら私の事は華琳と呼びなさい」

 「でしたら拙者の事も椿と呼んでください」

 華琳と椿が握手をした。

 「それで、華琳。俺達を呼んだ理由は」

 「それは、張三姉妹の居場所がわかったの。だからこれから叩きに行くわよ」

 「そうか」

 「あら、驚かないのね」

 「まぁ。昨日椿から報告受けていたから」

 「つまり、一刀は彼女らの居場所をわかっていながら食料庫襲撃をさせたのね」

 華琳が怒った顔で一刀を見つめる。

 「黙っていた事は悪かった。でも、そうしないともし張三姉妹に逃げられたら沢山の民が苦しむ。だから叩けるうちに叩きたかったんだ。たとえ逃げられても、復興させないためにも」

 「・・・はぁ〜。そこまで考えていたら怒れないじゃない。しかし今回だけよ。一刀。次に同じことをやったらそれなりの罰を与えるから」

 「わかった」

 「それじゃ、春蘭」

 「はっ。全軍出撃」

 春蘭の号令で魏の兵達は張三姉妹のいる北に向かった。

 

 「人和ちゃん。大変だよ。曹操の軍が来るって」

 「わかっているは、天和姉さん。今兵達を出したから」

 「だったら、今の内にちぃ達だけで逃げちゃおうよ」

 「そうだよ〜。三人でにげちゃお」

 「今は無理よ。もう少し待ってからじゃないと」

 「どうしてよ」

 「今逃げても絶対に誰かが探しに来るは、だから負ける寸前じゃないと」

 「・・・わかった」

 

 「突撃」

 春蘭の号令で魏の精鋭達が黄巾党に向かって行く。その先頭は号令を掛けた春蘭。その後ろから一刀が続く。

 「一刀。私に遅れるなよ」

 「それは、こっちの台詞だ。春蘭」

 一刀は日陰と斬月を抜き黄巾党に向かった。切り付けて来る剣を斬月で受け止め日陰で切る。春蘭は対して七星餓狼で剣ごとたた切っていった。

 「一刀。私は十六人やったぞ」

 「俺は二十一人だ」

 「ムッ。負けてたまるか」

 「勝つのは俺だよ。春蘭」

 一刀と春蘭が通った道には死体の道が出来ていた。

 「楽しそうね」

 「脳筋が二人もいる。一刀さんは違うと思っていたのに」

 「桂花ちゃん名に言っているのですか、お兄さんはちゃんと春蘭ちゃんの補佐もしながら戦っていますよ」

 「それより。お兄ちゃんと春蘭さん怖いです」

 「そうですね〜。片端に敵を倒していますね」

 「どうしてでしょうか」

 「グ〜〜〜〜〜〜」

 「風。起きなさい」

 「おぉ・・・。とても馬鹿らしい理由だったので現実逃避してしました。そうですね、お兄さんのことですから春蘭ちゃんと勝負しているじゃないですか」

 「勝負ですか」

 「そうです。春蘭ちゃんはお兄さんを武人として意識していますからね。お兄さんが煽ったのでしょう」

 「そうだな。姉者は暇さえあれば一刀と勝負していますから、その可能性はあると思います」

 「そう」

 「それでどうしますか華琳様。ここは一刀と姉者に任せて私達は西に陣を構えましょうか」

 「それでいいは、けれど凪には東のほうに行ってちょうだい。そっちに逃げられたら厄介だわ」

 「御意」

 「我々はこれより移動する。秋蘭は一刀と春蘭に伝令を出しなさい。桂花は黄巾党が逃げてきそうな場所に伏兵を配置しなさい。風たちはこのまま一刀と春蘭の補佐をしなさい」

 「「御意」」

 「あなたに言われなくてもわかっています」

 稟は華琳を睨み付けた。

 「稟ちゃん。もう少し華琳ちゃんと仲良くしましょうよ」

 「いいえ。私は曹操殿が嫌いなので」

 「あら、奇遇ね。私もそうなのよ。あなたとはいつか決着をつけたいと思っていたの」

 「それは、私もです。曹操殿」

 「「フ・フ・フ・フ・・・・・」」

 華琳と稟の背後には暗黒の炎が漂っていた。

 「流琉。華琳様と稟さん笑っているけど顔が怖いよ」

 「季衣。私達は気にしないほうがいいからあっち行こう」

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 「ここまで来れば大丈夫でしょう」

 「ちぃ達これからどうしようか」

 「そんなの決まっているよ。また私達三人で旅をするの」

 「そうね。天和姉さんの言う通りね」

 「それで、ちぃ達が」

 「大陸一番の・・・」

 「歌姫になろ〜〜〜〜〜」

 三人が盛り上がっているとき凪と椿が近づいていった。

 「盛り上がっているところ悪いが、お主ら張三姉妹とお見受けする」

 「なっ・・・」

 「くっ・・・こんな所まで」

 「どうしよう」

 「大人しく付いて来るなら何もしないが」

 「付いてこなかったら・・・・」

 凪は静かに構えた。椿はただそれを見ているだけ。

 「幸い。私には無手の心得があってな。お主らを無傷で捕まえる事ができる」

 「そんな硬い手甲でちぃ達を殴るの」

 「心配しなくても手加減はしてやる」

 「そんな問題じゃない」

 「助けに来ました。張角様」

 数人の黄巾党が張三姉妹の後を追ってやってきた。

 「お前ら、俺達の・・・・ぐはっ」

 「「「!?」」」

 話が終わる前にその男は椿によって殺された。

 「雑魚は黙っとく。それで、君達は拙者らに付いてくるのか」

 椿は右手に刀を持って三人に近づいた。

 「・・・・わかったわ。投降します」

 「人和・・・・」

 「れんほーちゃん・・・」

 

 「華琳様。逃げた黄巾党を追う追撃隊。出発しました」

 「後で暴れられるのも困るものね。まとめて捕まえなさい」

 「はっ」

 「それで・・・あなた達が張三姉妹かしら」

 「そうよ。悪い」

 華琳の前に出されて張宝が怒り気味で返事をした。

 「貴様。華琳様に向かって何たる無礼を」

 「春蘭。少し黙っていなさい」

 「そんな〜。華琳様」

 春蘭は拗ねて秋蘭の横に着いた。

 「椿。間違いないかしら」

 「ええ。間違いありません」

 「それで、どうしてこんな事をしたんだ。聞いた通り。どう見てもただの旅芸人じゃないか」

 「・・・色々あったのよ」

 「色々ねぇ・・・」

 「なによ。どうせ話しても斬る気でしょう!ちぃ達に討伐の命令が下っているのだって、知ってるんだから」

 「それは話を聞いてからのことよ。それにあなた達の正体を知っているのはおそらく私達だけよ」

 「へっ?」

 「そうよね。一刀」

 「ああ。君達ここ最近華琳の領地から出てないだろう」

 「それは・・あんなに探索や国境の警備が厳重にされたら・・・」

 「それで俺達以外は名前だけで顔が割れてないんだ」

 「それじゃちぃ達は」

 「それは、私の出す条件を飲んだときだけよ」

 「なによ。この場を惜しんで強制」

 「それで、その条件とは」

 「人和」

 「だまっていて、ちぃ姉さん。私達には条件を飲む以外は生きる事はできないから」

 「よくわかっているじゃない。それでは言うわね。・・・あなた達のその人を集める才覚は相当のものよ。それを私のために使いなさい」

 「それだけですか」

 「えぇ、それだけよ。活動に必要な資金は出してあげましょう。活動地域は・・・そうね。私の領地なら、自由に活動してかまわないわ。通行所も出しましょう」

 「・・・わかりました。その条件飲みます」

 「それじゃ、決まりね。これから私のことは華琳と呼びなさい」

 「これからよろしくお願いします。華琳様。私の名前は張梁。真名を人和といいます。・・・ほらちぃ姉さん達も」

 「う〜。しかたないわね。張宝よ。真名は地和。これでいいわね」

 「張角だよ〜。真名は天和。よろしくね」

 天和達が仲間に加わり。その場にいた魏の将達が真名を名乗って言った。

 

 夜。一刀の天幕

 「一刀様。いらっしゃいますか」

 「いるよ。万里」

 「そ・その。失礼します。・・・ん!か・・一刀様!」

 万里が天幕に入ったとたんに、一刀に唇を奪われた。

 「我慢していたんでしょう。だから・・・ん・・・ちゅ・・」

 「その・・・ん・・初めて・・ん・・なので、・・や・・ん・・やさしく・・」

 「わかった。・・やさしく可愛がってあげるよ」

 「はい」

 その夜。一刀の天幕から万里の声が響き続けた。

              第十一章 完

 

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「第十一章終了」

「やっと黄巾終わりか〜」

「次は連合だね〜〜。天の御遣い様」

「今は魏の懐刀だ。・・・そういえば呉にも懐刀いたな」

「あぁ〜〜。甘寧だねそれは」

「鈴の音甘寧か。怖くね」

チリン チリン

「うわっ」

「アハハ、一刀見てみて。さっき買ったのどうしたの?」

「お前、殺す」

「冗談だって、そういえば万里が探していたぞ。「一刀様どこですか〜〜。仕事してくださ〜〜い」って」

「そうだ、忘れてた」

「なら、早く行きな」

「あぁ・・・」

タ・タ・タ・タ 

「それじゃ、一刀も居なくなったのでこれまで、BY]

説明
等々、張三姉妹の居場所がわかっいた一刀達。果たして一刀達は黄巾の乱を終わらせる事ができるのか
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2P今夜誰とス後すのかしら→今夜誰と過ごすのかしら、と、麻婆豆腐と、ではなく麻婆豆腐を、直した方が。(黄昏☆ハリマエ)
一刀種馬過ぎるぞw(不知火弐型)
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